だが…しかし!柳洞薫はそんなことにだまされはしない!!
すかさず
『嘘をつけ!何もないで、寝坊の常習犯であるおまえがこんな朝からまっすぐ学校に行くわけあるまい!』
そこまで言われるほど俺はだらけてねーとつっこみたいが長引きそうなので適当に流すとしよう
『まあ、気にすんなって早く行かないと生徒会に遅刻するぞ薫!』
と言って走り出す
『待て〜話はまだ終わってないぞ衛宮!!』
と叫びながらついてくる薫とそれを見て笑いながら着いてくる早紀。
今日はまた騒がしい一日になりそうだ(汗)
『ねえ、君可愛いね〜僕と遊ばない?』
『やめてください!』
学校に着くと何やら校門が騒がしかった。
薫は生徒会に早紀は弓道部の部員で朝練があるからさっき別れたので
一人でいってみることにする……
俺は背が低い、だから人込みを掻き分けないと様子が見えない。
『なんだと!この僕が誘っているんだぞ!!』
という叫び声が聞こえた!
俺は何も考えずに声のする方に人込みを掻き分け、向かっていったその時!! 」
『バシッ!!』
と誰かの頬が叩かれる音がした。多分、男に言い寄られた女子生徒だろう。
俺はその瞬間、もう少し、見守ろうという意志は消え、頬を叩いた男子生徒の胸ぐらを掴んで顔面を殴った。
『ぐはっ』
と吹き飛ぶ男子生徒、よく見るとそれは俺のクラスメイトの間桐一樹だった。
『衛宮隼人!おまえ、また僕の邪魔を!』
さっきの笑顔で女子生徒に迫っていた顔から一変して獲物を横取りされたハイエナのような目付きになる
『なに言ってるんだ一樹!すごく嫌がっていたじゃないか!!』
とすかさず睨み返す俺……緊張が走ると思いきや、
『1-C組の衛宮に間桐か早く校舎に入らないと遅刻するぞ。』
と感情のない声が水を差した。あれは1-Dの担任の葛木先生だ。
藤ねぇ
(なぜ、藤ねぇと呼んでいるかというとまだまだ若いわよと言って俺に藤ねぇと呼べと言われているおばさん扱いするとすごく怒る)
その藤ねぇによるとあれで隠れた優しさがあるらしい俺はあまり関わらないからわからないけど
そんな風に考え込んでいると背後から
『僕に恥をかかせて、ただで済むと思うなよ!』
と罵声を浴びせて校舎に入る一樹。まるで子悪党の台詞だ。っと考えてる場合じゃない!俺も遅刻しちまう!
急いで自分の教室1-Cに入る
と早速、校門での騒ぎはどうだったと聞き返してくる俺のクラスメイト達、一樹はというと孤立している。
そりゃそうだ、朝から騒ぎを起こせば大体起こした本人は孤立か俺みたいに周りから声をかけられ目立つかだ。
まあ、一樹にはいい薬になるだろう。
しばらくするとまるでマラソン選手みたいな足音が聞こえてきた。藤ねぇだ!
『みんな〜おはよう!』 と元気に挨拶したが、足のブレーキが効かなくて派手に転倒する。
普通は大怪我や気絶するがなんせ、藤ねぇだ、ものの数分で何事もなかったようにホームルームを始める藤ねぇ。
本当にある意味ではベテランの教師だ(苦笑)
そんな感じにぼーとしていると
『衛宮君と間桐君は昼休みに職員室に来てね〜話があるから〜』
と連絡をして一時間目の現社の先生と交代する。