前回: ヴィヴィオをつれて逃亡した。

逃げ切れなかった。

……ヴィヴィオはさらわれた

このままじゃすまさねえ!!







          ケイスケの機動六課の日々  その26






お母さんが死んだ。

何でなのかはお父さんも教えてくれなかった。

「そのさ、スバル……」

友達がいた、この家に来てから、ずっと一緒の一つ年上の。

「うるさい、お母さんのいるケイスケになんかあっち行け!!」

何時も何でも思ったまま話してたから、

後になって、謝ろうと思って……

そんな時に、ケイスケのお母さんも……






怖かった、あたしがあんな事言ったから、だからおばさんもって、

お葬式の時も、ケイスケに何を言われるか……怖かった。

何時も一緒な時間が壊れて、それが嫌で、謝ろうとケイスケの家に行った。

いつの間にかケイスケの家が空き家になって、

何時も壊れたのが

ハッキリ分かった。

航空火災から強くなろうって、

頑張って、あこがれたなのはさんの部隊に呼ばれて

ケイスケがいた。

最初は怖かった。

でもケイスケは変って無くって、

それからは昔に戻ったみたいで、毎日が楽しくて





でも本当は、謝りたかったんだ。

























「ん、」

何処だっけ、ここ。

「スバルさん? 大丈夫ですか?」

あ、エリオ、キャロ……

二人とも怪我して、

!! 思い出した!!

「ギンねえは? ケイスケは?」

「あ……」

「……」




……そうなんだ。

ギンねえはさらわれた、ケイスケは怪我をした、夢じゃないんだ……

「ご、めんなさい……」

キャロ?

「私、私、けーさんが死ぬわけないって、あんなこと言って、けーさんがあんなになって、私」

あ、そっか、あんな夢見たのって

「キャロ、違うよ」

そうだよね、キャロもケイスケが大好きだから、

ついついあんな事いって、ただの偶然なんだって

「でも、けーさん、死んじゃって」





へ?

