ヴァンドレッド the second stage連載「Eternal Advance」




Chapter 24 "Men and Women"






Action38 −孤獨−








 ――犯罪とはなんだろうか?


法によって禁じられた行為を行う事を犯罪と呼ぶのであれば、マグノ海賊団が投獄された監房にいる人間全員が犯罪者となるのだろう。

法的には違法であり、有責な行為を行う事。海賊としてタラークやメジェールを襲い、物資を略奪した彼女達はまぎれもなく犯罪者となってしまう。


何を犯罪と判断し、これをいかに処罰するか。


(お頭、情報収集致しました)

(お疲れさん、あの子達はどうだった?)

(無事です。投獄及び執行された様子はなく、出来る限りの状況確認を行いましたが、アジトが発見された様子もありません)


 罪刑専断主義と呼ばれる原則がある。

法執行者による専断で行われる刑罰であり、法執行者の心によって判断され、各法執行者による自己判断に委ねるという考え方である。

これは祖先である地球でも古代や中世など採用されていたやり方で、独善的と言える。


国が犯罪を取り締まり、国が犯罪者を選ぶのだ。国が悪いといえば、誰であろうとも犯罪者となる。


(裁判でも話題に上がらなかったからね。アタシらを追求するのであれば、必ず槍玉に挙げるはずだ。
無事だとは信じていたが、そうかい……少し安心したよ)

(一年前に起きたペークシスによる暴走事故で壊滅したと思われたんでしょうか)

(いや、故郷に向けて刈り取りに関する警告をメッセージポットに送ったんだ。アタシらが生きている事は、お国さんにはバレていたさ。
アタシとしてはむしろ逆だね)

(逆……?)

(地球の真実を知ったアタシらを何としても捕らえるべく、アタシらが居ない間徹底的に家捜しされていた筈さね。
どこで何してるか分からないと、連中としても安心できないからね)


 魔女狩りなど、非常に分かりやすい例だろう。

魔女とされた被疑者に対する訴追に、証拠など必要ない。裁判や刑罰でさえも、法的手続を経ない私刑といった迫害にまで発展する。

魔術を使ったと、疑われるだけで十分なのである。正義の名の元に裁いたり制裁を加えたりすることは古くから行われていた。


いかなる魔術も犯罪として処罰の対象である――怪しいと思われれば、罪なのだ。


(ニル・ヴァーナやヴァンドレッドシリーズを見られれば、余罪が増えそうですね)

(なんせ、アタシらだってよく分からないまま戦力として頼ってきたからね……ペークシス・プラグマに、精霊と呼ばれるあの子達。 カイがアタシらの味方として奮闘してくれたからこそ、摩訶不思議な力であろうとも信頼出来ている。

そいつを故郷に理解してもらうのは、なかなか難儀だよ)


 暴力や窃盗、海賊的行為と並んで――超常的な力もまた裁きの対象になりえるのだと、マグノ達は懸念する。

世俗的な犯罪であれば特別重い刑が科されるというわけないが、国側が危惧するのであれば他の犯罪と同じように被害に応じた刑が科せられる可能性を示唆する。

兵器であればドレッド等と同じく良い目的に用いられれば偏見はなくなるかも知れないが、残念ながら立場というものが明確に存在する。


何故なら彼女達は、マグノ海賊団――国を襲った海賊なのだから。


(故郷を救いに来たと言ったところで、まったく根拠も忠誠もないと言われればそれまでだからね)

(不当な裁判の助長を押さえるのは難しいでしょうか)

(海賊を生かしておいてはならないと責められれば、言い返せないからね。アプローチを間違えてしまったかもしれない)


 ――犯罪とはなんだろうか?


この行為の意味については、本当にさまざまな見解が対立している。

犯罪が行為でなければならないということは、これらのものはおよそ犯罪たり得ないことを意味する。

彼らだって襲いたくて襲ったのではない。国から物資を奪わなければ、生きられなかった。だからこそ、義賊として扱われてはいる。


違法でない行為は有害でなく、禁止されず、犯罪を構成しない。自分や他人の権利を防衛するためやむを得ずにした行為は、罰しない。


理想を唱えるには、綺麗でいなければならないのか。

現在においても、この問題は解決されたとは言えない。

















<to be continued>







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