前回: ちょっと夢を見ました。

嬉しいけどちょっと悲しかった。

フェイト隊長もいました。

まあ、色々あるわな。



                    ケイスケの機動六課の日々  その22




「おっちゃん、挽き肉三百、ソーセージ五本な」

あいよ、っと威勢のいい返事が響く。

仕事帰りの夕飯と明日の朝飯を購入。

今日の予定はハンバーグを付け合わせはジャガイモ吹かし。

朝はボイルしたウインナー

半分は晩酌の摘みとして消費するが。

「おい兄ちゃん、クジ引きやったかい」

「あ、まだだ」

今ここの商店街でのクジ引きは盛況だ。

なんせ一位は南海常夏世界への旅行券だからな。

まあ、幸薄い俺にはティッシュ箱セットの方が目当てとしてふさわしい。

ほら、若いし。

「今日までだしな、ほれやるよ」

どぱっときた、うわ、三十くらいできるよ。

「サンキュー、おっちゃん」



















ありゃりゃ、まーだ一等でてねえよ、引き弱ばっかで組合会長もてえへんだわ。

よしよし、ティッシュに洗剤はまだまだあるぜ。

ヒットヒット、はずれ。

いい戦果だ。今月の出費がかなり減るぜ。

そうして最後の一回、最後に米引きたいな。

ポトリと落ちる玉は、あれ?




「一等おめでとうございまーす」



あれ?




「三名様、ご招待券でましたー」





あれ?



カラカラと響くベルを聞いて思う事は

俺、死ぬんじゃね? だった













「ということで、誰かいる?」

ロングアーチにて売る。

これが一番確実

「さあさあさあ、本来一枚5の券を特価2から!! さあいくらだ!!」

「2.5!!」

「2.7!!」

「3だぁ!!」

よーし、よしよし。

「隊内の金銭のやりとりは禁止やで〜」

意識がブラックアウトしました。

「ふむふむ、旅券か〜、リフレッシュには丁度ええな」

部隊長、出合い頭に魔法はよくない。

「ほら、ケイスケ君やし、他の人ならやらんて」

「ひでぇ、俺の人権侵害だ!、訴えるよ、そして勝つよ」

「まー有効期間が短いからネットオクとかは無理やな」

聞こうよ人の話!!

「ふむふむ、ここは……」











「第一回、フォワード陣、レジャー争奪合戦ー!!」

「パフパフ」

「ですー」

俺、何やってんのかな……

それでも合いの手を入れてしまう自分の芸人根性が憎い。

「さーやってまいりました、今回の景品はこれ!! 管理世界の保養施設三名様ご招待券」

「ガイドはケイスケですよー」

「どもー」

三名? 俺の枠は?






「キャロとエリオと旅行旅行旅行」

「あ、あはははは、か、勝ったら返すから、うん」

「ふむ、主のよいご静養になるな」






ふ、もう諦めたようん。

遊べるのは変わらん、せめてなのは隊長が勝ってくれ。

「さて、勝負内容は……水着対決!!」

ボケ確認、ツッコミリミッターリリース、目標補足、対象への軌道修正よし。

「アホかー!!」





うんうん、素晴らしい音だよ。流石は伝説のハリセン。

「な、何がどう伝説やねん」

「その辺はスルーして、あんた自分が見たいだけだろ!!」

「馬鹿な、男性職員の心を汲んだ素晴らしい勝負やないか!! 何より何も壊れない」

あー、最近破砕激しいしね。

「つか、女性にセクハラやめい、俺が我慢するから」

「え、ほんま?」

う、早まったか? 子供のように目をキラキラさせる部隊長を見て決意が急速に……






「え、なんで二人とも着替えてないの?」

……すーっと視線を動かすと黒ビキニの……

「フェイトちゃん……ナイスや」

頭を全く同じタイミングで押さえる他三名でした。



















エリオ視点

転送ポートを乗り継ぐ事三つ、僕達を迎えてくれたのは


「わー」

「凄ーい」

真っ青な空と海それに白い砂浜

凄いや、こんな広くて綺麗な所は初めてだ。

「私は海って初めて」

山で育ったキャロ、そっか、初めてなんだ。

うん、僕が色々教えなくちゃ。

「ほれ、さっさと歩け」

「うううう」

フェイトさんはなんであんなに元気無いんだろう?

