VANDREAD連載「Eternal Advance」




Chapter 7 -Confidential relation-






Action13 −談合−




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「宇宙人さ〜ん!こっち、こっち!」

「きょ、今日初めてお前を殺したいと思ったよ・・・・」


 笑顔で出迎えたディータに、身体を虚脱させてカイはぐったりした顔で睨みを入れる。

表情からも怒り心頭の気配が満々だが、当のディータは不思議そうに首を傾げるばかりだった。


「どうしたの、あんた?汗びっしょりじゃない」


 麗しい繭を潜ませて、ゆったり椅子に座っていたジュラが怪訝な顔をしてカイを見つめる。

心配そうな口調だが、ジュラの声色からあくまで他人事だというニュアンスがあからさまに漂っていた。

カイは荒げる呼吸を整えつつ、ジュラに鋭い視線をぶつける。


「誰かさん達がどこぞのヒーロー様に辛い仕打ちをして下さっているからな。
お陰で、運動不足に縁のない毎日が送れそうだよ。あっはっは」


 表面は明るく笑っているが、その場にいる誰もがカイの言葉の裏の皮肉に気がついていた。

もっとも、具体的に指摘する者は誰一人いないが。


「ん?そういえばあんた、ディータと一緒だったんじゃなかったの?
どうしてディータが先に来ているのよ」


 ジュラの隣で露出度の高いお気に入りのコスチュームを身に纏うバーネットが、カイとディータを交互に見て尋ねる。

シュミレーションルーム――

メイアの命令の元、マグノ海賊団パイロット総勢が収集された場所である。

時間帯にして昼に差し掛かった今、艦内放送に従ってパイロット一同集合していた。

今までタラーク出身にして敵対する種族である男のカイは呼び出される事は皆無だったのだが、今回初めてメンバーの一人として来ている。

他でもないリーダーのメイアがカイを呼び出したのだ。

いきなりの呼び出しにカイ本人が首を傾げんばかりだったが、とにかく行けば分かるだろうとこうして参上した。

突発に起きた問題を抱えて、だったが。


「よくぞ聞いてくれた」

「え?」


 げんなりさせていた上半身を起き上がらせて、カイはきっとある人物を睨む。

きょとんとした顔をしたままバーネットがカイの視線を追うと、そこにはぎょッとした顔のディータがいた。


「ど、どうしたの、宇宙人さん。すごく怖い顔してる」

「はっはっは。
『一緒に行こうよ!』って誘っておいて、俺がエレベータに乗れないって知った途端、
『宇宙人さん、先に行って待ってるね♪』って言って本気で先に行きやがったからな」