……何それ……























はやて視点

今回は大負や……

結局本部襲撃はブラフ、本命はヴィヴィオ。

それでいながら地上本部は壊滅、六課施設もボロボロ。

みんなにも沢山怪我させて……

シャマルにザフィーラは重症。

そんで












ICU、集中治療室。

そこには二人の部下がいる。

一人はヘリパイロットヴァイス陸曹、

強力な魔力攻撃でかなりボロボロ。

そんでもう一人は……

「ケイスケ!!」

「スバル、病院は静かにしぃ」

まあ、気持ちは分からんでも無い。

スバルを追っかけてエリオとキャロも、

そんで










ベッドに寝とる二人、人工呼吸器の音は何べん聞いても嫌な感じや……

「ケイスケ君……」

恐らく一番の重症者、エリオ達が見つけた時には心停止状態。

原因は大出血と内蔵損傷、その上での非殺傷攻撃。

その彼が生きているのはヴィヴィオのおかげ。

元々まだ蘇生可能状態だった事も一因やが

莫大な魔力での回復魔法による強制蘇生。

もっとも、血液補給をしたわけやない、

身体は通常まで持ってっとるが血液がそのままやったのが寝とる原因や

無茶し過ぎや、全く……

「ケイスケ〜生きてるよ〜」

少し席はずそか……

スバルには声を掛けないでエリオ達を促して外に

死んだらあかんで、ケイスケ君。




















「はい、間違なく虹色でした」

……そか……

フェイトちゃん経由できいとったけど……

古代ベルカの王にして今なお教会の信仰対象である聖王か……

私だって一応は古代ベルカの継承者、

ただ基本日本人やから信仰とかはしとらんかったが

まあ、キリスト教ベースで考えれば聖杯(まあ無くなっとるが)からキリスト様の血液取って

復活させましたー。

ってところやろうな……











ただ問題は、古代ベルカは魔法文明。

そこで大将張ったわけで、なんかしら凄いレアスキルがあるんやろう。

少なくともあっという間にシャマルの回復魔法を使った。

ひょっとしたら夜天の蒐集はそれを元にしたのかもな。

聖王を復活、信仰目的以外、スカリエッティが狂信者とは思えんから……

まあ、ちょいユーノ君に相談やな。

「あの、ヴィヴィオ、大丈夫ですよね……」

……それは……

「あ、その、今だけじゃなくって、その」









……そういう事か

「大丈夫や、安心しい、可能な限り秘密にするわ」

ほっとしたエリオ。

うんよく考えてる、本当なら私が気がつかなあかんのに。

思ったより、堪えとるのかな。






宗教のイコン。






この事実にはヴィヴィオは生涯振り回されるやろう。

下手うてば聖王教会の過激派に逆に聖王教会へのテロ屋に狙われる。

ヴィヴィオ本人は関係無い。

彼らにとって重要なんは、聖王がいるという事実だけや。

そして、残念やけど、ヴィヴィオへの対応においては……六課は聖王教会と対立せんといかんことになる。

可能な限り情報隠蔽。

カリムとヴェロッサは信じとるが、宗教絡みやから……

……頭いたいわ……これは。

さて、何からしよ。






























ルーテシア視点

ガラスの筒に入った私に似た大人の人。

私のお母さんだって人。

私はアジトにいる時は何時もこの人を見る。

ドクターは私を人間にしてくれる人だって言うけど、

本当はよく分からない。

「おっ嬢様〜」

赤毛の明るそうな人、ナンバーズの……

「あ、11番のウェンディっす、

でこっちは8番オットーと12番のディードっす」

後ろにいた二人、あの時の二人だ。

「……」

「……」

「……」

「……」

「オットー? お嬢様?」

「ふ、二人の沈黙フィールドは強烈っすね……」

? 何それ?

分からない? そう

「な、なんっすか? 二人とももうマブっすか?マブダチっすか!?」

「無言で会話成立していますね」

?? そうなの?

やっぱりよく分からないよね。
















「腕、大丈夫?」

ディードは腕をあの時ゴキってやられて痛そうだったけど

「……問題ありません、外れただけでしたので」

何? え、本当は凄く怒ってる?

「……オットー」

「……ディード、実は負けず嫌い」

「あー、今クアねえが調べるっすから、やり返すのはその後っすよ」

あの男の人、怖い顔してた。

あの男の子と女の子は悲しそうな顔してた。

前にあった時はそんな顔しなかった。

……知ってるのかな……お母さんの事

「お嬢様の事は知ってるかも知れませんねー」



















……クアットロ……

「急に出て来た、タケノコ?」

「そうそう、朝になったら出て来るクアット……お嬢様、天然ですわねん」

そうなの? 分からないけど

でも今のはノリツッコミっていうんだよね、知ってる。

「誰がソースかとても気になるっす」

「それで、あの男、分かりましたか?」

「あらあら、ディードちゃんご執心?」

「はい」

……そうなの?

そう、よく分かって無いのに言ってるんだ。

クアットロとウェンディはおーって言ってる。

何でだろう。














「で、あの男のデータがこれ、名前と顔が一致してるんだけど」

字が沢山……読むの大変。

「武装隊じゃないんすね〜って、魔力資質ランク外っすか!?」

「……」

あ、ディード、不機嫌。

「私もまさかと思ったけど他にいないのよ〜」

「うわ、こいつ何枚始末書書いてるっすか?しかも理由が素行不良」

……つまりすっごく悪い人?

ディード?

