「ケイスケーまだー?」
「だあぁぁ!すこしは落ち着け。」
「エリオ君、けーさんだって急いでいるんだから、せかしちゃ駄目だよ」
「うっ……でも……」
「それに、エリオ君は今日はお泊まりで遊べるんだよ。私だって泊まりたかったのに……」
それは数日前の出来事だった。
………
……
…
いつものように食堂でエリオとキャロと昼食をとっている時だった。
「ねぇ、ケイスケ」
「もぐもぐ……んぐ……なんだ?」
「今度の休みなんですけど、けーさんは暇ですか?」
「今度の休み?まぁ暇だけど」
そう言ったら、二人とも満面の笑みを浮かべて、
「「ケイスケ(けーさん)の家に泊まりに行って良いですか?」」
「俺ん家に泊まりにぃ!?」
なぜに俺ん家?
以前来たことあるだろ。
まぁ、あれは遊びに来たと言うより、家捜しだったけどな……
あの日、ギン姉さんの手により、おれのお宝はほとんど捨てられ、わずかに残ったお宝も八神部隊長の手によって発見されてしまい……全てを失った。
そして俺の株は急落した。
とどめにはしばらくの間、スバルに物凄く冷たい瞳で睨まれ続ける日々が続いた。
俺が一体何をしたと言うのだ。
スバル曰わく、スケベはいけない、とのこと。
無茶言うな。男の生理現象だぞ。
苦い過去が胸を走る。
「あっ……ごっごめん。駄目なら駄目で良いよ」
「ごっごめんなさい。けーさんもいきなりこんな事言われて迷惑ですよね」
顔が険しくなっていたのだろう。
落ち込んだ顔で健気にフォローする二人。
たくっ……そんな顔でフォローしても、意味ないっての。
まったく。
二人に軽い拳骨を落とす。
「いたっ」
「痛いです」
「ガキの癖に人の顔色を伺うんじゃねぇ。それにお前らに閉ざす門はねぇよ。来たけりゃ勝手に来な。その代わり雑魚寝と寝袋は覚悟しろよ」
途端に顔色を変えて喜ぶガキ共。
うんうん。ガキはこれぐらいが丁度良い。
そう満足気に納得していると……
ガシャーン。
どっかのおっちょこちょいがトレーごと全部ひっくり返しのだろう。
振り返って見てみると、この世の終わりみたいな顔をしているフェイト隊長が……
「そ……んな……ふっ……二人とも出て……行っちゃうの」
しかも、なんか程良く勘違いしてるし!
まったく……変わんねーなこの人も。
普段は、執務官として冷静で的確な判断を下している、まさに有能としか言いようがないが……エリオとキャロが関わると途端に暴走する。
エリオとキャロ……というか小さい子供に過保護ところがあるからな。
それに普段の態度からは想像もつかないが、頑固な一面もある。
こうと決めたら愚直なまでに一直線に突っ走る傾向がある。
独占欲も強いし……
だからあの人の恋人になる人は大変だと思う。
束縛もされそうだし、気付いたら執務官補佐になっていました。なんてこともありうるな。
それに浮気なんてしよものなら、リアルに雷を落とすに決まってる。
と、やたらに具体的にフェイト隊長の事を考えていだけど、これは全部俺の憶測に過ぎない。
ただ俺の憶測は良く当たるんだよな。
う〜ん……フェイト隊長怖い子。
なんてアホな事を考えているうちに、エリオとキャロが隊長を誤解を解くのに成功したみたいだ。
だが、それでも浮かない顔のフェイト隊長。
過保護なフェイト隊長の事だ。休日くらい、家族揃ってのんびりとしたいに違いない。
しかし、エリオもキャロも遊びたい盛り。家で家族とゴロゴロするより、友達と遊びたい。
うーん、あっちを立てれば、こっちが立たずか……
ふぅ……仕方ねぇ……
「おい、エリオ、キャロ。ジャンケンしろ」
「えっ?」
「じゃ、ジャンケンですか?」
「いーから、ほらジャンケン」
戸惑いながらもジャンケンをする。
結果、エリオの勝ち。
「と言うわけで、エリオが泊まりに来い。キャロは悪いが、また今度にしてくれないか」
「「ええっー!」」
キャロは最初凹んでいたが、フェイト隊長がなにか耳元でごにょごにょ言ったら、すんなりと機嫌が良くなった。
それどころか、顔を真っ赤にしつつも妙に潤んで色っぽい目でエリオを見詰めていた。
あんた一体、なに吹き込んだ!
