VANDREAD連載「Eternal Advance」




Chapter XX "Combat at Valentine2026 the second stage"







「宇宙人さん。これ、ハッピーバレンタイン!」

「おお、バレンタインか。教えてもらったから知っているぞ。
気持ちはありがたく受け取っておく」


 毎年この日はバレンタインデー。

大切な人にお菓子を贈って気持ちを伝える日。

地球から伝わった文化はメジェールにも根付いていて、こうして若者達にささやかな幸福を与える。


ディータ・リーベライの飾らない気持ちは、素直に伝わっていた。


「自分の部下には渡したのか」

「えっ……?」

「お前、リーダーに抜擢されたんだろう。
こういうイベントを活用して、部下と交流しろよ」

「あっ、なるほど!
たしかに日頃の感謝を伝えないといけないね。

さすが宇宙人、ディータのこと分かってる!」

「こいつがリーダーでドレッドチームは大丈夫なんだろうか……」


 ディータより受け取った気持ちはハートフルではあるが、カイの方に照れはない。

宇宙人さんといって今でも懐いてくる彼女の気持ちは純真で、邪な感情はなかった。

そうした思いを受け取りつつも、特に昇華することもなく仲良くやっていた。


カイより指摘されて失敗したとばかりに舌を出すディータは、憎めなかった。


「逆はどうなんだ」

「逆……?」

「お前が貰ったのかという話。察しろよ」

「あ、えへへ……去年よりも多く貰えたんだ。
お友達とか同僚とか、皆いい人だよね」

「うーむ……」


 ディータは新人上がりのパイロットで、人間としては変わり者だった。

宇宙人とか異星人とか、SFやファンタジーのような存在を好み、同じ人間から奇異な目で見られていた。

だからバレンタインでも親愛を向けてくる者はかつていなかったが、一年間の旅で関係も変わっている。


そうした変化もあってカイは尋ねたのだが、予想以上に反響はあったらしい。


「お手紙とかも貰ったんだよ。
いつもありがとう、好きですとかって」

「おー、ラブレターじゃないか。
これ以上ないほど誤解しようがない文面なんだが、お前はなんて応える気なんだ」

「勿論ディータもお手紙を書いてお返しするよ。
ありがとうという気持ちを伝えるのが大事なんだよ」

「こいつ、分かっているようで分かってないな!?」


 ディータはハートフルなのだが、相手は多分普通にラブロマンスだろう。

天然記念物の女の子だが、前線では命をかけて仲間達と一緒に戦っている。

そうした実績と結果の積み重ねは人間を成長させ、人としての魅力を高める。


慕ってくる人間が居ても不思議ではないが、ディータは素直すぎるほどそのまま受け止めている。


「バレンタインなんだから、恋人とか作ればいいだろう」

「うーん、宇宙人さんだったらいいかな」

「お前のような面倒な女、絶対嫌だ」

「えー、どうして!?」


 ディータの気持ちに、カイは適当にフリまくった。

ハートフルな感情は初々しいが、ディータの気持ちはそのまま過ぎるので、変に受け止めてしまうとかまってくるだろう。


二人の関係は出会った頃からあまり変わらず、そして必要もしていない。






























<END>







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