「……つまり……ただの人に私は肩を外されたのですか……」

大変だ、火がでてる、え?あれは大丈夫?そう。

「ま、まあ話を戻すけど、どうもお嬢様のお母様と彼のお母様、仲良かったらしいのん」

「……私も知ってる?」

「さあ、そこまでは?」

だって、どうなんだろう。

今度、聞いてみよう……


























ティアナ視点

……いないし

スバル達の様子を見に来たはいいけど誰もいない。

誰かさんの病室だろうと当たりをつければ、

やっぱり……

自分の怪我も直って無いっていうのに。

イスに座って船こいじゃって……

ベッドに眠るケイスケ、はあ、コイツも……魔道師でも無いくせに。

馬鹿……スバルやみんなを泣かせるような真似して……

腰の後ろあたりを触ると生々しく傷が残ってる。

こんだけやっといて動くとか……

本気で

「ティア?」







あ、スバル、起きたんだ。

「アンタね、怪我人何だからジッとしてなさいよ」

「……ゴメン……」

……らしくない。

当たり前か、ギンガさんさらわれて、自分は大怪我して、

六課は壊れて、みんなに秘密がばれて、

それでケイスケが死んだかも、だもんね。

「それで、どうするのよ」

「どうって……」

あー、もう本気でらしくないわね!!

「それで、ギンガさんは亡くなられてないんでしょ」

「うん……」

「だったら「ケイスケ!!」」

そう、アイ……!?

ケイスケ?

ベッドで寝ているはずの、でも今は……

「……姉さんが、どうかしたのか?」

はあ、全く、みんなの気も知らないでさ。

腰を起こしたアイツがいた。


























「……そうか……」

「うん……」

今の今まで寝てたケイスケは何も知らない。
六課施設の壊滅、スバルの怪我、施設を守っていたメンバーの負傷、

そして、ギンガさん。

「……ヴィヴィオも、変わらないよな……」

「ええ、アンタが倒れた時と変わらない」

「……ケイスケ、ごめん、ごめんね」

「何で謝る」

「だって、だって……」

スバルの声には嗚咽が混じっている。

全く、らしくない姿。

「お前は泣く事はねぇよ……」

って、ちょっと

「何起きようとしてんのアンタ!!」

さっきまで昏睡だったはずのコイツはもうベッドから出ようと。

でも、やっぱり本調子じゃない、ふらついてる。

「ケイスケ、寝なくちゃだめだよ」






「……寝てられっか……」






……

「寝てらんねえよ!!あいつら!!

ふざけんなよ、ふざけんじゃねえぞ!!

この借りぜってー返してやる!!

やられっぱなしで寝てられるかよ!!」

「駄目!! 死にそうだったんだよ、ケイスケ!!」

「放せ!! ヴィヴィオだけじゃなくてギン姉さんだと!? 

あわよくばお前もだ!? そんな連中ぶちのめして!」

パシンと音が病室に響いた。





「アンタ、いい加減にしなさいよ」

痺れる手のひらが熱い、だけど

「ランスター」

「ティア」

「アンタに何が出来るのよ、武装局員でもない、それどころか魔導師ですらない」





イヤだな、でも






「そんなアンタがどうやるのよ、またみんなを泣かせるだけよ」






ケイスケは、みんなに関わり過ぎた。





スバルはいうまでも無い、エリオとキャロは兄と慕ってる。






部隊長は何だかんだと頼ってるし、副隊長達だってそれをよしとして、

なのはさんとだって、ヴィヴィオの件で仲はよく、

フェイトさんはエリオ達絡みで

私だって、

大事な友達だと思ってる。






「アンタはこの事件中は大人しくしてなさい」

これは、言いたくない、でも前とは違う。

コイツの為にも







「……どうせ、何も出来ないでしょう」

「ティア!?」

「……」

痛い、ケイスケの睨が……

でも、駄目なんだ、死なせたく、ない……

スバルを連れて退出した後、壁に響く振動。

ごめん。























はやて視点

「ちっす、ロッサ」

管理局本局ドック、そこで私を待っててくれたロッサ。

「や、全く、君は唐突だね、本当」

そう言わんと、ここに来た目的、ボロボロの六課隊舎のかわりがどうしても必要で、

目をつけたのは……













「ある程度の改修はすんでいる、だけど船がXV級への移行期だからね、パーツが足りない、完全とは言えないよ」

目に写るのは私達の始まりの船、アースラ。

本当ならもう廃艦になるはずのこの子やけど、もう一踏ん張りしてもらう。

「前と同じには思わないでくれよ、当然アルカンシェルは無し、

迎撃システムは80%、一度ミッドに下ろしたら大気圏離脱も不可能だかね」

いや、本当、もうボロボロなんやな……

何だかんだで、私らとの付き合いは十年近い、

それより前もからずっと頑張ってきたんやからね……

ごめんな、もう一踏ん張り頼むで、

「そう言えば大丈夫かい? 部隊の怪我人は」

「ああ、もうみんな峠はこした、後は起きて安静に、や」

「そうか、死にかけたって彼は?」

「ん、そっちもや」

ケイスケ君か……実はここに来る前にオーリス三佐との会談、まあ廊下やったがでも話はでた。



(彼から目を放さない事です)

