VANDREAD連載「Eternal Advance」





Chapter 2 −The good and wrong−





Action3 −対決−




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 固い床に寝転がっていたためか節々痛む関節を鳴らしつつ、カイは部屋内を一通り凝視する。


「あの世ってわけじゃなさそうだな・・・・ここはどこなんだ?」

「ここはイカヅチ旧艦区の監房だ。
もっとも使用される目的もなかったので、物置代わりに扱われてはいたが」

「監房だぁ!?俺達、捕まっているのか!?」


 手元の手錠をガチャガチャ鳴らしながら、カイはドゥエロに詰め寄る。

そんなカイに頷きながら、ドゥエロ自身もすっと自分の手首にかけられた手錠を見せる。


「私もあっさりと捕まってこのザマだ。多勢にふぜいだった」


 言葉の割にはそれほど悲壮感がないドゥエロだった。

案外彼自身、この状況を楽しんでいるのかもしれない。


「相手は誰なんだよ。タラークのお偉いさんか?それとも女達か?」

「後者だ。脱出艇より降りた際に銃を突きつけられた」

「あ・い・つ・ら〜〜〜〜〜、恩を仇で返しやがって〜〜〜〜!!
大体約束が違うじゃねえか!!」

「私に言われても困る」


 ドゥエロの言い分はもっともである。

だが激昂したカイは彼の言葉を右から左に流して、激情したように口を開く。


「くそ!女の言う事なんて信じるんじゃなかった。
あいつらな、こう言ったんだぞ。人質を解放したら女も全員船から出て行くってよ。
それなのに我が物顔で船を占拠かよ!?」


 カイとブザムの取引条件として、まずそれぞれの人質の解放を互いに行う事。

次にイカヅチの物資を提供する代わりに、イカヅチから海賊達全員を颯爽と出て行かせる。

それが互いに飲み込んだ条件であるはずであった。

だが現在の状況としてカイの視点から見れば、海賊達は一向に出て行かず船の略奪を図っている。

あまつにさえ、自分達を捕らえて監房に押し込んでいるのだ。

ペークシスの異常反応、そして二つの船の融合化を知らないカイが猛るのも無理はなかった。


「タラークとメジェールは互いに国交は不干渉であり、憎みあっている間柄だ。
ましてやあの者達は海賊。取引する相手を間違えたな」

「うっさいな!そう言われたら余計に腹が立つわい!
あーあ、結局俺のやった事は全部無駄骨だったのか・・・・・」


 肩を落として、カイはがっくりと監房の床を空しく見つめる。

固い決意でとった行動も海賊達にあしらわれ、命を賭けた博打も結果が現状である。

だがドゥエロはそうは思わなかったのか、カイをしっかりと見つめてこう言った。


「無駄ではないだろう。少なくとも君がとった行動で我々人質は解放された。
脱出したメンバーは無事かどうかはわからないが、あのまま捕らえられているよりは生き残る可能性は高い。
誉められた行動ではなかったが、悲観的になる事もないだろう」


