とらいあんぐるハート3 To a you side 第九楽章 英雄ポロネーズ 第八十五話




 伽楼羅、聖女が予言した神。予言の解釈ばかりに囚われていて、神そのものの実態について把握を怠っていた。神とはどのような存在か、古代より誰もが皆想像する事を諦めていた。神とは絶対にして、唯一であったから。

何とも都合がいい話だ。聖王教会が統括する聖地に降臨するからには、聖王陛下その人以外在り得ないのだと決め付けていたのだから。神か人かの議論ではなく、神とは何か熟議するべきだったのかもしれない。

鷲の頭とくちばし、翼と爪、脚を持つ金翅鳥。インド神話の聖獣を起源とする、守護神。美しい翼を持つ者スパルナの冠を持った、天空の王。宿敵である魔龍を食らう、伽楼羅法の本尊であった。


「最初から一貫して貴様は部外者だったということだ、天の遣いよ」

「龍族の姫プレセア・レヴェントンと魔龍バハムート、伽楼羅神を長とする紅鴉猟兵団――聖女の予言とは、神話の再現を告げる詩だった」


「歌い手は聖女、語り手は信徒達と言うべきかな。悲劇に彩られた愚王が闇を生み出し、邪神を崇める民が乱を起こして、我らを招き入れた。
こうして歴史は再び繰り返される、古き佳き時代であった過去が現実となる。天より舞い降りた部外者が、随分と掻き乱してくれたものじゃ」


 ……部外者である自覚はあった。そもそもの話、俺が聖地へ訪れたのはローゼとアギトの自由を得る為だ。聖地へ訪れた者達の誰よりも不純な動機で、土足で足を踏み入れてしまった。

部外者というのであれば、それこそ異世界から来た時点で今更だろう。管理外世界出身の人間が、異世界ミッドチルダの事情に深入りしてはならない。国境線とは本来、安易に踏み越えてはならないのだから。

運命の因子は全て、揃っていた。物語の主役達は集い、盛大にして偉大なる神話が描かれようとしていたのだ。しかし何の役目もない一般市民が舞台に上がってしまえば、どれほどの名作でも駄作となってしまう。


神が人に向ける批判としては、実に正しい。だが悲しいかな、俺は剣士であった。


「覚悟が足りないな、神よ」

「……何じゃと?」


「お前がどれほど偉大な名将であろうと、戦場では農兵の竹槍で死ぬ場合もある。お前が敵とする人間は勇者でも英雄でもない、一介の剣士なのだぞ。斬るか斬られるか、それだけだ」


 俺が何故恐怖していないのか、伽楼羅神は疑念を抱いていた。前提を間違えている。死を恐れていないのではない。相手が死ぬか、自分が死ぬか、剣士が剣を取ればどちらであろうと結果は死でしかないのだ。

恐怖を抱くのはあくまで、生を前提とした話。どちらであろうと死である以上、自分が殺されるか、相手を殺すか、覚悟を決めなければならない。生を意識して戦う人間なんて、剣士ではない。

故に人でなしであり、だからこその人外なのだ。神であろうと、お前は所詮人外。例えお前が主役であろうとも、俺と同じ存在だ。下らぬ問い掛けで、覚悟なぞ疑うな。


自分の為だけに戦うのは、自分の剣を捨てた時点でもうやめた。俺が再び剣を取ったのは、お前を殺して仲間を守る為だ。生命を救うという目的があろうと――



死という結果で、この戦いを終わらせるのだ。



「――穢らわしき妖狐、人の形をした怪物、怨念に狂った邪神。世界を破滅させる存在を、何故そこまでして守らんとする?」

「事の善悪を意識した事なんて、一度もない。斬るべきかどうか、剣士である俺が決める」


 忌まわしき事情を抱えた久遠、防衛プログラムが生まれ変わったナハトヴァール、あらゆる未練と私怨で破滅したオリヴィエ、ジュエルシードを動力源とするローゼ、時空管理局の法に逆らったアギト。

規模の違いはあれど、人に仇なす存在であるのは確かなのだろう。さじ加減が狂えば、世界や人々に牙を剥くのは間違いない。グレアムを筆頭に、ローゼ達を批判する彼らの出張はきっと正しい。

理屈としては理解出来るし、感情としても納得出来る。だからこそこのミッドチルダにまで足を運び、聖地にまで足を踏み入れた。グレアム達が正しいのだと受け入れた上で、俺は話し合いに来た。

