とらいあんぐるハート3 To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第十五話




 異世界ミッドチルダへ来てからも、基本的な生活習慣はあまり変わらない。文化や技術の違いが大きくあれど、魔法という異端があろうと、人間は何処にいてもさほど変わらない。

利き腕を取り戻してから剣術修行も再開し、異世界へ訪問しても毎日修行は続けている。指南役のザフィーラやのろうさ、補佐役のミヤやアギトが同行してくれた事が大きい。

そして何よりフィリスより託された、自分の剣がこの手にある。俺が剣士である唯一の証である竹刀は、日頃より竹刀袋に入れて帯剣している。この剣がある限り、俺は変わらずに済む。

師匠である御神美沙斗より、ドイツの地で戦いにおける知識の全ては叩き込まれている。自分の剣と師の知識、指南役と補佐役。異世界でも全てが揃っている俺は、幸せ者だ。


日頃忙しくても朝早くから起きて基礎鍛錬に始まり、戦闘訓練と魔法修行を続け、汗水流して弱い身体と心に鞭を打っている。少しでも強くなるべく、あらゆる可能性を追求する。





「"ギア2nd"は血液促進による身体能力向上、"ギア3rd"は変身魔法と強化魔法による身体成長促進なのね。血液の促進なんて無茶な芸当、どんな原理でこなしているの?」

「家系の体質です」

「ふーん、体質ね……まあいいよ。クイントおばさんからも頼まれてるし、技の完成を手伝ってあげる。でもすずかちゃんにしては珍しく、急いでいるのね」

「"呼ばれました"。この地には、わたしの敵がいます」





「――可能か?」

「プランの一環であれば、司祭様より許可を得られれば教会の機材で検査は行えます。貴女も保護対象の一人、融合騎としての機能を調べるのは問題ありません。
ですが、正直申しますとあまりお勧めは出来ません。前例のない方法ですし、お二方の規格に沿わない場合――最悪、修復不能となりますよ」

「アギトちゃんといっぱい話し合って、決めたんです。のろうさちゃんにもいっぱい怒られましたし、お姉様やはやてちゃんもきっと悲しむでしょう。
でも一生懸命頑張るリョウスケの為に、ミヤも何かしてあげたいんです。元々ミヤはイレギュラーですし、いっぱい幸せをもらえました」

「これはあいつとアタシの取引だ。あいつがてめえの人生かけて勝負してるってんなら、アタシだって命くらい懸けるさ」

「ユニゾンの更なる可能性、ですか……ご立派です、お二人共」

「では練習を続けますよ、アギトちゃん。Mothra Ya Mothra〜」

「Dengan Kesaktian――あのさぁ……この歌、意味あるの?」





「剣士様――貴方様は、もしかすると」

「はは、やっぱり分かってしまうか。実は見ての通りの実力だったんだ、期待させておいてすまなかったな」

「いえ、逆です。私は貴方という御方を心より、尊敬いたしました。あの方の力になろうとしながらも、俗に没して我が身を哀れんでいただけの自分が恥ずかしくなります」

「一つ聞かせてほしい、剣士。君は、怖くはないのかい?」

「小細工を弄そうと、戦いは恐らく避けられないだろう。仲間の力を思う存分借りる気でいるが、自分も必ず前線へ立つ日がきっと来る。
傭兵一人、チンピラ一人にさえ、俺は多分苦戦させられる。リーダー格なら九分九厘殺されるだろうが――不思議と、怖くはないな。

見切りをつけた自分の為ではなく、誰かの為に頑張ろうとしているからかもしれない」

「その誰かが御主人様にとって、その……聖女様、なのですか?」


「たった一人の女のために頑張れるようなヒーローじゃないよ、俺は。自分一人、他人の一人の為だけなら、怖くて思いっきりビビっちまうさ。
懸けるチップが大きいほど、負けられない気持ちも強くなる。守る人達が多ければ大きいほど、強くなろうとする気持ちも強くなる。

