とらいあんぐるハート3 To a you side 第十一楽章 亡き子をしのぶ歌 第七十三話
CW社本会議室。聖王教会より出向中のローゼが万全を期してセキュリティ対策を行った部屋で、関係者一同が全員席についている。
俺と副隊長のオルティア、イリスの関係者であるユーリ、そして事件を起こしたキリエと姉のアミティエ。妹さんも護衛として立っているが、本人は口を挟まない。
会議の場を整えたオルティアはアミティエが持ち込んだ通信機器を操作して、遠き惑星エルトリアへとアクセスを試みている。キリエはよほど心苦しいのか、唇を青く震わせている。
やがて本会議室のスクリーンに、一人の女性が映し出された――キリエやアミティエ、フローリアン姉妹の母親だ。
「お初にお目にかかります。私は特務機動課隊長を務めている宮本良介、事前に話を通していたこのオルティアの上官です」
『お話は全てオルティアさんより伺っております。私はキリエとアミティエの母、エレノア・フローリアンと申します。
このような通信画面越しで誠に恐縮ですが、まず謝罪をさせて下さい。
この度はうちのキリエがご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ありませんでした!』
通信画面を通じて深々と頭を下げる母親に合わせて、席から立ち上がった姉のアミティエも一緒に頭を下げる。キリエは頭を下げる二人を見て恐縮するばかりだった。
正直に言うと母親や姉よりも、キリエの気持ちがよく分かる。孤児院時代、よく悪さをしていた俺の代わりに、普段は態度の悪いヒミコが頭を下げてくれていた。何故か、ガリも一緒に。
後で思いっきり頭を殴られたが、今にして思うとあのゲンコツは俺の罪悪感を痛みで和らげてくれたのだろう。ガリも無言ではあったが、布団の中まで一緒に潜り込んで慰めてくれた。
罪を感じている自分の代わりに、何の罪もない家族が頭を下げているのである。自分が責められるより辛いだろう。
「ママ……ア、アタシ……!」
『アミタ――アミティエから全て、話は聞きました』
「っ……ご、ごめん、ごめんなさい……でもアタシ、どうしてもパパを助けたくて、エルトリアをどうにかしたくて……」
『謝るのは私の方よ、キリエ。貴女の辛い気持ちを分かってあげられなくて、本当にごめんなさい』
「違う、違うよ! アタシがバカだったの、イリスのいう事を信じて……都合の悪い事から目を逸らしてしまったから!」
『でも今は自分の罪を認めて、反省しているのでしょう。聖王様とまで呼ばれている立派な方に諭されたと聞いたわ。
お説教は後できちんとするとして、今はまず犯してしまった過ちに対してきちんと責任を取りなさい。貴女ならそれが出来ると信じているわ、キリエ』
「うう、ごめんなさい、本当にごめんなさい……!」
そして何よりも、怒られる事より優しくされる事が何よりも辛い。合わせる顔がなかったキリエは母親からの優しい言葉に、泣き崩れてしまった。アミティエが傍で励ましている。
予定調和だったので、俺としては別にかける言葉はなかった。キリエ本人はイリスに騙されていただけだし、犯した罪と言えば闇の書を奪った事くらいだ。
聖遺物強奪は立派な重罪なのだが、事件は武装テロにまで発展しているので、そちらの被害については隠れてしまっている。そもそもあの魔導書、改竄されて無害な本になっているしな。
どうせリインフォースとセットだろうから、あいつをどつき倒して一緒に回収すればいい。奪われたからこそ蒼天の書=闇の書という認識となって、こいつらとしてはむしろ都合が良かった面もある。
『聖王様とお呼びすればいいかしら。異界の地で苦悩していたキリエを諭し、導いて下さってありがとうございました。
貴方様のおかげで、キリエは思い留まることが出来たのだと思っています』
「そう畏まらずに。王を名乗っておりますが、実質は領主代理のようなものです。神様の真似事をして、皆の自立心を促す責任者を務めているにすぎません。
