VANDREAD連載「Eternal Advance」



Chapter 1 −First encounter−



Action8 −出会い−




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 式典中止後より数時間が経過したが、事態はタラーク側にとって悪化するばかりであった。

護衛艦・守護艦隊は奮戦するものの、海賊達のドレッドの性能とスピードに翻弄され戦列を離れていった。


「護衛艦『マボロシ』、大破!!」

「第二防衛ライン、突破されました!!」


 イカヅチメインブリッジ内は、オペレーターの悲痛なまでの報告で満ちていた。

危機を伝える赤色灯は消える事無く点滅を繰り返し、事態の深刻さを物語っている。

後方中央の艦長席でじっと報告を聞いていた首相は、ぶるぶると拳を震わせる。


「卑怯な!背景輻射を隠れ蓑とするとは!!」


 タラークの影より光り輝く恒星系の太陽を背に、海賊達が責めている。

そのためにドレッドをはっきりと確認できないタラーク艦隊は、攻撃すらまともにできなかった。

女海賊達は環境すらも味方にしていた。


「イカヅチ新艦区、第二・第四隔壁損傷!!」

「このままでは本艦に侵入される危険性があります!!」


 予想よりはるかに早い海賊達の襲撃速度に、首相は何の対策も立てずにいた。

そもそも現艦長に比べて軍事の才がない首相に、タラークが誇るイカヅチや守護艦隊全ての指揮を取ること自体無謀とも言える。


「・・・このままでは侵入を許してしまう・・・・・」


 危機感と海賊達への怒りでしきりに顔色を変える首相。

傍らで権限を剥奪された艦長は、沈黙する首相に代わってクルー達に命令を飛ばす。


「守護艦隊に入電!現時点をもって陣を解除!!
イカヅチの護衛にまわれ!!」

「了解!!」


 現状を把握している艦長はもう全てを悟っていた。

このままでは海賊達を抑える事はできないと、イカヅチを守りきる事はもう不可能であると・・・・

沈痛な表情で目を閉じる艦長に対して、首相はまだ諦めてはいなかった。

考えに考えた末に、首相は無謀ともいえる命令を出した。


「このままでは埒があかん!!蛮型を出せ!!」

「えっ、そんな!?」


 首相の命令とはいえ、あんまりな命令にクルー達に動揺が走る。

無論傍らで聞いていた艦長も顔色を変えて、首相に抗議をする。


「それは無茶です!艦に乗員する蛮型要員はすべて練習生ばかりですよ!?
敵は明らかに実戦慣れをしたプロばかりです!いたずらに犠牲者が増えるだけです!!」


 艦長の述べる言葉はすべて本当で、蛮型要員は全てが士官候補生ばかりだ。

いくらエリート教育を受けた者達ばかりとはいえ、一度も実戦経験のない者達に戦わせるのは死者が出る危険性すらある。

首相もその事は認識はしていたが、彼の頭の中には既にイカヅチの守護でいっぱいだった。


「分かっておる!!だがしかし、このまま指をくわえて見ていろと言うのか!」

「し、しかし!」

「実戦で戦わずして何が仕官候補だ!土壇場で力を発揮する事こそが男の証だ!!」


 もはや理論を超えて、理屈にすらなっていない首相の言葉だった。

命令を止めたい艦長だったが、彼にその権限はない・・・・・・・


「か、艦長・・・・・」

「・・・やむを得まい。蛮型を出せ・・・・・」


 苦渋に満ちた艦長の表情に何も言えず、クルー達は命令に従った。















 激しい戦闘に煽られる度に、イカヅチ艦内は止る事の無い振動と非常サイレンが鳴っていた。

旧艦区式典会場を後にした士官候補生一同は、戦いの準備を行っていた。


「今こそ俺達の出番だな!」

「ああ、女共なんて目じゃないぜ!」