 はっとカイが顔をあげると、そこにドゥエロの真摯的な瞳とぶつかった。

カイが聞き慣れない誉め言葉に照れくささを感じつつも、それでも悪い気はしなかった。


「へ、そんなに誉めても何もでないぜ」

「誉めたつもりはない。事実を言ったまでだ」


 静かに目を閉じて、ドゥエロはそう言葉を締めくくった。

カイはにっと口元を緩めると、監房に積まれている荷物に寄りかかる。

二人はしばらくそうして沈黙を保っていたが、やがてカイは横目でドゥエロを見る。


「そういえばさ・・えーと・・・・・」


 カイが言葉を詰まらせているのにドゥエロは訝しげな表情をし、

やがて名前を名乗っていない事に気がつき、彼は嘆息して名乗り上げる。


「ドゥエロ。ドゥエロ・マクファイルだ。君は確かカイ君だったな」

「何だ、覚えててくれたのか。すっかり忘れ去られているんじゃないかと思ったぜ」

「人の名前を覚えるのはあまりなかった風習だが、君は別だ」


 ドゥエロ自身、カイとは違った意味での環境内で友人と呼べる人間は少なかった。

他者に関して興味のある者は士官学校においても皆無であり、彼にしてみれば皆同じに見えた。

上からの命令は絶対。権威ある者の意見に反論はしない。

従順といえば聞こえはいいが、結局人の言いなりにしかなれず自分では動けないマリオネットでしかない。

ゆえに一人一人にしか持ち得ない固有名詞を覚える事は、ドゥエロにとって滅多にないと言えた。


「ふーん・・・エリートってむかつく奴ばかりだと思ってたけど、あんたは違うみたいだな」

「それは私も同じだ。君も三等民にしては毛色が違うようだ」

「動物みたいな言い方はやめろよな」

「他意はない」


 互いに言葉を交わしながらも、両者の間に親しげな雰囲気が広がっていった。

二人は最初のやり取りのようなぎこちなさも解消されつつあり、ドゥエロも態度を徐々に和らげていった。


「それで君が聞きたい事とは何だ?」

「あ、そうそう。あのさ・・・・・どうして捕まったんだ?
確かあんた、俺より早く逃げたはずだろう」


 ブザムがミサイル接近を通信機で報せ、カイは即座にその場にいた全員に避難する様に告げた。

カイ達は共に避難を開始し、途中の分かれ道でドゥエロとカイはそれぞれ別れた。

その後カイは機体の故障により脱出に手間取り、結果ミサイルからの避難に間に合わなかったのだ。

そのタイムラグを逆算すると、ドゥエロが脱出艇に辿り着けば既に船から出て行っているはずであった。

なのに今、彼は囚われの身になっている。

不思議でならなかったカイが尋ねると、ドゥエロはふと思い悩むに視線をおぼろげにする。


「そうだな・・・・常識で考えれば脱出を優先するべきだっただろうな」

「?何かあったのか?実は船が壊れていたとか」


 自分の相棒もそうだったので、どこか同情するように彼は聞き返した。


「いや、脱出艇は正常に機能していた。宇宙への航路、新艦区への帰還も出来るだけの動力があった」


 メモを読んでいるようにすらすらと事実を話すドゥエロに、カイは驚いたように目を丸くする。


「ちょっと待てよ!?訳が分からねえぞ。
逃げられたんならどうして逃げなかったんだよ。時間はあったはずだろう」


 半ば混乱して問い詰めるカイに、ドゥエロは静かに話し始めた。


「君の言うとおり、私は逃げようと思えば逃げられた。
だが私とて人間であり、医者だ。患者を残して一人逃げる事はできない」

「患・・・者?」

「どこかの誰かが無謀な行動をして怪我をしただろう」


 どこか揶揄するような発言に、カイはさっと自分の腕の手のひらを見る。

そこには先程のバーネットと共に治療された薄く赤に染まった包帯があった。

カイはようやく彼が何が言いたいのかを悟り、困ったように頭を掻いた。


「め、めんぼくねえ・・・・俺の相棒が壊れちまってな。ほっておくわけにもいかなくてよ・・・・」

「相棒とは何だ?」

「ほら、あの式典の時に映像で見た蛮型何とかって奴だよ。