恩を返そうとする気持ちが――他人を守る、力となってくれる」


「――無限の猟犬(ウンエントリヒ・ヤークト)」

「うん、どうした急に……?」

「無限の猟犬(ウンエントリヒ・ヤークト)、僕が保有する古代ベルカ式のレアスキルさ。このように魔力で生み出した猟犬を放つ事で、探査・捜索を行う事が可能だ。
ステルス性能があるので目視や魔力探査に囚われず、運用距離の制限もないので聖地のあらゆる箇所を探索出来る」

「レアスキルではありませんが、私は瞬間的な距離移動を行う跳躍系の技能を保有しております。セキュリティや障害物を越えて、移動が可能です」

「! あんたら、自分の切り札を……!?」

「霊障の探索だけじゃない、今日から君が成そうとするあらゆる事を補佐する。僕達の能力はきっと、君の力になれると思う」

「ロッサが探索し、私が現場へ急行する。ディアーチェ殿とも連携して、この聖地に蔓延る問題の全てを解決しましょう」

「いいのか、そんな真似をして。教会側ではなく、俺個人の事情に完全に巻き込まれるぞ」

「今、確信したのです。貴方様こそ聖女様の護衛に相応しく、貴方様が潰えれば聖女様の御身は破滅してしまう。それに先程申し上げた通り、私は強く後悔しております。
聖女様の御力になりたいのであれば、私自身が率先して事に当たるべきだった」

「言ってみればこれも罪滅ぼしみたいなもんさ、気にしないでくれ。目の前で起きている問題にずっと目を背けているのも、正直もうウンザリしていた。
僕達にとって、ここは故郷だ。故郷の地で身勝手な真似をする輩を、僕は断じて許せない」

「シスターや査察官候補様がそんな熱血でいいのか、全く……いいさ、思う存分やってくれ。責任が全部、俺が取る」

「御主人様、私も御主人様の為に頑張ります。私に出来ることがあれば何でも仰って下さい!」

「じゃあ、お茶を入れてくれ」

「うう、娼婦の次は、お茶汲み……いえ、不満なんてないんですけど、もっとこう何か……」





「博士より学んだ科学技術、忍様より培った製造技術、ミッドチルダの魔法技術の全てを用いて、セキュリティシステムを構築致しました。
ハードウェア、ソフトウェア、データ、ネットワーク強化による機密性や完全性の常時運用により、対災害及び対人災のあらゆる可能性を考慮したシステムとなっております。
自治領である聖地は独自の運用システムを構築しており、掌握するのに比較的手間が掛からず済みました。聖地内のあらゆる箇所で問題が発生しても、第一にこちらで把握出来ます。

万が一ミサイルが飛んできても対応可能です。例のプランについては申し訳ありませんが進捗は滞っております、忍お嬢様」

「ローゼでも厳しいか……自動人形生成技術とデバイスのAI、そしてガジェットシステムを用いた"フレンド・ガジェットドローン・システム(仮)"
異世界ミッドチルダの技術も使えば実現可能だと思ったんだけどな、うーん……科学に詳しい専門家とか、頭の良い人材が欲しいな。
もし完成したら、マスコット的なちっちゃくて可愛いガジェットを作るのもいいね。やっぱり大学行くのはやめて、こっち専門で侍君と生きていこうかな。

ちいさいガジェットだから、このマスコットの名前は――」

「数ある依頼を請け負ったこの"街"の担当官と面会し、交流所の許可を正式に頂けました。交流板設立も認可して頂いたので、本日より稼働したします。
既に数多くの依頼を民の方々より承っておりますので、既に交流板に依頼内容を掲載しております。仕事を求める実力者達とも接触し、"白旗"の理念に協力して頂きましょう。

――他意はありませんが、もし父上に礼を述べられるのであれば、私の仕事であることを伝えて下さい。右腕に相応しい娘であると、是非!」

「帳簿もロクにつけてない……個人事業主なのに?」

「ひっ、す、すいません、アリサさん!?」

「怒ってないわよ、呆れているだけ。あたしも経済については学んで数ヶ月なんだから、上も下もないわ。お互い一緒に学んで経験を積みましょう、マイア。
まずは個人事業主の帳簿のつけ方から教えてあげる。それと現金出納帳も見せて、チェック入れるから」