 満面の笑顔だが目が笑っていないカイに、ディータは冷や汗を流して後ずさった。


「だからディータが先に来たのね・・・・おかしいと思ったわ」


 心底呆れて、バーネットは頬杖をついてディータを見やった。

責められている立場のディータはというと、あうあうと困り果てた顔でカイに弁解する。


「だ、だって、今の宇宙人さんと一緒にはなかなかいけないから・・・」


 カイの現況として、艦内の殆どのシステムが使用不能となっている身である。

元旧艦区内もまぐの海賊団女性クルーが担当する現場には足を踏み入れる事は出来ず、元海賊母船側は立ち入りすら困難であった。

何をするにしても、誰かに会うにしても、その場にいる者の許可を必要とされるのだ。

もしもディータがカイと行動を共にするのなら、カイと同じ境遇に立たされるのと変わりはない。

当然エレベーターは使えず、全長三キロに及ぶ艦内に延々と歩き回される羽目になるのだ。

カイでも疲れ果てる行程に、元々体力のないディータにはオーバーワークとなるだろう。

初対面からカイに親しみを抱いているディータでも、一緒に行動する事に及び腰になるのは無理もなかった。

一緒に行動したいけど出来なかった。

ディータの心境を知ったカイが反応に困っていると、ハスキーな声が割り込んでくる。


「ま、これもアンタの日ごろの行いの結果って事で我慢するしかないね」

「んだぁ〜?
って何でお前までここにいるんだよ」


 カイが剣呑とした目で見やる相手は、レジシステム店長であるガスコーニュだった。

大柄な体格にトレードマークの長楊枝を揺らして、悠々とシュミレーションルーム指令席に座っていた。

シュミレーションルームは本来前線で戦うパイロット達の作戦室であり、司令室ともなる。

最新鋭のコンピューターで戦場で有効的に利用される作戦を練ったり、パイロット育成の為のデータシミュレーションを行うのである。

  室内環境として指揮官レベルに値する人間が前列シートに座り、後方シートに直属の部下達が座る。

こうする事で立場の違いを明確にし、より良い話し合いや円滑な指示が送れるようになるのだ。

その指揮官シートに座るガスコーニュに、カイは怪訝な顔をしている。

ドレッドの武装や資材の管理がメインのレジチーフがこの場にいる理由が思いつかないからだ。

そんなカイの疑問に、にっかりと笑ってガスコーニュが答える。


「アタシはパイロット達のメンタルな部分も監督しているからね。
それに戦場での作戦やフォーメーションを耳にしておけば、舞台袖の黒子も立ち回りがしやすいだろう」


 レジは出撃前のパイロット達の笑顔の見送りやドレッド兵装は欠かせないが、だからといって出撃後は暇になる訳ではない。

味方が苦戦すれば影からの援護をしなければならない上に、長期戦になると補給も必要となってくる。

前線で戦うパイロット達の根本からの支え、それこそがレジという仕事の本質なのだ。

ガスコーニュのもっともな意見に、カイも納得した。


「何から何まで大変なんだな、あんたも」

「そう思ってくれるなら、肩の一つも揉んでくれるとありがたいね」

「年寄りみたいな事言ってんじゃねえ。俺より図体がでかいくせに」


 カイとガスコーニュのこうした軽口の叩き合いは、レジに見習いとして行ったあの時からである。

その後砂の惑星での危機やトリ型筆頭の大規模艦隊の戦闘など、二人が顔を合わせるどころではなかったからだ。

なのに、こうして何気なく会話が繰り広げられる事に違和感のない今にカイは戸惑っていた。

あの時はその場限りの関係だったはずなのに、ガスコーニュの態度はより親しみが見える。

カイは気まずさを感じないように、話題を続けて展開した。


「そうだ、ブザムから話を聞いたぜ」

「BCから?何をだい?」

「俺の新型兵器だよ。必要な資材、投入してくれてるんだな」

「ああ・・・あれね」


 ようやく納得したように頷くと、楽しそうな笑顔をカイに向ける。


「今までの戦闘での功績分、全部ポイント換算して開発費用にしたよ。
正直まだ足りないけど、その分はアタシとパルフェが負担するよ」

「お、悪いな・・・って、俺の全財産つぎ込んでも足りねえのかよ!?」


 カイ・ドゥエロ・バートの三人はこれまで捕虜として扱われてきたが、今日を持ってクルーとして正式に迎えられた。

権限は個人差はあるが、今までの労働に見合った報酬をポイントとして自分のカードに換算されたのである。

そのカイのポイントだが、これまでのマグノ海賊団への貢献と功績からかなりのポイントが与えられている筈であった。

本人にしてみれば報酬目当てでも仲間意識から何でもなく、自分の思うように行動した結果が過ぎなかった。

が、それでも報酬は有難く受け取り、結果として新型兵器に全ポイントを投資する事となった。

もっとも事後承諾だったのだが、カイも新型の為と自分を納得させている。

現実として今晩の食事にも悩む立場なのだが、それで新型が完成するならカイも投資した甲斐があったと思えていた矢先での発言だった。

カイの驚愕に、ガスコーニュが半眼で述べる。


「仮にも兵器の開発に、お前さんのポイントだけで足りる筈がないよ。
特にあの新型兵器はこれまでにない特殊なタイプだからね。
完成するまで、ひょっとしたらまだ資材は必要になるかもしれない」


