この作品はフィクションであり、実在する、人物・地名・団体とは一切関係ありません。
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いつもと同じ一日を送るはずだった、そして変わらぬ明日を迎えるはずだったのに・・・・・・・
この日を境に、日常が変わり始めた。
その日、俺達の運命を変える出来事が起こった。
Unreal・World 第1話「現実的な世界の最後」
いつものように俺は家を出て、高校に向かっていた。
淳哉「はぁ、いつも同じことの繰り返しか、何か面白い事でも起きないかな」
そんな事を考えながら歩いていると、後ろから声がかかる。
「淳哉、おはようネ!」
その声を聞き、振り返る。
淳哉「ああ、おはようミリィ」
声の主は同じクラスの女子である古坂ミリィだった。
ミリィと出会ったのは中学一年の時で、たまたま隣の席だったので話し掛けてみたのがきっかけになって、
それ以来長い付き合いになっている。
ミリィ「どうしたノ、考えごとしてるみたいだけど?」
淳哉「退屈な日常の脱出方法を考えてただけだ」
それを聞き、ミリィが意外そうな顔をした。
ミリィ「意外ネ、そんな事かんがえてるなんて」
淳哉「おいおい、そんなに意外なのかよ・・・・ってもうこんな時間か!」
俺は腕時計で時間を確認したら、ギリギリの時間だった。
淳哉「急ぐぞミリィ」
ミリィ「うんっ」
俺はミリィと一緒に学校に向かって走り出した。
俺達2人が向かっている学校は、川宮高校って名前であり、自由な校風が売りである。
そこだけ聞けばいい感じなのだが、実際はサボるのにはうってつけの高校なのだ。
そのおかげで俺も助かっている。
そうこうしている内に正門が見えてくる。
淳哉「到着っと」
ミリィ「疲れたネ」
無事間に合った事を神に感謝しながら昇降口へ向かう。
ミリィ「淳哉、あそこにいるのは斎藤じゃないノ?」
淳哉「確かに斎藤だな、んっ伊藤さんも一緒か」
昇降口にて見慣れたカップルを見つけた。
真樹「おい淳哉、何か変な事考えてるだろ!」
こいつは斎藤真樹、高校一年のときに出会った、なかなか面白いやつなんだが、見た目がちょっと怪しいのがな・・・・
で隣にいるのは伊藤唯、斎藤と同じで高校一年のときに出会った、いつも斎藤と一緒にいるんだが、
恋人同士なのかもしれない、前それを聞きにいこうとしたが、身の危険を感じたのでやめた。
唯「竹内君、何考えてるか教えてくれないかなぁ!」
何時の間にか目の前に殺気に満ちた2人がいた。
淳哉「仲良しカップル様、どうか命だけはお助け下さい」
そう言いながらとりあえず距離をとる事だけは忘れない。
真樹「そんな事を考えてたのか、判決はどうする?」
唯「当然、死刑でしょう!」
と言って首を切る真似をする、なんか怖い。
最後の希望に頼るしかないか。
淳哉「ミリィ助けてくれ!」
ミリィ「自業自得ネ」
希望は砕け散った・・・・・
淳哉「こうなったら、逃げる!!」
ミリィ「もう授業始まるヨ」
俺はもう授業が始まるのを気にせず逃げ出した。
真樹「逃げられたか、相変わらず逃げるのだけは上手い男だな」
唯「あの見事な逃げ方だけはある意味尊敬できるわね、さぁ授業に出ましょう」
真樹「そうだな」
ミリィ「出席大丈夫かナ?」
そんな声が後ろから聞こえてきたが、あえて無視して俺にとっての楽園である屋上に向かう。
あのドアさえ開ければ、屋上だ。
しかし屋上のドアには鍵がかかっていて開かない。
五年前ぐらいに生徒が1人飛び降りたらしい、そのせいで屋上には鍵がかけられてしまったようだ。
淳哉「全く迷惑な話だ、でもそのおかげで屋上に入れる人間が数人しかいないからな、感謝するべきかもしれないな」
俺は独りつぶやき、鍵を開ける準備に入った。
ポケットから道具を取り出し、鍵を開け始める。
淳哉「確か斎藤のやつ何でこういうことだけ、上手いんだ?って言ってたな」
昔の事を思い出し苦笑する。
カチッ
淳哉「おっ、開いたか、初めの頃に比べるとだいぶ早くなってきたな」
まぁ人にあんまり自慢は出来ないなこれは。
俺はドアを開けて屋上に出る。
穏かな風が辺りに吹く、その風をあびながら、
俺は手に持っていたリュックを開け、中から雑誌を取り出す。
寝そべって雑誌を読み始める。
淳哉「やっぱり屋上は落ち着くな」
しばらく雑誌を読んでると、なんだか眠くなってきたので、目を閉じる。
すると自分でも驚くくらい早く眠りに落ちた。
淳哉「ふぁぁーーーー、よく寝た・・・げっこんな時間か」
腕時計を見るとすでに昼休みの時間だった。
淳哉「まぁいいや、出席は足りてるからとりあえずは安心だろう」
俺は飯を食うために学食に向かった。
淳哉「今日は何にしようかな」
ガヤガヤガヤガヤ、学食はすごく賑わっている。
昼休みも半ばだというのに人が多い。
淳哉「あいかわらず混んでるなぁ、どうしたらいいんだろう」
「先輩こっちです」
俺を呼ぶ声がテーブルの方からする。
淳哉「この声はセイナか!助かった」