「やべえ、家具とか作るのがすげえ楽しい……建築ってのも、結構面白いな」

「配置については私にお任せ下さい、のろうさ様。午後は、この世界のインテリアを見に参りましょう」

「先ほど一通り見回って、修繕は全て終えているのを確認した。ノエル殿の仕事は確かなもので安心できる。
安普請の上に老朽化も激しい宿だ、改善の余地はまだまだあるだろう。後はこの宿をどう人々に見せていくのか、手腕の発揮が試されるな」





 一人一人今自分に出来る事を見定めた上で、次に何が出来るのか考えている。修行や勉強等人それぞれやり方は違うが、弛まぬ努力を積んで精進している。

自分の役割を見出し、懸命に努力して結果を出す。当たり前のことを当たり前に行う難しさを、俺達はよく知っている。だからこそ焦らず、着実に身に着けていっている。

今日も朝から、我が家は実に賑やかだった。やるべき事が多いというのは、人生が実り豊かな証拠だ。神様なんてさほど信じていないけど、今日も健やかな日が訪れた事を感謝するとしよう。


一通り汗をかいて宿へ戻ってくると、この宿改築後初めてのVIPが優雅に朝のティータイムを楽しんでいた。実に意外だが、娼婦の茶法はカレイドウルフのお眼鏡に叶うものらしい。


「朝早くから泥臭い汗を流すなんて、田舎者らしい無作法ね。せいぜい小汚く一生懸命労働して、日銭を稼ぐといいですの」

「ありがとうございます。労働の対価は、人生への報酬となります。今日も一日、励むといたしましょう」

「ふん、相変わらずつまらない男ですの。まあ、いいですの。お前のその馬車馬人生も、今日限りですから。セレナ、紹介してやりなさい」

「承知致しました、カリーナお嬢様」


 紹介……? 最初は権力、次は金、昨日は出会い頭の資金提供。今日は朝から商談を持ち掛けるとか言っていたが、今度は何を取引材料としてくるのだろう?

もはや定番となった田舎者の仮面をつけて、メイドのセレナより一冊の本を受け取った。シンプルだが高級素材の装丁、表紙には何のタイトルも記載されていない。

受け取って開いてみると、麗しい女性の写真と見事な経歴が書き記されていた。もしかしてこれ、プロフィール帳か……?


一人や二人ではない、何人もの顔ぶれが揃っている。異世界に詳しくはないが、大物であることは窺える。容姿も俺達庶民には及びもつかない程、洗練されている。


「政界や財界、官界、更には王室や貴族といった人脈こそ、大商会カレイドウルフの大いなる力。カリーナお嬢様の紹介であれば、こうして一流の女性を揃えられます」

「お前に、我が商会が誇る力の一端をくれてやるですの。どれでも好きな女を選びなさい、すぐに婚姻関係を結ばせましょう。
田舎暮らしのお前では一生かかっても会うことさえ出来ない女性と、縁を結べますの。光栄に思い、カリーナにあの二人を渡しなさい」

「ご安心下さい。このプロフィール帳に記載された女性陣は皆、家柄のみならず能力面や内面も考慮して選出した方々ばかりです。
貴方の身分や容姿を厭わず、必ず貴方の花嫁となることをお約束いたしましょう。是非、ご検討願えます」


 げっ、やばい。権力や金ならすっとぼけられるが、女であればとぼけようがない。田舎だろうと何処だろうと、女を知らない人間なんて居るはずがない。

村に女が居ないことにしようか? アホか、だったら余計に嫁を連れて帰れと言われるだろう。田舎で嫁不足だなんて、過疎化の最たる原因じゃねえか。

検討なんて言っているが、プロフィール帳を差し出したセレナさんは承諾を得られると確信している。もしかすると、この女が今回の取引材料を提案したんじゃないのか。


うぐぐぐ、どうする。女だとしらを切りようがない。忍達を連れている以上、女を知らないとは言えない。かといって受ければミヤ達は連れて行かれ、俺は異世界永住決定となる。


健やかな朝かと思いきや、とんでもない難題が待ち受けていた。全員も食堂へ集まって、事の成り行きを見つめている。皆に意見を募りたい、助けてもらいたい。

うーん、うーん、うーん……くっ、こ、これしかないか。あんまり言いたくなかったが、仕方があるまい。今の俺は田舎者、何も知らない田舎者なのだ!


