現実では決してありえなかったこと。

  いる筈のない人がいて、向けられるはずのない感情を向けられて、どこまでも優しくて―――

 

  だから、この世界は嘘だ。

  こんなに残酷で優しい世界は嘘だ。けれど―――

 

 

  私の求めていたものは確かにここにある。

  全てがあるこの世界で、私はどうするの・・・・・?

 

 

 

 

  魔法少女リリカルなのはAs 〜もう一つの魔導書〜

                        第十五章「大切なオクリモノ」

 

 

 

 

 「おおおおおおおおおおおお!!」

 「っ!!」

 

  拳と剣がぶつかり合い、火花が散る。

  拮抗する力は互いに引くことを知らない。だが―――

 

 「エクセリオン―――バスターー!!」

 「くっ!」

 

  突如横合いから放たれる砲撃。

  それは拮抗する力のバランスを容易く崩し・・・

 

 「バースト・・・セイバー!!」

 

  爆発が視界を一瞬覆い、奴が確かに吹き飛んだのを見た。

  力は互角。事前にトレイターがだいぶ削ってくれたお陰か、トレイターの補助があれば俺でも互角に戦える。

  そしてもう一人、なのはがいることによって、俺たちは優位に立っている。

 

 「クラウソラス!!」

 『Divine saber

 

  刀身に白銀の光が宿る。

  それは輝きを増していき、やがて夜を照らす月の様に―――

 

 『切り裂け!!』

 「極光!!」

 

  このタイミングならば避けられることも無い。

  カートリッジがロードされ、輝きが極限に達する。

 

 「はあああ!!」

 

  振り抜いた剣と共に、極光が解き放たれる。

  今まさに奴を呑み込まんとそれが迫り―――

 

 「ちっ!!」

 『Panzerschild

 

  それを盾が食い止めた。

  衝突の衝撃により、海面に大きな衝撃が奔る。

 

 (―――いけるか!?)

 (いや、あの程度ではまだだな)

 「はああ!!」

 

  途端、白の極光が掻き消されて闇の閃光が奔る。

  それを咄嗟に相棒で防ぐ。

 

 「ぐっ、キッツイな・・・・!!」

 「陣耶くん、タイミング合わせて!!」

 

  なのはからの指示が飛ぶ。

  後ろを見れば、なのはがバスターをチャージしていた。

  軽く首肯して承諾の意を示す。

 

 「エクセリオン―――!」

 「ディバイン―――!」

 

再び剣に光が灯る。

  闇の奔流の中に僅かばかりの光が輝く。

 

 「バスター!!」

 「セイバー!!」

 

  共に放たれた混じり合い、闇の奔流を押し返す。

  激しく衝撃波をまき散らす二つの輝き。

が、ともすれば一気に押し返されそうな衝撃が身を襲う。

 

 「っ、づああ!!」

 

  その衝撃に負けないくらいの魔力をさらに叩き込む。

  その膨大な魔力量に耐えられなくなったのか、二つの極光は大きな爆発を起こした。

 

 「トレイター!」

 『魔力加速―――!』

 

  体を巡る魔力の速度が増す。

  その溢れる魔力を加速に転換して一気に間合いを詰めにかかる。

 

 「夜天の書ォ!!」

 「っ!!」

 

  剣と拳がぶつかり合い、再びその衝撃が世界を震わせる。

  奴は、未だ悲しみをたたえた目で絶望を見つめている。

 

 「お前は、はやてを助けたいとは思わないのか!!」

 「何よりも私自身がよく理解している。こうなってしまった以上、主は―――」

 

  その言葉に、腹が立った。

  思っておきながら、そう分かっていながら―――!