格納庫に並んでいた中の一体で俺と誓いを交わしあってな、それが俺の相棒になったんだ」


 誇らしげに語ると、ドゥエロは興味深そうにカイを覗き込む。


「なるほど、納得した。
それにしても機械をそう表現する人間は始めて見た。君は実に興味深いな・・・・」

「き、気持ち悪い事言うなよ!?鳥肌が立つだろう」

「とすると、一緒に運ばれてきたその機体も君の相棒かな」

「へ・・・・?あっ!?」


 ドゥエロの視線の先に目を向けると、そこに画面にノイズを走らせる比式六号の姿があった。

どうやら変貌した格納庫でカイと一緒に発見した所を運ばれてきたようだ。

カイは慌てて六号の傍へ行き、画面を点検したりパーツを点検したりと各箇所を調べ始めた。


「大丈夫か!?しっかりしろよ!
うーん、見た目に大きな傷はなさそうだけどな・・・・・」


 叩いてもつついてもまったく反応がない六号に、カイは焦りを覚える。

もし中身に重大な破損が生じている、または機体データにエラーが出ている時はカイの手の施しようがない。


「おいおい!?こら、踏ん張れ!男ならこれぐらいで負けるな!!」


 機械に男も女も関係はないのだが、カイは必死に呼びかけ続ける。

その成果があったのか、やがて六号は全身を大きく振動させる。


「おおっ!?何だ何だ、いきなり!?」


 手元から離れて激しく動作する六号に、カイは驚愕の眼差しで見つめる。

傍らで様子を見守っていたドゥエロもマニュアルにはない六号の動作に、じっくりと観察モードに入り込む。

二人が見つめる中六号は全身を振動し、胸元の画面をチカチカ粒子を瞬かせる。

機体全身を薄い輝きで覆い一瞬の閃光を発した後、なんと機体の左右にひょっこりと手足を出現させる。

濡れた様な透明感のある部品で覆われた足は地面に二本足で立ち、手はびしっと直立の体勢を取る。


「た、立った!?今まで浮いていただけだったのに・・・・・・・」


 珍しい物を見るようにカイが凝視する中で、六号はさらに変化を遂げる。

ノイズが走っていた画面が切り替わりダークに染まったかと思うと、モニター中央に二つの線が出力する。

線はやがて面積を生み出し形として変換処理がなされ、可愛らしい大きな目を映像化した。

手、足、目。

新たに加わった機体のバージョンアップにより、六号は小型の人型形態に変貌した事になる。

大きな目はやがて開かれて、六号はキョロキョロと周りを見渡した。


「うーん・・・ここはどこ?わたしはだーれ?」


 手で自身の機体をぽりぽり掻くその姿は、まるで人間を髣髴させるものだった。

突然のこの変化に、カイは呆然としながらも小さな声で呟いた。


「一体何がどうなっちまったんだ・・・・」


 周囲の状況、新しい環境の変化。そして身動きすら取れない自分。

さまざまな激動と始まりに戸惑いが隠せないカイであった・・・・・・・・















 結晶体の増殖と変動は次第に安定化されつつあり、その勢いも弱まり始める。

海賊母船側の結晶分離作業と船の形態維持作業は主にガスコーニュとパルフェが担当とし、

それぞれの作業員、研究員を総動員して目下作業に取り掛かった。

一方、発生源となった旧艦区機関部の調査を終えたマグノ達はその場所を後にし、

旧艦区のそれぞれの各区域の探索へと移った。

結晶の発生、増殖と船の融合化はペークシスプラズマの暴走であることが明らかとなったが、

暴走への過程に至る理由が結局分からずじまいであった。

そこでマグノは手の空いたクルー達を旧艦区の各部の探索と調査に向かわせ、

カイ達の他に残された男側のクルーはいないか、艦内において動作可能な機器はないか等を調べさせた。

ドゥエロを捕まえたのも彼女達調査チームである。

そんな彼女達が走り回る旧艦区内において、ある一ブロックに内々に動きを見せる影があった。

その影は先程カイとメイア達が対立した格納庫の奥よりにひっそりと残されている銅像であった。