キリエさんにもついても同様です。彼女が優しいご両親に愛されて育っていなければ、二の足を踏む事はなかったでしょう。立ち止まれたのは、キリエさんの優しさあってのことです」
『本当に、申し訳ありませんでした。自ら足を運べず心苦しく思いますが、いずれ必ず直接謝罪させて下さい』
謝罪大会になってしまっているが、通過儀礼でもある。子供の遊びであればゲンコツ一つで済むが、大人の犯罪となると罪と罰を必ず問わなければならない。
俺自身は本当に何とも思っていないのだが、だからといって鶴の一言でキリエを許す訳にはいかない。強奪事件は既に起きてしまっているのだから、責任の所在は問わなければならない。
本来であれば聖王教会や時空管理局に自首させるべきなのだろうが、キリエは俺の依頼人でもあるので職権を思う存分乱用するつもりでいる。
駄目な大人の見本だが、せっかく手に入れた権力を思う存分仲間を守るために悪用させてもらおう――どうせイリスが悪いしな。
『話は尽きませんが、一旦仕切り直しましょう――オルティア』
「改めて失礼いたします、エレノアさん。先日もご挨拶させていただきましたが、隊長の副官を務めているオルティアと申します。
此度起きた事件についての詳細な説明を行いますので、事件解決の捜査協力をお願いいたします」
『勿論です。本来であれば父も同席させるべきなのですが、本日は容態が優れず出席が困難な為、私が代理で協力させて頂きます』
「ママ、パパの具合はどうなの……?」
『大丈夫、今はゆっくり休んでいるわ。キリエのことはまだ話していないから、後できちんと話しましょう』
「うん、アタシから必ず伝えて謝るよ。あのねママ、魔法使いさんがエルトリアの復興とパパの病気のことで力を貸してくれることになったの!」
「……次の任務が勝手に決まりましたね」
「す、すいません、何卒よろしくおねがいします」
極秘情報まで打ち明けたオルティアにさえなかなか言い出せなかった事を、実に清々しくバラしてくれやがったキリエさん。イリスを逮捕することより難しい案件が、次に待ち受けています。
当然キリエの母君は目を丸くして驚いているが、解決する手段が無さすぎるので今はツッコまないでもらいたい。生命操作能力のあるうちの娘頼みくらいしか手がないしな。
いずれにしてもまずは、イリスのことを解決しなければならない。話を進めるように急かすと、美人な副官は呆れたように溜息を吐いて説明を始める。
惑星エルトリアより始まった因縁――イリスとユーリの出会いより始まった、悲劇の物語を。
「主犯であるイリスは惑星再生委員会という組織が作成した生体テラフォーミングユニットだと、隊長に自白したそうです。何か心当たりはありますか」
『惑星エルトリアの廃教会で、キリエが発見した遺跡版に宿る人工知能というのは以前から知ってはいました』
「えっ、ママはイリスのことを知っていたの!?」
「――以前にも少し話題にふれましたけど、私もイリスの事は前から知っていましたからね」
「どうして!? 二人にはアタシ、一度だって言ったことなかったのに!」
『親に隠し事は出来ないということです、キリエ』
「姉に隠し事が出来ると思っていたんですか、キリエ」
周知のあまり、会議机に突っ伏す妹のキリエさん。子供は自分の秘密基地を内緒で作って喜ぶものだが、実は大概身内には知られていたりする。子供のやることだからね。
イリスは惑星エルトリアの廃教会で眠っていた、遺跡版とやらに宿る人工知能。闇の書の力を引き出して実体化して今、ミッドチルダに乱を起こしている。
詳細を聞いたユーリに目を向けるが、首を振っている。本人はやはり、覚えていないらしい。ただ寂れた教会で静かに眠っていたという点に、ユーリなりの優しさが感じられた。
イリスより聞き出した情報を受けて、エレノアさんが分析してくれる。
