To a you side 外伝5 運命の女神達と孤独の剣士 破壊の女神
※この物語はTo a you side本編を先に読まれると、よりお楽しみ頂けます。
――素晴らしい…
温かい陽光に満たされて、俺は人生の春を感じていた。
心なしか、歩く足取りも軽い。
思わず鼻歌を歌ってしまいそうなほど、俺は上機嫌で街を歩いていた。
「やっぱり一人って、最高だな〜」
誰も居ない人生の真ん中を、今の俺は間違いなく歩いている。
最高だった。
心から幸福と思える日々を、俺は緩やかな時間の中で過ごしていた。
――女達の居ない、毎日。
どういう心境の変化か知らないが、ここ一ヶ月ほど小煩い女達が顔を見せなくなった。
なのはやフェイトは、近頃始終向こうの世界に出掛けている。
チビスケや使い魔を含め、はやて家は一家揃って留守。
月村一族とは連絡不能、久遠とかも急に里帰り。
高町家も皆近頃忙しいらしいし、さざなみ寮は突然寮の工事とかで来ないように厳命された。
フィリスも激務なのか、前は毎日のようにあった通院の催促も無くなった。
あっちの世界には俺から連絡する事は特に無いので、無論通信その他はなし。
不気味なほど、俺の周りから声が消えた――
普通なら仲間外れの心配をするだろうが、生憎俺は孤独の剣士。
一人になるほど幸福を感じる、御年頃の一匹狼なのだ。
「久しぶりに、山の散策でもするかな」
澄み切った青空の下で、俺は心軽やかにスキップした。
――そして。
俺は心身共に無防備なまま――
その日を、迎えた…
「良介君、そろそろ閉店の時間よ」
「…ん? おお、もうそんな時間か」
窓際の席から外を見ると、完全に日が沈んでいた。
社会人や学生の喧騒も絶えて、夜の静けさが訪れていた。
冷めたコーヒーを飲みつつ、俺はぼんやりと周りを見る。
バイト後のんびり夕御飯を食べていたのだが、もはや他に誰も客は居なかった。
「…元気が無いみたいだけど、大丈夫?」
「別に。元気だぜ、俺は」
何の事件も無く、誰からも干渉されない毎日を送ってるんだ。
ストレスも解消されて、清々しく生きている。
何の問題もない。
「そういえば…近頃、御友達と一緒じゃないのね」
「…」
「なのはもフェイトちゃんとよく出掛けているみたいだし。
そんな年頃なのかしら」
「清々するね。おにーちゃんおにーちゃんと小うるさい奴だったから」
一ヶ月以上が経過したが――誰からも何の連絡も無い。
毎日五月蝿かったメールや電話も途絶え、俺の周囲から完全に声が消えた。
…別に、静かでいいけど。
稽古相手だって、恭也や美由希がいる。
「もしかして元気が無いのはそのせいかしら?
なのは、おにーちゃん娘だったから」
「何で過去形なんだよ!」
「あら…?」
「――あっ。
よ、余計な邪推するな! 帰る」
「あ、良介君。荷物は――」
「明日取りに来るよ!」
伝票を掴んで立ち上がる。
奢ってくれると言ってくれたが、断って金を払った。
腹立っている俺の様子を微笑ましく見つめる桃子の視線が、気に障る。
これ以上話すと何を言い出すか分からないので、俺は早々に退散した。
店から外へ出ると、途端――夜の静けさが身に染みた。
誰も、居ない。
人通りも無く、俺は鼻を鳴らして乱暴な足取りで歩く。
桃子の邪気の無い笑顔が、脳裏に蘇る――
――くそ、あいつら…本当にどうしたんだ?