(中将に対する嫌疑、それについては私から話せる事はありません、ただ……)

(あの男を部下に持った同士としての忠告はします、あの男は、必ずやり返します、例え相手が……誰であっても)





……まあ、中将については正直怪しい所をつっついて見る位で証拠もなにもなかったけど……

ケイスケ君については、流石に考えすぎ、と思いたい。

生死の境どころか戻って来たようなもの……

それで仕返しは、有り得ないはずや。

一応起きたら監視強化位は頼むかもしれんけど……

……万、いや億に一そんな真似したら、きっと、今度こそ……



















フェイト視点

病院のみんなの状態を見て、六課隊舎の現場検証も一段落した。

……久し振りだ、近しい人がいなくなる怖さは

リニス、母さん、リインフォース

悲しい事を無くしたくて、なのはみたいに手を伸ばしたくて選んだ執務官の道。

だけど、起きたヴィヴィオとギンガの拉致、

そして、ケイスケ……









飛んでいる最中に感じた体温が落ちて行く感触、

怖かった、何時も飛べばあっという間と思っている距離がたまらなく遠く感じて……

間に合った時には、文字通り腰が抜けてしまった。

エリオとキャロの安心した顔を見て、

この時ほど私の速さを喜んだ事は無い。

でも、もっと速ければ、もっとうまくやればヴィヴィオだって……

でも、あの子はまだチャンスはある。

諦めない、絶対に、その為にも。













「なのは」

六課屋上に親友の姿を見つける。

何時もと違って肩に力がない。

「あ、フェイトちゃん……」

ふとなのはの握る人形が目にはいった、

それ、ヴィヴィオのだ。

「なのは、大丈夫?」

「にゃはは、何が?」

無理に辛い時に笑う、なのはらしいけど……

昔の事故の時と同じだ。

みんなに迷惑って言われたくなくて、我慢する。

それがらしいとも、寂しいとも、前は思った。







「なのはって、何か在ると頑張るよね」

ふと口から出たのはそんな一言。

言った自分にびっくりした。

「え? だって……」

普通だ、キツい状況を何とかしようと頑張る。

そうであるのが……







あ、そうか、そうなんだ。

私も、あの時と、ううん、六課に来る前と変ったって事だ。

「なのは、私達も頑張るよ」

上手く言えない、でも伝えないと。

「え? え?」

不思議なんだろうな。





こんな風になのはを見るのはきっと彼の影響。

人の大切な所にズケズケ入るくせに、なんだそんなもんかって秘密を笑う彼の






「なのは、なのはだけが頑張らなくていいんだよ」

「フェイトちゃん? 私、普通だよ、それに今は頑張らないと」

言葉を遮って首を振って否定する。

そうじゃない、そうじゃないんだ。

なのはは止まるのを怖がってる。

何でなのか、私にも分からない。

でも……








親友だから、誰にも変えられないくらい大切な友達。





だから、私が踏み込む……あ






私、そっか。





「なのは、みんな、なのはが大事で、頼りにしてるんだよ」

「え?」

「なのはにいて欲しい、大丈夫って言って欲しい、

なのは、みんなに……一緒にヴィヴィオとギンガを助けようって、言って」

「ヴィヴィオは……助けるよ、何があっても、そうじゃないと、ケイスケ君に……」





……本当に、私達って似てたんだ、よくわかる、今一歩外に出た私には

「……ケイスケにも頼もう、一緒に「ダメ!!」」

なのは!!