………
……
…
ってな事があった。
「……よし終わり。エリオ行くぞ」
「はーい」
「うう……行ってらっしゃい」
キャロの温かい見送りの言葉を背に、俺達はロングアーチを出た。
さて、どうするか?
時刻は夕方、もうすぐ夜だ。
家に直行して、ゲームという手もあるが……とりあえずエリオの要望も聞いてみるか。
「うーん、ケイスケがよく行くお店とか行ってみたいな」
店……ねぇ……
俺のよく行く店は、酒を出す店が大半だ。エリオを連れて行って良いものか……
どうするかと考えていると、エリオはニヤニヤと俺の顔色を見ていやがった。
この野郎。分かってて言いやがったな。
仕方ねぇ。
「よし、エリオ。社会見学と行くか」
エリオはとても嬉しそうな顔で、
「うん」
と答えた。
………
……
…
光が濃ければ、闇も濃さを増す。
首都クラナガン。
この都も例外ではない。
777
液晶画面に揃う数字。
うわぁ、ケイスケまた揃ったよ。
「うおっ、凄いな。今日この店で一番出したんじゃないか」
ケイスケだって、凄くドル箱を積んでるじゃないか
「ふふふ……俺の観察眼を舐めないでもらうか。これぐらい造作もないわ」
あっカードゲームもある。ケイスケやって良い?
「おう、どんどんやりな」
……
…
ざわ、ざわ、ざわ……
周囲がうるさいな〜
気付いたら僕の周りは人だらけになっていた。
なんとも居心地が悪く席を立ちたいのだけれども……
僕の両隣には、きわどいバニー姿のお姉さんがピッタリとついている。
「僕、強いね〜」
「可愛い〜お姉さん、もって帰りたいな〜」
とさっきから甘い言葉をささやき、その……胸を……僕の肩や背中にむにゅむにゅと押し付けて来る。
だから、その……男の事情で席を立つわけには行かなくなっていた。
あっ、ケイスケ。助けてよ。
「ふっ……それが若さか」
ええっー!!
意味不明なことを言って助けてくれないので、仕方なくゲームを続行する。
でも、この人弱いからつまんないだよね。
……
…
ざわ、ざわ、ざわ……
どうしよう?
どうやって、ゲームをすれば良いんだろ?
僕達が座っているテーブルは僕のチップの山で相手が見えない状態になっていた。
しかも、対戦相手の人が何度も変わるからなかなか、ゲームが進まない。
今さっき、戦っていた人も、僕が十回連続で勝ったら顔を青くしてテーブルから離れていった。
しばらくしたら、奥からまた誰かが出て来た。
よし、誰だか分からないけど、頑張るぞ。
とりあえず、チップの山をどけて貰った。
次の対戦相手の人は凄かった。
流れるようなカード捌き、まるでカードが生き物のように動いていた。
僕が、その動きに見惚れていると、横から手が飛んで来た。
ケイスケだ。
ケイスケが横から凄い速さで手を伸ばして、対戦相手の拳を捕まえた。
「おっお客様。なにをされ……」
「おい」
底冷えのする声。
場の空気が一瞬で凍った。
こんな恐い声は初めて聞いた。
「ガキ相手に、随分なことしやがるな」
「なっ何のことでしょうか」
「すっとぼける気か……そうか、すっとぼける気か……」
「だっだからなんの……」
「だったら、おいたをするこの手に聞くか」
ボキッ。
確かに僕にはそんな音が聞こえた。
そう、骨の折れる生々しい音が……
「ぎぃややややぁぁぁぁあ」
耳をつんざく、悲鳴。
「よし、次は薬指行くか」
しかし、そんな悲鳴もどこ吹く風、ケイスケは淡々と次の指に手を掛けた。
「やっやめてくれぇ!おっ俺が悪かったぁ!」
「ふぅ…やっと素直になったか」
対戦相手の手からカードが落ちる。
あれ、対戦相手のカードが一枚多い。