『詳細は調べてみなければ分かりませんが、惑星再生委員会については知っています。私や夫の親の世代が所属していた組織です』
私が子供の頃、両親が務めていたこの惑星再生委員会の庇護下におりまして、夫とは幼馴染でした』
「と、いう事は――」
『イリスについて――そしてユーリちゃん、貴女の事は存じています』
ユーリが目を見開いて、息を呑んだ。本人はイリスより話を聞いた今でも半信半疑だったのだが、この瞬間確信へと変わったのである。
共通の知人であるキリエも、驚愕に言葉を失っていた。人間関係というのは単純な横の繋がりだけではない、縦横無尽に広がっている。
絡み合う糸は因果となって、愛憎を交えて因縁となってしまう。イリスはユーリを激しく憎みながらも、裏切ったキリエのことは割り切れずにいた。
キリエを止められなかったことに罪悪感を感じているのは、万が一を思っているからだろう。イリスの事に気付いていれば、娘の暴走を防げたかもしれないのだと。
『イリスという名前はマスコットネームで、型式『IR-S07』という番号が刻まれた生体テラフォーミングユニットです。
機械ではありますが人間同様の学習能力があって、委員会の面々からも家族のように愛されていた女の子でした。
特に惑星再生委員会の所長であった"フィル・マクスウェル"という人には、親子のように慕われていましたわ』
「――フィル・マクスウェル所長、イリスが父親のように愛していた男性」
『本当に何も覚えていないの、ユーリちゃん。私も当時子供だったけど、所長は貴女のことも大切にしていたのよ』
「イリスも確かにそう言っていました。ですが申し訳ありませんが、わたしにとってのお父さんはここにいます」
どれほど過去の愛を囁かれようと、ユーリ・エーベルヴァインは揺るぎもせず俺の娘であることを誇る。エレノアさんが哀しげな顔を見せるが、ユーリの表情は変わらなかった。
イリスの話では、暴走したユーリがその所長を殺したのだと呪っていた。エレノアさんの話だと実に良心的な人間に聞こえるが、ユーリに哀切の色は全く無い。
確かに薄情にも見えるだろうが、違う。ユーリは俺達家族を心から大切に思っており、過去に縛られて今をないがしろにする事を良しとしないだけなのだ。
こうして過去の記憶を追っているのはあくまで、友人だったイリスを救うために必要としているから。
『マクスウェル所長は並外れた技術力を有する研究者でして、イリスも彼の作品です。そんな彼が惑星の再生に尽力していても、なかなか成果を挙げられませんでした。
最後の一ヶ所となるまでに衰退した委員会を維持するのが精一杯で、組織を運営する上層部と予算の交渉を行うのに苦悩されていたようです』
(お前の推測していた通りだったな、オルティア)
(恐れ入ります)
荒廃している惑星エルトリアの再生は並外れた技術力を有する研究者でも不可能な事業であり、イリスやユーリが力を貸しても目立った成果を挙げられなかったようだ。
悲痛な過去を聞かされて、改めて気が重くなった。彼らにとっては過去の話かもしれないが、俺にとってはこれから取り組まなければならない事業なのである。
安請け合いしたつもりはないのだが、惑星再生委員会とまで呼ばれた組織でも不可能だった難事を、はたして半年以上前まで日本で放浪の旅していた男に出来るのだろうか。
頭の痛くなる問題だが、惑星再生委員会が過去に起きた悲劇は俺の苦痛など厭わないほどに根深かった。
『イリスの言う通り、今から40年程前に確かに事故は起こりました』
「死傷者が大量に出たと、本人は言っていましたが……?」
『間違いありません、惑星再生委員会は私達を含めたごく少数を残して全滅しました。マクスウェル所長の死亡も確認されています』
「っ……」
『事件が起きた後、ユーリちゃんは姿を消しました。マクスウェル所長や委員会メンバーを殺された後、イリスも機能不能になって強制的に眠ってしまったのでしょう。