 

 「何を最初から諦めている! まだ暴走が始まっていないのなら間に合うだろう!!」

 「無理だ。私は私を抑える事が出来ない―――」

 「っの、テメエは!!」

 

  後方に飛び、距離を放す。

  ここまで頑固者とは思わなかったな―――

 

 『なあトレイター、こいつは元からこう面倒くさいのか?』

 『ああ、かなり我が強いからな』

 (私の言葉にも、全然耳を傾けてくれなくて―――)

 

  ・・・どうする、暴走開始までもうそれほど時間もない。

はやてもフェイトもいまだ闇の書の内部、このままではアルカンシェルでも撃たれかねない。

  かといって戦力は互角。このまま戦っても―――

 

 (いや、何を弱気になっている)

 

  それは関係ないか。

  どの道、結局は戦うしか俺には手段が無いんだ。なら徹底的にやってやる。

 

  それに、負けられない理由も一つ増えた。

 

 (なのは、サポート頼むぞ)

 (まかせて)

 

  相棒を構える。

  ああ、負けてやるものか。

 

 「お前には負けない。最初っから諦めているような奴に―――負けてたまるか!!」

 

  そして再び、この身を躍らせた。

 

 

                    ◇ ◇ ◇

 

 

  見渡す限りの草原。優しく光を放つ太陽。澄み渡った青い空。

  アリシアは草原に寝転がって本を読んでいて、私は木の下で空をぼんやりと眺めていた。

 

 「―――」

 

  ―――静かな、とても静かな時間。

  誰かと話しているわけでも無い。楽しく語り合っているわけでも無い。

  それでも風が吹き、草花が揺れて、鳥たちがささやいている。

  それだけで―――満たされてしまうような、そんな感じ。

 

 

  が、突然空が曇り出した。

  向こうの方に重い雲が見える。良く見ればそれは雷も孕んでいるようで、ここは直に雨になるようだった。

 

 「あれ・・・雨になるみたいだね。フェイト、帰ろう?」

 

  アリシアが声をかけてくる。

  私は、それをどこか遠くで聞きながら考えていた―――

 

 

  これから、どうすればいいのかを・・・

 

 「フェイトってば」

 「・・・ごめんアリシア。私はもう少し、ここにいる」

 「そうなの・・・? じゃあ、私も」

 

  小走りで私の隣まで駆けよってくる。

  そのまま腰をおろして、一緒に座る形になった。

 

 「フェイトと一緒に、雨・宿・り♪」

 

  ・・・しばらくして、雨が降り始めた。

  降り注ぐ雨は冷たくて・・・でもどこか優しくて・・・それでいて、切なくて悲しかった。

  それがたまらなくなって、私は口を開いた。

 

 「ねえアリシア。これは夢―――なんだよね」

 「・・・」

 

  帰ってくるのは無言。

  じゃあ、やっぱり・・・

 

 「私と貴方は、同じ世界にはいない。貴方が生きていれば、私は生まれなかった」

 「―――うん。そう、だね・・・・・」

 「母さんも、私には―――あんなに優しくは・・・・」

 「・・・優しい人だったんだよ。優しかったから、壊れたんだ。死んじゃった私を、生き返らせるために」

 

  ・・・これは夢。私が見ている、都合のいい夢―――

  だから、このアリシアの言っていることも、私の考えでしかないのかもしれない・・・

 

 「うん・・・」

 「ねえフェイト。夢でも、いいじゃない。ずっと一緒にいようよ」

 

  それは、甘い誘惑。

  これも、私の夢が映し出した願望―――?

 

 「私、ここでなら生きていられる。フェイトのお姉さんでいられる。

アルフと、リニスと、母さんと、みんなと一緒にいられるんだよ」

 

  そうだ―――ここなら、アリシアは生きていられる。優しいお母さんがいて、消えたリニスがいて、傍にいたアルフがいて・・・

  アリシアも、確かに私のお姉ちゃんとしていてくれる・・・

 

 「フェイトの欲しかった幸せ―――みんなあげるよ」

 

  私の、欲しかった幸せ―――

 

 

  みんながいるんだ。みんな、笑い合って、楽しそうに笑い合って・・・

  ほんのささやかでいい。本当に、少しでいい。母さんに心から笑ってほしかった。みんなと過ごせる他愛のない時間が欲しかった。

  私を見てほしかった―――

 

 

  だから、優しい夢を見たかった―――

 

 

 「―――」

 

  雨は、変わらずに降り続けている。

  それは―――私の心を洗い流してくれるようで。

 

 「―――」

 

