前回 ……終わった。

姉さんも、ヴィヴィオも、やっと、取り戻した。

だけど……まだ……

帰る、絶対にだ……





                 ケイスケの機動六課の日々   おしまい。





スバル視点

ヘリは一直線にゆりかごに向かっている。

地上のガジェットは機能停止したのが多いらしいけど。

だけど空の方はまだ止まらない。

ティアはヴァイス陸曹のバイクを確かめている。

AMF下での隊長達の救出作業。

あたしとティアの専門分野。

左手にはギンねえから預かったブリッツキャリバー。

母さん、力を……貸して。

















ケイスケ視点

内部AMFの増大。

ゆりかごの緊急用システムだそうだ。

保護カプセルがあるらしいが、全然見当たらないし……






「部隊長、借りますよ」

ブラッディダガー

無理に作って貰ったこれを壁に投げ、クレータに隠れる。

着弾点から轟音が響くが……







「クソ!! やっぱダメか!!」

「まあ、わかっとったが、凹むな……」

ぶっこわれたボードや持ち込んだ爆発物を使って壁の破壊。

ダメもとだったが……









「やっぱこの女締め上げようぜ」

「無理やって……機能停止入っとるんやから」

W番クアットロ、流石にあんな化物砲撃を食らえばフリーズするか。

そこまでの砲撃を打ち込めるなのは隊長だが……

「……」

「ママ……」

「平気だヴィヴィオ、寝てるだけだから」

負荷環境下での自己ブーストに収束魔法。

流石に限界を向かえてる。

頼みの部隊長も魔法がほとんど使えない。

一か八かの爆破も穴一つ空きゃしない。

「くそ、時間がない!!」













ゆりかごは高度を上げる程加速するそうだ。

月の影響が高くなれば高くなるほど。

手を出せるタイムリミットは高度50キロメートル。

それだって脱出を前提にした時間で取り付くのはそろそろ……

いくら魔法使いでも成層圏を超えて中間圏に到達されたら。

「あーこんな事だったら工作砲持ってくんだったー!!」

「堂々と私らの前で言うな……まあ今更やろ」

「はやてちゃん、やっぱり玉座からシステム介入はできません」

リイン曹長の報告もダメ……

これは……辞世の句でも用意しろって展開?




















嫌すぎる!!

「こんなとこで死んでたまるか!! 脱出イベントで死ぬとかダサいにも程があるわ!!」

無駄と分かっていても苛立ちは沸いてくる、それに任せて壁に蹴りを

バコンと……音が………









……思わず部隊長達に視線を送る……

ち、違うよ? 何で化物みたいに見るの? ねえ?

違うって!!

「パパ、上」

ん、あ、あー!!

「お待たせしましたー」

スバル、ランスター!!

あーびっくりした……




















スバルが開けた穴がふさがる前に密室からは出られた。

マジで感謝だ二人共。

「お、スバルその左手」

「うん、ギンねえのだよ」

そっか、これが本当のSAの姿……

すっげえ先に行かれちまった気がするな。

「よし、いくで!! みんな!!」

バイクの後ろにW番抱えたランスター

スバルはヴィヴィオを抱えて……あれ?

「おい、四人乗りなんか出来るのか?」

「え?……しまった……」

やば!! まじか!!

スバルとランスターは必須だ。

ヴィヴィオとW番は譲れない……となると……












「ケイスケ、アンタ運転出来たわよね」

「だめ、左手がヤバイ……」

握力がここに来て死んだ。

バイクを運転できる状態じゃない。

「しゃーない、私が残るからみんなは脱出や」

部隊長が主張するが……なのは隊長がダウンしてて助かったと言うべきか……

ああ、もう……貧乏クジだな本当!!














「いや、ここは俺だろ……常識で」

「な、何いってん!!」

「いや、それしかないだろ」

責任者が残るなんか論外だし、なのは隊長は消耗し過ぎてる。

となれば……

「……アンタ平気?」

「この環境下ならまだスバルの次くらい元気」

ランスターの切替えの早さは本当に頼れるぜ……













「行くわ」

よし!!