そう、式典で候補生達の集まる中央に鎮座されていたグラン・パの銅像である。

銅像もまた結晶体に飲み込まれ外側はびっしりと青く輝くクリスタルで覆われていたが、

幸いにも中にまでは影響を及ぼす程ではなかった。

やがてごそごそと銅像が揺れ動いたか思うと、空洞の内側より強い力がかかり鎮座台の部分に穴があいた。

素材自体は脆いクリスタルは華麗に壊れ、暗闇の空間より一人の男が飛び出してきた。


「ふう〜〜、ひどい目にあった・・・・・」


 整えられた金髪に異性を魅了する容姿、バート=ガルザスその人だった。

バートはカイを見送った後より今までずっとこの銅像の中に隠れていたのだ。

精神力、気力共に頼りない彼ではあるが、自分の保守のための努力は人一倍こなすタイプらしい。


「いったい何がどうなったんだよ〜、うるさく鳴っていた音もいつのまにか止んでるし」


 ぱっぱと服の汚れを払いながら、バートはきょろきょろしながら歩み始める。

何しろ今の今までずっと閉じこもって隠れていたのだ。

自分がどういう状況下に置かれているのかどころか、ミサイルが発射された事すら知らない。

もしも知っていたのなら、いの一番に飛び出して脱出艇で避難していたであろう。


「何か変なキラキラした物が覆っているみたいだし・・・僕、どうなっちゃうのかな〜」


 早くも弱気な態度を見せて、バートは疲れたように近くの壁際にもたれかかる。

そこへ男一人分による体重の負荷がまずかったのか、もたれた壁にビシビシと急激に亀裂が入る。

バートが気がついた時には壁のクリスタルは砕け散っており、その断片が彼の頭上より降り注いでくる。


「うぎゃぎゃぎゃぎゃぁぁぁ−−!?」


 身の危険と恐怖に整った容貌に相応しからぬ奇声を上げて、咄嗟にバートは横に転がる。

機敏な逃げの動作が功を奏したのか、運良く結晶の雪崩に巻き込まれずにすんだ。

恐怖と驚きによる心臓の高鳴りを必死で抑えながら、バートは痛烈な泣き言を口から発する。


「なんでえ、驚かしやがって・・・・・・ん?」


 こそこそと横に四つん這いに移動していたバートの頬に柔らかい感触がぶつかる。

ぎょっとして顔をあげると、そこには・・・・・・


「・・・・・・・」


 すらりとした指に填められたリングガンを起動させたメイアが、這いつくばるバートを睨み付けていた。

数多くの修羅場を潜り抜けたメイアにこれまで危難に縁のなかったバート。

両者の力関係は誰が見ても圧倒的に違いすぎた。

バートはリングガンとメイアの顔を交互に見比べて、蛇に睨まれたカエルのように硬直する。


「・・・まだ男がひそんでいたのか」

「あ・・・はは・・・・どうもはじめまして・・・・・」


 ガチガチに震えながらも、体裁だけは繕おうとバートは精一杯の愛想笑いを浮かべた。

危機的な状況で生き残る努力を忘れないバートという男は、意外と立派なのかもしれない・・・・・・

















「うーん・・・こういうのって実は変身機能とかあるのか?」

「いや、そんなはずはない。機体の外見は設計時に念密に計算されたものだ」


 手足がついて変化した六号を囲んで、監房ではカイとドゥエロが話し合っていた。

囚われの身であるがために彼らは行動を満足に起こす事もできないので、比較的のんびりとしていた。


「ピョロ?大丈夫ピョロよ。全然問題なしだピョロ」

「いや、故障云々じゃなくてだな・・・・・・」


 自分は大丈夫だとばかりに胴体部分を反らす六号に、カイは頭を抱えたくなった。

これまでの機械のようなマニュアル通りの対応ではなく、人間のような対応で返答を返してくるのだ。

カイが戸惑うのも無理はない。


「どうしていきなりそうなったんだよ。さっきまでとは様子がぜんぜん違うぞ」

「光に包まれたんだピョロ〜」

「光だぁ?」


 突然モニターに映像化されている瞳をウットリとさせる六号に、カイは疑惑の声をあげる。