  目を閉じる。

  瞼の裏に浮かぶのは、これまでに出会った大切な人たち・・・・・

 

 

  アルフ、なのは、ユーノ、クロノ、すずか、アリサ、リンディさん、エイミィさん、ジンヤ―――

 

 

  私は、独りじゃないから。

  アリシアがいない、リニスがいない、母さんがいない・・・

  けれど、それが私なんだ。その道を生きてきたからこそ今の私がいるんだ。

  失って、代わりに手に入れた大切なモノがある。

  それを私はまだ失っていないから・・・

 

  だからこそ・・・行かなきゃ。

 

  立ち上がる。

  もう―――立ち止まってられない。きっと、みんな頑張っている。

  私だけが優しい夢に浸っては、いられない。

 

 「ごめん、アリシア―――私、もう行かなきゃ」

 「―――そう」

 

  アリシアは一瞬だけ、寂しそうな顔を見せた。

  その表情が本当に悲しそうだから―――期待を裏切った私も、心が締め付けられた。

 

 「だったら―――この子も、一緒に行かないとね」

 「―――!」

 

  差し出された手。

  そこには、この夢の中で一度も見る事の無かったバルディッシュが・・・

 

 「ずっと一緒に戦ってきた子だもんね。フェイトには、この子がついていないと」

 

  もう、我慢がきかなかった。

  壊れた蛇口みたいに、また涙が溢れ出す。

 

 「さ、受け取って」

 「うん・・・」

 

  アリシアの手からバルディッシュを受け取る。

  そうしたら、アリシアが急に抱きついてきた。

  その小さな温もりがとても愛おしくて―――私も強く抱きしめた。

 

 「ありがとう・・・ごめんね、アリシア」

 「ううん。私は、フェイトのお姉さんだもん・・・待ってるんでしょ。優しくて、強い子たちが」

 

  全部、全部知っている上で、私の背中を優しく押してくれる。

  もう、夢なんてどうでもよかった。ただここにある温もりが本当だと、そう思えた。

  優しくて、温かくて、儚くて・・・

 

 「それともう一つ・・・今日はクリスマス・イヴだよね」

 「え、うん・・・」

 「だから、私からフェイトにプレゼントをあげる」

 

  プレゼント・・・・?

  何を・・・

 

  アリシアはいったん離れると、髪を結んでいた青いリボンを解いた。

  それを、私の両腕に結んで・・・

 

 「はい。ささやかながら、お姉さんからのプレゼント」

 「―――」

 

  これは―――いつかの日を思い出す。

  なのはと友達になれた日の―――別れ際に交換したリボン・・・

 

 

 「これなら、私はずっとフェイトの傍についていてあげられる。いつでも支えてあげられる」

 「アリ、シア―――」

 

 

  ああ、これほどまでに想ってくれる人がいる。

  それがどれだけ―――私にとっての救いになったんだろう。

 

 

 「じゃあ、いってらっしゃい、フェイト」

 「うん―――」

 「現実では、一緒にいられなかったけど・・・私は、この瞬間だけでもフェイトと一緒にいられて、とても幸せだった」

 「うん―――私も、本当に幸せだった」

 

 

  アリシアの体が光になって薄れていく―――

  もう、夢は終わりだ。

 

 

 『私は消えるけど―――ずっとそこにいるから』

 「アリシア―――」

 

 

  アリシアは徐々に実体を失っていく。

  最後に、私はアリシアを抱きしめて―――

 

 

 『ずっと、フェイトの傍に―――』

 

 

  最後にそう言って、私のお姉ちゃんは光になった。

  その光は、遺してくれたリボンに吸い込まれて―――

 

 

 「ありがとう―――お姉ちゃん」

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 (―――私は、何を望んでたんやっけ)

 

  ふと、その疑問で目が覚めた。

  眠いのは相変わらずで、気を抜けばすぐにでもまた寝てしまいそう―――

 

 「夢を見る事を。悲しい現実が、すべて夢となる・・・安らぎの眠り」

 (・・・そう、なんか・・・・・・?)