「……しゃあないな!! 自分!!」

W番を挟むように乗り込む部隊長。

スバルの背中になのは隊長背負わせて、ヴィヴィオは抱き抱えて。

「速く頼むぜ」

「うん待ってて」

いい返事。















みんなを見送って、俺も歩いて先に

あれ? 目が霞む。

あれ?……まさか……

膝が折れる、やば、気が緩んだ……

ちょっと、おい……

やべ、スバルごめん、ぜ……ん……たの……む。























はやて視点

「スバル速すぎ!! 私が追いつかなきゃ意味ないでしょ!!」

「ごめん!!」

そう言いながらスバルはあんまりスピード落とさん。

気持ちは分かる。

ゆりかごはもうすぐ加速するはずや。

低空圏を抜けたらフェイトちゃんクラスやないと追いつけん。

私らなら飛び降りていいけど……

せやから私が残るいうたんや!!













ほんの五分くらいがえらく長い。

それでも少し少し出口が見えて。

出た!! ヴァイス君のヘリにウイングロードで飛び込む。

「シャマル!! なのはちゃんを!!」

「はい!!」

スバルも即座にヴィヴィオとなのはちゃんを受け渡し。

「行きます!! ウイング、ロード!!」

私らが渡り切ったらもっぺん蒼い道がゆりかごに……

途中で……止まった?










「え? も、もう一度、ウイングロード!!」

今度はさっきより短い……まさか……

「……ティア!! あたしの目、ちゃんと金色だよね!! そうだよね!!」

「……」

ティアナも嘘やろって顔で……

エネルギー切れ?

ちょ!!

「スバル!! 私が飛んで、ゆりかごの上に!!」

スレイプニルを、展開できん!? 嘘!!

「はやてちゃん無理よ、あの中でヴィータちゃんの復元もして、その前も」

あ、ヴィータ!! 無理や、シャマルは高速は飛べないし。

「私が、飛んで」

「なのはちゃん、絶対ダメ!! 下手したら落ちるわよ!!」

起きたなのはちゃんも……

「ヴァイス君は!?」

「無茶ですよ、もうギネス申請したい高度ですよ!!」

シグナムは? フェイトちゃんは?

二人とも離れとる……

「あ、あ、あ」

「スバル危ない!!」

外に落ちそうなスバルをティアナが捕まえて、その先のゆりかごは

少し少し、昇って……

あれ? え? ちょっと……

嘘やろ……
























ギンガ視点

スバルは上手くやったのかしら。

未だに見えるゆりかご、スバルはあそこに行った。

私のブリッツキャリバーに格納された、もう一つのリボルバーナックルと。

「ギンガ……」

「お父さん……ごめんなさい」

「馬鹿野郎、謝る事なんかねえよ」

うん、ありがとう。

ああ、後ケイスケとスバルにも謝らなくっちゃ。

あの子達はもう帰ってくるかしら……














「あら、ギンガちゃんじゃない」

あ、えっと……

「ああ、もうドゥーエでいいわよ」

「すんません、どちらさんでしょうか」

「いえ、近場の孤児院のシスターです」

ドゥーエさん何しに……

「ああ、私の家ってこの先なの、それより……いいのかしら? ギンガちゃん」

「なにがですか?」










あの時は、この人の声がなかったら、ダメだったかもしれない。

でも何というか、苦手なタイプ。

「あそこ、ちょっと手違いがあったらしいの」

ゆりかごを指差して、でも、手違い?

「現在ゆりかご内部に残っているのは……ケイスケ一人」

「!? な、なんで!! 父さん!!」

「……あんた、何で知ってんだ」

それって……本当ってこと……

「……事実だ、今八神は高速魔導師を必死で探してる、六課は全員ガス欠だそうだ」

だ、だって……撃墜を待って貰えば……

「艦隊で来てるんだ、そんな簡単に止めたり始めたりできるもんじゃねえ」

「つまり、一人なんか気にしないでバーンって事」

何……それ……

つまり、ケイスケ一人だから……













「でもね〜まだ時間切れじゃないのよね」

「あ……」

「貴女を助けるのに必死だった妹と弟が困ってる、なら……」

そんなの決まってる!!