 物資や資材・兵装は勿論無限にある訳がない。

使えば使う程減少していき、分別なく使用すればいつかは無くなってしまう。

兵器開発ともなれば費用・資材がかかるのはむしろ当然であり、自由気ままに開発が出来るなどという甘い考えは通用しない。

カイは頭痛がするかのように額を抑える。


「あいた〜、開発費用が過度に負担されるのか」


「機械の開発や改良に詳しいパルフェも今度ばかりは苦笑い浮かべてたからね。
アタシもあんたに相談された時は自分の耳を疑ったよ」

「うまく『あれ』を利用出来れば、万能利用出来る筈だからな。
人型兵器の相棒なら使用可能だ」

「だけどコストパフォーマンスがどの程度のパーセンテージで削減出来るかによるよ。
武装タイプが一つならともかく、新型は・・・・・」

「その辺はパルフェに改良を任せているよ。元々機械工学は専門じゃないからな。
俺の発想で何とかやってもらうしかない」

「パルフェもさぞやりがいがあるだろうね。そこまで信頼してもらっていると」

「よせよ。お前だって俺の話聞いた時、ちゃんと話を聞いてくれたじゃないか」

「あの時のあんたの顔は真剣だったからね。
それでいつ完成しそうだい?お披露目が待ち遠しいんだがね」

「さっきパルフェから聞いた話だと・・・・」

「ちょ、ちょっと待ってくれ」


 すっかり話し込んでしまっている二人に、第三者が横槍を入れた。

カイとガスコーニュが同時に声のする方を見ると、冷静な顔に困惑を浮かべて一人の女性が立っている。

この場の実質上の最高責任者、メイアだった。

つかつか歩み寄ったかと思うと、メイアはカイの襟首を掴んでガスコーニュに向き直る。


「お話の途中、失礼します」

「お、おい!?」


 抵抗する間もなく、カイはメイアに引っ張られてそのまま部屋の隅に移動させられる。

いつにない力任せなメイアの行動に、ガスコーニュは目を見開く。

衆目も目を丸くする状況下において、メイアはカイに顔を寄せて迫力のある声を出す。


「お前に幾つか質問があるので答えてもらう」

「な、何だよいきなり!?」


 今までメイアにここまで顔を寄せられるのは、以前での初めての合体以来である。

あの時はメイアは気を失っており、偶発的な事態の中でカイはメイアの顔を間近に見た。

それが今月日を経て、メイアが自分から顔を寄せている事にカイは気恥ずかしさを感じていた。


「大体、何でこんな隅っこで話す必要があるんだ?
あっちで堂々と聞けばいいじゃねえか」

「堂々と聞けない内容だからこうしているんだ」

「人前では言えない話・・・・
お前、人生もうちょっと真面目に生きたほうがいいぞ」

「・・・その言葉、お前にそのまま返してやろう」


 ため息混じりに忠告するカイに、メイアは表情をしかめて返答した。

カイとしては半分冗談だったのだが、生真面目に答えるメイアが何となく面白かった。


「・・・何がおかしいんだ?」

「いや、気にするな。それで何だよ、聞きたい事って」


 少し釈然としないものを感じながらも、メイアは態度を改めてカイに詰問する。

配慮を怠る事無く小声なのが、元来のメイアの生真面目さが出ていた。


「まず、チームリーダーとして尋ねるが」

「変な言い回しする奴だな。普通に聞けばいいのに」

「黙って聞け!
・・・遅刻した理由を話してもらおうか」

「は?」

「遅刻した理由を話してもらおうか」

「いや、聞こえなかったんじゃなくて・・・」


 カイはため息を吐いて、まじまじとメイアを見る。


「子供じゃあるまいし、いちいちそんな事聞かなくてもいいだろう」

「夢が宇宙一のヒーローだと言っている男が言う台詞ではないな」

「俺の夢が子供っぽいっていうのか!」

「行動が突拍子もないと言っているんだ。
お前の行動一つでチームの風紀の乱れに繋がる可能性もあるんだぞ」

「チームって、俺所属してないじゃねえか」

「・・・・」


