魔法少女リリカルなのはStrikerS第24話「雷光」(2)(StrikerS対談)
※この物語はリクエストによる架空未来の一つです。
To a you side本編の可能性の一つとしてお楽しみ下さい。
※この対談はリリカルなのはStrikerSのネタバレが含まれています。
対談を読まれる方は、くれぐれも御注意を。
〜レジアスとゼスト〜
ゼスト『レジアス。近頃、あまりいい噂を聞かんぞ』
レジアス『俺は何も変わらない。ミッド地上部隊は確かに力を得ている』
ゼスト『……』
レジアス『お前の部隊、戦闘機人事件を追っているそうだな?』
ゼスト『ああ』
レジアス『本局との合同捜査と聞いているが、奴等の干渉は極力――』
ゼスト『お前の言い分も理解出来るが、彼らの協力により捜査は順調に進んでいる。
例の管理外世界で、研究所を発見した。間違い無く次元干渉を行っている』
レジアス『あの小娘も現地入りか』
ゼスト『ふっ、居なくなれば寂しくもなるか』
レジアス『口喧しいのが居なくなって、改革も順調に進んでいる。
帰って来なくてもいいと伝えておけ』
ゼスト『アレも似たような事を言うだろうな』
レジアス『ふん……それで、研究所というのは?』
ゼスト『本局の執務官が突き止めた。近く、強制捜査を行う。
それに以前話した例の少年に、戦闘機人事件の関係者が接触を図っている節がある。
ナカジマも目を光らせているが、足取りを辿るのに難航している。だが、時間の問題だな』
レジアス『……』
ゼスト『レジアス?』
レジアス『――ゼスト、お前にはもっと重要な案件があるはずだ。
明日には指示する、そっちに移れ』
***
ゼスト「あの時の事は、今でも悔やんでいる。何故、察する事が出来なかったのか」
レジアス「……ゼスト、儂は……」
ゼスト「俺はお前の正義の為なら、殉じる覚悟があった。
友を信じたいがあまり、友を迷盲してしまい――
俺は、友を見失ってしまったのかもしれない」
レジアス「……」
ゼスト「どうして――こんな事になってしまった!?
俺達の護りたかった世界は、俺達が欲しかった力は――
俺とお前が夢見た正義は、いつのまに――こんな姿になってしまったんだ!」
レジアス「もう一度やり直すことは出来ないか、ゼスト」
ゼスト「レジアス……?」
レジアス「思えば、儂は一人で何もかも出来ると思い込んでしまったのかも知れぬ。
権力を手に入れて、権限を掴んで、人を動かし、物を作り――正義を、積み重ねて。
城の上に立って民を見下ろす、王様気取りでいた。世界の全てが見えていると、思い込んで」
ゼスト「俺もそんなお前を、ずっと見上げていた。お前なら出来ると、子供のように憧れていたよ」
レジアス「だが、違った。儂は忘れておったのだよ――己が、非力であることに。
誰かを守る力もない。人を育てる能力も無い。
自分の力不足を自覚していたからこそ、力を求めたというのに――
儂はその力を、自分自身であるかのように思っていたよ」
ゼスト「――」
レジアス「ゼスト、お前ともう一度――」
ゼスト「――もう遅い」
レジアス「!?」
ゼスト「俺達は、間違えてしまった。今更引き返せない。
正義と理想を語っていた優しい過去は、もう終わってしまったんだ」
レジアス「分かっている。最初にお前を裏切ってしまったのは、儂だ。許しを請おうとは思わん。
――先程までは、そう思っていた。この期に及んで、ちっぽけなプライドにしがみついていた。
だが、そんなつまらぬ見栄を張る儂を庇って、奴は己の命を差し出した。
勝負だの何だのと言っておったが、所詮若造だ――嘘を付くのが、下手だ」
ゼスト「奴……? まさか、その人間が――レ、レジアス!?」
レジアス「ゼスト、すまなかった」
ドゥーエ「……これは驚きですわね……中将殿ともあろう御方が、地べたに這い蹲るとは。
土下座、というのでしょうか? あのみっともない謝り方は」
オーリス「プライドの高い父さんが、ゼストさんに――」
良介「プライドよりも確かなものを見つけたという事だ。その為ならば、頭を下げられる」
ドゥーエ「正義とやらが、己のプライドよりも大切であると? 理解できませんわね」
良介「そうでもないだろう。貴女も理解出来ますよ」
ドゥーエ「……わたくしが?」
良介「約束しましょう。私に敗北すれば、貴方は間違いなく頭を下げる」
ドゥーエ「……随分と自信がおありのようですが、お忘れではないでしょうね?
彼ら二人の対立も、勝負の内。和解出来なければ、貴方は臓器を提供しなければならない。
見てごらんなさいな、あれを。下げた頭に、刃が突き付けられておりますわよ」
オーリス「ゼストさん!?」
良介「――」
ゼスト「俺達の正義はもう……終わったんだ、レジアス!」
レジアス「ぐっ……」
<続く>
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