『水瀬名雪さん、相沢祐一さん、リア・ルノフォードさん、大至急保健室まで来てください、繰り返します』
 


その放送により、祐一とリアと名雪は保健室へ急いだ。
リアと祐一は保健室の場所を知らなかったが、名雪が知っていたので辿り着くのには問題はなかったが、名雪ののんびりとした動きにあわせて歩かなけれならなかったので、『大至急』という条件は満たせなかった。
北川や佐祐理さんもついていこうかと言ってきたが(この場合、北川のお供の斉藤、佐祐理さんのお供の舞と一弥)、それははっきり言って邪魔だったので、いいよと一言言った。
香里辺りに来てもらっていればもっと速く保健室につくことが出来たのだろうが、香里は元々話の分かるやつだったからそんな事は言ってこなかった。
時間は随分ゆっくりだったが、それでも一応保健室に行く事はできた。
 

「失礼します」
 

名雪がそう言ってドアを開ける。その瞬間、中にいた者のほとんどの視線がこちらに移った。
この学校の校長らしき人物、保健室の女医さん、それに3名の自警団らしき人達に、一人の少年、それに石橋だ。
それらの人間が、二つのベッドを囲むように立っていた。
このガーデンはもともと負傷者が多数出る。CランクでもBランクでも仕事を請け負う事はできる。Aランク持っている奴が(このガーデンにそうそういるとは思えないが)、小遣い稼ぎ程度にCランクの仕事を請ける事だってある。
まあそのためか、保健室は非常に大きかった。ベッドが合計で100個を越えそうなほど数があり、壁には薬品やら何やらがずらりと並べられている。
今は人払いをしているのか単に負傷者がいないだけなのか、保健室に石橋達以外いなかった。
 

「大至急って言われてるんだから大至急来てくれたほうがこちらとしては助かるのだが?」
 

保健室の椅子に座っていた少年が祐一達を見るなりそう言ってくる。
 

「久瀬、言い過ぎだ」
 

石橋が少年――久瀬に言う。久瀬はふん、とそっぽ向く。
 

「で、俺達はなんで呼ばれたんだ?」
 

祐一が久瀬など眼中にないと言うように、石橋に言う。石橋達が言いにくそうに、一つのベッドを指差した。
 

「水瀬さんのお母さんが大怪我をされた」
 

「お母さんが!?」
 

名雪がリアと祐一を掻き分けてベッドに走った。石橋達が道を開けると、そこにはベッドに横たわって眠っている秋子さんの姿があった。
名雪が息を呑んだ。
 

「お母さん、お母さん!」
 

「大丈夫、死んでないだろう」
 

祐一とリアも秋子さんの眠っているベッドに近寄る。ざっと見るだけでも外傷は特にないし、ちゃんと呼吸もしているようだ。
 

「さっきこの人達が道で倒れている秋子さんを見つけたんだ」
 

校長が三人の自警団を刺す。三人の内の、髭を生やした中年の男が言った。
 

「凄かったぜ。凄い轟音が立て続けに起こるからなんだろうと思って見に行ったら、住宅地の壁がボロボロだしでっけぇ穴は開いてるし住宅もほとんど崩壊してたし。それにあたり一面水浸しで、所々血ぃみたいなのがあった」
 

「恐らく秋子さんと誰かが戦闘になったと思われるな」
 

石橋が割って入った。
 

「でも、秋子さんって相当な実力者じゃなかったっけ?」
 

リアが言う。リアは祐一と秋子さんの戦いを間近で見ていたのだ。秋子さんの実力は知っている。祐一にはやはりまだ及ばないものの、秋子さんもそう簡単にやられるような実力の持ち主ではない。
 

「そうなんだ、水瀬さんほどの者をここまで重傷に追い込むほどの人間がこの街にいるとは思えない。かといって、魔族が現れたのならば魔族特有の魔気などが出るはずなんだが、それもない」
 

石橋がいかにも不可思議そうに言う。
魔気というのは、魔族が持つ気のようなもので、魔族が戦ったなら大抵はこういう反応が残る。
残らないような魔族はほとんど害にならない。秋子さんどころかリアでも充分まともに戦えるだろう。
 