善であろうと悪であろうと、生きていて欲しいという"願い"を持って。


「人妖融和の理念か――ノアが貴様に懐いたのも頷けるというものよ。実に愚かではあるがその願いは尊きものであると、理解した」


 今ここに、神が人を理解した。これは、友好を示す宣言ではない。

敵である存在を認識したのであれば、容赦なく牙を剥くだけだ。


「いいじゃろう。ならば剣を持って覚悟を示すがいい、剣士よ。我は"ガルダ"、人である貴様を食ろうてくれるわ」

「俺は宮本良介、神であるお前を斬り殺す」


 ナハトヴァールによる振動で伽楼羅炎そのものは消し飛ばしたが、ガルダ本体には大した損傷は見受けられない。俺という存在を認識したからには、児戯に等しき先程の剣技は通じないだろう。

猛禽類は空を世界とするあらゆる生物の中で生態ピラミッドの頂点に立つ存在。伽楼羅神ともなれば世界を問わず、あらゆる次元世界において頂点に君臨する絶対神であろう。

物理的に最速の飛翔能力を生み出すための体型となったガルダは、大空へと華麗に舞い上がった。剣が絶対に届かない制空領域、戦いの場を空へと移したのは逃走を目的とする為ではない。


獲物を前に、大型猛禽類が天高く舞い上がるのは――捕食するためだ。


「"Peregrine Falcon"」

「っ!?」



 ――津波、としか言いようがなかった。



空気ではない、風ではない、前方の空間そのものが押し寄せて来た。速度なんて生易しいものではない。マッハの衝撃波に飲み込まれて、俺は全身を切り刻まれて大空の彼方までぶっ飛ばされた。

見上げると砂塵に濁った空、真っ赤な血飛沫が舞う宙、鳥の残影を遺した雲。上空からガルダが急降下して来たのだと、襲われた後でかろうじて認識出来た程度でしかない。

人間が完璧に見切れる速度は時速18キロ程度に対し、猛禽類が完璧に見切れる速度は時速150キロを超えるとされている。人間の動体視力なんか比べ物にならない程に、猛禽類は速く飛翔する。


だが人間は、そうした知識を活かして戦う動物である。御神美沙斗師匠より、ドイツの地で俺は学んだ。


「――まずは、一本」

「っ……認識出来ぬその目で、儂の趾を切り裂いたか!」


 猛禽類は他の動物を捕食する際、獲物を捕まえる為に"趾"を持って攻撃する。人間の足とは違って猛禽類の"趾"は掴む力が強い為、捕食には適しているが剣の狙い目にはなりやすい。


鳥類最高速のハヤブサともなれば、ジェット機のエンジン構造と同じ構造を持っている。獲物を狙っての急降下時の最高速度は時速300キロ以上、神ともなれば音速程度軽く超えるであろう。

速いという認識さえ感じる暇もない、超加速の捕食。マッハによる風だけで全身が切り刻まれ、衝撃波によって全身の骨が砕かれ、そのまま大空へ吹き飛ばされれば、原型を留めず粉々だっただろう。


俺一人で、戦っていれば。


「残念だが、"風"は俺の味方だ」

『"ソニックフォーム"、あたしはフェイトのお姉ちゃんだよ!」


 唯一装備しているバリアジャケット、アリシア・テスタロッサの霊が宿った風神の篭手は完璧な機能を発揮している。俺の知識とアリシアの風の加護で、猛禽類を迎撃した。

草原の風の加護があっても音速で飛んでくれば目には見えないが、御神流とはそもそも目で見て斬るものではない。敵を"知覚"して、斬るのだ。目は感覚器官の一つでしかない。

入門したばかりの俺では知識ばかりが先行しているだけだが、その知識を元に構築して奇跡を起こすのが魔導師。アリシア・テスタロッサという魔導師が感覚補助してくれれば、何とか迎撃するくらいは出来る。

ただアリシアの風で衝撃波そのものは防げても、ガルダ本体の襲撃は押さえ切れない。斬ったと言う事は、切られる間合いに入っていたことを意味する。裂傷は肉を裂き、骨まで達している。

特に耳鳴りが酷く、頭痛にまで至っている。言い換えると音速による衝撃波を食らって、鼓膜さえ破れていない。飛行機に正面から突っ込まれて、人間風情がその程度で済むはずがない。


身体の痛みを和らげているのは、背中に感じる温かさであった。


「大丈夫か、ナハト」

「へーきー!」


 音を遥かに置き去りにし急降下するガルダの超加速攻撃に重心を保って迎撃できたのは、背中に背負ったナハトヴァールの存在。赤子の如き重さしか感じないのに、異常なまでのバランス感覚を与えられている。

足腰も弱っている筈なのだが、衝撃波に吹き飛ばされても安定感が感じられた。感覚の破壊ではなく、感覚の麻痺で済んでいるのは奇跡的だ。

ナハト本人もふらつく事もなく、平然と俺の背中に乗っかっている。何の根拠もないが、不思議と俺は断言できた。この娘がいる限り、俺はどのような状況でも万全に剣を振るえるのだと。