「おいギンガ!!」

「ごめんなさいお父さん、何も出来ないかもしれない、でもだからって」

「あら偶然にも私の帰り道の途中にヘリがあるわ」

わざとらしく驚いてくれて……

「すみません、肩を貸してください」

この人、本当にそういう人なんだ。

手はだめ、きっと、自分でやれって言う。

「ふふ、いい顔になった、貴女いい女になるわ」

「はい、直ぐに貴女よりいい女になります」

おかしそうに、楽しそうに、ニカって、ああケイスケのそういう人って凄く分かる。

「たっく、しょうがねえな、シスター、後で話聞かせて貰うぜ」

「二人っきりですか?」

「馬鹿言え、女房に祟られちまう」

そう言って行かせてくれる父さん。

後でたっぷり親孝行するね。

「お願いします」

「あいよ!!」

待ってね、二人とも





































ケイスケ視点

ああ、夢だわこれ……

母さん馬鹿にされて、姉さんとおばさんの技が通じなくって……

いらっついてんな俺。

三回目だったっけ?

シスターの施設……






最初は何にも無かったんだ。

学校行って、変わっても変わっても、暇な奴はいるもんで。

何時しかオフクロの件がバレて、魔導師にやられて……

「はあ? ガキの喧嘩に何で大人が出んのよ馬鹿じゃない!!」

そう、夜に話してるの聞いて……





「ガキんちょ、今まではどーだったか知らないけどね、ここに来たからにはやられっぱなしは許さないよ」

本当、ガキに何言ってんだろあの人は。

「お母さん好きだったんでしょ、だったら黙る必要何か無いよ!!」

そう言って道場ぶち込まれて……気がついた時には……喧嘩で勝ってた……







「欲しい物はね、勝ち取るくらいでないと価値がないよ」

ああ、オフクロも似た感じだった……

何だっけ?

そう……オフクロは……

「最後は気合と根性よ!!」

ははは、七歳児に百本ノックとか、無いわ……

ああ、何だろ、二人とも何か言ってる、なんだ……











冷たい……床だ。

ここ、ゆりかご!?

「時間!!」

あれから二十分は経ってる……

つまり、取り残された。

スバルが約束を破る訳が無い、つまり何かトラブルが。

「は、はははは、マジで」

俺、飛べないんだぜ……

終わった、一人の人間とミッドの住人、比べるまでも無く……

だからあんな夢見て……ちくしょう。

死んじまうのか、俺……





あっさりしてんな……





こんなもん……で







「いいわけねえだろが!! ふざけんなよ、クソったれが!!」

帰るんだよ!! 絶対!!

部隊長と馬鹿やって、エリオとキャロと遊んで、フェイト隊長を悩ませて!!

ヴィヴィオに怒って、そいつをなのは隊長が見てて!!

ランスターが呆れて!!

スバルが……姉さんが……








「帰るんだああ」

壁によっかかって、立って、進むんだよ。

オフクロのガキで、シスターに育てられて、馬鹿供のダチは……こんなんで諦めねえ!!

1ミリでも、前に、前に、前に……

身体が動かなくなるまでやってやる!!

目の前に、球体が……

ガジェット……

一体だけど……

「邪魔だ……」

触手が動いてる、俺は敵に見られるみたいだな。

残ったナイフを抜いて……

ぶっつぶしてやる。





























なのは視点

「だから、まだゆりかごに人がおるって!!」

「分かってる!! 今総括官に伝えた!!」

「やったら」

「僕や総括官が反対したところで決定が今すぐに覆る訳じゃない、分かってるだろ!!」

はやてちゃんの行動は速かった。

撤収を始めていた航空隊に連絡、ついでクロノ君に。

それでも。









「……私の時は……」

「あの時とは状況が違いすぎる、艦隊意思決定には僕も母さんも意見に過ぎない、何より……」

そう、地球ごとだったあの時と……たった一人の人。

「……」

「しかも……具体的救出プランも無いんだろう……」

航空隊にも、今のゆりかごに追いつける人はいなかった。

これ以上高度が上がれば普段の私達だって環境に対応出来ない。

宇宙空間なんて、専用の服がいるし、そんなの着てガジェットと戦うなんて……

「ママ……」

「大丈夫だよ、ヴィヴィオ……」

嘘だ。色々考えても考えても、無理って答えに行着く。

スバルも空を見て、力を無くして、ティアナもスバルを慰めて……でも力がない……
















またなの?

私達はいつも一手届かない。

プレシアさん、初代リインフォースさん。

十年経って、力を付けても……まだ届かないの?

「はあ? おい、ルキノ? 本気か!!」

ヴァイス君?








!! 急にヘリが動いた。

何?

「しっかり捕まっててくださいよ!!」

言うの遅い!!