「魔族が人間の姿に化けていたら魔気なんてなくなるぜ?」
 

「馬鹿いうな。魔族が自分の姿を抑えている状態で水瀬さんを重傷に追い込むほどの魔族がそうそういるわけがないだろう」
 

祐一の考えに、久瀬が皮肉っぽく否定する。
リアが後ろでクスッと笑った気がした。祐一にではなく、久瀬に「貴方って馬鹿ね」という笑みを浮かべていた。
当然だ、久瀬はシオンの存在を知らない。
 

「水って言ってたけど、その水は青色か?」
 

祐一が中年の男に聞く。
 

「え、ああ、当たり前じゃねぇか」
 

「本当か? 『紫色』じゃなかったか?」
 

「紫? いんや、そんな水は見たことないし、水瀬さんが倒れてた所にもそんな水はなかったぜ」
 

そうか……と言う風に祐一はすこし安堵の表情を浮かべる。リアを目を合わせて、頷いた。
シオンじゃない、それが二人の意見だ。
 

「じゃあ、周りに『鷹の羽』とか落ちてなかったか? 一枚でもいいから」
 

「今度は鷹の羽ぇ? い〜や、そんなものは一枚も落ちてなかったよ」
 

中年の男が訝しげに言う。
この男が鷹の羽を見たことがあるかどうかは微妙だが、とにかくそれらしきものがあればやはり気付くだろう。
また祐一とリアが目を合わせた。頷いた。
祐一が溜息を付いた。
 

「……偵察用なら、セクトだな」
 

祐一が皆に見えないように舌打ちをした。
 

(厄介な奴が来たな……)
 

どうやらまだこの街に攻撃を仕掛けるということはなさそうだが(もしそうならこんな騒ぎを起こさずにもっと早くに仕掛けてくるはずだ)、それにしても祐一の予想よりもずっと速くにシオンが動いた。
まさかこの街に来た次の日に襲ってくるとは思いもしなかったのだ。
どうやら祐一の独り言は聞こえていなかったようで、石橋達は話を進めていた。
 

「で、こちらの女性は一体何なんだ?」
 

「分かりません。水瀬さんとは結構離れた場所で水瀬さんと同じように倒れていました」
 

今度は自警団の若い男の人が言った。
 

「水瀬さんよりもこちらの女性の方が傷が深いです。主に打撃、爆撃、特に打撃の威力が驚異的です。鉄球でもぶつけられたんでしょうか……?」
 

保健室の女医さんが不可思議そうに言う。
祐一は「なんの話ですか?」と聞いた。
 

「ああ、水瀬さんのほかにもう一人怪我をした女性がいてな。この人が見つけたんだ」
 

校長が、若い男の人のことを言う。
なんでも、秋子さんのほかに違う轟音がしていたそうで、中年の男の人よろしく、そこに駆けつけた男の人がその女性を見つけたとのことだ。
話を聞くからには秋子さんよりも酷い怪我だそうだが、とりあえず見てみなければ何とも言えない。
祐一は、秋子さんの隣のベッドを除きこんだ。
 

「――――おお!」
 

「む、どうだ、知っているのかい?」
 

祐一が不意に挙げた声に、久瀬がピクッと反応して言う。
周りの皆も(名雪もリアも)祐一の方を向く。恐らく祐一の言葉を期待しているのだろう。
祐一は、その女性をまじまじと見つめた。
白い服に紫のスカート。今はもうボロボロだが、綺麗な肌をしていただろう。顔も傷だらけだが綺麗な顔だ。
祐一は、口元に手を持っていった。
 

「綺麗な女の人じゃねぇかよ」
 

「オーケー、君にもうこの人の事を聞くのはよそう」
 

久瀬がふぅと溜息を吐くそれにつられて周りの人間が全て息を吐いた。その中で、祐一はその女性を見る。
 

(……アルクェイド……)
 

そう、その女性は、祐一が昨日の深夜出会った吸血鬼、アルクェイド・ブリュンスタッドだったのだ。
祐一は眩暈がしそうだった。アルクェイドほどの実力を持った吸血鬼をここまでボロボロにさせる事が出来るのは、シオンの仲間でもなかなかいない。全員桁外れた能力を持っているのだが、それでもここまであっさりとやってのけるはずがない。
シオンでもないし、セクトでもない(あるいはセクトならば、アルクェイドを相手にしても充分勝てるかもしれない)。
――――まさか? 祐一は思った。
 

(…………あの『蛇』が来たか? いや、あいつと戦ったならアルクェイドが生きているはずがない)
 

そういえば女医さんが言っていた。打撃と爆撃が酷いと。
打撃、爆撃……打撃?
 

