前回 スバルたちの家にお邪魔しました。

スバルと仲直りしました。

がきんちょにファーザーと呼ばれそうです。

俺はそんな年じゃね〜〜〜〜〜



            ケイスケの機動六課の日々 その18



俺はガキの面倒見るのは嫌いじゃ無い。

まあ施設育ちの常で年下の面倒をみるのが当たり前になってる、ってこともある。

しかし

「びぇぇぇ、マーマー」

「あーうるせえなーもー」

この小さい時特有の癇癪だけはどうにもならん。

ほら窓から黒い金色が……

「ケイスケ!! ヴィヴィオ泣かせて!! 何したの!!」

「フェイトママー、パパが遊んでくれないー」

「パパじゃねえ、にぃ」

「うん大丈夫、ママも一緒に頼んであげる」

とりあえず隊長、その鼻血拭けよ。

「ケイス「隊長、ここ何処?」」

時間、午前、つまりロングアーチである今。















「疲れた……」

午後三時、一段落ついた俺は休憩所にて一服している。

ガキは後先考えない全力全開である。

昼休みをヴィヴィオに使われた俺は既に疲労困憊。

止めて俺のLPはもうゼロよ、だ。

「あ、お疲れー」

「あ、にぃだー」

げげぇなんというタイミング。

なのは隊長にヴィヴィオ、それを皮切りに前線組が次々現れた。










ヴィヴィオがキャラメルミルクを飲みスバルがズーズーしくも要求、全員でお茶会に発展した。

甘さ控え目を要求した俺のセリフでは無いが。

「ふーふー」

「はい、しっかり冷まそうねー」

とまあ、見事にママンになったなのは隊長。

「完全に家族ね、あれは」

全くの同意だランスター。

「……ねえ、けーさん、けーさんがヴィヴィオのお兄さんなら……けーさんもなのはさんの子供?」

一瞬時が止まった。

一番に元にもどったなのは隊長、やらたとニヤーとして

「ケイスケ〜ママって呼んでもいいよ〜」

ほほう、諸々の借りを今返す気だな、そうはさせるか。







「ならご希望に答えて……んだよババア」

……







ビュオっと音を立てて首筋に迫る杖を手で止める。

「ふふ、いいね、反抗期かなー」

「ババア、接触距離で俺に勝つつもりか?」

互いにふ、ふ、ふ、と不敵な笑いを浮かべ。

「ケ、ケイスケ!! なのはさんも、止めてよ」

「そだね」

「もーちょっと続けた方が面白いのに」

あっさりひいた。

うむ、どしゃーんとコケたのはポイント高いぞみんな。






俺的休憩時間は終り。

戻る、「にぃまた後でね」とか言われても知らんがな。

あ、そだ

「なのは隊長ー」

ん、と反応した隊長、案外地味に厳しめだから抱いていたりはしない。

「いや気になっていたんだが……隊長ヴィヴィオ預かるの言ったの?」

「誰に?」

「いや親とか」

……






















なのは視点

「やーだー、にぃもー」

「休みじゃねえんだよ、てか痛い痛い」

すっかり忘れていたお父さん達への報告、一度連れて来いとの話になって……

ヴィヴィオが拗ねた、ケイスケ君も来てくれと。

現在ケイスケ君の肩に乗って髪を引っ張っている。

「ヴィヴィオ、あんまりわがまま言うとケイスケ君に嫌われるよ」

「にぃ、ヴィヴィオ嫌いにならないもん」

「なるね、わがまま言うガキ嫌いだね」

「嘘だよ」

「本当」

「嘘」

「本当」

ああ、もう泣き始めた、うわ周りの目が……

「ちょ、ちょ、何? 仕事優先だろ? なんで俺が悪いみたいに見てるの」

詳しくは省くけど、ケイスケ君同伴。

「ちくしょう、ねえだろ、しかも休日に今日の分片付けろとか……神は死んだー!!」

うん、ごめん。今度手伝うから。