しかも、このカード、凄く強いのばっかりだ。
騒ぎを聞きつけて、奥からなんか凄く偉そうな人が出て来た。
その人はにこやかに、ケイスケに話しかけた。
「これは、これはマツダ様……今宵は大勝されたみたいで……それにお連れの方も大層勝たれたみたいで」
優しそうに語りかけて来る。
でも、僕には分かる。
この人は、笑顔で人を殺せる人だ。
僕だってそれなりの修羅場はくぐって来たんだ。
それぐらいを見抜く力はある。
思わず、肩に力が入る。
ポンと肩が叩かれる。
ケイスケだ。
ケイスケは、僕に目で笑い掛けて、僕を下がらせた。
「なに、ビギナーズラックだよ」
「大層なビギナーズラックで御座いますな」
ところで、と彼は話を区切り、
「この騒ぎは一体なんで御座いますでしょうか。いくら、マツダ様とは言えこのような……」
「親方ー……いくらなんでも、ガキ相手にこれはやりすぎだろ……」
そう言って、ケイスケは、対戦相手のカードを見せる。
「これはこれは……マツダ様、大変申し訳ありませんでした」
親方と呼ばれた人は素直に頭を下げた。
そして、次はこのフロアに居る人全員に聞こえるように、
「先程、私の部下が大変な粗相をしてしまいました。私達のお店は公平公正がもっとうで御座います。このような不正は断固許しません。とは言っても、皆様方に不信感を与えてしまったのは事実で御座います。ならば、信頼を回復して頂こうと思い、今宵限り皆様が勝ちやすいように調節させて頂きます。今宵は心行くまでお遊び下さいませ」
そう言って慇懃に頭を下げると、他の部下の指示を下して去っていった。
僕の対戦相手だった人も連れて行かれた。
場の雰囲気が覚めやらぬまま、なんとも言えない展開に僕はついていけず、半ば方針していた。
ポンとまた肩を叩かれる。
「帰るか」
先程の騒動などなかったかのように、笑顔で話しかけてきた。
僕は従うしかなかった。
出口の辺りで、僕の右側にいたバニーさんが、キスマークと電話番号入りの紙を渡してくれた。
バニーさん曰わく、
「私ショタコンがじゃないんだけど、僕……ううん、君が気に入っちゃた。こんどお姉さんと一緒に遊びましょう。連絡待ってるわ♪」
ちなみに、左側にいたバニーさんは、騒動の後、
「惚れたわ」
とケイスケに熱い眼差しを送っていた。
今は、ケイスケになにかを渡している。
きっと僕と同じ物を貰ってるのかな。
これは誰にでもするサービスなのかな?
むにっと頬が抓られる。
「もう、誰にでもするわけないでしょ」
おっお姉さん、僕の考えていることがわかるんですか!?
「ふふっ、顔に出てるわよ。あーもう可愛いったらありしゃしない。もう大サービスよ」
そう言って、僕の頬にキスをしてくれた。
「顔を真っ赤にしちゃって……あ〜可愛い♪」
僕は緊張と恥ずかしさから体がガチガチになってしまった。
助けを求めるつもりでケイスケの方を見ると……
うわぁー
バニーさんとキスしてるよ。
そうして、僕達はカジノを出た。
ケイスケ凄いね〜バニーさんとキスするなんて。
「なにを言うか、お前だって頬にキスマーク貼り付けて」
僕は頬、ケイスケは唇だったじゃないか。
「あれは、挨拶みたいもんだ」
ふ〜ん、じゃあ、ケイスケはスバルやギンガさんにもそうやって挨拶するんだ。
そう言ったらケイスケは顔を真っ青にして、
「いいかボーイ良く聞け。今まで見たこと聞いた事、全て忘れるんだ。それがボーイにとっての最良の選択肢だ」
あまりの気迫に僕は首を縦に振るしか出来なかった。
ちなみに、チップを換金したら凄い金額になった。
給料の何ヶ月分だろう?
