「Last Phantasm」を見る上での諸注意。
この小説は作者の趣味全開の小説です。そのためいろいろなアニメ、マンガ、ゲーム等をパクったりしています。また、作者の力量があまりにも低いため原作のキャラクターの性格が著しく変化している恐れがあります。くどいようですがこの小説は作者の趣味全開の小説です。そのため原作のキャラクターや世界観の設定が著しくゆがめられていたり変更されているところが多々あります。そのため原作をこよなく愛する方は読まないことをお勧めします。
以上のことを踏まえてお読みになるのならばお先にお進みください。
Last Phantasm
第一楽章 再誕の聖歌
第一部
放浪の死神の前奏曲
第一節
前途多難な始業式・前編
閉じていたまぶたを開けた。
頭がいつも以上にはっきりしている。いつもだったらもう少しぼうっとしているのに。
体にかけた毛布をどかし半身を起こす。
「・・・・・・あれ?」
そこで俺は気づいた。
俺がいつも起きる時間には太陽がちょうど昇る辺りで部屋が太陽の光に照らされてある程度は明るいはずなのに今日は部屋が今だ暗い。
「今何時だ?」
もしかして少し早く起きたか?もしくは太陽が寝過ごして時間が遅れてるとか・・・・・・何バカなこと考えてるんだろう俺。
“――お、早いな。いつもより三十分も早く起きたな。――”
と、不意にどこからともなく声が聞こえてくる。この部屋にいるのは俺一人。しかし俺とは別の声が聞こえる。もし第三者がその状況を聞いたら。ポルターガイストかただの聞き間違えと思うだろう。しかし俺はこの声の主を知っている。
「今何時だ?」
俺は声の主――布団のすぐ近くにある腕時計に話しかけた。
“――四時三十分だ――”
声の主はそっけなく簡潔にそういった。
四時半ね。こんなに早く起きるのは久しぶりだな。
俺は日々の習慣のせいか五時以前に起きた事はめったに無い。
起きれるとしたらだいたいなんらかしらの行事があるときのみだ。
そう考えると俺はイベントのとき意外早起きしないことになるな・・・・・・五時は十分早起きか。つまり俺はイベントには敏感らしいな。
だがそうなると俺は。
“――まるで小学生みたいだな――”
「人の考え読むんじゃねえ!」
おれが今考えていることを言わないでもらいたいな。
しかし、早く起きてしまったものは仕方が無い。とりあえずなんかするか。
普段より少しばかしゆっくり出来るしな。
さて何しようかな。・・・・・・おっと、それより先にやることがあったな。
「とりあえず・・・・・・お早う、ハセヲ」
“――ああ、お早う。マイマスター零――”
これをやらなきゃな。さてとりあえず起きるかな。俺は立ち上がり伸びをする。
まずは何をするか。とりあえず弁当の準備をするか。俺はそう決め台所のほうへ向かった。
弁当と朝食の準備をし、その後寝癖でぼさぼさの髪を整えた後動きやすい運動服に着替え外に出て鍛錬をする。
俺は毎日ある程度の鍛錬を朝と時間があれば夜に行っている。ある種の日課みたいなものである。
鍛錬といっても仰々しいものでもない。一時間から一時間半あれば終わる程度のもでもある。
やっているのは木刀の素振り、腕立て、腹筋、スクワットや走りこみにランニングぐらいであまり難しくも無い。
まあ夜はあんまやらないんだけどね。
とりあえず今は走り込みまで終わらせた。後はランニングをしておわりである。
「さて、行くかな」
俺が住んでいるこの町―海鳴―は山と海に囲まれた自然の寵愛を受けているとしか思えない町だ。
単純に自然が多いと云う町は世界どころか日本にもきっと数多あるだろう。
だが、この町はまったく違う。自然と人が共存する町。そんな風に感じることが出来る町だ。俺はそんな町に高校入学と同時に一人暮らしを始めた。
走りながらあたりの風景を軽く見回すが、あまり人を見かけない。・・・・・・当然といえば当然なのだが。鍛錬を始めたのが五時十分くらいで大体一時間たったと思う。
今は大体六時前後である。この時間当たりだと新聞の配達は大体終わっている。
それにまだ仕事に向かうには少しばかし早い中途半端な時間。
大体の人間はそろそろおき始めるか家で出かける準備をしている時間帯ぐらいだろう。
しばらく走りちょうど二つの道が垂直に交差しているところ。つまり十字路に差し掛かった時だった。道の反対側から走ってくる人がいる。年は大体3~40代くらいだろう。性別は男。それなりに引き締まっていて体つきもいい。それに体運びがうまい。きっとなんらかしらの武術を極めているんだろうな。
“――きっとおまえが挑んだら一分ももたないんじゃねえ――”
わかってることをそうきっぱり言わないでくださいよハセヲさん。俺にだって米粒位のプライドはあるんですから。言われると傷つくんですよ。
“――ほれ、ペースが昨日より落ちてるぞ。もっとペースをあげろ――”
容赦ないよこの人。もう少しマスターを労わってくれてもいいんじゃないんですか?
