VANDREAD連載「Eternal Advance」
Chapter 6 -Promise-
Action14 −草原−
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不意に鼻面が熱くなり、カイは額の傷が鈍く痛み出し始めるのを感じた。
操縦桿の真上にして、操縦シートからちょうど中央に設置されているモニターに鳥型が右往左往しているのが見える。
ドレッドを遥かに上回る超加速を持ってカイ機を、その背後に鎮座するニル・ヴァーナを攻め立てているのだ。
周囲に散ったドレッドは被害は極めて微弱だが、シールド機能もない蛮型は損害が大きい。
ようやく止血した額の傷が開いたのも、自身の重度の被害を表している一つに過ぎない。
全身を痛めつけられているのは機体のみだけではない、搭乗者もだ。
作戦前にジュラがカイを危惧したのはこの事に他ならなった。
作戦決行する上で全体を見渡せるポジションにいなければいけない。
カイはそうパイロットの皆に提唱し、作戦の全容を伝えた。
全体が見える位置とは当然敵の攻撃の真っ只中に巻き込まれる位置でもあった。
カイは自分の危険の全てを考慮し、その上で皆に打ち明けたのだ。
呉越同舟の旅を強いられている対立関係にある女達であっても、危険を他人任せばかりにするのは忍びなかった。
繰り広げられるビームの攻防に目を奪われながらも、カイは知らず知らずの内に苦笑する。
一番危険な役割を自分が担う、それは作戦を展開するメンバーを気遣っているも同然であった。
自分に協力してくれているパイロット達の安全を第一に考えて、自分に託してくれた船内のクルー達を守ろうとしている。
信じてくれた人達の為に自分の全存在を賭けて戦う――
それは傷つき倒れ臥したメイア=ギズホーンが頑なに通そうとしていた責任ではないだろうか?
「へっ・・・・・」
責任を重視して自由奔放に戦い続ける自分を否定したメイアが、仲間の危機を放り出して一人死のうとしている。
叶えたい夢を重視して尊属を強調するメイアを否定した自分が、対立したままの海賊達を助けるべく責任を果たそうとしている。
考え方がまるで違い、価値観や物の捉え方も相反していた自分とメイアの考え方が完全に逆転しているのだ。
これを皮肉と言わずにはいられない。
モニターの奥で戦乱を目の当たりにしながらも、カイは思い耽って苦笑する。
一体自分とメイアは何を主張して反目しあっていたのだろうか?
相手が気に入らないから、自分とは違うから――
つまるところ、メイアも自分も相手側の思想を心元で理解出来ていたのかもしれない。
受け入れられなかったのは、相手を認めているという事を認めたくなかったからではないだろうか?
認めてしまえば、自分が変わってしまう事を恐れていたからではないだろうか?
受け入れてしまったら、リーダーとして責任を果たそうと懸命になっていたメイアを見る目が変わってしまう。
それを恐れたから?