「フェイトさん、早く早く」

キャロ、ケイスケじゃないけど空気読もうよ。

「うう、酷い、みんなで騙して……」

「アンタが一人で暴走しただけだ」

「家族水入らずだと思ったのに」

「おたく、自分に都合がいい部分だけ聞いてただろ」

よく分からない、確かケイスケが貰った券を隊長達で取り合ってフェイトさんが貰ったって話だけど……






最初はニコニコなフェイトさんはキャロの

「けーさんも一緒なんですね」

って言葉から急に元気が

「うううう、やっぱり二人ともケイスケの方が好きなんだ、私なんかいらないんだ」

「ダウン思考はいい加減ウザイからやめい!!」

フェイトさんの手をケイスケが引っ張って、

何故だろう、頭で文にすると仲良さそうなのに、目の前の現実は……

うん、大人同士だしケイスケに任せよう。うん。

「おら、二人とも、タクシー呼べタクシー、先にホテル行くぞ」

よし、キャロはこういうの慣れて無いだろうし、僕が頑張ろう。













「おおお、商店街会長頑張ったな」

部屋に入っての第一声、結構大きなホテルだなとは思ったけど凄いや。

眼前は海がこう、ばーって。

「……まて、いくらだここ、というか三名様で俺の旅費はどうなってる、まさか自費!?」

? ケイスケ、どうしたんだろう急に元気が。

でもケイスケが一緒で本当によかった、

下でフェイトさんが三人部屋あります、と聞き出した時に僕とケイスケがペア主張。

だってさ、流石に着替えるの一緒なんて……恥ずかしいし。

「嬉しかったら露出狂だっつーの」

だよねー






















ケイスケ視点

海だ。誰が何と言っても海だ、その辺のご近所様向けの狭い海水浴場ではない。

右を見ても海、左を見ても海。

完全に保養の為に整備されてるとか、こんな環境人が手を入れなければ絶対無理とか

そういう萎える知識は全部放り出して

とにかくまず俺がするべき事は!!