携帯電話を取り出す。
メール及び着信は無い。
他人の干渉を嫌う俺が、誰かの声を確かめているのが余計に腹が立つ。
…まるで。
あいつらがいないのが、寂しいかのように――
馬鹿馬鹿しい。
舌打ちして、歩く。
誰が何処で何をしてようが、俺にはどうだっていいだろ。
住宅街へ向かう道を避けて、商店街へ。
懇意にしている酒屋さんが夜遅くまで開店しており、カップ酒とつまみを買う。
気分の悪さを明日まで引き摺りたくは無い。
幸いにも今日は天気が良く、夜空に綺麗な月が弧を描いている。
見晴らしの良い公園で夜空を見ながら、酒を楽しもう。
場所を変えて、海鳴自然公園へ――
公園のベンチに座って、袋から酒とつまみを広げる。
温暖な気温と、海から流れる風が肌に心地良い――
俺は海鳴の自然が好きだった。
――この街で沢山の事件と、人々の出会いがあった。
楽しい事ばかりではない。
嘆き悲しんで、苦しみ抜いて、多くの強者達に倒された。
何度も負けた、絶望した事だってある。
死ぬような目に合ったのは、一度や二度ではない。
何度も出て行こうとして――
――その度に、俺は帰って来た。
どうしてだろう…?
俺は今まで一箇所に落ち着いた事はない。
気に入った場所でも、いずれは飽きて出て行ってしまう。
未練を残さず、世界を見て回る一人旅が俺は好きだった。
なのに、何故俺は何時までも此処にいる…?
酒のカップを、少しだけ傾ける。
嘆息。
満天の星空。
涼やかな風が吹く海。
荘厳な存在感を醸し出す山。
自然は、ただ其処に在るだけ。
優しくも厳しく、温かくも冷たい。
――自然は何も、語りかけてはくれない。
…。
『おはようございます、良介さん。今日も好い天気ですよ』
『…毎日朝っぱらから電話するな、シャマル』
『モーニングコールです。
嬉しいですか? 嬉しいですよね?
うふ、私も良介さんの声が聞けて幸せです』
『俺の答えまで受け持つな!? 切るぞ』
『あーん、まだ朝は始まったばかりじゃないですか。
それともまた後で会います?
良介さんとのデートなら、いつでも――』
『(プツッ)』
『…何故ランニングする俺の後を追いかけてくるんだ、ヴィータ』
『…テメエがアタシの前を走ってるんだろ。邪魔だ』
『ほう…ならば!』
『あ!? こら、待て!』
『待てって今言っただろ、明らかに!?』
『う…うるせえ!
リョウスケがアタシの前を走るから悪いんだ!』
『ここまでジグザグに走ってるのに、何で一緒なんだよ!?
ついて来るな!』
『やだね! こうなったら、死ぬまで追いかけてやる!』
『怖い事言うな!?』
『そ、その…み、見極めは悪くないが…まだ剣に雑な、その…』
『――はやて、お前帰れ』
『な、何で?
…シグナムと良介の、二人っきりの、稽古を、見てるだけやんか』
『そんなに間近でシグナムを凝視するな!? ガチガチに緊張してるだろ』
『も、問題ありません。騎士として主に恥じない戦いをお見せします。
で、では次に…』
『持ち方が逆だから!? 危ないから!?』
『おにーちゃん、今日は御味噌汁に挑戦したんです』
『…』
『こ、この前は失敗しましたが…レンちゃんに教わって、頑張ってみました』
『…』
『合格点も貰えましたので…おにーちゃんに是非食べてほしいなって…』
『――とりあえず、お前の後ろで睨み利かせる兄貴を何とかしてくれ』
『はわっ、お兄ちゃん!?』
『えーと、Xに3を代入して…』
『…何か似合わない事してるね、あんたのマスター』
『こんにちはです、アルフさん。
えとですね…強い男は文武両道だと、あの方が仰ったんですぅ』
『へぇ…で、その可愛い家庭教師は?』
『出来たら呼んで、と散歩に出掛けられましたですぅ』
『フェイトだったら、すぐに解けるのに』
『あのー、無駄な努力だって言ってあげるべきでしょうか?』
『帰れ、お前ら!!』
『はい、これで今日の診察は終わりです。
明日、またいらして下さい』
『…なあ、フィリス』
『はい?』
『俺の怪我って、いい加減完治していると思うんだが?