だが、単純に迎え撃っただけだ。向こうが"趾"一つに対して、こっちは全身をなます切りにされた。同じ攻撃をされれば致命傷――猟兵団の長には、その程度の現状認識は容易い。


「貴様の剣、堪能させてもらったぞ――"Peregrine Falcon"」


「妹さん!」

「お任せ下さい、剣士さん!」


 そしてその認識力では、神の上を行く王女が夜の王国に君臨している。人の目では猛禽類の飛翔は追えないが、夜の一族の王女であれば、神の"声"さえも聞き取れる。

妹さんが指し示す方角へ向かって、俺は走り出す。足腰にも満足に力が入らないが、アリシアが風で支えてくれる。俊敏に動く俺と平行して妹さんは走り出し、夜の一族の血を活性化。

ギアを全開まで入れて両手を振り上げ、その勢いに乗じて力いっぱい俺を投げ飛ばす。その加速力はまさに"ジェット"、絶大なパンチ力が心地よく空気を鳴らして、俺は上空へと飛び上がった。


追撃の気配を鼻で笑って縦横無尽に飛び回り――その最終地点で剣を振り上げる俺に対して、ガルダは目を剥いた。


「空の王者である儂の軌跡を、完璧に読み取った!?」

「胸尽し(むなずくし)!」


 リニスより学んだ剣術。真向から鋭い爪で引き裂いて来る敵の攻撃を中空で右足を引いて捌き、同時に竹刀を抜き出して斬る。竹刀であっても風を切る速度であれば、肌は裂ける。

流れ出す血を苦痛ではなく屈辱の眼差しで眺めた後、ガルダは嘴を持って俺の胴を貫かんとする。風神の篭手で遮っても、衝撃までは避けられない。空中で体勢が崩れれば、人間など脆いものだ。

だが、俺にはナハトヴァールがいる。ナハトが空を蹴って態勢を立て直してくれると確信していた俺はそのまま剣を振るう。立て直せないと思っていたガルダが舌打ちした。


奴はそのまま飛び上がり、大きく羽撃いた。その瞬間空気が切り裂かれ、眼前に火花が散った――超音速で飛来する羽根の威力は、まともに受ければ肉片すらも残らない。


アリシアの風が吹き荒れて、旋風の防壁が張られる。俺の認識よりも早く敵が攻撃し、敵の攻撃よりも速くアリシアがガードする。撃ち落とされそうになれば、ナハトが空を駆けてくれる。

竹刀で銃弾を迎撃することは出来ないが、勢いを失った羽毛を切り裂く事は出来る。閃光のような翼撃は、認識の速さによる剣撃で対抗。アリシアとナハトとの連携は、呼吸するよりも容易い。

痺れを切らしたガルダは人の平手打ちなど目じゃない速さで、翼を広げて横合いから打撃。殴り飛ばされた俺は上空へと放り出されて、そのまま地面に向かって急落下していく。

ナハトやアリシアが援護に出てくれたが、ガルダに距離を取られてしまう。空は広大であり、敵は翼を持っている。地に足をつけた男に合わせる必要は微塵もなかった。剣が、届かない。


極超音速を超える速度ともなれば、空中の砂塵でさえ衝撃と言える障害となって眼に飛び込んでくる。アリシアの草原の風も、ガルダの突風に切り裂かれてしまい――


「なっ!?」

「領空侵犯は感心しないな、神よ。ここは、俺の娘の領域だ」

「お、お父さんには、手出しさせません!」


 ――突風は、ユーリ・エーベルヴァインの結界に弾かれた。この地点は魔龍バハムートの真上であり、ユーリ・エーベルヴァインの結界領域である。


若干まだ声が震えているのはご愛嬌だが、背中に陣取るナハトヴァールが奮起しているとあっては、同じ娘としてユーリも黙っていられなかったらしい。姉として、決然と立ち上がっていた。

結界に弾かれて、今度はガルダが態勢を崩す。特に空を切り裂く様な速度で猛追して来た事もあって、態勢が崩れれば空の王者であっても完全には勢いを殺せない。キリキリ舞いで、落下を免れている。


アリシアの風により落下速度を緩和して、結界の起点に着陸。俺はそのまま結界の壁を駆け抜けていって、態勢を立て直そうとする敵の後方から斬りかかった。


「円要(えんよう)!」

「器用に斬りかかって来ようと、足を地に立てぬ戦いは不慣れであるようだな!」


 何という敵か、落下速度さえ加えた俺の剣が振り返りざまの翼で簡単に弾かれた。元より体力も残されていない身、握力もなかった剣士の腕から竹刀が跳ね飛ばされて行った。

音速を舞う翼の一撃は風圧だけで、剣士の身体に鋭い切れ味を与える。手刀で対抗するが埒が明かず、敵の言う通り地による力がなければ断空剣が放てない。生温い血で、剣道着が染まっていく。