「お休みなさい」

「えー!!」

何だよ俺の心地よい安眠を邪魔するなエリオ。

「いや違う、何かが致命的に間違ってるよケイスケ!!」

エリオ、立派にツッコミするようになって……

もう俺の教える事はない……

部隊長の相手もお前に任せる、さらば。

「ちょ、やめてよ!! できるわけ無いよ!! 僕を置いて行かないで!!」

ええい、邪魔するな、木陰で砂風呂に入って夢の世界に旅立つのだ。

「ケイスケー!!」









「お待たせしましたー」

ん? と首だけ向けると来たか女性陣、

キャロは年相応の可愛らしさを全面に出したビキニだ

肩出しなのがポイントだな、いわゆる大きいお友達は唾を飲んであっちの世界に旅立つだろう。

で、フェイト隊長。





うーん、金髪でナイスバディの体を黒いビキニで

いや、カオス会場と同じだが見る場所が海岸だとなんか違う。

いわゆる、エロくてカッコいいんだよ。

「うんキャロ、かなり可愛いぞ、隊長はかっくいいぞ」

「えっと、その……」

「ありがとう、けーさん」

うん、素直に称賛を受け取るところはとても好感だぜキャロ。

フェイト隊長はちと落ち着け、

そしてエリオ、ガチガチになるな、取りあえず褒めろ。

パラソルとかをレンタルして手荷物を置く。

しかし、流石は観光で成り立つ世界、人少ない。

芋洗いな海も嫌だけど、人気の無い海も嫌だからな。

そして、荷物番をする俺。

フェイト隊長、ガキ共としっかり遊べ。

仕方ないなーとポーズだけ取って海に三人で入っていった。

しかし見たからな、この世の春と言わんばかりの顔は。

寝っころがって海をぽけーっと見続けると眠くなる。

はー、平和だよ。





眠い。






寝ようかな










けーさーん、と叫ぶキャロ、やれやれお呼びですよ。

たく、お兄さんは辛いわ。

「あいよー」

ま、せいぜい遊びますか。




















コックリ、コックリと頭が上下しているエリオ達。

あの後はまさに全開で遊んだ。

水のかけあい、遠泳に砂遊び、ビーチバレー。

フェイト隊長の運動神経は鬼だった。

たまに視線が危ない女性が目に付いたのは俺だけの秘密にしよう。

シャワーを浴びて、バイキングのメシを食って、食後のトランプでもやればチビ二人は限界だ。







「もう寝るか、二人とも」

「まだ〜」

「起きてるよ〜」

ふう、思わず頬が緩む、隊長もらしい。

普段が普段だから、なんか新鮮で微笑ましい。

そのまま椅子で寝た二人を置いて隊長と明日の予定に付いて話し、

最後にエリオを背負って部屋に戻る。

初日はこれにて終了。



















海岸通り、一言で言えば同じだが、地域が違えば雰囲気も変るわけで

六課周りも海岸通りがあるが、ここでは椰子の木が生えているのである。

見通しもよく、とても気持ちがいい。

更に車がオープンなら気分壮快。

「わー」

チビ達を後ろに、俺が助手席でフェイト隊長が運転。

「危ないから顔とか出すなよ」

返事はあったが聞いているか疑問だ。

エリオは半袖アロハに半ズボン、キャロは白いミニワンピ

旅行が決まってからランスターに買って来てもらったそうだ。

流石はランスター、よく似合う。

「ケイスケ、次は?」

「あ、右ですよ」

そのまま自然にまがる車体、とてもスムーズだ。





で、フェイト隊長。

うーん、似合うんだけどさ。

なんつーか、露出が、あれよ。

いや、水着に比べれば少ないんだが、

左半分ぶった切ったダメージジーンズにタンクトップ、グラサンつけて

かっくいいんだけどね。

近くにいると、俺も健全な少年であるわけで。

ついつい谷間とかに目が行く。

半ば本能つーか反応だから、意識しないとやっちまうし……

その……困る。
















目的地のショッピングエリア、ここで少し分裂。

フェイト隊長とキャロは買い物、俺とエリオは、

「ケイスケどこ行くの?」

ま、着いてのお楽しみ。



















エリオ視点

耳につく低い音、室内は木張りで初めて嗅ぐ匂いが充満している。

ケイスケは肥った店員と話して

壁にかかってるのは

「ケ、ケイスケ、これって……」

「お、エリオにはこれな」

ひょいっとケイスケから渡された物って、






「これ、銃じゃ……」

「そだよ、38な、おっちゃん、俺45ね」

「ケイスケ!!」

だって、これ違法じゃないの!?

誰でも扱えて、危険だから禁止された質量兵器。

入局の時の法律講座でそう習ったはず。










「……ぷ」

「がはっはっは、中々愉快な事言うなボウズ」

え、だってガジェットだって使って、違法だって

「あのな、エリオそりゃミッドの法律、ここはミッドじゃないの、合法だよ」

そ、そうなの!!

「つか、隊長にもここ行く事話してるし」








……うわ、恥ずかしい……

うう、散々笑われた。

「さて、エリオ撃ってみる前に説明な、危ないのは変わらんからしっかり聞けよ」

実は興味が無い訳じゃない。

ケイスケに見せてもらったロボットとか街の掃除屋とかがやってるのはカッコいいと思うし。

「さて、撃ってみるから隣りで真似しな」

そう言うケイスケの真似



銃はフェイトさんのバルディッシュみたいな回転式




銃口は常時人に向けない、親指で横に外せる弾倉に弾が入って無いのを確認して



射撃台に立ってから弾込め。



「最初は檄鉄を起こしてやる、シングルアクションって言う」



両手で持って、弾を込めるとちょっと重くなって、檄鉄も重い。



「突出して狙え、突出すまで引き金に指入れんなよ」



照門と照星を合わせて。



「ゆっくりゆっくり引き金に力を入れろ」



ゆっくりゆっくり



ある点まで行った時



急にバンと低い音が響いた。

当たったのは……

的の端っこ。

「ま、最初はそんなもんだよ、近いからすぐ当たるって」

何でも急に力が掛かるかららしい。とにかくゆっくり引けとケイスケは言うけど。

そのケイスケはみんな黒い所に当たってる。

「言っとくが、こりゃシングルアクションで、しかも止まった的だからだぞ、誰でも一時間くらいでできる」

本当だった。

二回目からバンバン当たる。

思ったより、簡単?