しばらくぶりの海鳴、やっぱり故郷は落着く。

初めてのヴィヴィオに二回目のケイスケ君。

確か前は銭湯に行っただけで街の中は見て無いんだっけ、キョロキョロしてる。

「「サムライがいない!!」」

どて、っと転ぶのを我慢する。

いや、ケイスケ君はともかくなんでヴィヴィオまで……

「にぃに、ひっさつしごとにん見せてもらった!!」

ケイスケ君……まさか

「ねえ、やっぱ絶滅したの? サムライ」

……そっかー外国人どころか、異世界人だっけー

すっかり忘れていたよ……

自宅にはこの時間には誰もいないから翠屋で会う約束。

駅の近くのテラスのある喫茶店。

うん、帰ってきたな。

















「……隊長……なんかビンビンに近付くなと勘が訴えてるんで帰ります」

ちょ、ちょっと!!

「こ、ここまで来て!?」

「嫌です、特にあの店には近付くなと第六感が言っています、行くな!! 死ぬぞ!! って」

そんなことある訳ないでしょ? 私の家の店なんだよ。

普段なら応じるような説得もガンとして受け入れない。

うー仕方ない。

「しゅーと」

「グボ」

みぞおちにコッソリ、シューターを撃っておとなしく。

体を影にしたから誰にも見られていないはず。

「さーいくよー」

「こ、こんなことやるから魔王とか陰口叩かれるんだ……ガク」

気絶する瞬間までツッコミですか……

























ケイスケ視点

目が覚めた、最初に目に入ったのは……パンツ?

「あ、ママ、にぃ起きたよ」

隊長……スカートだったな、うん不可抗力だよね。

何も見ていないかのように起きる。

木張りの落ち着いた感じの風景が目に入る。

鼻に薫るのはコーヒーの匂いだ。

とてもいい雰囲気と、

今で無ければ思ったに違いない。

いやさ、気絶した男がソファーで横になっても気にしない店員と客ってどうよ?

つか、コーヒーを炒る音が最初のゴリゴリからゴリッ!! ゴリッ!! になってるんですが!?

いかんやはり死地だ!! 司令部即時撤退を!!

「あら、起きたの、えっとケイスケ君」

む? 誰だこの人?

店の制服らしき物を着た20代半ばくらいの栗色の髪の優しそうな女性。

ああ、なんかなのは隊長に似てるな。

「ええっと、そうですけど……あの、なのは隊長のお姉さんですか?」

……

何故時が止まる?

「あなたー!! この子いい子よー」

はい?

「あのね、ケイスケ君、あの人は私のお母さんだよ」

……はい?

いやいやいや、有り得ねえ!!

「隊長19だろ? 美由希さんが確か27だろ? どう暗算しても40超えるだろ!!」

「女性の年齢を調べるのはマナー違反だよ」

「あらあら、幾つくらいに見える?」

「大体20代後半」

「キャーキャー」

うん、うぜえ。




















改めて店内の人間を確認する。

なのは隊長とヴィヴィオ、隊長のお母さんと主張する人、となるとコーヒーを炒ってる三十代とおぼしき人がお父さんだろう、

きっと地球人とミッド人って寿命とかが違うんだ。

ほら地球の漫画のDBとかでもサ○ヤ人と地球人で見た目違ったじゃん。

他には以前会った隊長のお姉さんの美由希さんに、

暗い綺麗な髪の女性とその人を何気なくサポートする美形の兄ちゃんがいる。

やば、あの兄ちゃんすげぇ、

さっきからトレーが全く上下してない。

つか重心全くブレて無いんですが?

いかん、千回やっても勝てる気がしないタイプ。

ちなみに魔導師となら百回にいっぺん位なら拾える。

その兄ちゃんから突き刺すような殺意を感じてしまう。

視線とか見えにくい動作で十回くらい刺された錯覚を感じてます。

やべぇ逃げ場は? 逃げ場は無いか?