 首相の放送に感化された様に、候補生達は滾る気持ちを抑えきれずにいる。

搭乗員の待機室にて、会場で着ていた軍服から前線で戦う為のパイロットスーツに着替えていく。

そんな彼らの中で、ドゥエロは一人マイペースで着替えていた。


「そういえばバードの奴はどうした?」


 先程会場でドゥエロと話していた候補生の一人が、バードの存在がない事に気がついた。

きょろきょろと大勢いる候補生を一人一人見渡すものの、彼の姿は見つからなかった。


「あんな奴ほっておけよ。それより一刻も早く戦闘に参加しないと駄目だろう」

「それもそうだな」


 友人の言葉にあっさりと納得して、それ以上の探索はやめる候補生。

彼らにしても緊急事態に備えて、一時でも早い行動を余儀なくされているのだ。

まして、候補生の間ではお調子者で有名のバードである。

軍人気質なタラークの男にしてみれば、バードは規格外だった。


「・・・・・・・・・・・」


 彼らの話が耳に入ったドゥエロは何気なく慌しい待機室内に視線を向ける。

見つめる瞳に小さな好奇心と期待がこもっている事に、誰か気がついただろうか・・・・・・?

何かを―――誰かを探す視線は真剣そのものだった。

だが見つからなかったのか、小さくため息をついてかぶりを振ると、再びドゥエロは着替えに戻った。















「ピピ、ハッシンジュンビハカクノウコニテサレテイマス」

「何だよ、会場のすぐ隣だったんじゃねえか。勢い込んで走り回った俺が馬鹿みたいだな」


 式典会場へ飛び込んできたカイは息を荒げてそう毒ついた。

どうやら蛮型の発進場所を探してあちこちを走り回ったようだ。

彼の隣に浮かんでいる六号は、彼の言葉に反応したように点滅を繰り返す。


「ハッシャコウハカンニサンカショセッチサレテイマス。トクテイニハジカンガカカリマス」

「分かった、分かった。お前を責める気はないよ」


 カイは苦笑して式典会場の中へ戻り、きょろきょろと辺りを見渡した。

式典会場内は候補生達もいなくなり、床は派手にテーブルが倒れている。

先程新型の蛮型が並んでいた場所は今だに隔壁が開きっぱなしで、隣の主格納庫内の様子が見渡せる。

最新の蛮型九十九式が並んでいる主格納庫では、作業要員が発射準備に勤しんでいた。


「おっと、見つかるとやばいな」


 作業員の目に止まらない様に、素早く近くのテーブルの陰に隠れる。

彼の動きに合わせるように六号も彼の隣でそっと隠れる。

幸いにも発射作業に忙しいのか、作業員達はカイに目を向けることはなかった。


「ピピ、ナゼカクレルノデスカ?」

「何故って・・・見つかるとやばいだろうが」


 三等民には既に退去命令が出ているのだ。

カイがここに残っていれば命令違反になる。

無論、彼もそれを承知の上での行動だが―――


「ハンダンフノウ。アナタニハチュウサカラケンゲンガアタエラレテイルトオキキシマシタ」

「ぐ・・・・・」


 言葉に詰まったように、カイは口を閉ざす。

実は彼が最初に六号に主格納庫の場所を聞いた時に、六号は盛んに反対したのだ。


「命令違反である」、と。


六号の助けがないとスムーズに動けない彼は悩んだ挙句、アレイク中佐の命令で動いていると言い包めた。

自分にはいざという時に行動できる権限があるからサポートをしろ、と。

巻き添えを食う形になったアレイクは災難である。

六号の鋭い質問に困った彼は思案し、思いついたように手をぽんと鳴らす。


「ほ、ほら、あいつらに見つかると色々説明しなければいけないから大変だろう?
今は緊急事態だ、一刻も早く行動しなければいけねえ。
だからこそこうしてこっそり隠れて行動し、全部解決した後で事情を説明すればいいんだって」