「よし、次ダブルアクションやってみるか」

三回目の弾込めの時にケイスケから提案された。

今度は檄鉄を引かないで引き金を

って、固いよ!?

「ゆっくりなー」

ゆっくりって言われても、結構力入れないと動かないんだけど……

って

「わ!!」

急に爆発した!!

弾は全然違う方に……














ケイスケはどうやってる?

えっと、置く時は的の方に向けて引き金に指を触れないで

ゴトリって音がした、重いとは思ったけど。

ケイスケは片手で構えている。

肩幅に足を開いてグッと腕を伸ばして。

あ、目で僕をみた。

発砲音が連続で響く、マンガみたいに早くは無い、当たった所も白い丸にいったりしてる。

後は……















もう一度構える。



最初に習った両手持ち、腕を突き出して狙って、



引き金を



破裂音がしても構えは動かさない。



「へー」

「ほほう」

やっぱり当たるところ外れているけど、最初よりはいい

「いやいや、いい目だよ」

「ああ、よく見てる」

おじさんとケイスケの様子からすると当たりだったみたい。

ケイスケは引くスピードを変えていた、ある所まで引くまでは早く、最後はゆっくり。

引いてみれば急に軽くなるところに気がついた。

ここからさっきみたいにやればいいんだ。

「ボウズ兄ちゃんより筋がいいかもな」

……やっぱり兄弟に見えるのかな?

「おう、自慢の弟分だぜ」




ケイスケ……




僕を……兄弟……くそう、泣かないぞ。

続きやろう。

滲んだ目で狙えなかったけど、だけど本当に満足した。


















フェイト視点

昨日の夜に話た通りに男女チームで分離、

エリオはケイスケが射撃やらせてみたいって連れて行き、

私とキャロは買い物。

久し振りにプライベートで運転できて気分もいい。

サングラスは胸元に移してキャロを連れて歩く。

お土産と自分で欲しいものをキャロと話しながら探す。

……幸せだけど顔に出さない、こう、にやけちゃうし。

「わぁー」

キャロの目がキラキラして、やっぱり買い物は好きなんだな。

アクセサリーに小物、ああ、悩んでないで買うと言えばお金くらい私が!!





は!!





(いいですか隊長、奢るとか安易に言い出しては駄目です)

(で、でもお金くらい)

(買い物は自分の金で買うっていうのも楽しみのうち、

つまり!! 奢られてばっかりはツマらんのです!!)

そ、そうだった、奢りは駄目奢りは駄目………






そうしているうちに買う物が決まったらしいキャロは会計を済していた。

「はい、フェイトさん」

「え?」

キャロは買ったばかりの包みを私に差し出している。

え? え?

「いつもの御礼です、こんな物で返し切れるなんて思っていませんが」

キャロ!! ああ、今日は人生最良の日だ……

手帳に書いてカレンダーに印しつつ、来年からこの日はご馳走に!!

いや、もう毎月同じ日に!!

いや毎週同じ曜日に!!








「あ、けーさんですか、ええ三十分くらい固まっちゃって、ええお店で合流しましょう」

何を作ったらいいかな、ケーキ? 七面鳥? お寿司?

取りあえず頭に衝撃が来るまで考えてました。















ケイスケ視点

「とりあえずフェイト隊長、外でトリップするな」

お土産屋の明らかに関わりたくない視線から逃げるようにレストランに

やたらデカい海老が出て来て食えるの?

と思ったがエリオ完食。

人心地ついたのでお説教。

うーとか唸ってると年上に見えんなこの人……

なんか、二、三年するとシャマル先生化するんじゃねえの?