次の瞬間、もっと凄い衝撃が、私達を襲った。

























ケイスケ視点

「っがあああ!!」

ガジェットのカメラ部分にナイフを突き刺す、そのままターン。

まだ動く右手でナイフを後ろから……殴り付ける!!

爆発する。

避けるというより跳ねるように距離を離す。

「ひゅーひゅーひゅー」

息が苦しい、爆発を少し吸った、右拳もヤバイ。

いい加減種切れだ、足にも何発か食らった。

ダメージの詳細を確認しようと思って止めた……

どうせバカバカしいくらい酷いだけだ。

今度気力が消えたらマジでヤバイと身体が言ってる。

視界はさっきからフラフラするし、一歩歩く度に全身が痛む。

だけど後少しで出口だ。












壁に寄り掛かり一歩、二歩と進む。

あはは、もう90超えた爺さんの方が機敏に動くよ……

明るい場所に、少しでも、少しでも。

開けた視界に写ったのは、

凄い絶景、そして……誰もいない空。






















「……まあ、当たり前だがな……」

ゆりかごのフィールドのせいか空気もあるし、気圧、気温も普通。

「さてと、どうしますか……」

プランなんかある訳ない。

一か八か飛び降りるなんか論外だ。

落ちる前に凍えて死ぬ。

待ってても多分艦隊は俺ごと吹っ飛ばす。

「はあ、やっぱダメか……」

煙草もってきたっけ?

無いや、この景色見ながらなら旨かっただろうによ。

酒でもいい……

何とかしたい、今更ボード壊さなきゃよかったとか色々考えるが……

全部今更だな……















「ふう」

腰を下ろす、ガジェットに乗れねえかな?

あー、空気がヤバイか。

「……ス……ケイ……」

通信?

「もしもし?」

「あ、繋がった、ケイスケ下、下!!」

下?

下を見ると下が縮むんだが。

ジッと下を見る、何だ? 白い……船?

そこから、線が伸びる。




































スバル視点

ヘリが着地したのはアースラ。

昔なのはさん達がお世話になったっていう。

私達の今のベース、高度は上げられないって言ってたのに。

「ヴァイス陸曹、機関室に行ってください、今すぐに」

補佐官からの通信でヴァイスさんは飛び出す。

「スバル」

「ギンねえ、何で!?」

椅子に座って、格納庫にいたギンねえ。

「助けられっ放しなんて、我慢できるわけ無いでしょ」

あ、うん!!











「なのは、ヴィヴィオ、みんな」

「フェイトちゃん、エリオもキャロも」

「ボロボロだなヴィータ、よく頑張った」

「うっせーよシグナム」

ライトニングも、みんないる。

「ざひいーらー」

「……」

ザフィーラも……みんな、みんないるよ……

「ちょっとグリフィス君どーなっとんねん」

そ、そうだよ、八神部隊長が言う通り、だって高く飛べないって。

「シャーリーを始め、整備部がエンジンを、ルキノが制御を」

「せやなくて、なんで!!」

「決まってるでしょう、助けに行くんですよ、六課の仲間を」

あ、あ、あ

「別に僕達だけの決定ではありませんよ、クルーの総意です」

六課が……みんなが……何だろう、上手く言えない、でも……










「……スバル、AMFは健在、だから、行くなら貴女よ」

ギンねえ。

「道は私が作る、だから……困ったあの子を、つれて来て」






「……うん!!」










ハッチでギンねえと待機、フォワードのみんなも待ってくれる。

通信先からはエンジンチームの声が、ルキノさんは調子の悪いアースラを揺らさないように。

シャーリーさんから貰ったコードで

「ケイスケ、ケイスケ、ケイスケ!!」

「もしもし」

あはは、こんな時にも?

