ヴァンドレッド the second stage連載「Eternal Advance」
Chapter 22 "Singing voice of a spirit"
Action1 -磁気-
――磁気嵐とは惑星により生じる磁場が通常の状態から乱れて、激しい磁場の変化を生み出す現象である。
宇宙で発生する磁気嵐の発生原因の詳細は今でも明確に解明されていないが、磁場の発生はそもそも主に惑星の電離層等を流れる電流に起因すると言われている。
主成因の多くは惑星内部から発生するが、惑星表面から外に向けて発生する荷電粒子等にも原因はある。この磁性を有する物質による磁場の乱れが問題なのだ。
この磁気嵐は常に一定ではなく、絶え間なく変化していると――"彼ら"は、語る。
『小難しい事はアタシにも分からねえが、少なくともあの宙域では数年から数千年程度の時間スケールで磁場変動が起きているらしいよ』
『数年から、数千年!? ということは――』
『磁気嵐が収まるのを待つってのは、お前さんの人生全部費やしても徒労に終わるという事だな』
ラバットやリズが共有してくれた情報を含めて、今後について相談を重ねていく。
『少なくともあの近辺に、人が住む惑星はありはしないね。大概の人間は自分が住んでた惑星を放棄して、此処に逃げ込んで来ちまってる』
『ラバットのおっさんが言っていた通りか』
『好んで住む場所じゃないからね、あそこは』
『となると、これ以上の戦力強化は望めないか。欲をかいても仕方がないけどな』
『一応言っておくけど、アタシらは助けには行けないよ。本番までは温存だ』
協力を得られそうにないのは、よく分かっている。ラバットやリズは決してお人好しなタイプではない。
同盟を組めただけでも儲けものと見るべきだろう。少なくとも磁気嵐の情報は得られた。かなり悪戦苦闘させられるだろうが、背に腹は代えられない。
それに――
『自然の猛威もやりようによっては、利用できるからな』
過去からの情報を元に少年は未来を目指して、今と戦う。
<Chapter 22 "Singing voice of a spirit" 開幕>
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