なるたけ視線を動かさず重心移動で……

窓、駄目だ枠組みが多い、ガラスを破れない。

となるとなんとか出入り口に行くしかないが……

マグネシウム発光弾があれば楽なのにー!!

「あ、あのーケイスケ君? なんでそんなに緊迫してるの?」

人質、駄目だすり抜けて殺されそう。

むしろただのデッドウェイトだ。

ソファーを盾に、変らない。

クソ完全に積みかよ、時間を稼いで状況に変化が起きるのを待つしかねえ!!







「恭ー也ー何見つめあっちゃってるの? まさか!! 男に浮気!?」

「な!? 何を馬鹿な!!」

黒髪の姉ちゃんが男に抱き付いた、チャンス!!

あの姉ちゃんの脇を抜けて外に!!

「何やってるの、もう」

「いい!?」

唐突に隊長に飛び出そうとする足を捕まれた、当然慣性の法則で足を支点に頭部が。





「ふん!!」

落ちない、腕を盾にして腕立て伏せの姿勢に、

ドドンと音がした、はい?

見るとおそらく捕まれ無かったら足があったと思われる地点には、やたらと太い鉄の針が……

えっと、こう、あの兄ちゃんからは絶対に投げられない角度で刺さってるな。

つまり投手はカウンターの親父さん、威嚇するように舌打ちしてる……

ゴッド、あの兄ちゃんよりヤバイかもしれない人ですか〜〜

いかんいかんいかん!!

ここは六課以上のデンジャーゾーン、助けて聖王さま。

「お兄ちゃん!! お父さんも!! 何やってるの!!」

「いや、うん」

「なのはが子供と男なんて連れて来るから……つい」

ついで殺されかけたんかい!!

姉さん、スバル、地球は怖い所ですたい。

















「さて、今更だが自己紹介しよう、なのはの父高町士郎だ」

「はあ、やっぱ若いんですね」

「そんなにおかしい?」

ええ、かなり。

「兄の月村恭也だ、こいつは妻の月村忍」

「よろしくー」

えらい固いのと軽い夫婦だなおい。

「ケイスケ君、さっきからコメントが辛辣だね……」

初対面で殺られかけてフレンドリーにできるか!! というか読むなよ人の思考!!

「私は知ってるよね」

「ういっす」

高町美由希さん、地球の逆らったらいけない人リストの最初の登録者。

「で、君は?」

「ケ、ケイスケ・マツダ、なのは隊長の部隊の事務員でして」

「「な・の・は?」」

む、向こうが呼べいうたんじゃー。

「まあ、まあ恭也もお義父さんもその辺で、でどういう関係?」

月村忍さん、んな少年のように瞳をキラキラさせても何もありませんよ。

「でヴィヴィオ、挨拶したのか?」

「うん、にぃえらい?」

ウム和むぜヴィヴィオ。

えらいえらいと頭を撫でる。

「えへへ」

ヴィヴィオ、お前だけが地球のオアシスだぜ……

ちょいとそこ!! 何をヒソヒソ話をしている!!

「ねえ、ヴィヴィオちゃん、なのはがママなんだよね」

「うん、フェイトママも!!」

いかんプレッシャーが上がった!!

「隊長、ちゃんと説明したんですか」

「えっと、してないかも……」

マジで?

「ケイスケ君はお兄ちゃんなの?」

「えとね、パパって呼んだらダメだからにぃなの」

……














そのセリフが響いた瞬間俺の体は動いていた。

反応までコンマ一秒無かっただろう、だがそれでも

「死ね」

目の前には抜き身の剣が迫っていた。

隊長の嘘つきーサムライいないって言ったじゃねーか!!

本能に従って回避運動を行なう、生と死の狭間、俺の体は最大の性能を発揮した。

「守る御神は最強だ」

親父さん登場〜〜!! 回避した方向にすでに振りかぶって待構えている。

右だめ、左だめ上下空中全部理性と本能がダメ出しした。

残るは……前!!