「だめだよ、危ないよ、今度こそ」







……だったら

「フェイトちゃん?」

「だったら、なのはは危なくていいの!?」

溢れた、何時も思っても胸から出ない思いが

「フェイ「私は嫌だ!! はやてもスバルも、みんな!! ケイスケだってそう言う!!」」

なのははみんなに求めて欲しいんだ、プレシア母さんに必要とされたかった私。

その私に友達になって欲しいって求めてくれたのがなのは。





じゃあ、なのはは?

凄い魔力と凄い才能、ミッドでそれを求められて、認められて。

だから、頑張ればみんな求めてくれるって。

でも、



「私は、なのはだから友達だよ、

魔法が無くったって、

頑張らなくったって、

友達、

ヴィヴィオもそれでも、ママっていうよ……」



なのは、もっとみんなを信じて……

アリサとすずかは魔法なんか関係無い友達だよ。

アルトも、ルキノも、グリフィスも、エイミィも、ケイスケも、

魔法の絡む人ばかりにふれて、それを求められ続けて、

だけど、それも含めてなのはだけど、




無くなったって、



関係を変えたりしないってそう断言できる。

それでも、みんななのはの手を求めてくれる。

だから







「なのは、ケイスケに会いにいった?」

ほら、反応した、謝るけど、頑張るから嫌わないで。

そう、何処かで言っている。

情けないな、十年かけて、やっとそう分かった。

だから今、
本当の、
対等の、
友達として

「行こう、謝るんじゃ駄目、一緒に頑張ろうって、頼りに行こう」

















スバル視点

夜になって面会の人達がいなくなった。

ティアがケイスケを止めたのはすっごくわかる。

あたしだって止めた。

ティアは仮宿舎に帰ったけど、

病院の勝手口、ここって中からはノブ鍵なんだよね。

壁を擦る音が近付いてくる、力の無い足音も

そうして、







「ケイスケ、どこ行くの?」

「ち、スバルかよ」

ケイスケはバツが悪そうな顔でいた。

ティアが止めたけど、あたしは知ってる、ケイスケが止まる訳ないって。

だから、先回り、今回だけは……





「……スバルよ」

「ダメ」

「まだ何にも言ってねーだろ!!」

「ダメ、病室は後ろ、自動販売機も無いし、コンビニならあたしも行く」

先回りして使いそうな言い訳を潰す。

「じゃあ……」






「ケイスケ、一度それで酷い事なったよね」

まだみんな一緒で、ケイスケが少し苦手だった時、

魔法を覚えたって、いたずらする人がいた。

その人に、内気だったあたしは、何も言えなくて。

悔しくて、でも怖くて、

ケイスケはやり返した。

すっごく撃たれて、血も出て、カッとなって殺傷で撃たれても

それでも殴った。

勿論その後母さんやギンねぇに怒られたけど、








「ねぇ、止めなよ、もう昔じゃないんだよ?」

怖い、ギンねえとは違って本当にいなくなる。

「あたしが頑張る、ケイスケの代わりに!! だから!!」

「……すまん、行かせてくれ」

それでも行こうとする、何で、何で?

「あたしが頼りない? あたしじゃ助けられない? ねぇ!!」

分からないよ、変わったよ、あたし、強くなったんだよ?

