魔法少女リリカルなのはStrikerS第24話「雷光」(1)(StrikerS対談)
※この物語はリクエストによる架空未来の一つです。
To a you side本編の可能性の一つとしてお楽しみ下さい。
※この対談はリリカルなのはStrikerSのネタバレが含まれています。
対談を読まれる方は、くれぐれも御注意を。
〜時空管理局地上部隊 回想〜
セスト『……また守れなかったな……』
レジアス『今回の事件の発端は、海の連中が見落とした魔導犯罪者だ!
なのに――優秀な魔導師や戦力は皆、本局に持って行かれる……!』
ゼスト『海の事情も、分からんでもない。向こうは事件の規模も違う』
レジアス『だから――小さな世界の、小さな区画が滅ぶ程度は、無視してもいいというのか!!』
ゼスト『っ……』
レジアス『……すまん……』
***
クイント『――お時間、よろしいでしょうか?』
レジアス『何度言われても、駄目なものは駄目だ』
クイント『納得出来ません! 管理外世界とはいえ、民間人が襲われているんです!
捜査官の派遣を許可して下さい!!』
レジアス『まだ次元犯罪と決まった訳ではない!
まして管理外世界の長期任務ともなれば、儂の一存では――』
クイント『――怪しい』
レジアス『き、貴様はいつもその口の聞き方をだな……』
クイント『本局からの協力要請を再三拒否されているそうですね?
提供された捜査資料を確認しましたが、戦闘機人事件にも関係している可能性は高い。
なのに何故要請を拒否されるんですか?』
レジアス『事件性もまだ不確かなのに、連中に貸しを作ってしまう事になる。許可は出せん』
クイント『捜査権をこちらに譲渡するまで言っているのに?』
レジアス『……何故、それを知っている?』
クイント『やっぱりそうなんですね!?』
レジアス『上司を相手にカマをかけるな!』
クイント『お願いします、捜査官の派遣を! 許可して頂けるまで、何度でも直談判しますよ!!』
レジアス『ええい、ゼストを呼べ! 話にならん!』
****
ゼスト『すまんな、レジアス。アレは優秀な捜査官なのだが、やや真っ直ぐ過ぎてな――
俺からも注意しておく。ただ、クイントも人の命に関わるこの事件を何とか解決しようと必死なんだ』
レジアス『分かっている。儂も昔は、あの娘のように上官に何度も突っかかったものだ。
お前は何の関係もないのにいつも巻き込んでしまった』
ゼスト『俺も、お前のまっすぐな正義は嫌いじゃない』
レジアス『……俺はお前のように魔法の才能もなく、人を育てる力もない。
だがせめて局の中で昇り詰めて力を蓄えれば、こんな現状も変えられるかもしれん』
ゼスト『――いけるさ、お前なら』
レジアス『……捜査官を一人、派遣させる。あの娘にそう伝えろ』
ゼスト『! 分かった、すぐに伝えよう』
***
メガーヌ『聞いたわよ、クイント!? 貴方、どういうつもりなの!』
クイント『ふふふ、写真撮ったんだけど見る? 私の、新しい息子』
メガーヌ『息子って貴方、事件の被害者でしょう!? それに、管理外世界の人間なのよ!』
クイント『何よ、管理局員が人種差別?』
メガーヌ『そうじゃないわよ! 法律面もそうだけど――
文化も価値観も違う世界の子供を引き取る事が、どれほど大変か分かってる!?』
クイント『旦那と相談して決めたわ。今度ばかりは、冗談じゃないわよ』
メガーヌ『……ねえ、クイント……同情と義務は違うのよ?
任務と私情を絡めていたら、捜査官なんて務まらない』
クイント『捜査官の義務じゃないの。私の意思で決めた事よ、メガーヌ。
……確かにあの子を守れず、一生ものの傷を負わせたことは今でも悔いているわ。
何でもない顔をしてたけど――あの子の腕はもう、治らない。それに責任を感じているのは事実』
メガーヌ『だったら!』
クイント『でも私の後悔と、私の決定は違うの。罪悪感から生まれた、贖罪じゃない。
強いて言えば――あの子だから、私は親子になりたいの。これは、我儘なのよ』
メガーヌ『……我儘で、自分の人生とその子の一生を変えるつもり?』
クイント『私なら、背負える。あの子となら、歩ける』
メガーヌ『……学生時代、何十何百の男をフッた貴女をそこまで夢中にさせる子なの?』
クイント『会ってくれるの!?』
メガーヌ『誰がそんな事を言ったの! 私は絶対に、反対だから。
もっとも、どうせ貴女は私の判断なんて気にしないんでしょうけど』
クイント『何言ってるのよ。貴女が反対なら、養子に引き取ったりしないわよ』
メガーヌ『ええっ!? ど、どうしたの、クイント!? 貴女、病気!?
あの我儘な、暴走ロケット娘が、私の意見を聞くなんて!?』
クイント『……殴るわよ』
メガーヌ『……やめて、真剣に痛いから』
クイント『息子が、こう言ってたの。父親にも、友達にも、上司にも認めさせるって。
自慢の息子だと私が胸を張れるような男になると、言ってくれたのよ。
腕だって諦めず、自分で治すとリハビリに張り切ってる』
メガーヌ『……何か、昔の貴女みたいなセリフね、それ』
クイント『息子だもん』
メガーヌ『はいはい、分かりました。そこまで言うのなら、条件を出すわ』
クイント『何でも受けて立つわよ、あの子なら』
メガーヌ『確かもうすぐ、『――ドル』開催の時期でしょう』
<魔法少女リリカルなのはStrikers第24話――『雷光』、開幕>
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