あの廃教会に思念データのみで残留していたのには驚きましたが、テラフォーミングユニットとしてのエネルギーさえあれば生存は可能だったのかもしれません。
いずれにしても惑星再生委員会は崩壊し、組織の理念を受け継いだ私達が家族として活動していました。それが今です』
話を聞き終えたユーリは、自ら起こしたという事故に対して顔を俯かせている。全く記憶にない事故を自分が起こしたのだと第三者に告げられて、無関心ではいられないようだ。
イリス一人なら思い込みや勘違いで済ませられたかもしれないが、当時子供だったとはいえ事故のことを知る人間より語られては、もはや他人事ではいられない。
だが、どうしても気にかかる。シュテル達が話していた生誕秘話と、結びつかないのだ。
ユーリは闇の書の最深部に封印されていた永遠結晶エグザミア、その核とする特定魔導力とする無限連環機構の『システムU-D』であると言っていた。
自分の意思とは無関係に破壊してしまうシステムである事を自覚していたので、周囲に悪影響をもたらさないように眠っていたのだ。法術によって初めて実体化したと聞いている。
何故惑星エルトリアで、勝手に起動したのだろうか。当時起きたとされる悲劇は、ユーリにとって想像の範囲内だったはずだ。彼女は自分の危うさを自覚していたのだ。
暴走事故が起きてしまうのは当然であり、ユーリが自覚できないはずがない。それでも活動していたのであれば、ある程度コントロールできていたのではないだろうか?
「貴重な情報を提供していただきまして、ありがとうございました。主犯であるイリスの動機が判明し、裏付けを取ることが出来ました。
隊長が先日イリスとコンタクトを取りまして、テロ活動の中止を条件に、ユーリさんとの対決を交渉しております。
少なくとも今後、無関係な第三者が巻き込まれる事態になることはないでしょう」
『オルティアさんにも先日お礼を伝えましたが、改めてお礼を言わせて下さい聖王様。事件こそ起きてしまいましたが、貴方様のおかげで最悪は回避されました。
特にキリエを保護して優しく説得し、導いてくださったことは感謝してもしきれません。本当に、ありがとうございました』
「どうか頭をお上げください。私もまたお嬢さん達にはお世話になり、この生命を救っていただきました。
彼女達が支援してくれなければ、私は力尽きていたでしょう。ユーリもお世話になっているのです、お互い様ですよ」
心からの言葉である。キリエやアミティエのように美しき女性と出会い、彼女達の生命力そのものである強さを知って俺は救われた。
才能だけにとらわれていた俺に対して、フローリアン姉妹は過酷な環境に耐えうる原初の強さを教えてくれたのだ。人間らしいその強さこそ、俺に必要な力であった。
ユーリの能力によって創造された肉体は、彼女達の技術と強さによって完成したのである。救われたのはむしろ、俺の方だ。
心からの感謝を伝えたのだが、むしろ謙遜だと受け止められたのか、キリエは涙ぐんで必死に首を振っている。俺のおかげなのだと、切に訴えていた。
「エレノアさん、わたしの過去を教えて下さってありがとうございました。当時何があったのか、何が起きてしまったのか、わたしの心情は知る由もありませんが――今、この心はあります。
エレノアさんの仲間であるみなさんまでわたしが殺してしまったのかどうかは分かりませんが――
ミッドチルダを巻き込んでまでイリスがわたしを殺そうとしている以上、少なくともマクスウェル所長さんを殺したのはわたしで間違いないと思います」
自分の罪を認めたユーリに対してエレノアさん達は息を呑むが、ユーリ本人に表情の変化はない。恐らく、イリスと話した時に覚悟を決めていたのだろう。
剣士の娘であるのならば自分の手を血で染めることを、決して躊躇わない。大切な人を守ると決めたユーリの決意は、情に流されなかった。