「いや・・・きっと俺はあいつと似たくはなかったんだな・・・」
いつも気負って、頑張り過ぎる位努力して一人結果を出そうとしていたメイア。
何を求めてあそこまで自分を削って働けるのかはカイには分からない。
メイアの身を案ずるには、メイアの生き方を思い遣るには、自分とメイアの付き合いは短い。
顔を見れば文句の言い合い、そして拒絶。
仲良くした事など皆無であり、思えば普通の会話も満足にはしていなかったように思える。
思い返せば返すほど、つまらないやり取りしか自分たちは行っていなかった。
分かり合える面だってあったかもしれないのに、助け合える可能性だってあったかもしれないのに・・・・
悔やんでも、悲しんでも、過去には帰られない。
でも、取り戻す事は出来る。
「・・・・死なせはしねえよ。
こうなったら、何が何でもてめえには生きてもらう」
言ってやりたい事はまだまだ山のようにあった。
ようやく分かった思いがあり、ようやく理解出来そうな考え方もあった。
たった一度でもいいから正面を向いて話したい、それが一番の本音だった。
滴り落ちた赤き血が温もりを持って手に落ちて、ゆっくりと流れていく。
血は赤きラインを腕に描いて、関節部分に装着されている髪飾りに辿り着いた。
髪飾りに乾き切った血漿は纏わりついたカイの血と一つになり、コントラストを醸し出す。
右から、左から、上から、下から、次々と攻撃が確実に着弾していく。
逃げる事はおろか防御する事もせずに負傷を積み重ねるカイはただじっと目の前だけを見ていた。
まるで何を待つかのように。
戦場に発生するエネルギーの乱気流に、空間すら捻じれて宇宙を揺さぶっていく。
シートに座って何の言葉も口にはしないカイの耳元に、ブリッジからの通信が届く。
『敵艦隊、接近!残り1200!!』
現況を全チームに伝えているのはアマローネだった。
長距離センサー担当のアマローネは敵の動きのみに注意を向けて戦況を推し量っている。
海賊入団以来船の目として戦場に幾度となく参加していた彼女には、このまま敵の接近を許せばどうなってしまうかは判っていた。
それでも取り乱さずにいられるのは、実際に戦いに乗り出しているパイロット達が何も言わないからである。
作戦内容がどのようなものかは知らないにしても、メイアを助ける為に作戦を提唱したカイを皆が信頼しているのが見て取れるからだ。
自分が予想も出来ないやり方で仲間達を助けるのではないか、その期待がアマローネを動かしている。
『シールド、第三レベルまで後退しました!このままではあと数分で臨界点を突破します!』
『動力も復旧には至りません。完全に逃走出来る可能性はパーセント以下だと思われます』
船の全体的な状況をベルヴェデールが、機械的な損傷をエズラが担当して探査を行っていた。
表情には疲労こそあっても落ち込んだりはしておらず、生き生きと仕事に励む姿は普段よりも魅力的に輝いている。
アマローネ・ベルヴェデール・エズラの報告は、決して楽観視できる状態ではない。
船の被害は悲観的な状態でしかない筈なのだが、三人は快活に汗を流して頑張っている。
皆、心に大丈夫だという安心感が抱いているからだ。
『距離、残り1000!!』
敵の総攻撃は徐々に押し迫っており、ブリッジ内は外部の閃光で照明なくとも目を覆わんばかりに眩しく照らされている。
限界は近い。
後数風もあればシールドは完全に解除されて、船は丸裸となり集中豪雨を浴びてしまう。
二つの船が融合して戦艦への変貌を遂げたニル・ヴァーナでも、敵艦隊の攻撃を食らえば穴だらけにされてしまうだろう。
ブザムやマグノは近づきつつある全滅の憂き目にも敢えて何も口には出さず、頼もしき自分のクルー達に自分の命運を預けていた。
船内で待機しているクルー達も己が己で自分の仕事を行い、パニックにもならずにただじっと身を預けていた。
カイが動き出す瞬間を待って――
『距離、900!!』
ついに眼前とも言える距離まで押し寄せてきた敵勢力に、カイに助けを求めるようにアマローネは叫んだ。
まるでその気持ちが届いたかのように、カイは操縦桿を硬く握って高らかに叫んだ。
「今だ!いけぇぇぇぇぇっっ!!!」
激励を聞き入れて、それまで沈黙を保っていたドレッドチームが一斉に噴射して加速する。
機を伺っていたかのような華麗な飛翔はそれまでの混戦が嘘のように、見事なるチーム編成を見せていた。