何で毎日呼ぶんだ、お前』
『えっ――そ、それは…良介さんの為です!
良介さんの御身体を私はいつも労わって、ですね…』
『一日や二日程度では、怪我の具合って変わらないと思うんだが』
『そ、その油断が危ないんです! 明日、癌の腫瘍が出来ていたらどうするんですか!』
『どんな異常体質なんだよ、俺は!?』
『それで、昨日新開発の魔法を起動させてみて…』
『…誤って、相手を務めたユーノを黒焦げにしてしまったと?』
『どうしよう、リョウスケ。私、なのはに嫌われたら…』
『――あくまで気にするのは、そっちなんだ…』
『良介さん、お茶が入り――久遠、駄目でしょう!』
『あはは。ぐっすり寝てやがるよ、俺の膝で』
『もう…ごめんなさい、良介さん。
すぐに久遠を起こしますから』
『別にいいよ。暇で遊びに来ただけだからな。
お前こそ昨日例の後始末で遅かったんだろ、寝とけよ』
『ええっ!? あ、えっと…でも…
…やっぱり、恥ずかしいですし、その…』
『――お前は、布団で寝ろよ』
『侍君、侍君。見て見て』
『ん…? って、何だそれ!?』
『忍御嬢様の御提案で、ブレードを日本刀に切り替えてみました。
いかがですか?』
『俺が言うのもなんだけど…軟弱に見えるぞ、日本刀って』
『侍君好みの女を目指してるんだよ、ノエルは』
『嘘つけ!? 明らかにお前の趣味だろ、これ!』
――心を覗き込むだけで、こんなに沢山の声が聞こえてくる。
知り合った人達が奏でる優しい音色に、胸が締め付けられた。
…少し酔ったようだ…感傷的になっている。
星が仄かに光る空に、一筋の流れ星――
目に映る一瞬の耀きは、紅の軌跡を描いて艶やかに夜空を舞う。
――人はそれぞれ大空に自分の星がある。
その人がこの世からいなくなると、その星は流れ星となって落ちると言われている。
願いを叶える迷信と違い、俺はこの逸話が好きだった。
もしかしたら、あの流星は未来の死を暗示する俺の星かもしれない――なんてな。
酒を飲みながら馬鹿な事を考えていると、気のせいか星がこちらへ向かっているような錯覚を覚える。
やれやれ、今日の俺はちょっとロマンティックな気分に浸っているようだ。
本当に、
綺麗な紅の流れ星が――
――真っ直ぐに――
――俺の頭上へ――
「――って、ええええええええええええ!?」
仰天して、立ち上がる。
大空の彼方から弾丸のように、赤い星が俺に向かって急降下して来ている!?
狙いは、明らかに俺のど真ん中目掛けてまっしぐら。
丸い点に見えていた星はやがて流麗なラインを帯びて、人の輪郭を描いていく。
あれは――!?
「……、――――――――――ぅ…ぶっ飛べぇぇぇぇえええええええ!!!!!!!」
反射的にベンチに置いた酒袋を掴んで、飛び退く。
コンマの差で紅の弾丸はベンチに激突して、大爆発。
派手な粉塵を撒き散らして、安物作りのベンチを粉々に粉砕した。
――こ、粉々!? 洒落にならんぞ、おい!
咄嗟に避けてなかったら、あのベンチが俺の末路だったに違いない。
本物の隕石だったら俺も助かっていたか怪しいが、砂塵の影より見えるシルエットは人間だった。
小柄な体格。
大仰な帽子を被り、手に破壊に満ちた槌を抱いてゆっくりとその姿を現す。
砂煙が、海風に流れて消えていく――
風格のある帽子に、華やかな紅のドレス。
高貴な雰囲気と淑やかな気配、震える戦意を纏う――麗しき美少女。
鉄槌の騎士、ヴィータ。
上空より舞い降りた破壊の化身は、俺に向けて艶のある笑みを向ける。
「探したぞ、リョウスケ」
――普段とは、気配が違う…
ヴィータの微笑みに背筋が冷えるのを感じつつ、俺は叫んだ。
「お、お前――突然何の真似だ!?