俺はじっくりプロフィール帳を一頁ずつ丹念に確信した上で、首を傾げた。


「一流の女性を揃えたと、仰いましたよね」

「はい、それが何か?」


「カリーナ姫様とセレナさんの頁が、何処にもないのですが」


「まあ……カリーナお嬢様。カレイドウルフ商会では、寿退社は認められるのでしょうか?」

「どうして承諾を前提にしているんですの!? ちょ、ちょっと待つですの!」


 娼婦におかわりを強要して、カリーナは震える手先でお茶を飲んで気分を落ち着かせる。結婚に動揺しているのではない、あまりの怒りに震えているだけだ。

そりゃそうだ、何処ぞと知れぬ田舎者に結婚を申し込まれて喜ぶ都会人なんて居るはずがない。氷室との婚約を強要されたカーミラを思い出して、内心苦笑いしてしまう。

そういえばヴァイオラも、俺との婚約を結んだんだったな。花嫁修業しているあいつがこの光景を見れば、なんて思うだろうか?

飲み終えたティーカップを乱暴に叩きつけて、カリーナ姫は俺に憤然と指を指した。


「この無礼者! どうしてお前のような田舎者と、カリーナが婚約しなければならないんですの!?」

「しかしカリーナ姫様は、このプロフィール帳に一流の女性を揃えたと仰っておりました。ならばカリーナ姫様がおられないのは、道理が成り立ちません。
私のような田舎者にとって、貴女様は天上の麗人。美しさ、気品さ、麗しさ、高貴さ、どれを取っても超一流。ご謙遜なさらないで下さい」

「――むっ」

「それともこのプロフィール帳、まさか嘘偽りがあるとでも?」

「カレイドウルフを侮辱するつもりですの!? このカリーナ・カレイドウルフの紹介とあった以上、我が商会の名誉にかけますわ!」


「でしたら、カリーナ・カレイドウルフ様のお名前が書かれていない理由を是非お聞かせ下さい。一流の女性とあれば、私は貴女以外の女性が居るとは思えないのです」


「――む、むむ……セ、セレナ」

「おまかせ下さい、カリーナお嬢様。このセレナ、お見合い結婚とあれば連戦連勝を誇っております」

「だったら何故今も独身なんですの!?」

「どうやらこの田舎者、金もセンスもありませんが、女性を見る目は確かであるようです。この私セレナと、お嬢様の二人を選んだのですから」

「どうして今主人の名も言わず、自分の後ろに回したんですの!?」

「ご覧下さい、この宿の女将のみすぼらしいお姿。あのような下賎な服装をして客に媚びようと、必死になっております」

「うう、すごく恥ずかしかったけど、商売繁盛の為に勇気を出して着たのに……」

「いかがでしょう、お嬢様。この際下賎な服装をして、お嬢様の気高き品位をほんの少し落とすのです。さすればいずれ、この田舎者の目にとまる事もなくなりましょう」

「この田舎者一人の為に、このカリーナ・カレイドウルフに下民の格好をさせるのですの!?」

「田舎者と婚約する屈辱よりも、一時の恥を取るべきだと進言致します。お嬢様、昨晩の一時をどうぞ思い出して下さい。
ミヤ様とアギト様との夜、カリーナお嬢様にとって至福のお時間でありましたでしょう。あの一時が、永遠となるのですよ」

「む、むむむ……し、仕方ありませんわ。マイア、着付けを手伝いなさい」

「は、はい、ただいま!」


 もうすっかりカリーナ姫の従者にさせられて、マイアは奥の部屋へ引っ張られていく。何だこの展開、と疑問に思う余地も時間もなかった。観客であるアリサ達だけ爆笑している、おのれ!