白衣着て注射器もって、でコケる。

やべぇ、まるで違和感がない……

姉妹とか言われても信じちまうぜ。

「いい加減エリオ達もあきれるよ、隊長」

「がーん!!」

「あの、えっと、フ、フェイトさんは大好きですよ」

「え? こういうのがフェイトさんの持ち味じゃ」

おおう、キャロ、容赦ねぇなおい。

ほら、隊長軽く凹んだ。

なんか、遠慮は消えたが、フィルターも消えたなキャロ……





いいぞ、もっとやれ。





その後、凹んだフェイトを引き連れてお土産探し再開。

スバルとギン姉さん、ヴィータ副隊長は食い物でいいな、確定。

ランスターとなのは隊長は小物でいいだろう。

シグナム副隊長……困る……エリオ任せた。

シャマル先生は

「民族衣装とか喜びそうですね」

キャロ、採用、サイズ大きめだな。

ヴィヴィオは、やはり小物か。





さて、問題は部隊長である。

「普通に何か買えば?」

「何をおっしゃるフェイト隊長、あの人はネタを求めてるに決まっている」

おお、素敵アイテム発見、これにしよう。

中が分からないように箱に詰めてもらい渡す時の顔を楽しみに。

「いいのかな?」

むう、一応真面目に選んだものもあるぞ。

一応ね。

夕飯をちょっと立派な店で、こういうのもチビ達にはいい思い出だろう。

キャロよりやっぱエリオの方がナイフとかに慣れてる。

育ちのよさがでてるな。










フェイト隊長が運転する車、まあレンタルだが、

乗車中に二人が寝始めたので

「戻ります?」

「そうだね」

と、観光を終わらせた。

荷物を幾つか手荷物にしたから部屋に搬送する手間が面倒。

「でも、隊長の部屋でいいの? 荷物」

「ケイスケ達は買ったの開けないでしょ、だったら一部屋にまとめた方が忘れないよ」

つまり、もう開けるんかい……

荷物を運び終わるまでエリオを隊長のベッドに、





やれやれ、七往復もしちまった。

シャワー浴びてねよ……

そう思ってると

「ケイスケ」

フェイト隊長、その瓶まさか

「飲めるでしょ?」

「隊長話せる〜」









二人は女性部屋に置いて男部屋で、

チン、とグラスが当たる。

観光地だからコンビニが無いので売店が閉まる直前に駆け込みでツマミを買う。

しかし果実酒相手のツマミはよくわからん。

「あれ? ケイスケってコッソリ飲むんでしょ?」

「ああ、俺もっぱら穀物酒なんです」

ビール、エール、本酒、焼酎、これの何がいいかってツマミが分かりやすい。

今回は生ハム見つけたからそれにしたが、

フェイト隊長が果実酒派ならゴチになる時ようにツマミ知識仕入れるか……

乾杯の音頭は

「無事な旅行に」











黙々と飲む。

まあ、大騒ぎで飲む酒じゃないが……

どこぞの何年物とからしいし、

年度認識して買うとは……どこのセレブだ。

「ハラオウン家って結構有名だよ? 執務官も偉い人と会ったりするしね」

そだねー、一尉相当官だもんねー。

いわゆる大尉だもんね、ア○ロの最後と同じだもんね。

「ア、アム○?」

「気にしないでください、

ちょっと生活レベルの差にあやかりたいやら金借りたいやら思っただけです」

いい酒を美人と飲める機会には変らない、




例え中身が


ポンコツだろーと


子煩悩だろーと


ズーレ疑惑があろーと


ショタ疑惑があろーと


テンション上がると押し倒してこよーと


それだけは変わらないのだ。

「ケイスケの中で私のイメージっていったい……」

「聞きたい?」

「遠慮させて……」

懸命な判断です。

音源変わりにテレビでも付けるか。

映ったのはニュース、

最近思うのだが人間他人の不幸が大好きなのは習性だな。

明るいニュース、暗いニュースは大体3:7くらいだ。

だが、確かに不幸な事だろうが

正直なところ、事故で誰が死んだなんだはまるで感傷が沸かない。

オフクロやおばさん達の時だって、俺の関係者と知らない級友供は普通に過ごしていた。

そんなもんなんだろう、それが普通。









つまりこの人普通じゃねえな。

フェイト隊長は酒が入っているせいかニュースの話に一喜一憂している。

事故には悲しそうな、事件には怒り、

微笑ましい話には顔を綻ばせる。

正直、自分汚れてるなと思うよ。

















しかし、飲むな隊長も。

血色がよくなった状態の隊長、ほんのり紅くなり、暑いのか少しはだけぎみ……

目の毒でーす。

オタク等、いざとなれば殺っちまえばいいや。

とか思ってるだろ実は。

そうでなかったら野郎の前でここまで無防備とかないよ?