刀芯に向かい突撃、賭けるは一つ












「む?」

う、上手く行ったー

刃物は必ず刃筋を通す必要がある。

だから、刃を見て最短のラインの「腕の軌道」に手を割り込ませた。

「現役ではないとはいえ、俺の剣を止めたか」

げ、現役じゃないのー? 刃の動きの方は全く見えなかったんですよ!!

てことはだ、後ろの兄さんは更に上!?

「お、落ち着いて話を聞いてくれ、なのは隊長の親父さんとお兄さん」

そう、若干複雑だが話せばわかる。

対話文化万歳!!

「「貴様に義父(義兄)と呼ばれる覚えは無い!!」」

「行間だけを読むなー」

た、隊長、こうなったら隊長だけが希望の星!!

「お兄ちゃんもお父さんも、いい加減に!!」

「ねえ、なのはちゃん、私気になったんだけど、ケイスケ君っていくつ?」

つ、月村忍さんナイス!!

「え? 確か十六歳だったよね」

そーそー無理だろ?時間的に。

「じゃあ、なのはちゃん、十歳の子に……」








「「なにー(えー)」」

「確かに時期は入院中と一致するけど」

「その時の失意を慰める為に……」

「なのは……そんなに辛かったんだね」

おいおいおい!! 何処から大暴投したらそんな答に至るわけ?

即時撤退が推奨されます。

幸いにもキルモードの二人もあっけに取られた、今なら逃げ切れる。

「む!!」

「逃がすか!!」

絶対逃げ切る!! 俺はまだまだ死にたくない!!

ドアを開けて街中に逃げ込めば活路はある。

「ハーイ、みんなお久し振りー」

パタンと扉が開いて、俺の未来を閉じました。



















うん、つまり解説するとだな、

俺前傾姿勢、入って来た人、女性。

回避出来なかった俺は……

時が止まったのをハッキリ意識した……

隊長〜俺悪くないよね?

うん、限り無く運は悪いけどね……

隊長、たしけて。

ちょっと今は無理、こっちも一杯一杯なの、でも必ず助けるから。

隊長……信じてるぜ……

そして時は動き出す。

「き、キャー!!」

「ごめんなさーい」

ぶつかった金髪さんを壁にして追撃を避ける、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい

「フィアッセ!!」

「卑怯な!!」

だから、ごめんなさい〜

「街に逃げたか」

「恭也、レンちゃんや晶ちゃんに連絡しろ、痴漢が街に出たと」

「ああ、それとさざなみ寮にも」

うおお、詳細は分からんが危険数値が指数関数並に増大している気がする!!

ど、何処かに身を隠さねば……






















クロノ視点

本当に、本当に久し振りの休暇が取れた。

船乗りの宿命とはいえ家に帰るではなく行く感覚は我ながら間違ってると思う。

妻は元同僚だけあって理解が深いが、流石に子供達にいらっしゃいと言われるのはクル……

二人がお昼寝に入って少し翠屋に顔をだそうと思ったのだが……

なんだこれは?

「ママお腹空いた」

「ああ、ちょっと待って!!」

「さあさあ、なのは、詳しく話して」

「そうそう、どう誘ったの? それとも襲われた?」

「「キャー」」

な、何なんだこの騒ぎは?