そのまま嘴を開けて食らわんとする敵を前に、俺は頭を下げた。敗北の証ではない、敗北など在り得ぬとばかりに笑っている背中の我が子が口を開けて飛び出したのだ。

たかが赤子の口、たかが子供の顎――であろうに、何とガルダは必死で後方へと飛び去っていく。絶対の捕食者が、ナハトヴァールの"捕食"に恐怖した瞬間だった。


そのまま敵は、舞跳ね飛ばされた俺の竹刀へと向かっていくのが見える。確かに猟兵団の狙いでもあったが――甘い。


「敵を前にお宝に目が眩むとは、何とも猟兵らしいな――"開放"!」


 血に染まった竹の刃が輝き、剣の真価が解放される。元より剣を媒体にしていた荒御魂が竹刀へと宿って、本来の力を取り戻した。

聖王オリヴィエ、荒御魂である彼女の力は単体でも絶大だが、結ばれた契約の媒体である刀に宿ってこそ力を発揮するのである。

あらゆる封印、あらゆる常識、あらゆる倫理から解き放たれた剣が、怒りの声を上げる。心技一体、人は聖王へと転生。剣と一体となってこそ、剣士。


小さい子供姿のオリヴィエがヨイショヨイショと竹刀を運んで来て、そのまま俺の肩に乗った。


  『なんと浅ましくも、欲深き存在。我が子を前に神を名乗るその不遜、正して差し上げましょう』

「ハァ、ハァ……お前、にだけは、絶対に言われたくない、だろうな……ゼェ、ゼェ……」


 ……指先の感覚がない。猛烈な目眩と激しい耳鳴り、汗より多く流れ出ている血で身体の感覚が鈍い。神経の麻痺で痛みが感じられないのが、せめてもの救いか。

強いなんてものじゃない、格が違いすぎる。アリシアやナハトが常に補助してくれなければ、既に殺されている。恥だとはもう思わない、あらゆる手を講じて必ず奴を斬り伏せる。


空を"飛んでいる"だけの俺に対して、天を"翔んでいる"ガルダでは話にならない。風船のように浮かんでいるだけでは、マッハの超音速機は落とせない。あの翼を何とかしなければならない。


荒御魂であろうと、神に匹敵する魂を宿せば魔を祓う剣となる。この刀が神剣と讃えられるのか、魔剣だと恐れられるのか。それは剣そのものではなく、剣を振るう剣士によって決まるのだろう。

この剣ならば、神であろうとぶった斬れる。事の善悪に興味などない。奴が神でも斬り、この戦争を終わらせる。あらゆる手札を使い、仲間達の力を借りる事になろうと、もはや躊躇いは何もなかった。

  俺が今こだわるのは、剣士であることのみ。ディアーチェを救ったあの時から、自分に拘る事さえやめた。俺はようやく、自分自身から解放されたのかもしれない。


かつて高町美由希が俺にこの竹刀を渡してくれた意味を今、正しく受け取れたのかもしれなかった。


「怪物の力を借り、挙句の果てには荒御魂まで宿してその邪剣を振るうか。人を守ることを名目に、世界を破滅する力まで行使するのか。なんと、度し難き生き物よ」

「馬鹿馬鹿しい」


 血の混じった、唾を吐いた。こいつは本当に、正しい。神として当然の事を口にしている。正しきことを、当たり前の理として、人に説いている――その正しさを、唾棄した。

世界を守るために、聖王オリヴィエは自分を犠牲にした。その結果、確かに世界は守られたのかもしれない。だけどそこには、本当に何の悲劇もなかったとでもいうのか?

世界が平和になったとしても、そこにはもうオリヴィエは居ない。彼女の居ない世界に、絶望した人達だって居たはずだ。そうでなければ、聖王とまで呼ばれた人間が未練を残して怨霊になる筈がない。


無念に泣いた、アリサの顔が思い浮かんで――苦々しく、吐き捨てた。



「古来より生きるお前であれば、この世界を平和にするためにどれほど多くの正しい人達を犠牲になったのか、知っている筈だ。
こいつがどんな存在であったとしても、俺はこの剣を振るってお前を斬る。たとえお前が本当に神であったとしても――

これ以上こいつに世界の平和を――"正しさ"を押し付けることは許さない!」


『……っ!? ……ああ……私は……その言葉を……どれほど……』



 世界平和なんて、知ったことではない。

家族のために、仲間の為に――大切な誰かのために、この戦いを終わらせる。










<続く>








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