親しくなっても、普通。

俺の知ってる夫婦は襲いかかったら




ミンチよりひでぇ




だよ?

「うー、ごめん、もう限界」

ん? 気がついたらもう一本空いたのか。

……酌とかしてないのに……天然ザル?

ちょい怖いな

部屋の前まで送るか。

エリオも回収しないといけないし

「あ〜り〜が〜と〜う〜」

はい駄目!! 今のこの人!!

酔っ払いの酔って無い並に信用出来ねえ!!

「酔って無いよ〜」

さっさとベッドに投げ込もう、それがいいそれに決めた!!

主に俺の精神の安定のために!!

はいカギ出して、カギ。

「ん〜」

……ポケットをパンパン叩く隊長……

ま・さ・か……

「忘れちゃった」





















普段なら優雅な音をたてるであろうベル

それは今、親の敵か高○名人の前の前のコントローラーのように連打されている。

つか、俺がやってる。

おいおい、何故誰もこねえ!?

マスターキー寄越せ。

つか、無茶な要望に答えるのがミスターホテルマンだろ? 助けてコンシェルマン!!















十分間くらいやって諦めた、いーよ外で寝るよ、寝ればいいんだろ!!

冬の路地裏を新聞紙で過ごすよりはましだ、ちくしょー!!

「駄目だよ〜風邪ひいちゃうよ」

じゃあ何処に

ポンポンと座り込んだベッドの隣りのベッドを叩くな。

つか、何? 俺そんなに安パイ?

危険度0か?

諦めた、いいよ、もう

別に同衾するわけでもねえよ。

つか、前の部隊長の時に慣れたつーの、もう……






ごめん、泣いていい?













電気消して潜り込む、さっさと寝よう、そうしよう。

「おやすみー」

「はい、おやすみ」

もう知らない、隣りが物音立てようが、寝言で色っぽい声立てようが

衣擦れの音が……






寝れるかボケー!!








ちゅんちゅんと何故か雀の声が……

ああ、部隊長みたいに親父モードならまだよかったのに……

布団蹴っ飛ばすとかすればまだ反応しなかったのに……

シャワー浴びよ。

熱いシャワーを存分に浴びる。

しかし、トイレとシャワーがセットのホテルが多いのは何故だろ?

少なくとも自宅でこれはヤダな。

やはりばらけた方がいいと思う。

「うわー!!」

あ、エリオ忘れてた。





















さて、最終日なんてろくな事はしない、荷物まとめてチェックアウト。

早めに帰って明日に備える程度だ。

意外にもあんな状態だったにも関わらずフェイト隊長は二日酔いにならなかった。

むしろ寝起きが悪い……

部屋違うんだから着替えるなよ……

思わずハリセンを召喚できてしまった。

「ケイスケ……助けてよ……」

「すまん無理だった」

努力はしたよ、努力は。

キャロからのツッコミが無いのが、不気味でしょうがないのは、俺が汚れてるからか?