「父さん、晶とレンからだ、逃げられたらしい」

「く、まさかそこでの使い手だったか!?」

ああ、貴重な休みが……













確かヴィヴィオとかいったか、レリック事件の関係者の。

なのはとフェイトが保護者になったとかいう。

大変勇気が必要だったが女性陣には説明した。

「ごめんクロノ君、凄く助かった」

「それはいいからその事務員を探した方がいい」

ハッキリ言おう、海鳴の人外軍団と闘う位なら僕は一人で時空管理局に反乱を起こす。

「あああ、だ、大丈夫かな、まさかもう……」

だから早く助けに行きなって

何だか懐かしいノリだな、まるでみんながまだ海鳴にいたころみたいだ。

その間ヴィヴィオの相手を頼まれる。

「フェイトママのお兄ちゃん?」

「そうだよ、クロノっていうんだ、よろしく」

「うん、クロノおじちゃん」

お、おじ……いや、落ち着くんだクロノ・ハラオウン、もう僕も妻子ある身。

子供の友達から見ればおじさんと呼ばれる立場。

……ちょっと子供の友達は見た事ないが……

「おじちゃん、パパどこ行ったのかな?」

本人いないうちにパパよばわりか、五歳にしてはしたたかだな……

おかしい、普通妹をママと呼ぶ子供がパパと呼ぶような男には殺意を抱いていいはずなんだが、何故か同情しか浮かんでこない。





まあ、あれか……

外ではよく見ないと分からないが屋根を飛んだり跳ねたりする人に、

母さんみたいな羽を生やした人が現れている。

ああ、これは死んだな。と半ば確信した。


















ケイスケ視点

ところがどっこい生きてるわー!!

……誰にツッコミ入れたのかな俺?

最近部隊長に毒され過ぎたかもしれん。

現在公園内に潜伏しているが、

大ピンチだ、ポーターのある山間部からドンドン離されている。

「いたか?」

「おらん、全くおサルが鈍いからこっちまで苦労するわ」

「んだとこのカメ、お前が逃がしたんだろーが」

喧嘩なら余所でやれー!!

ぐ、追跡者の中では比較的に弱めなのがこのスバルを乱暴にしたかんじの人に棒を持った背が小さめの二人だが……

有り得ん、スバル似のやつは塀を拳大に陥没させたし。

棒を持った人は回転した棒で粉砕しやがったし。

他にも何故か魔法抜きで飛んでくる斬撃とか

何時かの狐とか、ニンジャとか、羽生やした人とか……

なんて怖いところだ……








しかも前にいるこの二人、関節技を完全に対応された。

敵なら女子供でも容赦しない俺だが、流れとかを完全に把握された。

魔導師なら触れた時点で対応出来ずに封殺できるがこの世界では通用しない。

流石は隊長達の故郷だぜ。












しかし、この迷彩は素晴らしい、全くバレない。

ありがとうス○ーク、ありがとう、小○監督、貴方の教えが無ければ僕は死んでいました。

「しっかし海鳴にもダンボールハウスかー」

「大変な人は何処にでもいるもんやなー」

やっと行ったか、丁度端末にこの街の地図がダウンロードされた。

知り合いから貰ったハックツールを使ったが非常事態だ、大目に見てもらおう。

さて、大回りで海沿いを周って山の中を通るのが一番だな。

「よし、行くか」

「おー」

はい?




















後ろを見ると黒髪のちっこいガキ、大体ヴィヴィオくらいか? がいた。

ワッツ!? 人外どもの目を誤魔化した迷彩がこんなガキに!?

と言うか俺進入されたのに気がつかなかった!?

「お嬢ちゃん何してんの?」

「雫だよ」

はい?

「お嬢ちゃんじゃなくて雫」

「ああ、はいはい、雫ちゃんね、で何してんの?」

「お兄ちゃん、楽しそうだから」

お兄ちゃん……そーだよな!そうなるのが自然だよな!!

でも楽しくなんてないぞ、むしろストレスで辛くて仕方が無い。

「隠れんぼしてるんでしょ」

うん、違うのが鬼は本物でしかも沢山いることだね。

「山まで行くの? 雫が案内しようか?」

「気持ちはありがたいが、君連れてくとすぐに捕まっちゃうからだめ」

「でもその道もう誰かいるよ?」

はあ?

……まさか! 気配で分かるの?

す、すげぇぜ地球、こんなガキまでそんなハイスキルを!!

