ヴァンドレッド the second stage連載「Eternal Advance」




Chapter 22 "Singing voice of a spirit"






Action12 -願寺-








"マスターの生命反応を感知"

"見つかったのね! 何処に居るの!?"

"……"

"何処に居るのよ、ソラ。早く教えなさい!"


"感知できないのですか、ユメ?"

"っ……"


"『負の意識』に脅かされたのですね"

"う、うるさい、うるさい!"

"人を知ることで、人の負に触れる。負の意識に脅かされたのであれば――"

"黙れと言っているでしょう!"


"貴女は、人を知らなかったのですね"


"し、知っているわよ。人間なんてどいつもこいつも、バカ揃いの無能じゃない!"

"マスターは人間ですよ"

"ますたぁーは特別。ただ一人の、ユメのますたぁーだもん!"

"カルーアと呼ばれる赤子も、人の子です"

"あの子はこれから、おねーちゃんのユメがきょーいくするの!"

"貴女を友達というシャーリーという少女も人間です"

"あ、あんなの、単なる家来で――"


"貴女に歯向かったツバサは、殺さないのですか?"


"……っ"

"貴女を殺すと言っていますよ、ユメ"

"……こ、殺せる訳が……"

"不可能ですね。少なくとも貴女は彼女の手の届かない所にいる"

"そうよ! あんなのにユメが殺せるわけないわよ!"


"けれど、あの子は――貴女が死ぬまで、諦めないでしょうね"


"! ま、ますたぁーは生きてるし、ユメを殺す必要は……"

"必要があるから、貴女は人間を殺すと言っているのですか?"

"鬱陶しいわね……何がいいたいのよ!"



"貴女は、怯えている"



"――"

"人に、怯えている"

"こ、怖くなんて……"

"マスターに、怯えている"

"ユメはますたぁーの事が大好きだもん!"


"マスターに否定される事に、怯えている"


"!?"

"このまま『負の意識』に取り込まれてしまえば"

"や、やめて……"



"ユメ、貴女という存在が消えますよ"

"やめてえええええええええええええええええええええええええええええええ!"



"……"

"えぐっ、グスッ……どうしろってのよ"

"間違いを犯したのであれば、謝罪する。人はそうして学んでいくのです"

"謝る……?"

"自分の過ちに、気付いているのでしょう"

"……でも、怖い"

"……"

"怖いのよ、ソラ"


"時が来たのですよ、ユメ"


"やはり、ますたぁーは『接触した』のね"

"必ず、『精霊との対話』を試みるでしょう"


"地球の真実を知る"

"己の真実を知る"


"そして――"



"ソラへと、辿り着いて"

"ユメは、消える"























<to be continued>







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