で、荷物は必須品以外郵送。

旅行の基本だね、レールウェイで解散。

おう、二日ぶりの我が部屋よ待たせた





「まっとったでー」

「ケイスケーお土産ー」

……コイツら殴っても俺悪くないよね。

取りあえず上司と幼馴染の脳天にハリセンを食らわせたのが

俺の最後の思い出である。

















翌日

お土産配り、スタート。

ロングアーチ組には大きい菓子を送るのは基本。

で、前線組だが、概ね良好だ。

星組、決して未来王はいないが

スバルが美味しい美味しい言ってたのでいいだろう。

姉さんとヴィータ副隊長の三人には少ないかもしれんが。

なのは隊長、ランスターにもあげた小物は良好だ。

シグナム副隊長には髪飾りらしい、エリオよく頑張った。

「で、一番偉い私は?」

ふ、分かってるぜ部隊長。

ほい、っと箱で渡す。

「なんやー、えらいデカいな〜」

そこから出て来たのは、

金色が入り、ペカペカとした三角形の






「何故ペナント!!」

「面白いだろう」

そう、旅行のお約束、集める人は集めるがいらない人には本当にいらない伝統品

ちなみに真ん中にでっかく

根性

と縫われてるのがポイントだ。

「く、ここは綺麗なアクセ送って好感度アップイベントやろ、普通!!」

「さて、曹長にもお土産が……」

「わぁー、本当ですか!?」

「スルー!?」











取り出したのはちょっと大きい金魚鉢。

そこにちょちょいと

砂入れて、水入れて、葉っぱ落として、小物入れて

「はい、完成」

「おおお」

「むう、なかなかやな」

作ったのは簡易ビーチ。

砂や葉っぱは向うで取って来た。

加えて形状から匂いがワイングラスのように充満する………はず!!

ちらねえよ? だって思い付きだもん。

「ほれ、部隊長にインテリアとしてならつかえるでしょ?」

「うーん、リインとセットなのは減点やけど……不可は勘弁したるわ」

「ケイスケ、トロピカルジュースを所望するです」



あ、



「ごめん曹長、食器忘れた」

「がーん」

はっはっは、ごめんなさいね。







ヴィヴィオにはいわゆる星の砂、まあ珊瑚の死骸なのだが、ほれ

「?? にぃ、これ何?」

「ほれ、砂が星みたいだろ?」

「……おおおおお」

うーん純粋だぜ、なんだキャロ? ニヤニヤして

「けーさん、他にお土産ないんですか?」

? なんかあった?

エリオとフェイト隊長を見てもフルフル首を振る。

「キャロ? 何のこと?」

「え、弟か妹とか無いんですか?」

「……はあ?」

「だってエリオ君と私が一緒だったから」

ダッシュでキャロを抱えた。

「隊長!! 後は任せた!!」

「えええ!!」

今はダメだ、後でみんなの頭が冷えてから!!

「ケイスケ!! 待ちなさい!!」

姉さん、しかし今回は逃げ切らせてもらう。

その為のキャロだ。

中庭にてお土産の漫画肉を食べる白トカゲを拾い

「キャロ、フルサイズ!!」

「竜魂召喚ですよ!?」

いいからやれい!!

巨大化したフリードで逃亡、飛行許可?

緊急避難です、文句があるならこいや、訴えて勝つよ?

「待ちなさい!! ケイスケ!!」

だが断る!! さらばだ姉さん。





あれ? ちっとも進みませんよ?

「けーさん、フリードの足……」

……ちらっと下を確認すると、なにやら青いものが絡まって。

「ウ、ウイングロード!?」

更に先を見ればなんか髪で目が隠れたスバルが……

「……ケイスケの……」

ちょ、ちょ落ちつこう、落ち着こうよスバル!?

いつもの誤解で

急激にGがスバルのほうにかかる。

「キューキュー」

「きゃあああああああ」

あ、ギン姉さんキャロをナイスキャッチ、で俺は……

なんだ? スバルのの後ろに星が、星が見える!? むしろペガサス!?

「ぶああかああああああ」

りゅ、流星!? 一秒間に百発パンチ!? 





ぎゃああああああああああああ





「いらっしゃい……」

って姉さん? そか、そうだよね、もう無理だよね?

キャロ助けてくれたんだ、それだけありがとう……

姉さんの後ろに星が砕けるイメージが見えるよ。




ZUGOOOOOOOOOOOOOOON!!





俺が顔から垂直に落ちたのは言うまでも無い。





あとがき

ケイスケが不幸すぎるといわれて書いてみました。

ちょっとイベントつめ過ぎて完成遅れてしまった。

もうちょっと構成考えます。



拍手レス


>ひでえよぶたいちょ〜のほうがケイスケっぽい気がする

む、確かに、その方がらしいですね。


>ザ、ザフィーラの口の中は流石に無理があると思うのですが!!