 かなり無茶無茶な理屈を言うカイ。

ひょっとすると首相と並ぶかもしれない。

六号はモニターを点滅させながら、カイの言葉を一つ一つ理解しようと検証する。

流石のコンピューターもカイの不明瞭な説明に悩んでいるようだ。

そんな彼らがいる式典の会場内を一つの放送が鳴り響いた。


『これより旧艦区は無重力化を開始する。各作業員は注意されたし!!』


 放送終了と同時に、会場内の重力は消失する。

会場内に置かれていたテーブルやグラス等が次々と宙に浮かび、会場内の空間を乱舞する。

無論、会場内にいた彼らもあっさり巻き込まれた。


「おわわわわわわぁ!?何だ!?」


 もともと宙に浮いている六号は影響はないが、カイはそうはいかない。

慣れない無重力に足をばたばたさせながら、必死で抵抗を試みる。


「くそ、何だこの!?
・・・・・うん?あいつは?」


 体勢を無理やり安定させながら前を見ると、浮いているテーブルの脚に一人の男がぶら下っていた。

美形を泣きそうに歪ませて、必死な様子で無重力に抵抗している。

それが誰なのか気がついたカイは器用に手をこぎながら、彼の傍に近づいた。


「おいっす、さっきのペレットのあんちゃん。こんなところで奇遇だな」

「ふえええ〜〜、くそ〜〜〜って、お前!?さっきの三等民」


 カイに気がついたバードは、少し安心したように表情を軟化させた。


「一体何がどうなってるんだ!?お前がどうしてここにいる!?」

「いっぺんに質問するなよ。俺はまあ成り行きみたいなもんかな。
あんたこそどうして此処にいるんだ。候補生は全員戦闘配備だろう?」


 戦闘が怖くて隠れていたと言えないバードはコホンと咳払いをして、すました顔に戻る。


「勿論僕は待機しているのさ。
いざって時の緊急事態に備えて温存された、まあ秘密兵器のようなものだ」

「へえ・・・・でも、今って思いっきり緊急事態じゃねえのか?」


 鳴り響く緊急のサイレン、必死で作業に励む艦内のクルー達。

これが非常事態でなければ、どういう事態が非常なのだろうか?