「……違う」

「何が違うのさ、そういう事でしょ、あたしだって昔の泣き虫じゃない!!」

ケイスケの目が、迷ってない……

どうして、どうして……さ……









「スバル、俺がアイツらにやり返す、そいつは俺の都合なんだよ」

「違うよ、ヴィヴィオがさらわれたのだって」

「……ワリィ、結局さ、関係無いのさ、姉さんの件も、ヴィヴィオの件も」

「え?」

何で

「俺は、身内が拉致られて、勝てないから、力が無いからで、尻尾丸めたくない、

そんな俺になる方が……死ぬより……怖い」

……

「じゃあ行くぜ、俺」

目も合わせてくれない……

「ケイスケ、勝手だよ……」

「悪い、こんな馬鹿に関わったのが運の尽きだと思ってくれ」

……酷いよ……ケイスケ。

ふっと戻って、ふっといなくなる、心配だけかけて、それでしらんぷり……

一緒に行く、その言葉も、ケイスケは拒絶してる。

結局、何も出来ないで見送ってしまった……

気がついたらあたしのポケットには紙があった。

退職届って書かれた紙だった。
















クレイル視点

飽きてきた。

繰り返し放送される地上本部襲撃事件

おかげでドラマもバラエティも軒並みお休み。

しかし、あっさり落ちたものだ。

以前の巣穴がやられたのには多少の感慨はあるが

今の俺の最重要課題は、別世界への渡航規制

及びそれによる収入源の消失である。

やれやれ、個人商社に干上がれと言うのかお上は?

まあ、真っ当な人間以外がお客様。

売上は先月の200%増、在庫がはける前に解除してくれば問題ない。

何しろ大事な扶養家族様を飢えさせるのはよろしくないからな。







「いいんですか? 何もしなくて」

「いいのさ、それより精の付く物を作ってくれ、もうすぐ大口様のご来店だ」

扶養家族様はご不満らしいが残念ながら世間様に屈したひねた負け犬の出番じゃない。

何で何故は今語る事じゃない、この舞台で主役を張る資格を無くした人間には……

だから







廃棄区域にあるこの店、店内に並ぶのは誰にでも使える禁止もの。

そして

「クレさ……いや、クレイル・ウィンチェスター、俺に力をくれ……」

舞台に上がる資格を求める孤児達にそれを提供する。

「ようこそ悪友、ウェルカム」



後書き

気がついたら容量が増えていました、フェイトさん暴走が原因です。

そして、ケイスケ局を抜けてでも報復に走ります。

前回ボロボロなのはこのためですよ?(ニヤ)



拍手返信


>いやいや、ケイスケ中心ではなく部隊長のハーレムにケイスケが組み込まれて
>ると見ると違和感がなかったり。
>無論、エリオもキャロとルーテシアのモノでしょう。(ケイスケと同じく)

なんということだ!!六課の男に自由意志は・・・…無いんだろうな〜



>バレンタインネタのことを考えるとケイスケはこのままヴィヴィオと一緒にさらわれるんだろうな。
>そして数の子を篭絡していく。おそらくメガーヌのことを突っ込んでルーテシアかゼストかのどっちかかな。
>そして囚われのお姫様(六課側視点)のケイスケを王子様(六課の誰か)が助けに行くと……。
>それとは別で二番目の数の子も助かりそうですね


捕まりはしませんでした。というより捕まえる価値は見出されなかったが正解です。

ゼストとの面会記録はないのですよ。 



>>パパはヴィヴィオとママのなの   
>ハーレムではなく第二次海鳴大戦勃発確定フラグですねww 
>ケイスケよ強く生きろw
 
殺されますな、本人否定して、いや否定する方がやばいか!!
女性陣も敵に回る、いや、半分近くは元々敵ですが(玩具としての意味で)



>>フェイトママ、すぐげんき   ついにヴィヴィオにまで言わるポンコツぶりw
 
うーんドジっ子属性がいつの間にかポンコツにまで進化したw
子どもの順応能力って恐ろしいですよね。




>鬼丸さんへ。カートリッジボム(仮称)はヒゲ中将に売り込んだら採用されたのではないか? と思う今日この頃。
>空き缶ぐらいに大きくしてバインドとか入れてさ。ぜひ隠しヒロインのカリムを・・・(以後空白)


確かに採用してもおかしくない!!
マジレスすると内部確定しても会議を通さないと使用できないでしょうが。




>このヴィヴィオは精神操作を受けてもケイスケ=パパだけは変わらなさそうだww

恐るべきファザコン幼女!!
そのノリのまま聖王形体、ケイスケ最大のピンチ!!




>鬼丸さん、ARMSの第三段階をどどんと!!!ジャバウォック愛してるよ!!!!

ちょ、ゆりかごなんか目じゃないぜレベルの危険存在!?




>鬼丸さん、redeyesのジャッカル隊を召集しなければ、!!!
>その後全力でブッコロ!!!アーカードさんも真っ青!!!