 カイのあっさりした回答に、メイアが口を閉ざして黙り込んでしまう。

そもそもカイがパイロットの一員としてドレッドチームに入っていないのは、メイアの一存である。

フォ−メーションに取り入れず、一切の作戦参加を認めないというメイアの命令だったからこそだ。

もっとも反目しあっていたあの頃では、カイとしても共に戦うのは拒んだだろう。

二人の関係は其れほどまでに険悪だったのである。

メイアはしばしどもり、一つ咳払いをした。


「と、とにかく遅刻した理由を話してもらおう。
艦内放送は何度もした筈だぞ」

「たく、めんどくさいな・・・・
俺はあの時格納庫でパルフェと話し合っていたんだよ」

「話し合いだと?」

「そうだよ。俺の新型兵器について話していたんだ」


 カイは嘘をつく理由もないので、正直にメイアに話した。

新型については何にも触れず、パルフェといた時からの事を明確に説明する。

だが一つ一つ丁寧に話して行く内にメイアの視線が冷たくなっている事に気がつき、カイは怪訝な顔で尋ね返した。


「な、何だよ?何か言いたい事でもあるのか」

「・・・お前の話は本当だったとしよう」

「本当だって!?嘘だと思うなら、あいつに聞いてみろよ!」


 疑われていると知り、カイは心外とばかりに大きな声を上げる。

そこへしっと人差し指をカイの口元に当て、メイアはキツイ目でカイを見上げた。


「大きな声を出すな。
お前の話が本当だったとして、何故ディータも傍にいたんだ?
パルフェと話す事と関係ない上に、ディータ本人も呼び出していたんだぞ」


 カイは疲れたように肩を落としながら、質問を続けるメイアにげんなりした目を向ける。


「あいつはただ単に、俺にプレゼントとか言って手作り枕を持ってきただけだ」


 この場に持ってきた方がよかったか、とカイは舌打ちする。

ディータにもらった枕は流石に持ち歩くのは恥ずかしかったので、自分の部屋に置いて来たのだ。


「プレゼント?ディータがか」

「そうだよ、日頃のお礼だってよ。
お前もあいつみたいに殊勝な心を持った方がいいぞ。
いつもお世話になっている御礼に俺に飯でも奢るとかよ」

「お前に奢る位なら捨てた方がましだ」

「可愛くねえ奴・・・」


 あっさりと言い放ったメイアに、カイは顔をしかめて言い返した。


「お前に媚びるつもりはない。
それより話はまだ終わっていない。
ディータがいた理由は分かったが、何故ディータがお前に抱きついていた?」


「うげっ!?あ、あれはだな・・・・」


 今日一番指摘されたくない事だった。

メイアにモニター越しとはいえ見られて、何の言い訳も言わせずにあの後モニターを切られたのである。

釈明も何もできなかったカイとしては取り残され、整備班全員に注目されて気まずい事この上なかった。

メイアは無表情のまま、言葉を重ねる。


「まさかお前がディータに何かよからぬ事を吹き飲んだのではないだろうな?」

「何だよ、よからぬ事って!?」

「お前の事だ。純真なディータを騙す可能性は十分にある」


 何の躊躇いもなく言い切るメイアに、カイは頭を抱えたくなった。

少しは歩み寄れたかと思いきや、相変わらずメイアには偏見で見られている様だ。

カイはうんざりした様子でメイアを見て言う。


「お前、他の部下にも遅刻したらいちいち問い質すのか?」

「日常からきちっと出来ない人間は、いざという時でも出来ない。
毎日の積み重ねが大切なんだ」

「意見はもっともだけど限度があるだろうが・・・・」

「刈り取りの日は刻一刻と近づいているんだ。
チームを乱されるような真似は慎んでもらわなければいけない」

「結局俺が悪者かよ!?」


 抱きついて来たのはディータなのだが、主張しても聞いてもらえないだろう。

カイは完全に諦めて、渋々非を認める。


「分かった分かった・・・俺が悪かったです」

「最初からそう言えばいい。今度二度とああいう真似はするな」