(打撃って言えば、ミルンだけど……いや、ミルンと戦ってアルクェイドがここに『居る』わけないか……)
 

祐一はフルフルと首を振る。
 

「祐一」
 

後ろからリアの声が聞こえて、祐一はハッとなる。
 

「なんだ?」
 

「シオンのこともそうだけど、他にもいろいろしなきゃいけないわ。シオンだけが問題じゃないのよ?」
 

リアがすこしきつい顔で言う。
 

「……ああ、そうだな……」
 

祐一がしばらく押し黙った後、頷いた。
そう、祐一にはまだ、このガーデンの実力の調査と神器を探す事、それにシオンに志貴とアルクェイドの事もある。シオンだけが問題じゃないのだ。
リアは満足したように、石橋の方を向いた。
 

「先生、私達に分かることはないから、帰ってもいいかしら? 私たちがいても意味無いと思うし、どちらかと言うと名雪の問題だわ」
 

「……それはそうだが……」
 

石橋が口ごもる。おそらく名雪のほかに祐一とリアを呼んだのは、水瀬家に住んでいる人間だからだろう。あとは、祐一のことを知っている人達(恐らく石橋と校長だけだろう)が何かの情報を持っていないかという期待もあったのだろう。SSランクの人間なのだ、少しくらいの情報を持っていないほうがおかしいと思ったのだろうが、どうやら祐一は情報を渡す気は無いらしい。
 

「いいじゃないか、石橋君。彼らは彼らの事情があるのだろう。二人とも、帰ってもいいぞ。水瀬君はどうする?」
 

校長が言う。こちらの事情を察している訳ではないだろう。恐らくこの人本来の性格の問題だ。
名雪が、すこし口ごもる。
 

「……私は、もう少し残ります」
 

名雪が秋子さんを見ながら言う。秋子さんもS+ランクだ。名雪は秋子さんがこんなにも傷付いているところを見たことがないのだろう。相当なショックに違いない。
祐一にしてもアルクェイドの事があったが、しかし今更どういう言う問題でもないだろう。
アルクェイドが起きたらまた話を聞けばいいのだ。秋子さんも含めて。
 

「それと」
 

リアが、石橋に聞いた。
 


「図書室ってどこですか?」
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

石橋に図書室の場所を教えてもらい、流れ流れになんとか図書室へ辿り着いた。
壁の上のほうに白いプレートがあり、そこに「図書室」と書かれていたが、中に入ると別世界だった。
部屋中に敷き詰められた本棚に隙間なく詰められた本。図書室というよりも図書館というべきその場所に、軽く見ただけでも50を越える机、さらに一つの机には八ずつの椅子がある。
 

その一番隅に、リアと祐一は座った。まだ時間的には誰かが来るような時間ではないのか、見ただけでも十数人程度の人数しか見えない。そのほとんどがノートにかじりついているので(図書室というのはいつの時代も勉強に使われるものだ。あとは昼寝)、万が一にもリアと祐一の会話に気付くことはないだろう。
念には念を入れて一番奥の席に座ったのだから。
 

「で、こんなとこに何の用だよ」
 

「別に、聞きたい事があっただけよ」
 

「聞きたいことって?」
 

思い当たる節はいくつかあったが、別にここで言う必要もないようなことだ。
例えば、この前リアが残しておいたデザートが一夜経った後忽然と姿を消していたことや、リアのバックの中にいつの間にか四キロの鉄アレイが五つ入っていたことなどだ。
だが、祐一の予想とは異なり、
 