「繋がった、ケイスケ、下みて、下」

ギンねえ、お願い。

戦闘機人モードのギンねえのウイングロード、そこを駆ける。

あ、ちゃんと真直ぐ来てくれたんだ。

ケイスケはすぐに見つかる。

ゆりかごは今も上昇中、それに合わせてギンねえも、ルキノも、アルト達整備斑もアースラをコントロールしてくれて。

「ケイスケ、飛んで!!」

直ぐに、飛んでくれて、それを、両手で抱き締めて。














「お疲れ様、ケイスケ」

さあ、戻ろ、六課が、みんな待ってるから……

ウイングロードを逆走する。

見えるよね、みんな、声だして、呼んでるよ……





「ああ、うん、ただいま」

「……お帰りなさい」




















レリック事件、JS事件はこうして終わりました。

アースラは、最後の無茶で、地上に着いたら完全に動かなくなって。

なのはさん達が……お別れを言うのがとっても印象的でした。

海に着水後、全員が全員倒れて雑魚寝して、シャマル先生が凄く愚痴をこぼしていました。

ケイスケの席についてですが、

「実は私が止めとったんよ」

なんて事になって、現役局員が未許可でやったって事になっちゃいました。






「あああ、俺が気を使ったのにー!!」

「こんな気の使い方、逆に迷惑や」

全面的に部隊長に同意。







六課も不味いかと思いましたが、オーリス三佐が病室に来て、よく分からないけど何とかなったそうです。

ケイスケと八神部隊長は何があったのかは秘密にしていました。

ただ、レジアス中将がスカリエッティや最高評議会との繋がりについて裁判中に、

「兵器の限定復活、これは陸の戦力増強だけではない、我々は、魔導師でない我々が、友の背中を守る力になるのだ」

そんな事を言ったのが印象的でした。









しかし

「とは言え、無罪放免など、私が許しません!!」

と、三佐の一言で……

ナンバーズと一緒にギンねえ教育プログラム行き。

「……何が悲しくて……こんな……」

「よろしくお願いします、ご主人様」

「まずそれを直せ、てめぇ!!」

……まあ、ディードの勘違いで色々ありましたよ、うん。

怒ってないよ? うん。







六課施設の復旧が終わると訓練も復活、

なのはさん達の訓練は当社比三倍くらいになって。

その頃にはケイスケも帰って来て、

また、事件前みたいな毎日……






なのはさんも言ってました、こんな日々のために頑張ったんなら、頑張れたなら、すっごく満足って。

それからの日々、楽しくて、笑えて、大変だったり、怒ったり。

そんな時間はすっごく早くて……気がついたら、一年なんかあっという間でした。

「……次の部隊に行っても……寝るなこら!!」

「うわ、何だ空襲か!?」

あの日と同じで、この変化が一年間を物語ると思います。













「はあ、あっさり終わったわね」

「まあ二次会もありますし」

「どーでもいいが、何ですでに同窓会の幹事に任命されてるんだ俺?」

「えー、けーさんやってくれないんですか?」

今日でこの生活も終わりか……

寮の引き払いも昨日のうちに終わってるし……

何か寂しい、そう卒業式みたいな感じ。

「スバル? どうした?」

「ううん、何でもない」

うん、何でもない、こういうのは、必ず感じるものだから……









「スバル、みんな」

ギンねえ?

「ひゅー、桜かよ」

「桜?」

陸上シュミレーターには満開の花が咲いていて……桃色ですっごく綺麗。

「地球のお別れと始まりには付き物なんだよ」

とフェイト隊長。

「ケイスケよく知ってるね」

「ああ、とき○モってゲームで」

よく分からない。

前線組は整列、ケイスケはヴィヴィオを肩車して、ギンねえも八神部隊長も見ている中の……

ちょっと泣けて来ちゃった……










「さて、湿っぽいのはこれ位にして」

え?

「全力全開、機動六課最後の模擬戦やってみようか」

!! はい!!

