注意>このSSは、読者がkanonをALLクリアしている事を前提に書いています。


   よって、出来ればkanonをオールクリアしてから読まれることをお勧めします。


























 
 













 翌朝、夜明けをちょっとすぎた頃に目が覚めた俺は旅館の近くの山の中を散歩していた。






 俺は朝日を浴びながら山道の散歩を楽しんでいたのだが、






 「・・・何だ?」





 
 林の奥から妙な気配を感じ、気配のする方へ行ってみると、






 「これは・・・、鳥居か?何でこんなものがこんな所に・・・。」





 
 林の奥へと進んだ俺の目の前にはなぜか鳥居があった。





 
 鳥居はそんなに大きいものではなく、高さが三メートルくらいのものだった。






 俺が少し警戒しながら鳥居を見ていると、鳥居は音もなくゆっくりと掻き消えていった。






 「なんだったんだ・・・、いったい・・・?」






 その後暫く待っても鳥居が再び現れる事はなかったので、仕方なく俺は旅館に戻った。



















SCAPEGOAT

第十四話

 




 散歩から戻って朝食を済ませた後、俺は京香達と一緒に観光に出かけた。






 ちなみに俺と一緒にいるのはいつものメンバーと真琴姉さんと師匠だった。






 師匠と真琴姉さんも含めた女性陣は交代で俺と腕を組む事にしたらしく、一定時間おきに交代しながら俺と腕を組んで歩いていた。






 そんなわけで俺は女性陣に囲まれながら観光をする事となった。






 ちなみに俺以外の男性陣は女性陣の外側に追いやられるような形となっていた。





 
 北川達って俺が皆と再び付き合い始めてからどんどん扱いが悪くなってるな・・・。すまん・・・。






 俺は北川達に心の中で謝った。






 とは言っても、北川達自身は自分達の扱いを特に気にしている様子はなかったが。






 女性陣も別に北川達を無視してるわけじゃないしな。






 とまあそんな感じで俺達は観光をしていたのだが、当然のことながら俺達は人目をひきつけまくっていた。






 理由はいうまでもなく俺達の容姿にあった。






 俺以外のメンバーは男性陣も女性陣も皆平均以上の容姿だからな。それだけでも目立つのにその中心に俺みたいに



 凶悪な人相の奴がいたら嫌でも目立ちまくるな・・・。 






 ちなみに、祐一は顔は元々非常によく、顔についた傷跡も祐一の雰囲気と合わせてその容姿を引き立てていた。






 ただ、祐一はその事には全く気がついておらず、祐一を慕う女性陣の悩みの種だったりするのだが・・・。






 それにしても、名雪達はともかく真琴姉さんや師匠まで俺に思いを寄せているとはな・・・。真琴姉さんも師匠も昔と比べて



 ずいぶん変わったけどもしかして俺のせいなのかな・・・?






 「ふふふ、恋をすれば女は変わるものなのよ。」





 真琴姉さんのこの言葉に俺が驚くと、





 「声に出していたわよ、相沢君。」





 師匠が間髪いれずに理由を話してくれた。





 
 はあ・・・、この癖どうにかならないのかな・・・?この癖のせいで時々酷い目に会うからな・・・。






 「どうにもならないと思うわよ。まあ素直に諦める事ね。」






 師匠のその言葉に俺は深いため息をついた。






 と、ここで師匠が






 「ねえ、相沢君。ちょっといいかしら?」






 「何ですか、師匠?」






 「その師匠って言う呼び方、なんとかならないかしら?相沢君にとって私は武術の師匠なんでしょうけど私にとったらその・・・。」






 師匠はそこまで言うと、顔を真っ赤にして顔を伏せてしまった。






 うーん、こういう師匠ってなんか凄く新鮮だな。それにすごくかわいいし。






 「わかりました。それじゃ獅堂先生でいいですか?」






 「あの、できれば薫って呼んでもらいたいんだけど・・・。」






 師匠は顔を真っ赤にしながら小さな声で俺に言った。





 師匠って意外と大胆な所あるんだな。自分のことを名前で、それも呼び捨てで呼ばせようとするなんて。





 「さすがに呼び捨てで呼ぶのはどうかと思いますから薫先生でいいですか?」





 「え、ええ、それで構わないわよ。」





 師匠はさっき以上に顔を真っ赤にして言った。





 
 「獅堂先生だけ名前で呼ばれるのは不公平よねえ。私の事もこれからは真琴先生って呼んでくれないかしら?」





 
 「はあ、別に構いませんけど。」




 
 「ありがと。」





 俺が呼び方を変えることをOKすると、真琴姉さんは目に見えて機嫌がよくなったように見えた。
 





 師匠はまだ顔を真っ赤にしている。






 二人とも俺より年上とは思えないな・・・。それにしても師匠ってこんなに女の子らしかったっけ?昔散々


 
 しごかれた事しか記憶にないからなあ・・・。






 「だからさっき言ったでしょう。恋をすると女は変わるものだって」






 どうやらまた声に出していたらしい・・・。本当に何とかならないのか、これは・・・。






 ちなみに、このあと他の女性陣がさらに俺にべたべたしてきて、周りの男連中の視線が大変痛かった事だけ言っておく・・・。






 別の感情をこめた視線を送ってきた男連中も一部いたが、その事は忘れよう・・・。思い出すと寒気がするし・・・。





























































 夕方、観光を終えて帰って来た俺は偶然恵子さんを見つけ、朝の散歩で見つけた鳥居のことを聞いた。






 すると、昔から山の奥に時々現れる鳥居に魅入られた者は神隠しにあうと言う昔話がこの辺りにはある、とのことらしかった。





 
 「てっきり作り話かと思ってたんですけど、本当に出るんですねえ・・・。」






 恵子さんは少し不安そうな顔でそう言った。






 「あの、この事は他の方々には・・・。」






 「わかってますよ。俺も下手に他の人達に心配かけるのは嫌ですから。」






 俺はそう言うと恵子さんと別れ部屋に戻り、部屋にいた和孝さんに夕食まで散歩に出かけると伝えると



 今朝散歩した山へと走っていった。





 
 山の中を闇雲に走り回っていると、今朝感じた気配がしたので俺はその気配の方に向かって全速力で走った。

 




 全速力で走ったので、すぐに俺の目の前に鳥居が現れることとなった。






 「それにしても一体何なんだ、この妙な気配は・・・?」






 俺が鳥居の前でそう呟きつつ考え込んでいると、突然俺の足元に闇が発生した。






 「なっ・・・!?」






 闇は一瞬で祐一を覆い尽くすと、鳥居へと吸い込まれていった。






 そして闇が鳥居に吸い込まれた後、祐一の姿はそこにはなかった。





 やがて鳥居も掻き消え、辺りには静寂だけが残った・・・。






























































 


第十五話へ続く


あとがき



 どうもこんにちは。SCAPEGOATの第十四話はいかがだったでしょうか?


 間隔が思いっきり空いたのは、全て私がラグナロクにはまっていたせいであります。申し訳ございません・・・。


 とりあえずこのSSも終わりが見えてきているので、一気に終わらせたいいなあと思ってはいます。


 とりあえずこんな駄文でもよろしければ、最後まで付き合っていただけたらと思います。


 さて、出来れば感想などを送ってくれたりすると嬉しいです。感想が来るとやる気がでるし。


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 感想が来たら返事はよほどの事が無い限り書きます。


 とりあえず今回はこれで。


 それではまた。











あとがき 終わり