当たってたら死んでたぞ!」
ベンチが砕けたどころではなかった。
よく見えると、ベンチがあった場所にクレーターが出来ている。
俺を殺す気か、この馬鹿は。
俺の抗議に、ヴィータは涼しい顔。
「平気だ」
「平気って、てめえ他人事みたいに言いやがって!?」
「アタシのリョウスケなら、こんなもん簡単に避ける」
「…っ」
――冗談や言い訳ではない、本気で言っている。
衝突すれば確実に死んでいた攻撃を繰り出して、回避出来ると信頼していた。
俺が死ぬなんて、ヴィータの心に欠片も存在しない。
無上の信頼――
機嫌の悪い顔ばかり見せる俺の宿敵が、素直な心を剥き出しにした。
――その事実が、何故か恐ろしい…
「ど、どうしたんだお前…?
最近姿を見せないと思ったら、急に攻撃なんぞしやがって。
真夜中に、喧嘩でも売りに来たのか」
俺としてはいつもの冗談のつもりだった。
この奇妙な空気――
何をー! と向かってくる突進馬鹿を期待して、軽く挑発する。
その程度だった、のに…
「そうだ」
「は…?」
「アタシと戦え、リョウスケ」
……へ……?
自分で言っておいてなんだが、俺はひどく動揺してしまう。
確かに大喧嘩した事はあるし、出逢った頃は殺されかけた事だってある。
日常、睨み合いの連続だった――
だけど。
「…ちょ、ちょっと待て!?
お前…、確かこの前俺と戦うのは嫌だとかなんとか言ってなかったか?」
短気で喧嘩っ早いが、こいつは何故か戦闘を嫌う。
苛烈な戦闘スタイルに似合わず、根は優しいのだ。
何で、突然――
やっぱり、俺は酔っているのだろうか?
カップ酒しか飲んでないのだが、久々で酔いが早かったか。
などと馬鹿な事を考えていると、ヴィータは手のハンマーを軽く振る。
俺に真っ直ぐ、突きつけるように――
「――聞いたぞ、リョウスケ。
お前に勝てば、お前はそいつと愛の誓いを結ぶんだよな?」
「は…?」
突然狂った寝言を言い出すヴィータに、俺は首を傾げる。
要領を得ない俺に、ヴィータは鼻を鳴らす。
「誤魔化そうとしても無駄だぞ。町中で噂になってる。
翠屋でお前本人が宣言したらしいじゃねえか」
「翠屋で、俺が…!?
何時からそんなデマが――
――あっ!?」
お……おいおいおいおい!?
ま、ままままま、ま、まさか、まさか、まさか!?
『もう、酷いっすよ…それじゃあ――
良さんに勝てた人が彼女って事になるんっすか』
『当然だろ。
その時は、俺から土下座してでも恋人になって下さいって言うね』
あ……あのお喋り女共ぉぉぉぉぉ!!
ヴィータの耳に届いているって事は、町中で噂しやがったな!
人間関係最低限主義の俺だが、どういう訳か音速で俺の事が広まっているようだ。
口止めしなかった俺も悪いけど、あれはあくまで非力なあいつ等だけに適用される条件だぞ!
大体、愛の誓いって何だよ!?
恋人云々の話ではなくなっているじゃねえか、既に!
俺の脳内絶叫は、当然紅の鉄騎さんには通じない。
「思い出したみたいだな、リョウスケ…なら、もう分かるだろ。
お前は――
――誰にも、渡さねえ……」
本気で、言ってる――
ほろ酔い加減が瞬時に吹き飛んで、息を呑んだ。
歴戦の小さな強者が、俺に本気で挑んできている。
「お、お前、本当に意味が分かって勝負挑んでいるんだろうな!