襲い掛かってくる敵艦隊に対して、楕円を描いて突き進むドレッド達は敵に肉薄していく。
そのまま徹底抗戦を行うのかと皆が固唾を飲んで見つめる中、ジュラ・バーネットを先頭にしたチームは何とそのまま敵にすれ違う。
『ええっ!?』
「なんだと!?どういうつもりだ・・・」
接近を試みる敵を引き付けて接近戦を行うのかとばかり思っていたアマローネやブザムは、思いも寄らない展開に戸惑いを見せる。
マグノもさすがに平静ではいられずに、艦長席から腰を上げて外部モニターを食い入るように視線を向けた。
一同の困惑をよそに、ドレッドチームは次々と敵と交差して戦いもせずに振り切って飛び立っていく。
まるで戦いを行わずに逃げるような動きに、逆に敵側が混乱を見せた。
これまでの交戦データを元にしたカイ達のデータとはまるでそぐわない消極的な行動に、計算結果が算出できないでいたのだ。
迷いが生まれると、チームワークは成り立たなくなる。
メイアが戦線離脱をして一気にチームを乱されたドレッドチームの危機を、今度は敵側が身を持って味わっていた。
キューブ型数百機は混乱を表すかのように散り散りとなり、母船に向けてそのまま行動するものとジュラ達を追うものに分かれる。
無類の加速力を誇る鳥型も動きを見せない母船と、グングン遠のいていくジュラ達と、どちらを責めるかで右往左往する。
完璧なるプログラミングで完璧なる動きと編成を見せていた無人艦隊だからこそ起こり得た弱点。
その弱点こそカイが狙っていたものであり、その決定的な隙を見逃すカイではない。
「作戦第一段階、成功。
覚悟しろよ、てめえら。青髪をあそこまで追い込んだんだ・・・・・・・・
それ相応の落とし前はつけさせてもらうぜ!」
最後の取りとばかりに、カイは自分の機体を急発進させる。
それまでの鬱憤を晴らすかのような目覚しい動きは損傷を思わせない力強い噴射を見せて、敵勢力の中央に飛び出していく。
先陣を切っていた鳥型はすかさずに放火を浴びせるが、カイは勢いすら止める事無く突き進んでいった。
抜けるような青き空。
どこまでも広がっている草原は自然の匂いを感じさせ、優しい微風が草を扇いで流れていく。
タラークにもメジェールにもありえない穏やかな大地。
平和そのものを示すかのような情景は、見る者を平安に満たしてくれる。
悩みや苦痛・悲しみや苦しみを忘れさせてくれそうな草原に、メイアは身を横たえていた。
瞳を閉じているその表情には過去を反芻して悩んだり、過酷な手術に苦痛を訴える様子もない。
それどころか怪我の跡も一切無く、パイロットスーツを全身に覆うメイアの姿は童心に戻ったかのように安らいだ表情をしている。
メイアは切れ長な瞼をそっと開けて、目の前の光景を見つめた。
意識はある。
自分がどういう状況下にいて、何故このような草原に身を置いているのかも何となく分かっていた。
自分は死にかけている、いや・・・・・
もう死んでしまっている、だからここにいるのだと。
最後の最後に過去の苦しみや現実の過酷さに無縁なこの場所に来れた事を、メイアは純粋に感受した。
例え、それが自分の心が生み出した幻の光景であったとしても――
『・・・・これで・・・もう・・・・・・・』
もう、どうでもいい。早く楽になりたい。
何も考えず、何も悩まず、何も思う事もない。
過去はあまりにも残酷だったから。
現実はあまりにも過酷なのだから。
未来はあまりにも冷酷荷しか見えないのだから。
何もかもを放り出して、何もかもを捨て去って、ただ眠りにつきたい。
それだけだった・・・・・
『・・・・・・楽に・・・・・・・・・・』
メイアはもう一度瞳を閉じて、そのまま眠りについた。
もう自分はこの瞼を開ける事はない。
それがどういう事を意味するかを分かっていても、メイアはそれを受け入れた。
ただじっと、心地良さに身を委ねて・・・・・・・・
精神状態の有り様は、肉体に大きな影響を及ぼす。
メイアを救うべく前代未聞の手術を決行して数十分後、メイアの脳波・呼吸が再び停止する――
「メイア、駄目!戻ってきて!!」
「しっかりしろ!生きるんだ!!」
ドゥエロとパルフェが顔色を変えて大人しくなったメイアに訴えるが、反応は返ってはこない。
パルスの発生に苦痛を訴えていた悲鳴も途絶え、医療室には不気味な機械音のみが響くのみだった。
やはり無茶な試みだったのだろうか?