 

  本当に、そうやったやろうか・・・

  私は、何を願って、何を想って・・・

 

 「私の、本当の望みは―――私が、欲しかった幸せは―――」

 「健康な体。愛する者たちと、ずっと続いて行く暮らし―――

もう眠ってください。そうすれば、夢の中でずっと―――そんな世界にいられます」

 

  ほんとに、そうなんか―――?

  このまま眠って、またみんなと一緒に変わらない生活を―――

 

 

  ―――違う。

  確かに、それは幸せな夢かもしれへん。

  けれど、けれどそれは―――

 

  頭を振る。

  不思議と、さっきまでの眠気は全部消えていた。

 

 「けどそれは、ただの夢や―――私、こんなん望んでない! 貴方も同じはずや! 違うか?」

 「私の心は、守護騎士たちの感情と深くリンクしています。だから騎士たちと同じように、私も貴方が愛おしい―――

  だからこそ、貴方を殺してしまう自分自身が許せない」

 「―――」

 

  そう、この子は自分で自分を止められずにいる。

  その事がまた、この子の心を深く傷つけて―――

 

 「自分ではどうにもならない力の暴走。貴方を侵食することも、暴走して貴方を喰らい尽くしてしまうことも、止められない」

 「―――覚醒の時に、今までの事少しは分かったんよ。望むように生きられない悲しさ、私にも少しは分かる!

  シグナム達と同じや! ずっと寂しい思い、悲しい思いしてきた! ―――せやけど、忘れたらあかん」

 

  立ち上がるとまではいかないまでも、精一杯に手をのばして頬を撫でてあげる。

 

 「貴方のマスターは、今は私や。マスターの言うことは、ちゃんと気かなあかん」

 

  使うのは初めてやけど―――何や上手くいきそうな気がする。

  念じるだけで、魔法陣が展開した。

 

 「名前をあげる。もう闇の書とか、呪われた魔導書とか呼ばせへん。私が呼ばせへん。

  私は管理者や。私にはそれが出来る」

 「―――無理です、自動防御プログラムが止まりません。

外で管理局の魔導師と白夜の主が戦っていますが、それも―――」

 

  止まらないんやったら、止めたらええ。

  この子自身にはできなくても、今の主としての私なら―――

  これ以上、この子に悲しい思いはさせへん。

私が私であるために、この子の立派な主としていられるように、この子を救ってあげなあかん。

 

  だから―――

 

 「止まって―――」

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 「はあ、はあ、はあ」

 「くっ・・・」

 

  最悪だな。ここにきて戦力はほぼ互角。

  やはり戦闘経験の差が出てきた。最初こそこちらが押していたものの、トレイターのサポートで騙しているだけではやはり

 勝てない。

  どうす―――っ?

 

 「何だ?」

 「動きが・・・」

 

  奴の動きが急に止まった。

  まるで何かに縛られたかのように・・・

 

 『外の方! えっと、管理局の方!!』

 「!!」

 

  突如、このあたり一帯に念話が飛ばされた。

  この声は、まさか―――!!

 

 『そこにいる子の保護者、八神はやてです!!』

 「え、はやてちゃん!?」

 

  やっぱりか!!

  これなら、もしかしたら―――!!

 

 「トレイター!」

 (ああ、希望が見えてきたな)

 

  覚醒した後で管理者が目覚めている。

  この状態なら、できる!

 

 『え、なのはちゃん!? ホンマに!?』

 「うん。色々あって、夜天の書さんと戦ってるの。陣耶くんもここにいるよ」

 『うぇ!? 陣耶くんも!?』

 「おう」

 

  何やら暢気に話しているが、完全に止まったわけではないらしい。

  未だに戦闘を継続しようとしている。

 

 『ごめん、なのはちゃん、陣耶くん。その子を止めてくれへん?』

 「え?」

 『何とか魔導書本体からはコントロールを切り離したんやけど、その子が走っていると管理者権限が使えへん。

  今そこにいるのは自動防御の防御プログラムだけやから!』

 「あ、う、えぇ・・・?」

 

  なのはが目を丸くしたうえで瞬かせている。

  言われたことが全く分かっていないと顔に書いてあるな・・・俺もトレイターがいなけりゃ分からんかったが。

 

 「まあ分かりやすく言うとだ、ようはこいつを魔力ダメージでぶっ飛ばせばいい」

 (そう。いつものように全力全開、手加減なしで!)