ありえないけど、お前が勝ったら俺はお前の恋人になるんだぞ!?」
だから落ち着いて下さい、ヴィータさん。
ほらほら、思い出せ。
俺はお前にとって、憎き敵だろ?
お前の大好きなはやてを独り占めする害虫だって、よく吼えてたじゃねえか。
こんな俺が恋人なんて嫌だろ、お前も。
俺は必死でヴィータに落ち着くように促した。
別に、こいつとの戦いにビビっている訳じゃない。
動機がアホらしい上に、俺が勝ってもメリットが少しも無い。
折角一人の夜を満喫していたのに、邪魔なんかされたくなかった。
俺の切なる説得に、ヴィータは――
――満面の微笑みを、浮かべた。
かつて見た事の無い、心を冷やす笑顔を。
俺は――悟る。
ヴィータにはもう…俺の説得なんて、今更でしかない事に。
「…やっと…
やっと…リョウスケが…
アタシのものになるんだ……」
ヴィータの体が震えている。
歓喜に。
狂喜に――
「……もう……誰にも渡さねえ……
ずっと――ずっと、一緒にいるんだ……
ふふ…あはは……
タップリ…可愛がってやるからな……」
鮮烈な――愛の告白。
唇を舐める仕草に、貴婦人のような媚を感じさせる。
世俗の卑しさは微塵も無い。
純粋さを極めた末に到達する、煌びやかな愛。
世界の誰を敵に回しても、この小さな女神は純然とした態度で思いを貫くだろう。
アイスの取り合いにムキになる子供とは、完全に別人だった。
俺の事を、心から求めている。
身体を、心を――その全てを求めて、騎士は決闘を望んでいる。
言葉ではぐらかすなど、無意味。
誤解が招いた結末でも、言い訳は許されない。
俺の魂が、感応する。
俺は持っていた袋を地面に置いて、向かい合った。
「忘れていないか、ヴィータ?
俺を手に入れたいなら――俺に勝つ事が前提だぞ。
お前に俺が倒せるかな…」
俺は不敵に笑って、剣を――
――剣、を……
……あれ?
腰には寂しい感触。
手を幾度伸ばしても、我が愛剣はカスリもしない。
え、えーと……
『良介君。くれぐれも言っておくけど、仕事中は剣を持っては駄目』
『分かってるよ…くそ、俺は剣士なのに』
『今は翠屋の大切な店員の一人よ、自重してね』
『へいへい、ロッカーにしまっとけばいいんだろ』
『よ、余計な邪推するな! 帰る』
『あ、良介君。荷物は――』
『明日取りに来るよ!』
うげえええ、翠屋のロッカーの中だあああああ!!
じゃ、じゃあ、チビスケ――もいねえ!?
はやて家と一緒に何処かに行ったまま、帰ってこない。
何処の世界に真っ裸で敵に挑むアホがいるか!!
冷や汗をかきながら、俺はつとめてにこやかに微笑んだ。
「いいだろう、ヴィータ。この勝負、明日――
――って、おーい!?」
俺の動揺など知らぬ存ぜぬで、ヴィータは武器を振り上げる。
戦いの狼煙を上げるアームドデバイス――グラーフアイゼン。
カートリッジを一つ消費して、恐るべき勢いで変形する。
ラケーテンフォルム――
敵を一撃で押し潰す強襲形態。
「1対1なら、ベルカの騎士に負けはねえ。
たとえテメエでもな、"魔法使い"」
や、やばい……
まともに食らったら、俺はあのベンチと同様の運命を辿る。
冗談じゃない!?
とっとと、逃げ――
『……クス』
――ヴィータと距離を取った、その瞬間!!
「ガァ――!?」
『確かに――ベルカの騎士に負けはないわ』
――俺の胸元から、白い手が飛び出した。
<戦闘開始 鉄槌の騎士VS孤独の剣士VS??? ポイント―海鳴自然公園― 状態―現状無傷―>
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小説を読んでいただいてありがとうございました。
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メールアドレスをお書き下されば、必ずお返事したいと思います。
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