「聞いてませんよ〜」

「まあやらせてやれ、これも思い出だ」

はは、聞いて無かったんだ、フェイト隊長。

「ははは、頑張れー」

「あれ? ケイスケ君もやろーよ」

「なぬ!?」

あ、そうだよね、最後だし。

「けーさん」

「ケイスケ」

「ま、諦めなさい」

「やろーよケイスケも」

両手を全力で振るケイスケ。

「いやいやいや、そ、そうだ、装備、装備無いし」

「はいこれ?」

部隊長が持っていたケースを

「うお!! スーツからナイフまで全部ある!?」

「あっははは」

さ、流石は部隊長……








「パパにフェイトママ頑張れー」

「ぐ、最後まで修正出来なかった……」

あはは、さあ全力でやろう。みんなでやる最後なんだから……

「部隊長……ギン姉さん……」

「な、なんや?」

「な、何?」

「二人も混じれーヴィヴィオ合図」

わ!! 二人を突き飛ばして。

「はーい、れでぃーごー」

あははは、みんな笑ってる、ティアも、エリオもキャロも。

なのはさん達もみんな、みんな……

楽しかったよね。







これで、ケイスケと一緒だった機動六課の日々はおしまいです







拍手レス


>今度IFとしてケイスケ死にかけ→能力覚醒ルートを書いてくれませんかね?
>何に目覚めるかは任せます。

えっと、善処します。というかツルギさんくらいになりそうですねそれは容量。


>22話にてケイスケに後を任されたフェイトがどうなったかが見たいですね。

うん、間違いなく、誤解を振りまく発言をしたでしょう。


>ケイスケが妙なモテモテ?具合なのは『白い魔王』とかで見ているのではなく
>キチンと個人として見ているからだと思う。
>…まあ、現実でそういうことができるのはほんの一握りでしょうが。

実際問題難しいですよね、立場もその人を作る一部であること
そして、一部であることに変わりはないことを忘れないのは。


>鬼丸さんへ
>はやて、みしも台詞が「帰って来たら続きしよな。」だったら完璧にフラグ成立でDEATH。
>ボードが壊れてしまいましたか‥‥いや、ケイスケならやってくれるはずだ。
>ヴィヴィオを肩車して、なのはをお姫様抱っこで脱出することを。

はやての死亡フラグ!?
結局スバルに助けてもらいました。


>鬼丸さんへ
>ハーレムじゃなくて、いっそのことケイスケを女性陣の共用物にしてみたらどうでしょうか?

何故でしょう、とってもおっかさんな姿を幻想しました……


>ちょ、部隊長!?先払いって、どうやって払えと!?
>まさかホテルのスイートの予約が必要ではあるまいな?
>前に言っていた手順を踏めとはそういうことなのか、うんうん、わかりました。

いやいやいや、きちんと生きて帰れという意味で
実際ほほにするつもりだったんですが、直前で、この方がらしいと思い直しました。


>その29読了――
>『ケイスケの機動六課の日々 IF外伝 なのはママとケイスケパパ編』を
>五体倒地でお待ちしております。

えー!? そこまでですか、
どっちにしろ色々ありそうですねw


>(ケイスケの機動六課の日々)これはきっと、ヴィヴィオルートなんだ!!

何故に!? ヴィヴィオをヒロインですか!?
脳内ではいずれ雫と組んで酷いことに……


>鬼丸さんへ
>うむ、その、なんだ……はやての胸を触れるなんて羨ましいぞ、こんちくせう!!
>やっこいのか!!そうなのか!?

やっこかったんです。
それでいて弾力が……


>鬼丸さんへ
>初めての夫婦?での共同作業でしたね。
>いや、どう見ても最終決戦でのヒーロー(なのは)と
>それを支えるヒロイン(ケイスケ)にしか見えない私がおかしいのか? 後、今回もGJ!!

って男女逆転!? ……割と合うのが困り物ですね……


>鬼丸さんへ 
>ケイスケ、パパ確定おめでとうwヴィヴィオ絡みだとなのは寄りになるのは仕方ないとして、
>もう一人のママがユーノ化(空気w)しているのにワロタw

すんません、すんません、ゆりかごに行くとどうしてもフェイトの割合が減ってしまって
この話でも少ないし、出番……


>「鬼丸さんへ」 29話まで一気読みしました、おもしろすぎて寝不足です!
>バリア攻略に関節技とは考えもしませんでした。ミッドの一般人つえぇ!

マジですか、ありがとうございます!!
あんな魔導師がごろごろいる環境ならそれに適応していく一般人もいると思いまして。


>鬼丸さんへ 
>イヤ今回はなのはが鬱になったところをケイスケが引っ張りあげる…なんてフラグ。
>ケイスケ、恐ろしい男の子…。
>さらにヴィヴィオは関節技こなして密着戦までこなせるエキスパートに。
>ケイスケ、おそ(ry  
>あとはやての先払いはもう友達以上ギリギリ恋人未満の空気になりかけたのは、
>こう、背中が痒くなりかけた

ヴィヴィオ強化は割と早いうちに決めていました、ラスボスなのでそれなりの強化を
はやては、うん、あれですね。


>なんかケイスケはお父さんとお兄さんの両方をこなす通称「おとにーさん」といった感じですね。

何で聞いたかもう思い出せないです、おとにーさん。


>やはりはやてはケイスケに好意を持っているようですね。問題はそれをキチンと表に出せるかですが。
>まあ、出せる頃にはライバルが増えてそうですが(笑)

結構気が合っていると思っています。
でも今の状況も気に入っていてという感じでしょうか?