声のするテーブルに向かった。
セイナ「先輩大丈夫ですか?」
俺を呼んだ声の主は、セイナ・F・アークライト、日本に長くいるのかどうかは知らないが日本語がすごく上手い。
この高校の女子人気ランキング・ベスト・テンに入っているだけあってかなりかわいい娘だ。
他に伊藤さんやミリィもランキングに入っている、俺の知り合いから3人も出るのはなんかおかしい気もするが。
セイナは出会った当初は暗かったが、今じゃすっかり明るくなった、そのおかげで人気も出たのだろう。
だけどこうして仲良く食事をする相手は俺だけらしい、周りの奴の刺すよう視線を感じる。
淳哉「ああ大丈夫だ、おかげで席を探す手間が省けたよ、じゃあ飯買ってくる」
セイナ「先輩、安心してください、ちゃんと確保してあります」
そういってセイナは俺の分を出す。
淳哉「おお、今日はかけそばか」
俺はかけそばが好きなだけだ、決して金が無いわけではないぞ。
セイナ「先輩がそば食べたいって言ってたから、それで」
淳哉「ナイスだ、さすがはセイナ、早速いただくよ」
セイナ「どうぞ」
周りの刺すような視線を無視しながら、俺は目の前に出されたかけそばを美味しくいただいた。
なぜか今できたばかりのような感じがする、時間はたっているはずなんだが・・
淳哉「ごちそうさま、やっぱりそばはいいなぁ、ありがとな」
そばを食べ終わり、セイナに代金を渡していると。
セイナ「先輩、約束覚えてますか?」
心配そうな顔で聞いてきた。
淳哉「ああ、覚えてるよ、映画見に行くんだろ」
自慢じゃないが記憶力はいいほうだから、ちゃんと覚えている
セイナ「よかった、忘れられてたらどうしようかと」
セイナは嬉しそうな顔をした。
淳哉「大丈夫だよ、約束は覚えてるから、明日の10時公園で待ち合わせ」
セイナ「大丈夫ですね、それでは明日楽しみにしてますから」
淳哉「ところで今日はなんかあったっけ?」
先程から帰っている生徒がいるので気になっていた。
セイナ「確か試験前だからじゃないですか?」
淳哉「あっそうか、試験一週間前だからか」
セイナ「それでは、私も帰りますね」
淳哉「それじゃあ、明日だな」
セイナ「はい、失礼します」
そう言って去っていった。
淳哉「いったん教室に戻るか」
教室に向かう俺。
ミリィ「淳哉、授業終わっちゃったヨ」
教室の戻るとミリィが出迎えてくれた。
淳哉「別にいいさ、一日ぐらいどうってことは無い」
そう言い斎藤の席を見る。
淳哉「斎藤は?」
ミリィ「さぁ?わからないネ」
なんとなく聞いてみただけだからな。
淳哉「そうか、じゃあ俺も帰るわ」
そう言うとミリィが困った顔をした。
淳哉「どうしたんだ?」
ミリィ「ちょっと、歴史教えて欲しいヨ」
歴史マスターの俺に聞くとは、なかなかいい選択をしたな、これで歴史のテストも30点アップも夢じゃない。
淳哉「しょうがない、教えてやるよ」
それを聞くとミリィが嬉しそうな顔をする。
ミリィ「淳哉、ありがと」
そして、30分が過ぎた。
淳哉「これで試験も大丈夫だろ」
ミリィ「よくわかったよ、さすが淳哉ネ」
淳哉「誉めても何もでないぞ、さぁ帰ろうか」
2人で廊下に出て、ミリィが廊下の窓から外を見始めた。
ミリィ「淳哉!ちょっと外がおかしいヨ」
ミリィが驚きの声をあげる。
淳哉「んっ?どうしたんだ」
ミリィ「空が嫌な色してるネ」
言われて廊下の窓から空を見上げる。
淳哉「げっ!何で赤いんだ、まるで血の色だな」
夕焼け比べてみても空がこんに赤い色をしているのはおかしい。
ミリィ「淳哉、嫌な予感するよ、早く帰ろう」
淳哉「ああそうだな」
さっきから何かがヤバイと本能が警鐘を鳴らしている、早く帰ったほうがよさそうだ。
淳哉「急いで帰るぞ」
ミリィ「そうするネ」
俺達は昇降口へ向かって歩き出した。
ちょっとして嫌な音がし始めた。
グチャ グチャ
ミリィ「何なの、この音?」
淳哉「この音・・・・そこからか」
その音はとある教室から聞こえてきた。
ミリィ「どうするの?」
淳哉「気になるから、開ける」
好奇心は猫を殺すという言葉が一瞬、頭に浮かんだがすぐ振り払った。
そして俺は教室のドアを開けた。
第1話 終了
NEXT Unreal・World 第2話「非現実的な世界の始まり」
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後書き
夢幻「どうも作者の夢幻です」
淳哉「今回のアシの淳哉です、ところでミリィのキャラクターイメージってあれか?」
夢幻「そうあれや、まんまじゃんって意見が飛んできそうだ」
淳哉「はぁ、まぁ頑張れよ」
夢幻「第2話のイメージはとりあえず頭に浮かんでいる、後はそれを書くだけだ」
淳哉「これからの展開に期待ってとこだな」
夢幻「あんまり期待されても困るが、とりあえず頑張るさ」
淳哉「よし今回はここらへんでお別れの時間だ」
夢幻「おまえが仕切るな、それではまた次回にお会いしましょう」
夢幻・淳哉「さようならー」