虐殺かよ!! 民間人何人巻き込むんですか。





>鬼丸さん、ケイスケに戦闘機人たちに対してジョジョ風にあなたたちは覚悟が
>あって覚悟してきてる人たちですよね?といわせて!!!!!


5部ですか!!5部なんですね、でもそこまでどっちかというと挑戦者なのが問題でしょう。





>ヴィヴィオからの回復でケイスケ能力覚醒とか一瞬思ってしまったw夏ですねぇ。

 
いやいや、私もひそかに、やべえパワーアップ?とか思いました。
やりませんけどねw




> 「我」と書いて「オレ」と読むんですね。わかります。

落ち着いてくださいwザフィーの一人称はずっとワレですよ。
……カタカナで書くとケンカ売ってるみたいだな……




>そういえば、ケイスケの様な魔力のない事務員と魔導師が重傷を負った場合
>どちらのほうが優先して、治療されるんでしょうかね。

その辺は普通に状況によるでしょう。
助からないと判断されれば処置なし。
助かるなら持つ方が後回し
同じくらいなら早く来た方
全く状況同じなら気まぐれぐらいでしょうね




>スバルの精神的ダメージ増大中。

スバルダメージはひどいですね、どんだけSなんでしょうか私




>鬼丸さんへ 「「「「テオラー!!」」」」

ザフィー、君はここで目立つためだけに地味だったw




>ケイスケ心停止までしたのに死亡フラグ全然回収できてる気がしませんね。
>それどころかヴィヴィオフラグ発生で致死率アップしたような・・・

むしろ未来の死亡確率が出てきました。
せっかく死んだのに死の宣告が解除されない




>ずたぼろになったケイスケが「俺の娘を絶対にお前らには渡さねぇーー」と
>いったセリフを期待していたが、
>ここはヴィヴィオの親子愛に脱帽。

ケイスケ本人はきっと認めませんよ。
しかしヴィヴィオは要求する。
……世間の目最悪




>この後、ケイスケくんは激しく落ち込みそうだ…
>そしてそれを優しく慰めるなのはに厳しくたきつけるティアナ、この二人のフラグが立つんですね。
>わかります。

いやはや、落ち込む前に怒り出すのが彼です。
局員でもなく六課でもない本人の報復を始めます。





>うん、ケイスケよ君はもうなのはとヴィヴィオと一緒に幸せな家庭を築くしかないな。
> あれ、フェイトは?

うんなんという人生の墓場フラグ。
ついでに生命の墓場行フラグでござる。





>気持ちいいくらいのやられっぷりwやはり早々に戦線離脱しましたね。それと
>まさかのエリオ覚醒の予感ww

うーんさすがはオリキャラ最弱をユウさんのシックと争う男w
エリオ? 彼はこれから穴掘りエリオを名乗って逆渦と銀河でw




>事務員は超人大戦に際しやはり無力。
>今回で改めてレベル差に気付いたスバルが「ケイスケは私が守るから!」で
>ナカジマ家ルートだったんですねわかります。

うーん若干外れてしまいました。
でも無力? それがどうしたというのでしょう?






>そういえば部隊長がいない。一言も喋ってない!?
>なんて不憫、頼みますからIFで彼女に光を。あ、オーリスさんルートでもいいんですが。

年上好きですかそうですか、はやては外に出られませんでした、こういうとき立場って邪魔ですな。






>ヴィヴィオは心の底からケイスケの事をパパだと思っているんですね

他に候補がいませんからね、ユーノ? 面識ないのに?






>意識を取り戻したのは数ヵ月後、六課解散後でしたというのもアリかと一瞬
>思ってしまいました

アーそれはそれで楽ですね、次回最終回で終わるというw





>ハワワ!! けーさんがまた死んだ!? ヤバイ!!ヤバイッスよ!!
>死亡パターン生き残りパターンでいろんな展開が頭のなかで…あれっすか!この
>ままフェイトやスバルのトラウマねたに発展していくんすか!?