「祐一、あの金髪の人のこと知ってたでしょ」
 

リアは、そんなことを聞いてきた。
 

「――――ほう、成長したねリア君」
 

「誤魔化さないで。何年一緒にいると思ってるの」
 

「まあかれこれ数年来だな。いやぁ、思い返せば色んな事があったよ。例えばほら、この前リアがサファリパークでライオンと戦った時なんて傑作――」
 

「で、どういう関係なの?」
 

リアは祐一の戯言など聞いていないかのように流す。
溜息混じりに息を吐き出し、祐一は額に手をやる。
 

「まあ、この町で知り合った女性かな」
 

「そう、あれ人間に見えなかったけど?」
 

ああしまった、と祐一は心の中で舌打ちをする。こんな愚行を行ってしまった自分にも嫌気がさしたが、それにも増してリアの洞察力の鋭さには舌を巻いた。
 

「なるほどね、まあ『あんなこと』してりゃ人間以外の奴の魔気は感じやすくなるか」
 

「…………」
 

「――いや、悪かった。今のは失言だな」
 

「……別にいいけど」
 

リアは少し拗ねたように机に頬杖をつく。それを苦笑いしながら祐一は面白そうに笑ってみせた。
ムッ、とリアが明らかに不機嫌な顔をする。
 

「で、聞きたいことはそれだけか?」
 

祐一が聞くと、リアは、もう一つだけ、と言った。
 

「祐一、シオンと戦うつもりでしょ」
 

「――――――――」
 

これは、そんな馬鹿なことするかよ、と即答できなかった祐一の負けなのだろう。
リアはやっぱり、といった表情で目を細める。祐一はこの後に及んで言い訳などしなかったが、ただ一言、
 

「どうしてわかった?」
 

と、率直な疑問を聞いてみた。
 

「シオンに勝てるのは、祐一しかいないから。だから、嫌でも祐一は戦う事になると思って……」
 

リアは、何の疑いも無く、あの化け物に祐一ならば勝てると言ったのだ。
 

しかし、それはおそらく、祐一にというよりも――
 

「ハッ、何を言い出すかと思えば」
 

しかし、祐一はそんなリアの信念を真正面から笑い飛ばした。
リアは別段顔を顰めることも無く、祐一の意見を否定しもしなかった。
 

「お前は正確にシオンの恐ろしさを知らないんだよ。まあシオンはお前には構ってなかったからな。知らないのも無理はない。正直、今の俺と、俺が始めて出会ったシオンはそれほど実力の差は無いぞ」
 

「それは分かってる。シオンがどんどん強くなっていってるのも分かってる。でも――」
 

「分かってるよ。要はお前は、『俺』の方に期待してるんだろ?」
 

「……………………」
 

押し黙ったリアのその顔は、つまり肯定だ。
 

「……ごめん」
 

「まあ別に責めちゃいないさ。シオンに勝てるのなんて確かに『俺』ぐらいしかいないしな」
 

リアはまた押し黙ってしまった。祐一からしてみればべつにそんなに遠慮することでもないのにな、といったところだ。
 

「でもまあ、ちょっとお前はシオンの恐ろしさを知らなさ過ぎるな。正直、『俺』じゃないとシオンに勝てないってのは問題だぞ?」
 

「――なによ。そんなの今更じゃない。私は何にも知らないし、だいたい、それだって祐一が何も教えてくれないからじゃない。私は、祐一のことだって――――全然知らないんだから」
 

リアは拗ねたように、悲しんでいるように口を尖らせた。リアはおそらく、この世の誰よりも祐一のことを知っているつもりだ。あるいはあのシオンという男ならば全く違う意味で全てを知っているかもしれないが、リアの中では、現時点で祐一を誰よりも理解しているのは自分だ。
 

だが、それでも祐一の一体何%を理解しているといえるだろうか。
 

「別に教えてないわけじゃないぞ。お前が何も聞いてこないからだ。隠してる訳じゃないし、聞きたいなら今すぐにでも教えてやってもいいぞ。あながち、お前にも全くの無関係って話じゃないしな」
 