程なくして、お客様を出迎える服装――実に露出の高いウェイトレス姿をしたカリーナ姫様が、周知と屈辱に美貌を赤く濡らして出て来る。

せめて気品だけは貶めないように、精一杯胸を張りながら。


「ど、どうです、田舎者! 少しは目が覚めたですの!?」

「何と可憐な……これほどの女性が世界に存在したことを今、神に感謝しております」

「セレナ、こいつちっとも目を覚ましませんの!」

「辛抱です、カリーナお嬢様。カリーナ・カレイドウルフとしてご誕生されたお嬢様の気品さは、下賎な服装を着ただけでは損なわれません」

「えっ、先程と言っていることが違――」

「カリーナお嬢様。まずは庶民と同じ服装をして、庶民と同じ生活を行うのです。この宿にしばらく滞在しましょう。さすれば少しずつ、この田舎者の目は覚めると思われますわ」

「ああ……生まれて初めて自分が憎くなりましたの。どうしてカリーナは姫として、この世に生を成したのでしょう。
下民であれば、こんな田舎者に見初められずに済んだものを」


 ――なあ、ヴァイオラ。俺ってここまで結婚を嫌がられるほど、ブサイクでゲスな男なのか? もしかしてお前も実は我慢とかしているんじゃないのか、グスン。

俺のことを好きだと言っていたはずの忍や那美まで、一連の展開に吹き出している。アリサなんて幽霊の分際で、腹筋を痙攣させてまで爆笑していた。


女なんて信用ならないと、この瞬間確信した。美人のお前らに、モテない男の気持ちなんぞ分かってたまるか!


「それにしても腹立たしいですわ……セレナ、至急連絡を取りなさい。こうなったら片っ端から、こいつに押し付けてやるですの!」

「一人や二人ではなく――カレイドウルフ全ての人脈を、この男に紹介するのですか?」

「ふふん、そうすればこのカリーナの相手をする余裕もなくなるというものですの。セレナ、これこそ大人の知恵というものですわ」

「なるほど、感服致しました。しかし全人脈となると……例えば"ダールグリュン"家のご息女は、まだ幼少のみぎりでおられますが」

「幼少時より婚姻を結ぶのは珍しくも何ともありませんわ。いいから、手配なさい」

「畏まりました。カリーナお嬢様、今までお世話になりました」

「まさか自分も結婚に乗り気なんですの!?」


 ふう……一応商談は回避できたのだが、ダメージは計り知れなかった。いいんだ、男は仕事が命。嫁を省みる暇なんぞないのさ。

さすがにミヤとアギトだけは当事者だけあって、俺に感謝を述べてくれた。ありがとう、お前達のためにも頑張るからな。田舎者というのは、本当に辛い人生なんだな。

これ以上追求されるまえに、さっさと仕事に出よう。今日の仕事仲間である自分の娘達を呼び寄せた。ナハトは嬉々として、鼻歌交じりに俺の背中をよじ登っていく。


と――



「父上、実に不思議に思うのですが」

「どうした、シュテル」

「"故郷に婚約者がおります"、とお断りすればよかったのではありませんか? 政略であればまだしも、相手は商談を持ちかけている側なのですから」

「あっ!?」










<続く>








小説を読んでいただいてありがとうございました。
感想やご意見などを頂けるととても嬉しいです。
メールアドレスをお書き下されば、必ずお返事したいと思います。


<*のみ必須項目です>

名前(HN)

メールアドレス

HomePage

*読んで頂いた作品

*総合評価

A(とてもよかった)B(よかった) C(ふつう)D(あまりよくなかった) E(よくなかった)F(わからない)

よろしければ感想をお願いします











[ NEXT ]
[ BACK ]
[ INDEX ]





Powered by FormMailer.