分身ではあったが、俺もマリアージュを殺している。あの時躊躇うことなく、敵を斬った。反省や後悔はなく、今も戦い続けている。これが覚悟なのかどうか、分からない。
優しいユーリはそれでも、他人を思い遣る気持ちを忘れていない。
『……イリスが事件の真犯人だというのであれば、私としても他人事ではありません。キリエが巻き込まれたのも、私が関わった過去が原因なのは間違いないでしょう。
出来れば直接足を運んで皆さんに協力したいのですが……』
「イリスは必ず、私が止めます。わたしに任せていただけませんか」
『あの子を止めるというのね、友達として』
「はい、わたしに優しさを教えてくれた子だから」
柔らかく微笑んで頷くユーリに、エレノアさんは涙を滲ませて頭を下げた。辛い過去がありながらも、彼女はユーリを責めようとはしなかった。
マクスウェル所長という人は、彼らにとっては家族同然の大切な人だったのだろう。殺されたとあれば許せないはずなのだが、イリスと同じく糾弾したりはしない。
恐らく、俺と似たような印象を覚えたのではないだろうか。ユーリは記憶を失った今でも、優しさを忘れていない。イリスのことも大切に思っている。
ならばイリスを守り、マクスウェル所長を殺した理由は――
「必ず事件を早期に解決し、キリエさんの依頼通り惑星エルトリアの開拓事業に取り掛かります。
こちらは既に優秀なスタッフを選出しており、ご病気であるお父上の事に関しましても本日専門家をお呼びしています。
私やオルティアは一旦退席させていただきますが、引き続きお時間頂いてもよろしいでしょうか」
『キリエがそのような依頼まで……この御恩は決して忘れません!』
「礼には及びません、キリエさんやアミティエさんにも事件解決の全面協力をして頂いているのですから――オルティア、ジェイル博士とウーノを呼んでくれ」
「承知いたしました。では我々は一度、失礼させて頂きます」
キリエさんたち家族一同が揃って頭を下げてくれる中、俺達はスタッフを呼び出して一度退席する。
惑星エルトリアの件はともかく、重い病に侵されている親父さんは事件解決まで持たないかもしれない。延命処置は確実に必要だった。
ジェイルには既に話を通している。慈善事業なんぞ引き受ける男ではないが、惑星エルトリアの技術には興味津々なので交渉することが出来た。ウーノは呆れていたけど。
オルティアと二人、並んで歩いていく。
「――オルティア」
「承知しております。惑星再生委員会とマクスウェル所長、暴走による事故が本当に起きたのであれば本局のデータベースに保管されている可能性があります。
予算の都合で上層部と交渉に難航していた直後に起きた、事故――偶然に起きたタイミングとは思えません。
エレノアさんより惑星再生委員会に関する詳細データを提供して頂き、マクスウェル所長を徹底的に洗い出します」
耳打ちすると、一から千を察する頭脳明晰な副隊長が首肯する。俺はユーリを信じており、副隊長は俺を信じてくれている。怪しいのは誰か、俺達は早速決めつけた。
エレノアさんより聞き出した所長の印象は善人そのものだが、あくまで印象論である。善人面した悪党なんぞ、この世には山ほどいる。
ユーリは、父親のように慕っていた人間を忘れるような子じゃない。それでも覚えていないのであれば、覚えるような価値のない人間だったのだ――イリスの事も思いっきり忘れているけど。
オルティア副隊長は元傭兵団の団長であり、短期間で大部隊の副隊長にまで出世したエリートである。陰謀があるのであれば、必ず暴き出してくれる。
「理由はどうあれ、ユーリが人を殺したのは事実だろう。捜査官として何とも思わないのか」
「今の私は、隊長の副官です。正義の是非は、隊長に委ねています」
「責任重大だな」
「ご理解いただけて何よりです」
後は、決着をつけるだけだ。
<続く>
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