無理やりです、ザッフィーは穢れてしまいました(胃の中が)


>なんか最近のはやては無茶ブリが過ぎるよなぁ。
>似合っていないとは言わないのがはやてクウォリティ
>しかし部隊長はやてにはちょっと難ありかと。
>学生時代はやてなら良いと思うのですが。
>そう思っていたら学生時代パラレルが似合いそうだと思っちゃいました。

完全に偶然です。これはこれですごいかもw


>小ネタ満載万歳!更新頑張ってください。

好き勝手に書くために自分用オリを作ったといっても過言ではw


>上と下での反応がすごそう

上下!?


>ケイスケは24時間きっかりで男に戻りましたか。
>朝起きたら男に戻ってた、なんてオチじゃなくてよかったな、ケイスケw

全くです、そうでなかったら今回の落ちのような目にあったでしょう。


>最後のはうたわれネタかな?かな?

はい、そうです。しかし反応すごいな、うたわれるもの……


>あれぇ〜、ケイスケ銃扱えんのかよ!? なんて銃だろ?

普通に撃てるだけだったりします。冴○のようなことは出来ません。
DMCもできませんよw


>やっと登場したなザフィーラ…
>まあ、本編でも出番無かったしどうでもいi(カットカットカット


>やはりザッフィーの位は低かったか、奴にも茶が効きそうだ

むう、ワイルド系の美女か……見たい気もw


>ザフィ出てきたと思ったらムックル状態ー!?

安らかに眠ってくれザッフィーw


>声mすごく面白かったです。

ありがとうございます、やっぱりこういうのを聞けると元気になります。


>てか、右手で神様も消し去れるやつて某上条のことですか
>ケイスケ何処で読んだあの本名作だけどマイナーな本なのに

最近漫画になったりしてるじゃないですか、でもガンガ○は正直微妙だと思う。


>うふ、うふ、ケイスケ君ってば 不幸!

喜ばれてる!?


>……やっぱりケイスケ×フェイトが自然な感じだなぁ。
>こう、酸いも甘いも知ってるのと真っ白純真な組み合わせ? みたいな。
>まあ? こちらの鬼丸さんは滅多な事じゃフラグ立ててくれませんがwww

ちみっと仲良くしてみましたがどうでしょう?

どちらかというと子供組がメインでしたが


>あー、やっぱり夢オチだったか〜
>でも、ケイスケの扱い変わってなかったな… (南無

どこでも扱いが変わらないのがケイスケのオチw


>スバルフラグ、殆んど立ってますね
>あとは自分の嫉妬心に気付く⇒自覚の方向かな

うーん、そこまで行くのは大変かもしれない、スバルですしw


>無理。お前は救世主でも救えぬ。

断言された!? むしろ概念レベル!?


>ケイスケと良介の対談、短くてもいいからお願いします!

少しリョウさんとは話しています。落ち着いたらやるかもしれません。


>あのお茶飲んでからパラメーターが悪い方に加速した様なw

幸運は間違いなく落ちましたね、うんうん。


>ないほうが屋上での場面にインパクトあると思います>薬もらうシーン

ふむ、なるほど、参考になります。


>原作知らないので原作にこの話があるのか知らないけれど、こういうのもいいですねw

前回のは完全にオリ話ですね、誰か企画をw


>打撃系ケイスケw

本来なら打撃の方が才能あるのが裏設定です。

ミッドでは魔力無いと意味が無いので、関節系に移りました。



>フェイトの高感度が+10p  ・・・?

で、旅行話です。


>しんみりとしたお話…でも、最後はやっぱり不幸だー!!

もう下がる男MK−Uと戒名しましょうか?


>ケイスケとフェイトの辛いけどいい話でした。

ありがとうございます、Asを見てるとフェイトも振り切ってると思ったので。


>最近はネタに走ってますね…もしかして淫獣ことユーノを女装キャラとして出す
>つもりなのでは!?(違

やりませんよ!?


>幻想殺しでフラグクラッシャー(自称)の上条当麻のことかー!

結構皆さん分かりますねw その通りw


>シグナムせんせーのジャージはやはり小豆色なんだろうか?ww

間違いないですね(うんうん)



作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板
に下さると嬉しいです。