>今度ケイスケがロストロギアの暴走に巻き込まれて時間を超え、P・T事件に
>巻き込まれるというのはいかがでしょう?
>そして目が覚めたら家で寝ていて夢だと思っていたが
>なのは隊長がその時にあげたアクセサリか何かを付けていたとか(笑)

それなんて確定フラグですか。
もしもやるとしてもちょっとひねると思います。


>ちぇー。ライディングボードでエウレカセブンのごとく飛び回ってくれるのか
>と期待してましたのに・・・。

実はカットバックドロップターンで落としたかった。


>そう、これだ!!IFで暗くなった気分を本編の(ケイスケの)ギャグでテンション復活!!

ツルギさんの逆転劇を期待して待ちましょう。


>SLBの時のケイスケの手助けの様子を思い浮かべたら、?それケーキ入刀?

ヴィヴィオをケーキですか……なんて恐ろしい夫う(アー


>あ、今気がついた。レジアス・ゲイズ生存フラグ?

とまあ、退場するに当たって色々持って行きました。中将は


>ケイスケ、もういいじゃん、パパで。初めての共同作業したし。

断固として拒否するでしょう、なのはかフェイトの恋人ぐらいまで行けば流石に観念するかも。


>アレ?4人?ケイスケゆりかごから降りれなくね?

ふ……何故ばれた!?


>鬼丸さんへ ケイスケ29感想 
>極り手は石破ラブラブてんky(違 
>ふと思ったんですが、ケイスケ蘇生時に一歩間違えば聖王様の使い魔(守護獣)では… 
>「七色の魔力光!守護獣ケイスケ爆誕!!」みたいな。

おお、そうなればヴィヴィオの魔力である程度戦えるようになったかもしれませんね。
ただし、ずーっとヴィヴィオに引っ付くようになりますが。


>鬼丸さんへ
>最後のなのはがケイスケの手を借りて魔砲放つ所はもろに恋人同士が「あなたと
>二人なら出来る」と言わんばかりでしたね。超GJ!!!

あはは、いや、まあ、そう見えますよねやっぱり。
多分今ならなのはに告ればOKもらえるでしょう。


>ケイスケ、アンタ最高だよ!!下剋上万歳!!

あざーす!! どん底でもみんな生きてるんだ!!


>鬼丸さんへ。
>ボードにのったケイスケ、それでうかんだのがスパイダーマンに出てくるボブゴブリン。
>って知らないだろうな(笑)

すみません流石に……


>鬼丸さんへ    
>ヴィヴィオ…なんて逞しく…なりすぎな気がする。   
>いやー、これでヴィヴィオもなのはキラーですか…あれ?最強じゃね?
>聖王の力+コピー能力+関節技…負ける気がしませんね
>そしてラストはケイスケがゆりかごに残って死んでしまうエンドを予想してみます、
>無論、実は生きてましたオチd(殺殺殺殺百万回殺しても飽き足りぬ

なんという殺意!? 
ヴィヴィオはこれでも聖王さまです。でもこの世界には雫というチート存在が……


>鬼丸さんへ
>最後のなのはがケイスケの手を借りて魔砲放つ所はもろに恋人同士が「あなたと
>二人なら出来る」と言わんばかりでしたね。超GJ!!!

いや、まあ、でも確定ではないですよ?


>鬼丸さんへ
>ゆりかごが披露宴会場見えたのは気のせいでしょうか。
>後、ケイスケの行動は、左手は添えるだけ、だったんですか?

振り下ろして止めるところまでですね。
それぐらいまでしかできませんし。


>鬼丸さんへ
>ちょっ、ケイスケその告白。まさか、某キングなゲ〇ナー君の行ったあの告白ディスカー。
>それに、フェイトに聞かれてたーっっ!? なのはVerやティアナVerも是非お願いします。

まさかこのネタに拍手が来るとは……
(感想掲示板にコルタタさんへの感想に入れたネタです。)
いや、これを連発したらただの恥辱プレイですよ?