ケイスケもホクホク顔でお金を数えていた。
「よし、軍資金も手に入れた事だし、朝まで呑みに行くか」
えっ!?僕を連れて行って大丈夫なの?
「安心しろ。知り合いの店だから」
ケイスケは知り合いが多いな〜
さっきのカジノもケイスケの知り合いって言っていたし……
でも、なんであんな立派なカジノが、あんなオンボロビルの中にあるんだろう? しかも看板だって一枚も出して居ないし……あれじゃ全然分からないよ。
「世の中にはそういう店もあるだよ」
納得出来るような出来ないような……
「納得しなさい。さて次の社会勉強が待っているぞ」
こうして、僕はケイスケに連れられて次のお店に連れて行かれた。
………
……
…
「ケイスケ聞いてるのぉ〜ケイスケ〜」
「あー聞いてる聞いてる」
「だからねぇ、僕は、僕は〜」
うーん、まさか酒が弱い上に絡み酒とは……
「ケイスケ〜聞いてるのぉ〜」
「あ〜聞いてる聞いてる」
「だからねぇ、僕じゃフェイトさんを支えられないんですよ〜」
「なんだ、俺にフェイト隊長と付き合えって言うのか」
「無理ですよ〜フェイトさん心の中にはあの人がいるんですよ」
「おい、フェイト隊長には好きな人がいるのか」
これは初耳だ。
「そうですよ〜」
「だったら、そいつに支えてもらうなりなんなりすりゃいいじゃないか」
「それは無理れるよ〜」
やばい、呂律がおかしくなってきた。
フェイト隊長の思い人も気になるが……
「ほら、水を飲め。ちょっと呑み過ぎだぞ」
しかし、エリオは傍らにあるジョッキを掴むと、ゴクゴクと一気に飲み干してしまった。
「おっおいエリオ」
「ケイルケ〜ひょうは、2月の13日はよね〜」
「あっああ、もうすぐ14日になるぞ。そんなことより、ほら水を飲め」
「ケイスゲー、フェイルさん、きっろ、ほひひのほあにひるから……今すぐに行って……ささ……えて……」
言うことを言ったら言ったらバタンと倒れて、グーグーといびきを欠いて寝てしまった。
「たくっ……ほひひのほあにひるからってなんだよ」
よく分からん言語で、その場所に行けと言ってもなぁ……
「きっと、『星見の丘にいるから』って言おうとしたのじゃないかしら?」
後ろから答えが聞こえた。
「マスター……聞いていたのか」
「ええ、当店始まって以来の最小年のお客様ですから気にもなりますわ」
「ちっ……しかし、『星見の丘』ねぇ」
星見の丘。
首都クラナガンから少し離れた所にある小高い丘。デートスポットとしても有名だが、こんな2月のクソ寒い時期に行く場所ではない。
「この子、よっぽど、そのフェイトさんって人にご執心のようね。ずっと、フェイトさん、フェイトさんって……」
「全く、酒を呑まないと本音をさらけ出さないて、どんだけ大人びてるんだよ」
「で、どうするの?この子の本音を聞いたんでしょ」
「行ってきますよ、星見の丘まで。なんたって弟分のたってのお願いだからね……こいつ……いやエリオの面倒頼むぜ」
「ふ〜んエリオ君って言うんだ」
「……変なことするなよ」
「よしてよ、私ショタコンじゃないんだから」
「いや、さっきもそう言いながら、エリオに迫った奴を見たからな」
「馬鹿な事行ってないで早く行きなさい」
「おう、エリオを頼むぜ」
店を出て適当にタクシーを捕まえて、星見の丘に行く。
やはりと言うか、丘は閑散としていた。
こんな寒い季節に来る方がどうかしている。
っと、駐車場にフェイト隊長の車を発見。
車の中には誰も居ない。
ってことは山頂か……
この丘は、山頂までは歩いて行かないと行けない。