カイの素朴な質問にうっと声を詰まらせるが、やがて得意の口調で切り返した。


「こんな出来事はまだまだ訓練みたいなもんさ。まあ三等民には理解できないだろうけどね」

「ふーん、まあいいか。それよりあんたに聞きたいことがあるんだ」

「な、何だよ・・・?ちょ、ちょっと待てよ。見つかるとまずい」


 さりげなく本音を言いながら、バードは会場中央に設置されているグラン・パの銅像にしがみつく。

カイもその行動に従い、銅像の陰に隠れるようにしがみ付いた。

もし軍部の上層部が見たら懲罰ものだが、彼らは気にしない。


「よし、これで見つかることはないな。で、何だよ聞きたい事って?」

「実はよ・・・・・・・」


 カイはにっと笑うと、バードに近づいてそっと呟いた。


「あそこに並んでいる新型の動かし方を教えてほしいんだ」


 カイの言葉に、バードは目をまん丸にして彼を呆然と見つめた・・・・・・・・















「第四機関部、被弾!!」

「出力、低下していきます!!!動力が80%に低下!!」


 海賊達ドレッドの攻撃により、イカヅチ新艦区の機関部の一部に被弾する。

護衛艦を蹴散らされて。ドレッドはもはやイカヅチの目前に迫っていた。


「く・・・何をしておる!!奴等をこれ以上近づけるな!!」


 首相が激を飛ばすが、クルー達はもはや大人しく聞いているほどの余裕もなかった。

切磋琢磨に行動してはいるが、海賊達の襲撃を止められそうにもないからだ。

首相は苛ただしくイスを何度も拳で叩きながら、艦長に怒鳴った。


「蛮型はまだ発進できないのか!!一体何をしている!」


 命令してからしばらく経つものの、一向に発進されない事が更に首相を苛立たせる。

艦長はそんな首相に言い出しづらい様に何度も咳払いしていたが、やがて進言した。


「そ、それが先程の女達の攻撃で蛮型の発射口の動力部が遮断されたのです・・・・」

「何だと!?・・・・こうなっては仕方がない・・・・・・・・
一部でもかまわん!!出撃が可能な蛮型を出せ!!!」

「し、しかしそれは!?」


 もはや勝つ方法どころか、無謀でしかない命令に困惑する艦長。

だが首相はそれ以上聞く耳をもたないのか、メインモニターに目を向けたままだった。

疲れた様に深いため息を吐くと、艦長は発射口に繋がる通信機に口を当てる。


「こちらメインブリッジ。出撃可能な蛮型を優先して射出しろ!」


 今回の襲撃事件での一番の功労者は、ひょっとするとこの艦長かもしれない・・・・・・・・・・
















「何だって!?正気か!?」


 旧艦区主格納庫の管制員が、メインブリッジより通電された艦長の命令に耳を疑った。

普通ならば考えられない暴挙に等しい命令である。

管制員が困惑するのも無理はなかった。


「・・・はい、はい・・・・・了解」


 艦長より伝わる悲壮感に、管制員も大よその事情を理解して渋々承諾する。

元より選択がなかったともいえるが。

管制員は通信機から離れると、もくもくと準備を進める作業員や待機している候補生達に通達する。


「各自、蛮型搭乗員は自分の判断で出撃しろ!!」


 命令を聞いた候補生たちは待ってましたとばかりに、次々と発射口に飛び降りる。

だが整備が終えていない、あるいは搭乗員がスタンバイ出来ていない蛮型は放置されたままであった。

先程の機関部の故障で全出撃は不可能になり、手が回らない状態なのだ。

そして、そんな格納庫の混乱の中を遠目で見つめる二人の男がいた。


「よし、どうやらいよいよ俺の出番が来たみたいだな」

「お、お前・・・・本気で乗り込むつもりか?」


 式典会場のグラン・パの銅像の影において、カイとバードはひそひそと話し合っていた。


「仕方がないだろう、今しかチャンスがないんだからよ」

「そういう事を聞いてるじゃないっつーの!
いいか、どうやら理解できていないようだから教えてやるが、蛮型の操縦は一朝一夕でできるものじゃないんだぞ。
お前が宇宙に出ても、どうせ女に撃墜されるのが落ちだ。犬死になるだけだぞ」


 この言葉はバードなりの忠告のつもりだった。

可能性の低いチャレンジや命を賭けた行動というのは、彼にしてみれば馬鹿げていると言えた。

そしてバードの考えは決して非難できる考えではない。

生きている者が命を大切にする、それは至極当たり前のことだからだ。

だがカイは―――


「・・・・お前の言う通りだな。俺は馬鹿げた事をやろうとしているのかも知れねえ。
このまま飛び出しても、ただ無駄死にするだけかもしれない。
ある人にも言われたよ。
『三等民のお前が宇宙に出て何ができる』ってな。でも・・・・・」


 カイは六号を片手で担いで、グラン・パの銅像からすぐに飛び出せるように這い登る。


「できる、できないなんて俺にしてみればしょぼい問題だよ。
俺は宇宙一のヒーローを目指しているからな。
ここで逃げれば、この先何もできないつまらない男になっちまう。
そんなのはまっぴらごめんだ」


 真剣な表情で並ぶ蛮型を見つめるカイを、不思議そうに見つめるバート。

三等民でしかないカイが何故か眩しく見えるのは気のせいだろうか・・・・・?

