ヴァンドレッド the second stage連載「Eternal Advance」




Chapter 24 "Men and Women"






Action38 −廿五−








 島流しによる流刑所で、積極的に離間工作を図っているマグノ海賊団。

一年間の旅がもたらした真実と、祖先の星地球の実態。そしてタラークとメジェールの現実に加えて、自分達が置かれている現状を積極的に広げている。

離間工作とは、対象の仲を裂くことで状況を打破する戦術。敵対する関係の弱点を密かに突いたり、結びつく要因)を悟られないように利用したりして仕掛ける心理戦である。


まず政治犯の取込みは比較的にスムーズに進められた。なにしろメジェール政府に逆らった人達だ、境遇はほぼ同じと言える。


"ここ一年、特に政治犯が増えたそうです。聞いた話だと、中枢より遠ざけられているとか"

"ある意味でアタシらのせいではあるから、悪い事しちまったね……"


 言うまでもなく、原因はマグノ海賊団にある。

もう少し付け加えるのであれば、彼らが故郷へ送ったメッセージポットによる副作用である。

地球の真実と刈り取り襲撃の報にメジェール上層部が過剰な反応を見せ、真実より遠ざけるべく有能な人材を左遷させてしまったのである。


反感を買うのは当たり前だったが、それほどまでに状況が逼迫したのだと言える。


"政府の対応のマズさでいえばタラーク、もっと言えば男は悪だとする洗脳が意外な効果を生んでいます"

"男はゴミだと徹底された教育だね。それで?"


"緊急時だからとタラークとメジェール政府が手を組んで動いているせいで、国民から突き上げを食らっているそうです。
箝口令は敷かれていますが、軍人達の口まで封じるのは無理なので"

"なるほど、そいつは確かに副次効果だったね……
どうして汚らわしい男を手を組まないといけないのか、騒いじまっているのか"


 工作を進めているメインブリッジクルーのセルティック達より報告を受けて、マグノ・ビバンは半ば呆れた声を上げる。

考えてみれば、当然の話である。メジェール政府が真実を離せないとなれば、タラークと手を組む理由も説明できなくなる。

マグノ海賊団という両政府の敵を討伐するというお題目があれど、理屈と感情は決して一致しない。


海賊を討伐するためとはいえ、どうして男と手を組まないといけないのか――洗脳が生み出す、正に副次効果だった。


"カイ達と一緒に行動するようになった時のあたし達と同じですね"

"故郷へ帰るのと刈り取りを討伐する事。命がかかっているとはいえ、どうしても納得できない。
お前さん達もカイやバート達とは相当もめたからね……同じことが故郷でも起きているというのは皮肉だね"


 そう、カイ達男三人とマグノ海賊団が同盟を組んだ時の再現である。

故郷へ帰るのは大切だ。刈り取りだって襲いかかってくるのなら倒さなければならない。

共通の敵がいるのだから、力を合わせるべきである。全くもって正しい理屈であり、正当性のある同盟である。


しかしながら男三人とマグノ海賊団が正式に仲間となるのに、半年くらいはかかっている。


"わたし達も経験済みなので、離間工作に比較的順調に進められています。
海賊であるわたし達を警戒する声はたしかにありますが、それ以上に男を手を組む政府が気に入らないという声も多いので"

"味方である男達よりも、敵かもしれない女海賊のほうが信頼できるという道理だね。
はは、どんな経験でも役立つことがあるもんだね"


 敵だった男達を手を組んだ経験まで活かせる日が来るとは、マグノさえ予想できなかったことだ。

おかげさまでというのは変な話だが、島流しによる流刑所内で味方を作ることがスムーズに出来てきている。


部下達からの報告を受けて、マグノは苦笑いを浮かべるしかなかった。

















<to be continued>







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