自分達の無謀な賭けがメイアの生命力も奪ってしまったのだろうか?
常日頃は冷静な二人の脳裏に後悔の波が押し寄せていたその時、傍らにいたパイウェイが走った。
無我夢中で走り抜けて傍に立てかけていた外部モニターにしがみ付くかのように接近して、大声を上げる。
「メイアが・・・・メイアがーーー!!」
いよいよ作戦の本格的スタートという時に少女の涙の叫びを聞きつけて、カイは顔を向ける。
通信モニターに映し出されているのは、何かを訴えようとして声を上擦らせているナース服の女の子の姿。
必死な形相で自分を見つめるパルフェに、沈痛な面向きで唇を噛み締めているドゥエロ。
そして、静かに横たわっているメイア――
何が起きたかは、医療知識がないカイでも一目瞭然だった。
パルフェを、ドゥエロを、パイウェイを、そしてメイアをじっと見つめて、カイは大きな声で呼びかけた。
『まだ諦めるには早いぜ!』
コックピット内が激しく振動し、危機を知らせる警告音と非常灯で満たされる。
かなりの猛威に振るわれている証拠だが、カイは声に力を込めて堂々と語った。
『本領発揮は・・・・・これからだ!』
疲労と負傷が重なって、カイは操縦桿を握る手が震えているのが分かる。
少しでも気を抜けば倒れてしまうだろう。
そこへ新しい通信回線が開き、バーネットの勝気な表情が映し出された。
『ジュラもあたしも準備はオッケー。いつでも始められるわ!』
カイは口元に笑みを浮かべて手元の操作パネルを弄り、モニターを周囲の観測データに切り替える。
ドレッドチームの現在位置、敵の進路を目安で測っているのだ。
現状況では敵側はバーネット達を追尾するものと母船への追撃をかけるものとで前後に分かれ、布陣は長く伸び切っていた。
ジュラ・バーネットが率いるチームが敵と交差して、敵艦隊の背後に先陣を構えて敵周辺を覆う形で大挙している。
『おし・・・よくやったぜ、皆・・・・・・』
通信チャンネルを全機にリンクさせて、カイはパイロット達全員に労いの言葉をかける。
今のこの敵味方の位置関係こそ、カイが望んでいた理想の反撃体勢だった。
『一気に決めるぞ、お前ら!!』
『ラジャ−!!』
一つ深呼吸をして息を整えて、カイはブレードを引き抜いてある一点を指し示す。
ブレ−ドの先端が向けられているのは敵の最後尾。
先陣を切って向かったジュラ達が待機しているポジションでもあった。
カイは目を見開き、燃え盛る闘志をそのままに声を振り絞った。
『作戦開始!第一波、正射!!』
それまで敵と反対ベクトルで加速していた先頭のジュラチームが突如反転。
五十機を超えるドレッドが完璧なチームワークを見せて、一斉に最大威力でビームを発射した。
突然の攻撃に慌てふためいたのはジュラ達を追いかけていた敵チームである。
敵の予想もつかないビームの正射を受けて、回避できなかった数十機が正面から食らって爆発する。
キューブ型は、だが。
鳥型は予想外の攻撃にも対処するだけの余裕は残っており、ドレッドの攻撃にも回避を試みる。
ヴァンドレッド・メイアに匹敵する機動力を持つ鳥型だからこそ出来る芸当である。
回避されたビームは空しく宇宙空間をそのまま消えていく。
・・・・・筈だった。
直後、回避した筈の鳥型は一閃されて消滅したする。
消滅した鳥型は最後の最後まで気づかなかったであろう。
背後に待機していたドレッドのシールドに、回避したビームが反射して衝突した事を――
ジュラチームが正射したビームは、何も闇雲に撃った訳ではない。
