−翼、ふたたび−A(StrikerS対談)
※この物語はリクエストによる架空未来の一つです。
To a you side本編の可能性の一つとしてお楽しみ下さい。
※この対談はリリカルなのはStrikerSのネタバレが含まれています。
対談を読まれる方は、くれぐれも御注意を。
ヴェロッサ「……確かな情報かい、それは?」
良介「直接じゃないけど、足を運んで滞在した場所だ。俺の記憶を頼りに、アリサに幾つか候補地を選んで貰った」
シャッハ「スカリエッティのアジト候補……
これほどポイントが絞れているならば、彼らが行動を起こす前に発見出来ますね」
ヴェロッサ「すぐに陸士第108部隊に応援を頼もう。僕達も早急に動くよ、シャッハ」
シャッハ「分かっています。それで――何故私達にこの情報を?」
良介「必要だろ、お前らに。地上本部襲撃犯のアジト情報だ。それこそ死に物狂いで探さないといけない筈だぜ」
ヴェロッサ「管理局に伝えなかったのは何故だい? この情報は彼らこそ必要としている」
良介「今の管理局を容易く信じるほど、流石の俺も馬鹿じゃない。数年前の管理外世界の事件を知ってるだろ、お前らも」
ヴェロッサ「君の大演説が引き金になったアレだね。後始末にクロノ君達が散々泣かされてたよ」
シャッハ「当時の聖王教会にも波紋が投げかけられた。
世界規模で禁止されていた機械兵器が、再び世に出た事件――
当時と同じく管理局にスパイがいると仰りたいのですか、貴方は?」
良介「(……あの時は嘘だったけどね、あっはっは)
まず間違いないだろうな。
鉄壁の守り――だったかどうかはかなり怪しいけど、地上本部壊滅はスマート過ぎた。
ジェイルの戦力はガジェットと戦闘機人。
確かに優れた戦力だけど、アジトで連中と過ごしていたから分かる。
あの連中に地上本部殲滅なんてまず無理。――敵情報を把握していない限りは」
ヴェロッサ「なるほど……それで管理局ではなく、聖王教会に来たのか。
僕達に直接伝えに来てくれたのは、友情と考えていいのかな?」
良介「ウインクするな、気持ち悪い! 生憎俺は友達なんぞ一人も居ない。
作る気もねえよ、気持ち悪い」
シャッハ「それで他人に迷惑をかけるのですから、貴方という人は業の深い人ですね。
懺悔でもされてはいかがですか? 一日や二日では終わらないでしょうけど」
良介「どれだけ罪深いんだよ、俺は!?」
ヴェロッサ「全世界規模の指名手配犯だよ、今の君」
シャッハ「貴方の個人情報取得にあらゆる組織が大金を賭けていますよ。当然、貴方の首にも」
良介「酷すぎる!? 人間を何だと思っているんだ!」
シャッハ「よくこの教会まで無事に来れましたね。私はまずそれが不思議なのですが……」
良介「普通に自転車で来たぞ、俺」
ヴェロッサ「どうして自転車で来れるのか、不思議でならないよ僕は。
体力だけは怪物並みだね」
シャッハ「領民や騎士達が騒ぎませんでしたか?
当時の映像で、貴方の顔はミッドチルダ全域に広まっていますのに」
良介「手を振ってくれたぞ。これ、お土産。
地元の名産とか、出来立てのおやつとか、美味しい夕飯とか渡してくれた。
つーか、馴れ馴れしあいつらを何とかしろよ。
家財道具の修繕とか、武器防具の手入れとか、余裕で任せようとするんだぞ」
ヴェロッサ「……生まれ育った僕達より、御近所付き合いしてるね君」
シャッハ「地上本部襲撃程の規模でも貴方が関われば、騎士達は当たり前に受け止めているのでしょうか……」
良介「何故溜息を吐くか!? 何にせよ今の管理局は頼りないので、状況提供するならこっちだろ」
ヴェロッサ「それは本当にありがたいけど、君本人はいいのかい?
彼らとの関係は浅からぬと見たんだが――」
良介「査察官殿の目は節穴じゃないな――と言いたいが、別にかまわねえよ。
口止めされてた訳でもねえしな」
シャッハ「私達はアジトを発見次第、彼らを捕縛します。それでもかまわないと?」
良介「喧嘩を売ったのもあいつらだ。負ける奴が悪い」
ヴェロッサ「……この事実を知れば、彼らは君が裏切ったと思うだろうね……」
良介「何なんだ、さっきから。どっちの味方なんだ、お前らは」
ヴェロッサ「それはむしろ僕達が――」
シャッハ「――貴方に聞きたいですね。何処の味方なのですか、貴方は」
良介「俺は、俺だけの味方だぞ」
「「……ハァ……」」
良介「何だ、その溜息は!? 早く調査に行って来い。ジェイル達がやばい事やらかす前に」
ヴェロッサ「分かってるよ。それで君からの取引というのは、君の身の安全って所かな?」
シャッハ「それとも潔白を求めて、私達から管理局へのアピローチを期待しているのですか?」
良介「どっちも大外れ。てめえのケツはてめえでぬぐう。俺が教会に求めているのはもっと別。後で話してやる」
ヴェロッサ「聞いても無駄だね。――シャッハ」
シャッハ「はい。行きましょう、手遅れになる前に!」
良介「……行ったな。これで邪魔者は居なくなった。
シャッハがいれば、あいつとゆっくり話が出来ないからな」
カリム「貴方が望む相手はもしかして私ですか、お兄様」
良介「やっぱり話を聞いていたな。油断ならねえ小娘だな」
カリム「今のお兄様は有名人ですのよ。興味を示して当然ですわ。
うふふ、もしかして……私と二人になるのを求めておられたのですか?」
良介「そうだよ。お前と二人になりたかった」
カリム「えっ――てっきり私はいつもの冗談だと――」
良介「……お前の私室で、二人で話したいんだ」
カリム「おっ、お兄様!? 私、あの……」
良介「……」
カリム「……そんな真剣な目で見つめられると、私……
……分かりました……お兄様が御相手なら……
でも、せめて支度だけ整えさせて下さい。この身を清めたいのです」
良介「ラブロマンスごっこはいいから、早くビデオデッキの準備しろやコラ」
カリム「……お兄様の意地悪」
〜続く〜
<続く>
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