バートは自分でもわからない不思議な感覚に襲われる。


「えーと、俺の相棒は・・・・・・・・いた!!
よかった・・・まだ発射されてない。今は乗り込むチャンスだな。
じゃあな、あんちゃん。縁があったらまた会おうぜ」

「あ、おい!ちょっとま―――」


 カイはバートの静止を振り切って、そのまま主格納庫へと走る。

素早い動作で突然の侵入者に困惑する作業員を無視して、そのまま目的の蛮型の元へ走りこむ。


「へへ、待たせたな相棒。いよいよ俺達の出番だぜ!」


 「HERO」と刻まれた機体に素早く飛び乗って、空いているコックピットに滑り込む。


「えーと、確かあの兄ちゃんに聞いた操作方法だと・・・・・」


 蛮型の左肩がスライドし、コックピットを包み込む。

そして発射完了状態とされていた蛮型は、搭乗者の意思を無視して発射口に滑り込んでいく。

びっくりしたのがカイだ。


「ちょ、ちょっと待て!?まだ操作方法がぁぁぁぁぁーーーーー!?」


 カイの悲痛な叫びもむなしく、カイの搭乗する蛮型九十九式は宇宙へと飛び出した・・・・・・・





「い、今の・・・何だったんだ・・・・・?」

「さあ・・・・・・・・・・」


 突然発射された蛮型に、訳も分からずに取り残される作業員達。


「あ、あいつ・・・・死んだな・・・・・・・・」


 カイの出撃を見つめ、呆れた様に呟くバードがそこにいた。















 タラーク艦隊と女海賊達との激しい攻防戦は、いよいよ終焉へと向かいつつあった。

元々地形の理は海賊側にあったが、それを差し引いても女パイロットの腕前は見事であった。

イカヅチより発射された新型の蛮型も次々と出撃されるものの、そもそものスピードが段違いなのだ。

実戦実践されていない候補生達では到底追いつけるものではない。

結果殆どがまともに攻撃もできず撃墜されるか、辛うじてドレッドにしがみ付く位しかできなかった。


「あ〜ん、何よこいつら!?鬱陶しいわね!!」


 眩いブロンドの髪をかきあげて、ジュラは美貌を歪める。

コックピットより映し出されるメインモニターには、ジュラの機体をガンガン叩く蛮型達の姿があった。

そんな不満の声を聞いていたのか、ジュラの赤い機体に白い機体が接近し通信を入れる。


「ヴァンガードにかまうな。敵の母艦に集中しろ」

「ラ、ラジャー」


 通信より響く厳格な声は、ドレッドチームを指揮するリーダー・メイアだった。

彼女の威厳のある声に、ジュラも表情を引き締めて敵を掃討しイカヅチへ向かう。

ジュラの機体がまっすぐにイカヅチへ突撃していくのを見計らって、メイアも機体を一直線に操縦する。

途中敵の蛮型が行く手を阻むようにしがみ付くが、機体を翻して宇宙空間へ放り飛ばした。

さすがにドレッドを率いるだけあって、かなりの腕前のようだ。


「全チーム、このまま私に続け。後方より侵入する」

『ラジャー!!』


 メイアの命令に、一斉に他のパイロット達は元気よく返事をする。

統制の取れたチームは先頭を進むメイアに従うように、敵の攻撃をかわしながら進み続ける。

全ての蛮型を振り切ったメイアのドレッドは、そのままイカヅチのカタパルトへと接近を試みる。

そして後もう一歩の地点で、メイアですら予想できない事態が起こった。





「・・・・ぉぉおおおおおお、わああああああああああーーーー!!???」





 イカヅチより勢いよく噴出された一体の蛮型が、メイアのドレッドの進路上に飛び出してきたのだ。


「!?な・・・・!?」


 慌てて回避しようとするが、最速で飛ばしていたドレッドに急な回避は不可能だ。


「へ・・・・・?ちょ、ちょっと待てーーーーー!?」


 驚く間すら与えず、メイアのドレッドとカイの蛮型は宇宙空間で激しく激突した。




















メイア=ギズボーン、カイ=ピュアウインド。





二人の最初のコンタクトであった。




















<First encounter その9に続く>

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