「ああいう真似って・・・
もし仮に赤髪から抱きついてきた場合はどうするんだ?」

「その時はお前が注意してやればいい。
人前での抱擁など見苦しいだけだ」

「見苦しいってお前・・・・・寒い奴だな」

「どう言ってもらっても結構だ。
では次に、チームを編成する立場の者として聞くが」

「・・・はいはい、何でも聞いてくれ」


 どうやら何を主張しようと、何を言いつくろうと、メイアは聞こうとはしないらしい。

カイは悲しく認めて、投げやりな態度でメイアを迎える。

カイの横柄な態度もメイアはとりあわず、真剣な表情を崩さずに神妙にカイに言った。


「・・・・ガスコさんとお前が話していた新型兵器とは何だ?」

「俺の開発している兵器の事か」


 あっさりと言うカイに、メイアは驚いた様子で身を乗り出す。


「お前が開発しているだと?お前にはそんな権限はないはずだ」

「ガスコーニュとパルフェが協力してくれているんだよ。
次の戦闘に間に合うかどうかは微妙なところだけどな」


 パルフェに聞いた開発進行状況を思い出して、カイはメイアに説明する。

メイアは呆気に取られている様子だった、はっと気を取り直してカイに迫る。


「その新型兵器とはどのようなものだ?」

「何でそんな事お前に話さないといけないんだよ」

「私はパイロットを指揮する立場にある。
いざ敵が襲い掛かって来た際には、即座に作戦を練ってチームを整えなければいけない。
その為に味方の戦力全てを知る必要がある」


 メイアの意見はチームリーダーとして正論である。

常に敵を意識する上で、味方の戦力をきちんと把握しておかねばならない。

戦術というものは認識能力がない者には到底組み上げる事は出来ないのだ。

カイもそれは充分分かっているのだが、本来の性格だけはどうしようも出来なかった。


「しょうがねえな〜と言いたい所だけど、完成するまでは秘密♪」


 意地悪い笑顔で内緒事にしようとするカイに、メイアも流石に冷静さを保てなかった。


「カイ!お前は・・・・!」

「ほれほれ、皆見てるぞ。大声出さない」

「く・・・・」


 ジュラやバーネット、ガスコーニュにディータ達が注目しているのを察してメイアは黙り込む。

激化した自分の心を静めるかの如く呼吸を整えて、メイアは中央席へと足を進めていく。


「・・・これ以上皆を待たす訳にはいかない。
その代わり、後でゆっくり話を聞かせてもらうからな」

「へいへい、後でな」


 その時が来たら逃げようと考え、カイはいい加減な返答をする。

メイアはそのままカイに振り返る事無く、背中を向けたまま歩いていく。

その背中を何とはなしに見送りながら、何かを思いついたように背後から声を投げかけた。


「そうだ、青髪」

「お前と話す事は今はないぞ」

「そうじゃなくて。
今日ここで何をするつもりなんだ?」


 カイの疑問に、メイアは振り向かないまま答えた。

「チームの再編成とフォーメーションの新しいパターンだ。
私とお前、お前とディータによる合体時を想定してシュミレーションを行う」


 メイアの説明に嘘がなければ、カイは正式にメンバーに迎えられた事になる。

話を聞いた一同に驚きが広がっていく中で、カイは少し言い辛そうに話を続けた。


「シュミレーションをするって事は、何かシステムを使うって事だよな」

「そうだ。それがどうした?」

「多分無理だと思うぞ」

「?どうしてだ」


 怪訝な顔をして再度振り返るメイアに、カイは一言こう言った。



「セキュリティ」



『・・・・・・・』



 メイアはおろか、その場にいた者全員が顔を見合わせた。















 その後、本日予定だったシュミレーションは延期になった――






















<続く>

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