 

  横からユーノの補足も入る。

  それを聞いたなのはは一瞬呆けた後、すべき事のためにレイジングハートを構える。

 

 「二人とも流石! わっかりやすい説明ありがとうございます!」

 『まったくですね』

 

  先端に魔力がチャージされていく。

  俺も相棒へと魔力を注ぎこむ。

 

 「いくぞ―――」

 

  危機を察してかいくつかの触手が召喚される。

  だが―――遙かに遅い!!

 

 「エクセリオンバスター、中距離砲撃モード!!」

 『All right. Barrel shot

 

  放たれる砲撃。これはいわゆる不可視のバインド。

  相手を拘束し、文字通り道を作り出すのである。

 

  そして、俺の相棒にも白銀の極光が宿る。

 

 「切り裂け―――極光!!」

 「エクセリオンバスター・フォースバースト!!」

 

  魔力が極限までに高まる。

  眩いほどの光を放つそれを―――解き放つ!!

 

 「ディバインセイバー!!」

 「ブレイク・シュート!!」

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

  名前をあげる。

  貴方が貴方で在れるように。

  もう二度と、悲しい運命に囚われないように―――

 

 

 「夜天の主の名において、汝に新たな名を贈る」

 

 

  さあ、今までの悲しい事を終わらせて、新しく始めよう―――

 

 

 「強く支える者、幸運の追い風、祝福のエール―――リイン、フォース」

 

 

  次の瞬間、世界は光に包まれた。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

  広いエントランスに、私は一人佇んでいる。

  この夢を―――終わらせるために。

 

 「バルディッシュ、ここから出るよ―――ザンバーフォーム、いけるね」

 『Yes, ser

 「―――いい子だ」

 

  服が弾け、バリアジャケットが展開される。

  アリシアが贈ってくれたリボンは、消えずに私の手首の辺りに結んである。

 

  バルディッシュを構える。

  だが、いつものそれとは違う。普段のように鎌を使うのではないのだから。

 

 『Zenber form

 

  バルディッシュがその姿を変えていく。

  今までのように既存の形から変形するのではなく、根本的に変形している。

  柄の部分は極端に短くなり、巨大な魔力刃が展開された。

 

 

  魔法陣が展開し、刃に紫電が帯電する。

 

 

 「疾風、迅雷!」

 

 

  空間に雷が奔る。

  これで―――この夢を、砕く!

 

 

 「スプライト、ザンバー!!」

 

 

  そして、優しい夢は終わった―――

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

  閃光が世界を覆った。

  その後に奴の姿はなく、上空にはフェイトが脱出していた。

 

 「フェイト!」

 「―――ただいま、アルフ。ってジンヤ、その格好・・・」

 

  ああ、そういやフェイトはいなかったからな。

 

 「まあ、色々あってな。とりあえず仲間が増えたと考えてくれ」

 「あ、うん」

 

  詳しい説明は後でするとして・・・

  はやての話によれば、防衛プログラムは切り離しただけ。

  となれば、まだ終わってはいない・・・

 

 

 『みんな、まだ気を抜かないで! 闇の書の反応、未だ健在だよ!!』

 

 

  さあ・・・ここからが正念場だ。

  この長かった夜を――――――終わらせよう。








   Next「決戦 〜悪意の化身〜」

   終わりにしよう。悲しい夜も、辛い運命も・・・俺たちは、もう独りじゃないから―――








   後書き

   物語はいよいよ最終決戦です。ここから次回は恒例のフルボッコ・・・なのですが?

   何かが起こるのか起こらないのか、それは次回のお楽しみ。

   関係無いけど、最近やっとなのはのマンガが買えたー。これで後日談も充実するはす。

   最後に一言・・・今回の話の裏の主役はアリシアだ!!!


   あと、とても冷静に容赦がないツッコミが一つ・・・

   >七夕は日本じゃ無くて、中国の文化でしょ?

   ・・・・・・・・・・・・・バレたか。イヤ、素で間違えてました、スイマセン・・・








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