俺は我がデバイスに散々ひどいこと言われながら十字路を左に曲がった。そして反対側からきたおっさんは右・・・・・・俺から見て左曲がった。つまり俺と同じ方へ曲がった
「あれ?」
「おや?」
向こうも一緒のほうへ曲がるとは思ってなかったようだ。とりあえずじろじろ見るのは無粋なのでそこで思考をストップして俺はその人から顔をそらし前を見た。
「やあ、おはよう」
いきなり声をかけられた。普通知りもしない人に声をかけるか?
“――とりあえずそんなこと考えているより先に声をかけられたんだ。挨拶ぐらいしろ――”
“――そんなもんか?――”
“――そんなもんだ。ほら、さっさとやれ――”
こいつはいろいろとうるさいやつだ。お前は俺の母親か何かか!?
“――保護者と言う意味では間違ってないが、一応デバイスとはいえ管制人格の性別は男に設定されているんだ。せめて父親といってほしいものだ――”
“――人の思考を読まないでほしいんですがね――”
ええい、いちいち癇に障るデバイスだなおい。しかしこれ以上はハセヲがうるさくなるのでとりあえず返礼することにしよう。
「・・・・・・どうも」
“――無愛想だな――”
“――おまえに言われたくないわ!――”
お前だって十分無愛想だろが!!
とりあえず挨拶はした。こいつはやたらと煩いが無視だ無視。
「いつもこの時間に走っているのかい?」
まだ続けるかこの人は。
「いいえ、だいたいこれより少し遅い時間に」
「遅い時間?」
なぜ食いついてくるかねこのお人は。
「ええ、だいたい三十分くらい後位ですけど」
「そうなんだ。俺もこれより少し早い時間に走ってるんだ」
「なるほど、だから会わなかったのかー」と一人で勝手に何か解釈をしていらっしゃる。
いつもこれより少し早い時間に走っているのか。ならば普段どおりならば会わない。
よし、やっぱり時間厳守は大事だな。
“――そういったことで納得すべきところじゃないと思うぞ――”
“――いちいちつっこむな――”
あまり突っ込まないでもらいたいね。
しばらく走って目の前のほうに右と左に分かれる道が見えてきた。
ちなみにおっさんはなぜか知らないが俺の横にピッタリとくっつくように併走している。
俺が走っているスピードは一般人だと早いと思える感覚の早さだ。
その速さに息も切らさず付いてきているあたりホントこの人すごいんだろうな。すごいんだろうなって何回思った?
さて、悪いがそろそろこの人とはお別れにしたい。それにこれぐらいにして帰らないと家に帰ってゆっくり出来ない。
俺は今までよりさらにスピードを上げて一気に直進を抜け、右に曲がった。
さらばだ。おっさん。
俺はその速さのまま少しばかり進んだところにまた右と左に分かれる道が見えてきた。ここはいつもどおりに左に・・・・・・と、思ったときだった。
ヒュン。と風を切るような音が聞こえた。様な気がした。
それと同時に俺の隣を何かが通りすぎた。
何だ!?
俺は通り過ぎ、そして今俺の前にいるそれを見て・・・何かがわかった。
おっさんだった。
何故だ?何故この人は俺の前にいる。本来ならいてはならない。そんな存在が俺の前を走っている。
“――何バカなこと考えてるんだ?――”
“――いや、なんか少しシリアス風に言ってみたくて。それとバカバカ言うな!――”
ついでに心の中の言葉に突っ込みを入れないでほしい。しかし少しびっくりだ何故に俺の目の前におっさんが居るのでしょう。
しかも俺とまったく同じペースで。道は右と左に分かれていたからこっちでも別に違和感は無い。だが如何して俺と同じペースで走っているかってことだ。
別に俺に合わせる必要は無い。何故だ?