緩やかな坂道を登る。
冬の寒さが身に染みる。
酒を呑んできて正解だったな。
しかし、フェイト隊長を支えてくれ……か……
しかも、それはフェイト隊長の思い人には不可能なことらしい。
そして、この丘の上にフェイト隊長がいる。2月14日とわざわざ日にちを指定までして……
まったく……このときばかりは、良く回る自分の思考に嫌気がさした。
なんとなくだが、分かってしまった。
山頂が見えた。
フェイト隊長がいた。
傍らで火を起こしていた。
どうやって話かければ良いのか迷っていたら、向こうが気付いてしまった。
「けっケイスケ?なんでここに!?」
フェイト隊長は驚いているが、俺だって驚いている。まさかいきなり見つかるとは……
「いや、そのエリオに頼まれて……」
不意を突かれた形になってしまい、出て来た言葉なんのひねりもない。
しかし、彼女はその一言で納得してしまった。
「そっか……エリオに心配掛けちゃたか……」
「しかし、どうしたんですか?こんな場所に、こんな時間に?エリオじゃなくても心配しますよ」
ストレートに聞く。
普通なら、遠まわしに聞くとこだが、彼女はそう言ったことに鈍いから。
「バレンタインって知ってる?」
寂しそうな声で質問をしてきた。
「バレンタイン……いや聞いたことないっす」
「なのはやはやてが元々住んでいた世界のイベントなんだ。2月14日に、好きな男性にチョコレートを渡す日なんだ」
「そりゃまた……モテない男には辛い日ですね」
「ふふ……ケイスケらしい言い方ね……でね……チョコレートを渡しに来たんだ」
そう言って、鞄の中から綺麗にラッピングされた箱を取り出す。
「へぇ〜気合い入ってますね。これ全部手作りじゃないですか」
「うん……自慢の一品だよ」
そう言って、持っていた箱を火の中に放り込む。
パチパチと音を立てて、リボンが箱が燃えていく。
俺はその光景を黙って見ていた。
「……なにも言わないんだね」
「ええ……なんとなく分かっていましたから」
チョコレートが溶けてきたのか、辺りに甘い匂いが漂いはじめる。
「好きだった……凄く凄く好きだった人がいたんだ……」
「……」
「凄くぶっきらぼうな人なんだけど、それ以上に凄く暖かくて優しい人だったんた……」
「フェイト隊長……」
「でもね……私を残して、凄く凄く遠いい所に行っちゃったんだ……」
「フェイト隊長……」
「あの夜空のどこかにいるだよ……遠いよ……遠過ぎるよね……」
「フェイト隊長」
「だ……から……燃やす……んだ。と…どく……ように……わっ私の……気持ちが……届く……よう……に」
「フェイト!もういい!もういいから」
彼女は泣いた。
堰をきったように泣き続けた。
俺は彼女を抱きしめた。
俺の胸で泣き続ける彼女。
夜空を見上げて思う。
エリオ……お前の頼み、叶えられそうにない。
死は思い出を美化させる。
俺には彼女は支えられそうにない。
胸を貸すので精一杯だ。
やるせない気持ちが胸を満たす。
チョコレートの匂いがやたらに鼻についた。
以上で、バレンタイン特別SS、『ケイスケの機動六課の日々……かも「夜空」』をお送りしました。ケイスケを貸して頂いた鬼丸さんにはこの場を借りて感謝致します。
しかし、ケイスケにはハードボイルドがよく似合う。
次回予告
ケイスケは全力で挑む。
フェイトの笑顔を取り戻す為に。
エリオの願いを叶える為に。
その為に賭けるのは己が命。
彼の命を賭した行為は彼女の心を解きほぐせるのか?
NEXT ケイスケの機動六課の日々……かも「空からの贈り者」