「――え、いいの?」
 

リアは、まるで百円ショップが五十円ショップになっていたかのような顔で、しかし次は宝くじにでも当たったかのように祐一を見た。
リアは、てっきり今まで祐一はその手のことを全く話したくないんだと思っていた。実際気持ちのいい話ではないだろうし、だからこそリアも聞きたいのをずっと堪えてきたのだ。
それをこんなにもあっさりと許可されては、拍子抜けもいいところだ。
しかし祐一は、そんなこと全く問題ではないかというように、さらに続けた。
 

「どうする? 聞きたいなら聞かせてやるぞ? 場所も丁度いいしな」
 

「え、えっと……それじゃあ……お願い」
 

控えめに言うリアに、祐一は「長くなるけど」とだけ言って、そのまますこしだけ昔の記憶を辿るように目を瞑る。
 

リアは、正直戸惑っていた。確かに自分には無関係の話ではないし、今までずっと気に掛けていたことであるのも事実だ。それに、祐一自身話すのに抵抗はないと言っている。
自分には聞く権利があるはずだし、許可が出ている以上それがガーデンの図書室だろうがなんだろうが聞けるときに聞いておくのは別に問題ないはずだ。
 

だというのに、こんなにも居心地が悪いのは何故だろう。
それはきっと、自分が、自分程度が入り込んではいけないような深みに入り込もうとしているからだろう。
それは祐一の闇であり、祐一にとっても思いだしたくない過去のはずだ。それを、自分の勝手な意見で無理矢理こじ開けようとしている事に、リアは大きな背徳感を感じていた。
 


それは、何気無く許可を出した祐一にも言えることだった。
別段話したところで昔の古傷が開くような精神の鍛え方はしていないし、あの頃はあの頃で幼かったからそれなりの感情の相違はあるだろうが、明確に答えることも出来るだろう。
それに正直、これはいい機会だ。前々からリアには一度なんらかのことを教えておいた方がいいと思っていたのだ。
それは、祐一がハンターギルド仲間である折原という男が、シオン達がミアを落としたと知る少し前からだ。
話しても問題はないし、実際祐一もここで溜め込んでいたものを吐き出してもいいだろう。
 

ただ、このなんとも言えない背徳感だけはどうにもできなかった。
自分が喋った事によるリアへの被害だって充分考えられる。正直、今のリアではシオン達とは話にはならない。このガーデンの一番強い生徒と互角くらいには闘えるだろうが、それでもシオン達とはまた次元の違う話だ。
そんな奴に、いくらパートナーだからと言って、全てを話しておく、というのはまた別の話なのだ。
 

「じゃあ……そうだな、俺の家からの話辺りからしようかな」
 

ただ、祐一はそれでも全てを話す事にした。それは、リアをパートナーとして認めた故か、あるいはもっと別の感情か。
どのみちリアが無関係になるはずなのないのだ。
だったら、それはそれで、それを含めた上でリアに全てを知ってもらうのも、別に悪くはないだろう。
祐一は覚悟を決め、少しだけ重くなった口を開いた。
 

外は青く光り、すこしだけ騒がしくなったガーデンの図書室は、すこしだけ静かになった。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

後書き
 

う〜ん、無理矢理すぎるかな?
過去の話を書くというのはもう決まってたんですけど、そこに行くまでにどういう風にするかをちょっと悩みました。
二十話目で丁度第二部にしようと思っていたので、前編後編に分けるわけにはいかなかったから、ちょっとピンチでした。
 

さて、次回からはようやく祐一の過去の話が出てきます。
おそらく祐一の話だけではないでしょうが、第二部が短くなるか長くなるかはまだ分かりません。
流石に二十話は行かないと思います。
それよりも、第二部に戦闘がはいるかどうかが分かりません。
出さないと面白くないなぁ……。二十話で7回ぐらい戦闘をしているスクラップキャラなので。
志貴とか月姫キャラも出さないと……。
 

大変だけど、これからも応援よろしくお願いします!
 

 
 

ってか、あえて言いませんが、前の物を知っている人は「なんじゃこりゃ」ってなるかもしれませんね。
まあ許してください。



作者ハーモニカさんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル掲示板に下さると嬉しいです。