「そうだピョロ。青く輝く流れる光の洪水・・・・・綺麗だったピョロ〜」

「・・・・・・・・・・」


 カイは額を抑えてじっと考え込んでいたが、やがてドゥエロに向き直って言った。


「ドゥエロ。こいつ、やっぱり壊れているぞ」

「うむ。どうやら大規模なメンテナンスが必要なようだな、カイ」

「馬鹿にするなピョロ!!!壊れてなんかいないピョロよ!!」


 機体の腕をぶんぶん振り回して抗議する六号に、妙にカイはさわやかな笑みを浮かべる。


「分かった、分かった。お前の言い分は正しいよ、うん」

「ああっ!?その聞き分けのない子供をあやす様な態度はむかつくピョロ〜!!」

「どうやら内部の熱が高まっているようだが、機械の治療は専門外だ。
如何にしたものか・・・・・・」

「真剣にそんな事を考えないでほしいピョロ〜〜〜〜!!」


 カイとドゥエロの言葉に律儀に反応して、六号は激昂した声を上げる。

六号のどこかコミカルな態度に口元を緩めていたカイだったが、突如表情を引き締めた。


「・・・どうやら来たようだな」


 ドゥエロも同じく気がついたのか、監房の外にじっと視線を送る。

今まで静かだった監房のあるこのフロアに向かって、人特有の足音が近づいてきているのだ。

口を閉ざして黙り込む二人と六号のいる監房の前に、やがて三人の女性が現れる。


「ずいぶん待たせてしまったな」


 余裕と威厳を兼ね備えた雰囲気を漂わせて、一人の女性がすっと前に立つ。


「あーあ、随分と待ちくたびれたぜ。よくもこんな狭い所に閉じ込めやがったな」


 敵意剥き出しで、カイは目の前の女性をにらみつける。

だがカイの鋭い視線をも余裕で流して、その女性は面白そうに座り込むカイを見下ろした。


「今の現状ではここが一番安全な場所なのだぞ。他は生憎混乱していてね」

「それを感謝しろっていうのか、おい・・・・うん?
お前、どこかで聞いたような声だな」

「ほう、なかなか感性は鋭いな。こうして対面するの初めてだな、お前とは」


「・・・・・あーーー!?てめえ、思い出したぞ!通信機の奴だな!!」


 勢いよく立つと、カイはそのまま監房の出入り口を仕切るレーザーシールドギリギリまで迫る。

そんなカイの様子を見て、その女性−ブザム−は艶やかに微笑んだ。


「ふ、覚えてもらえて光栄だ・・・・」

「ふざけんな!てめえ、約束を破りやがって!!」

「約束?」

「忘れたとは言わせねえぞ!この船から出て行くっていっただろうが!!」


 唾が飛びそうな勢いで啖呵を切ると、ブザムは少し真面目な顔つきになった。


「あの時は取引を反故にするつもりはなかった。だが、今は状況が変わりすぎている」

「状況が?何言ってやがる・・・・」

「お前も不思議には思わなかったか?
ミサイルの直撃を受けたはずなのになぜ自分が、そしてこの船が無事なのかを」

「そ、それは・・・・・」


 確実に自分は脱出する事は不可能だったはずだ。

試行錯誤を重ねて、女達を逃がそうと躍起になって、それから突如光が・・・・・・・・

ミサイル着弾の前後の記憶が曖昧で、カイ自身も事態がどうなっているのかさっぱりだった。

勢いの失ったカイに、ブザムは表情を緩めて言葉を続ける。


「それを説明しようと思ったのだ。お前達にも色々と話を聞きたいからな。
そちらの彼も一緒に来てもらおうか」

「け、どこへ連れて行く気だよ・・・・・・・」


 明らかに渋々といった感じでカイが尋ねると、ブザムはすっと背を向けて言った。


「お前が話したがっていたお頭の元へだ。お前達を待っている」


 それぞれが活動をはじめる中、カイはいよいよマグノとの接触を果たそうとしていた。






























<Chapter 2 −The good and wrong− Action4へ続く>

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