追尾するキューブ型や鳥型を、そしてその周囲に控えるバーネットチームのシールドを目掛けて撃ったのだ。
『第二波!!』
間を開けずにカイは命令を発し、次に敵艦隊の中核にいたバーネットチームが一斉掃射する。
今度は敵も対応して回避を行うが、最後には無駄な努力で終わった。
ドレッドの主力となるビームは、あくまで直線の軌跡しか描けない。
強力な威力こそあるが、単調とも言える攻撃にこれまで敵は回避し続けて来た。
その弱点を補う為にカイが考案したのが、このシールドのビーム反射による編曲的角度の変化だった。
真っ直ぐに進むビームには対応は出来るだろう。
だが幾度かわしても、回避した先にシールドを張ったドレッドが待ち構えており、跳ね返って再び襲い掛かってくるのだ。
反射は反射を繰り返し、回避すれば回避するほど、ビームは予測出来ない角度から襲い掛かり突き刺さる。
逃れようのない攻撃に、次々とキューブ型や鳥型は対応できずに撃沈していった。
第三波、第四波とカイは攻撃命令を行い、ドレッドチームは次々と敵を撃ち落としていく。
予めポジションを決めて、敵周囲を満遍なく覆うようにカイは抜かりなく指揮したのだ。
正に敵はビームという鳥篭に捕まった鳥も同然である。
完全に足並みを乱されて消滅させられて、敵勢力は瞬く間に壊滅していく。
「これでとりあえずあいつらを苦しめた分の落とし前はつけられたな・・・・」
おおよそ半分以下にまで残存機体数までになった敵側は、今までの勢いを失っている。
ビームを反射するというこの作戦は高いチームワークが必要とされる。
その上で彼女達にも一矢報わせてやりたいと思い、ジュラ達に協力を求めたのだ。
成果は予想以上だったといえる。
ただ問題なのは、敵がこちらの作戦を看破して周囲のドレッドを蹴散らされたら終わりだという事である。
反射を利用しての一斉射撃はあくまで周囲を取り囲んでいるからこそ行える集団戦法なのだ。
もし敵が気づいて各個撃破されたら、基本性能で劣るこちらが負けてしまう。
無論その前にこのまま追い込めば、敵を完全に壊滅させる事も可能だろう。
ただそれで終わらせるのは、カイは納得出来なかった。
完全な勝利を得るためには、まだケリをつけていない事が残っている。
『赤髪、やってみるぞ』
個人回線を開いてカイが呼びかけると、ディータは少し不安そうに尋ね返す。
『宇宙人さん!?で、でも、その・・・・大丈夫かな・・・・?』
今から何をするか、二人には言葉にする事すら愚問だった。
イエスー・ノー、その二つで十分に通じ合える。
『最後の最後までとっておくっていったろう。
ここまでうまくいったんだ。駄目で元々だ、気楽にいこうぜ』
可能性は、最後の最後まで追及し続ける。
何かを否定してしまえば、もう二度と取り戻せないという予感がカイにはあった。
それに本当の意味で勝つのなら、この行為こそ必要だと感じたからだ。
決意を固めてカイは呼びかけ、ディータも元気を取り戻して微笑んだ。
『うん!それじゃあ行くよ、宇宙人さん!!』
『おう!』
今日という日にこれまでの全てに決着をつけるために――
二つの機体は再び一つとなった。
「メイア・・・・・」
慈愛に溢れた声。
懐かしくも哀しい女性の声に、メイアは二度と開かない筈のその瞳を開ける――
<Action15に続く>
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