>鬼丸さんへ。
>髭中将生きてたら質量兵器一部解禁じゃね? 今回の不備もあわさって。それと事件後にユーノと会う話を。
>それとバレンタインチョコの数の見直しを

残念がならレジアスはこれで表舞台からは去っています。
背負えるだけ責任を背負って。
ユーノ、どうしましょう。


>鬼丸さんへ 
>ケイスケの機動六課の日々もそろそろ終幕、ここでネタを一つ希望したいのですが…
>彼の名字繋がりで某ステラスピニア、アスパラさんの執事に対する定番の叫び、
>そう……「松田ぁぁぁぁぁぁ!!」をぜひw

すみません、実はあんまりあのエロゲ知らないんです。


>鬼丸さんへ 
>ケイスケ、役得だね?というか、はやてさんあんた何してるんですか・・・

ちゃんと生きて帰ってくるようにおまじないですw


>ケイスケ1~29一気に読みましたがGJでした!

おお、ありがとうございます。
とりあえず、これで一旦のオチです。


>原作は見たこと無かったりしますが主人公最強SSはつまらんので、
>こう言った長編が有るのはうれしい限りですのでこれからも頑張って下さい

どういうつもりだったかは下記参照ですw
応援ありがとうございます。


>サブミッションなヴィヴィオはちょっと反則だと思うんだ・・・
>スバルも良いんですが出来れば全員分ry

いや、反則でもいいかとwボスですし。
いや少なくともあと一人は最低でもやりますので(汗汗)



後書き

ありがとうございました。(挨拶)

ケイスケの機動六課の日々はこれでおしまいになります。

丁度一年、かつ30と区切りがいいものになりました。

まだまだケイスケでネタはありますが、TV本編が消化したため、ここで一旦区切ろうと思います。

リョウさんに影響され、好きに出来る自分のキャラを作ろうとはじめたこのSS。

意外なほどみなさんに受け入れてもらえて嬉しい限りです。

色々言葉はでてきますが、なんにせよ、この一言に集約されます。

お付き合いいただき、ありがとうございました。




おまけ ケイスケのコンセプト

ケイスケマツダ

なのはStSのオリキャラ

なのは不満をまとめる、

@もちろん8話、A影の薄いキャラが多い、Bなのはの戦うモチベーションが分からない。
特にB、仕事だから戦うのはヒーロー件ヒロインとしておかしいと思う。
ならば維持したい日常、それを作る人間を配置したい。



立ち位置

できるだけなのはの反対の人間とする。

なのは側で物事を考えるキャラが多いためなのはを人としてみる人間にする。

なのは達の恋人とかの話は多いため友人(本編中)としたい。
またハーレムは話がおかしくなる(日常ではない)ため外す。

グループに入るためのガイドとして気の会う人間(はやて)、
予めのコネクション(スバル)を配置する。



戦闘力

なのはのオリと言えば超人が多い、が日常を演出する人が強いと
日常を維持したい、帰還する日常というコンセプトが崩れる、よって弱体化させる。

また、強いから、力があるから戦うというのは少々疑問、なのはがその典型である。
できれば自分の意思で力があるからではなく決意したからという形をとりたい。

魔法は脅威だが魔法は魔法でないと絶対勝てないというのも疑問、
恭也でもいいかとも思ったが彼も超人なので除外する。

ただしミッド人なら若干は所有してもいいかと判断
切り札的に弱い能力を



能力

特化した技能もバランスを崩すためなるだけ平均能力

ただ参戦時の問題がある、よって優れた友人を配備、友人なら能力に左右されないで作れるため

ただし常人で想像できるレベルの格闘能力程度は保持させる。



性格

なるだけにぎやかにしたい。

ただし閉めるところは閉める、男らしいキャラ、エリオの兄貴分としてみたい。



没になった設定

初期はマツダの前はアルビーノ性と設定していた。
ようするにルーテシアの兄だった。

しかしながら、無理があると色々言われて削除。
母はオリキャラになる。

書いてる途中だったので旧姓ネタがでないのはこれが理由。

ルーテシアの兄ということで、おちこぼれ設定を強調させ、魔法だけが全てでないを体現させるのが目的。
家庭環境を跳ね除けているというのがしたかったが、没った結果お蔵入り。
また、なのはが格闘一家の魔法使いで、魔法一家の格闘使いということで対比を強調するのも目的だった。





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