特に言及はしませんが、死んだらかなりの人間にトラウマ植え付けるんでしょう。






>ナンバーズ側にも一人ぐらい捕まるやつがいたほうが話が膨らんだと思います

今回はディードに因縁をつけてみました。
はたして最後まで戦えるんだろうかケイスケ…… 






>ここはあえて日常は続く的なENDにして、
>その後を番外編のスバルみたいにそれぞれの番外編?後日談?があるとうれしいなぁ、
>なんて無茶を言ってみる。
>↑IF外伝の間違いです。

そうですね、終わってからの展開の一つとしては検討しています。
読んでみたいって方がいればの話ですが数の子側にいたIFものとか






>ケイスケがカイゼルフェルベの力でリンカーコアが大きくなるなんてことは…
>あったらいいなぁ。

ないですね〜、別のお祭り的なものでしたらケイスケ強化とかも考えるんですが
本編ではこのままです。





> ここがある意味ケイスケの選択の分岐点かね〜 かと言って死んだら終わりだし・・・
>でも、微妙に覚醒してましたか? ケイスケ君?

いやいや、ブチ切れモードに入っただけですよ。
突然強くなったり伝説の武器を手に入れたりは無いのです。






>ぜひ最終決戦時にはなのはと一緒にヴィヴィオを助けるか
>フェイトと一緒にスカを叩きのめすかのどちらかを希望!
>もしくはフェイトとスカを叩きのめした後になのはとヴィヴィオを助けるのでも可。

さて、どうなるでしょうか、それは秘密ですb





>機動六課の日々最新作見ました!!疑問がひとつ、なぜシャマルは原作でも旅の鏡を使わないんだろう・・・?

あくまで仮説ですが、機人でコア持ちはひょっとしたらギンガとスバルしかいないのかもしれませんね。
レリックを素手で掴みだすのができないとか、どこかのラムディじいさんみたいな殺し技になりますし




>鬼丸さんへ もしケイスケがこのまま逝ってしまったら、スバルは立ち直れな
>いかもしれませんね。

すぐには立ち直れないかもしれないくらいのダメージかもしれませんが
いつかは立ち直るでしょうスバルもみんな。
女性が強い世界なのです。





>魔力がない事務員に狙われている人物を連れて逃げさせるのは、管理局としてはどうなんでしょう

治安維持組織としては失格かもしれませんね。
ただ状況から推察、しかも独断行動ですから、ザフィーラとかじゃないと魔力持ちは行動できないでしょう。
敵前逃亡とられますね。






>捕まらなかったか、器を制御し易くする道具として洗脳、何てのも有りかなと
>ちょっと思いました


>>「パァァァァァパァァァァァ!!」   
>ケイスケ南無 パパ確定だww ついでに第二次海鳴人外大戦も!!w

ええ、再び戦いの幕が、機動六課全員観戦w



>死の淵から舞い戻れケイスケ!!どこぞのシスコン聖闘士のごとく!!!

命を燃やすのです、そして伝説の神聖衣w

>ケイスケが!こうなったらもうバズーカとかレミトンとかマシンガンとかで戦うしかないでしょう!ケイスケは!
>もう質量兵器の云々言ってる場合じゃない!個人的クアットロかサド二番と戦ってる所が見たいっす。

ばれたかw

手段はもう本気で選びません。


>ケイスケ一回死んだー!?ヴィヴィオ軽く覚醒してケイスケの命拾ったけど瀕死には変わらず倒れちゃったか。
>にしてもディードに不意打ちで腕一本奪ったケイスケは
>キャロにブーストしてもらったら機人とタメ張れるんでないんだろうか。
>とにかくケイスケに敬礼・・・!

うーんガチの戦闘力ではやはり雲泥のさがあります
あくまで不意打ちで弱い部分を攻めたからです



>オリキャラありなのに本編と流れが変わらないのは残念です

この展開のためでした!!
負けから這い上がるって燃えません?




>ケイスケが、逃げ切れなかった原因→ダンボールを使わなかったこと。(え

スネーク!? 最近はドラム缶の方が見つからないw





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