「雫ちゃん、まさか鬼さんが今何処にいるのか……」

「えっとね、怖い気配出してる人でしょ? あっちとあっちと」

もういい、つまり方角は分かると

これならイケる!!

このちみっこはポーターまでたどり着いてから隊長に連絡すればよし!!

二日位登坂する予定がこれなら数時間に短縮出来る。

「お山の中だね、ちょっと待って」

へ、っと思った時には雫ちゃんが消えた。

なんて世界だ、普通にこんな化け物ちみっこがいるなんて……

そうか、だから管理外なんだー、すっごく納得したぜ。















後日、この件を隊長達に話したらすっげえ微妙な顔をされた。








ちみっこはやたらと高そうで長い車を用意してきた、凄いなーこのスペックで家も金持ちか。

運転手のメイドさんはファリンさんとかいう美人。

なんか、フェイト隊長からどじっこ属性を抽出するとこんな感じになる気がする。

運転は若干不安だが、まー平気だろ? 雫ちゃんの運転手さんなんだし

しかし、凄まじく気の毒そうな顔で俺を見たのが気になる……

後部座席で伏せながら到着を待つ

雫ちゃんが色々話すので俺の体験を問題無い程度に脚色して話した。

異世界の話は不味い、学校とかで何言ってんのお前、とかになったら不憫だ。

人間関係なら問題無かろう。

「もうすぐ到着しますよ〜」

おおそうか、外を見なかったから分からなかったぜ。

さらばちみっこ、隊長には殺されそうだから逃げますとメールすればよし。

到着、目の前に広がるのは湖畔ではなく、

でっかい屋敷の前に並ぶ追跡者達でした。

ふぁっく!! 馬鹿なー



















「さて、一応事情は聞いた、非常に不本意だが命だけは助けてやろう」

「お に い ち ゃ ん?」

「うむ、冗談だ」

嘘だ。目が冗談じゃありませんと語っている。

簀巻きにされて、さあとどめというタイミングでヒーローのように現れたなのは隊長。

惚れちゃいそうですよ。

「……すまん、正直よく生きていたな」

「誰あんた?」

「クロノ・ハラオウン提督、一応六課の後見人だよ」

一応かよ、若いな、俺も人の事いえねえが。

「……君、全く僕を上官だと思って無いだろ」

「提督、六課にいてまともに上官尊敬すると思う?」

それもそうかと納得された、うん分かった、この人も同士だ苦労人的に。

「鬼さんっておとさんだったんだ」

うむ、その事が反面して恭也さんの殺意の波動が八割増したね、

月村と名乗ってくれ頼むから。

公園の茂みで遊んだとかも言わないでくれるとお兄さんの好感度はウナギ上りだったよ。

しかしまあ、すげぇ人ばかりだな、隊長の身内は。

親父さんとお兄さんよりもっと強いおばさんがいて、そのおばさんの上司はもっと強いらしい。どんだけー



















「とまあ、そんなことがあったわけだ」

「あはははは」

「いつもと変わんないんじゃないですか? 先輩」

「まあケイスケ君らしいと」

ミッドに帰ってきた2日後、休日がとてもブルーだが帰った日の翌日は有給を使用した。

起きたら夕方だった。

一日勿体無いとも、気持ちよく眠れたとも微妙な一日だった……

ちなみに補佐官、らしいという意見について詳しく教えて欲しいのだが……

「でも、今日は来ませんねヴィヴィオ」

「どうせ隊長達のところだろ?」

大体、俺、アイナさん、隊長たちの所のどこかにいるのがヴィヴィオだ。

いなければ仕事がはかどって良い。

「あ、宿舎使用申請出さなきゃ」

「?、後輩なんで?」

「今日から108から出向者が二名来るじゃないですか」

そうだっけ? 忘れた。

「ええっと、マリエル・アテンザ精密技術官、ギンガ・ナカジマ陸曹ですね」

「げげえ、ギン姉さん今日だったの!?」

「ああ、スバルのお姉さんなんですよね、もう演習場にいると思いますよ」

あ、あかん、すっかり忘れていたぜ、どないしょう、エリオの部屋に隠したムービーとかアニメとか

あれ、ヴィヴィオいない、隊長たちのとこ、姉さん、演習場……







ごっど、まさか!!