あ、おっさんがこっちをチラリと見た。
ニヤリ。
!! ニヤリ!? いまあのおっさんにやりって笑いやがったな!!
おもしれえ! 今のを挑戦として受け取ろう。体力はともかく足の速さにはかなり自信ありだ! 次の曲がり角で引き離してやる!
とりあえず直進なので今のままのペースで走る。一分もせずに次の曲がり角が見えてくる。今回は十字路だ。
本来はこの場所を左に曲がるのだが・・・今回はこのおっさんに合わせて曲がる。ついさっき笑ったことを後悔させてやる。
もうすぐ十字路だ。さておっさんはどっちに曲がる? 右か、左か、それとも真っ直ぐか?
さあどの道を選ぶ?
そしておっさんは・・・右へ曲がる動作を見せた。
よし、右だな。俺は足に力をさらにこめ、今までよりさらにスピードを上げた。
おっさんと壁のわずかな隙間に無理やり体を突っ込む。そのままのスピードでおっさんの前に躍り出る!
“――? おい! こっちじゃないぞ! こっちとは反対だ!――”
なんか煩いのがいるが今は無視。
首を少し動かし後ろを見るとおっさんが少し驚いた顔をしている。
ふっ。と自然と笑みがこぼれてしまう。
俺はそのままスピードをさらに上げおっさんを引き離しに掛かる。
そのままの速さで走り続けることだいたい五分くらい。途中何度が何回か曲がったが。
どうだおっさん! 見たかこの俺の脚力を。俺の数少ない自慢であるこの脚力。
小さい頃からとにかく鍛え上げてきた(正確に言えば鍛え上げなければいけなかった)ため生半可な鍛え方では俺には追いつけない。
入学当時全国クラスの陸上選手とどういった経緯かは忘れたが勝負することになり負かしたほどだ。
負かしたほど・・・・・・なのだが・・・・・・。
「なに!?」
“――やっぱりな――”
道路に設置されてあるミラーに俺の後ろを一定の間隔でついてきていた。
それどころかどんどん近づいてきている。
まじかよ!?まだ完全なトップスピードと云う訳ではないのだが今の速力はかなり速く高校レベルではトップクラスぐらいと同等レベルの早さだ。
さすがにこれなら大丈夫だと踏んだのに。
一体どんな脚力してるんだあのおっさん。
次の曲がり角に差し掛かるときにはすでに俺の横に並んでやがるし。しかもさっきからさらにスピード上げてんだぞ!
ふふふ、ふふふふふふふふ・・・・・・おもしろい。ならばとことんやってやる。
どちらが耐え切れるか勝負だ!
逝くぜ! 全力全開フルスピードだ!
“――はいはい、やるならさっさとやれ――”
頼むからそういうひやかしで水を注さないでくれ。
「いや、ホント君速いね」
「・・・・・・あんた、ゼエゼエ、・・・ほんとに・・・何者だよ・・・・・・」
今現在俺とおっさんはとある公園で休んでいる。ちなみに俺は大の字になって地面に寝そべっている。ついでに言えば息も絶え絶えだ。
対してこのおっさんは息は上がっているが少し疲れただけらしくまだ走れるようだ。
あれからどれくらい走ったかは定かではないがかなりの時間を走っていた気がする。それも長時間走るペースではけしてないぐらいの速さで。
だが、このおっさんは俺についてきてあげくにしかも走っているなかなにやら携帯で話などもしていた。
「フィアッセが〜」とか「恭也と美由希が〜」とかいくつか名詞を聞き取ることができたが話の内容は分からなかったが別にどうでもいいことである。
なぜだ。何故こうも平気なんだ。
速さと一緒に俺は体力にも自信があった。だがこの差は何たることか。
・・・・・・ああ、空が綺麗だ。
“――よくやるよ、お前は――”
相棒も呆れたような声でなんか言うし。
“――しかしお前にしては珍しいな。あんなにむきになるなんて――”
“――・・・・・・そうだな――”
こんなに必死に走ったのはいつ以来だろう。こうやって大の字になるまで全力で走り続けるのは。
いつもの俺だったらあの程度のこと無視していた。だけど俺はあの人に笑われたのがむかついた。
笑われたとき、なぜか怒りがふつふつと湧いてきて、そして今こうなっている。
“――そういえば、今何時だ?――”
かなりの時間走っていたから。日も昇っている。それに人もかなりの人を見かけるようになった。いったいどれだけ走ったのだろう?