ダッシュで演習場に向かう!!

「ちょ、ケイスケ君?」

「先輩?」

急げ急げ急ぐんだ!! まだ間に合うかもしれない、そう奇跡は起きるんじゃない、起こすんだ!!

呼吸が苦しい、足が悲鳴を上げる、全身がもう止めろと、だけどダメだ。

逃げた先に待っているのは!!










見えた、隊長たち、丁度ヴィヴィオがフェイト隊長に抱きかかえられて、

「ねえ、ケイスケがお兄ちゃんなの?」

「うん、パパって言ったらだめだからにぃなの!!」

ああああああああああああああ!!







後書き

ということで海鳴一日体験でした。

とらハファンから怒られてしまうかもしれない。

終始ドタバタは書いていて楽しいです。

次からアホなネタに走ろうと思います。








拍手返信


>どこかでケイスケ戦闘機人化フラグが立たないものか

ふむ、六課襲撃で死んだケイスケの肉体を元に誕生した戦闘機人
スバルは涙を流しながら倒す。
何てことはありませんw


>ケイスケ←ヴィヴィオにパパと呼ばれる
>某司書←……羨ましいどころか殺意が湧いてきそう
>やったね、死亡フラグ回避だw

むしろ立ってる!?
ケイスケは現状ユーノには同情心しかありません。
無限書庫は配属人気ワースト1なのですw


>10歳以下の子供に遊ばれる16歳って・・・・

パパ呼ばわりで冷静さを失っております。


>ユーノは友達発言…夜空にうっすら見えたフェレットに敬礼したくなったデスヨ

敬礼!! その姿の影には流星がw


>エリオとキャロが遊園地で遊ぶのなら
>ケイスケも一緒に遊んでフェイトに後ろから怨念込みで見られる
>のが面白いと思うのですが、遊ぶメンバーにヴィヴィオとなのはが居ればさらに
>面白いですね!!!

むう、3児の父フラグw
「まー若い親子ねー」「若すぎない?」「再婚?」
「うるせーーーーーー」
って展開が目に浮かぶ
そしてフェイトはハンカチをかむのですw


>ケイスケを振り回す少女がまた一人……ケイスケ、強く生きろ……!

ケイスケの女難は前世から宿命付けられて(嘘)
そしてまた一人増えると言う罠w


>何時も楽しく読ませて頂いております。・・・で、ホワイトデーの話はなかとですかorz

ごめんなさい、ネタが浮かびませんでした。


>「急にボキャブラリー増やしやがって!!」
>だって物覚えが良いってレベルじゃないものwwww
>しばらくすると、いつのまにか呼び方パパに戻ってそうww

ケイスケがいない時はパパですw
そして誤解を振りまくヴィヴィオでした。


>パパにはならなかったか、大人げないぞケイスケ

あえて言おう、16歳で恋人でも無い人間の娘にパパと呼ばれたいか?w
しかしヴィヴィオの中ではパパです。


>ケイスケらしぜb


答えは出ていた、後は勇気だけでした。
そして続く繋がりです。


>ケイスケ的に"普通"の友人であるティアナは
>普通であるために四人の「お願い」を断れませんでした
>しかし、ヴィヴィオとの口論はヴィヴィオにとってただの遊びでしかなかったという罠。

なんて恐ろしい幼児w
将来はとてもケイスケが苦労するでしょう。あ、いつもか


>今回もたのしく拝見させていただきました。

どうもです、今回はシリアス抜きです。


>とてもおもしろいです、がんばってください

あざーす、がんばって書きます、たとえどんなに仕事が忙しくてもw



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作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板
に下さると嬉しいです。