“――ああ、今は・・・・・・――”
「なあ、君」
ハセヲが今の時間を言おうとしたとき突然声をかけられた。声のしたほうを見るとおっさんがいた。
おっさんは両手に何かを持っていて左手で持っていた何かをこちらに投げる。
俺は片手を動かしそれを受け取る。
・・・・・・これは・・・・・・缶ジュース?
「あの、これは?」
突然缶ジュースを投げられてリアクションに困る。いったいどうしろと?
「なに、喉渇いてないかって思ってね買っておいたけど。それはいやだったかい?」
「いや、そういうわけでは・・・・・・」
なぜこれを俺に渡すかってことなのだが・・・・・・。ちなみ渡された缶ジュースはスポーツドリンクだった。かなりどうでもいいことなのだが名前は水瓶座である。
「ん?ああ、俺のおごりだから気にしなくていいよ。」
「え、悪いですよそんなの」
さすがに初対面の人に奢ってもらうのは気が引ける。
“――知り合いならたかるのに――”
“――ほっとけよ――”
「別に俺の気まぐれだから遠慮しなくていいよ。それに返されても困るしな」
「・・・・・・そうですか。ありがたくいただきます」
とりあえず貰った物を粗末にできないのでいただくことにする。ちょうど喉も渇いてたしな。俺はプルタブを開け中身を飲み始める。
「しかし速いね」
「ん? そうですか?」
速いと言ってる割にはかなり平気な顔してついてきたじゃないか。
「いや、本当に速いよ君。全力でついていくのがやっとだったよ」
あれで全力なんだ。もっと早く走れると思ったんだがな。
「でもまだ余裕そうに見えましたよ」
「ああ、あれはまだ体力があっただけであれ以上早くは走れないよ。陸上かなにか学校でやってるのかい?」
体力はまだあるんだ。あんな長時間あんなスピードで走ってたのに。
「いいえ、帰宅部なんで別段やってることといえば自主トレぐらいですけど。しかし、体力かなりありますね。自分は体力にも自信あったのに」
「まあ、若いころから今までずっといろいろとやっていたからね」
いろいろね。
「そういえばいいのかい?」
おっさんがなにか質問してきた。何かって・・・何?
「何がですか?」
「時間だよ。もうそろそろ帰って準備したほうがいいんじゃないのかい」
・・・・・・は?
“――今、八時だぞ――”
我が相棒がその疑問に答えてくれる。
だが、ちょっとまて、今なんて言った。
八時だと!? 今居るこの公園から俺の家まで大体十五分くらいかかるぞ。
学校には間に合うかどうかだ・・・。
はっきり言ってやばすぎる。・・・・・・こんなところで油なんか売っている場合じゃねえ!
「それじゃあ俺はこれで。飲み物ありがとうございました」
ここから全速力で間に合うか? ええいとにかくそんなこと言っている場合じゃねえ!とりあえず今手に持っている飲み物を一気に飲み干し近くにあるゴミ箱に投げる。
缶は軌跡を描き見事にごみ縛の中に納まった。
それを見届けると同時に足に力を入れそのまま全速で公園を後にした。さっさと行かなければ!!
後書き掲示板
どうも皆さん始めまして。ヘタレクルセイダーと言うものです。
ここまで読んでくださってまことにありがとうございます。
ここまで書いてみて自分の文の構成と表現力の未熟さを痛感する限りです。
そんな私ですがこのたび複数の作品を使ってのクロスオーバ作品という暴挙に出てしまいました。
出てくる作品は.hack//G.U.と魔法少女リリカルなのはととらいあんぐるハート3とTo Heart2で一応主要キャラはリリカルとTo Heart2のキャラです。
とらハ3のキャラは一部を除いて脇役と考えてください。
さらにこの作品に出てくる.hack//G.U.はストーリーや設定、用語のいくつかを借りたほとんどオリジナルぽくなっています。
しかもG.U.に出てくる登場人物は一部を除き今回出てきたハセヲのような立場になっています。
流れは一応G.U.を主軸に考えておりますが出てくる人物が違うので展開が異なったりイベントの順番が変わったりしたりします。そのあたりを寛大な心で了承してくださるととてもうれしいです。
なにぶんこういったものを書くのは初めてなのでいろいろと足りない部分があると思いますが。精一杯書いていこうと思っています。
それでは今回はこの辺で。