『瞳に光が映らない君の笑顔が眩しくて 中篇』



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「えっとだな、視線に対して角度を持つ平行線は、無限遠における目の高さのことだ。つまり水平線上で一点に集束することだ。
こう、真っ直ぐに伸びる電車のレール、二本で一セットの鉄の道筋があるんだ。
それは実際どこまでいっても交わることはないが、そのレールの上に垂直に立って、視線をレールと平行にするとな、
レールは水平線上で一点に集まって、消えたように見えるんだ。……わかりにくいか? 
すまん、自分にとって当たり前のことを説明するのってすごい難しいんだな」
「ううんそんなこと無いよ、すっごい面白い。祐一君が持ってきてくれた付録のおかげでずっと分かる気がする。
近いと大きく、限りなく原寸大に見えて、遠いと小さく見えるのね」
「ああ。それから、遠ければ遠いほど、例えばとても遠くにある山や建物は青味がかってぼやけて見えるんだけど、それは大気のせいで、
それを再現するのが空気遠近法」
 まだ会って間もないにも関わらず、九月夜が祐一を『特別』だといった事と同じように、
祐一にも九月夜と接することで感じる何かがあった。しかし祐一は、それは恋愛感情ではないと断じてもいた。
祐一の恋する心は、あの事件で壊れてしまっていた。
 ただ、祐一は九月夜を知りたいと思った。彼女が見ている世界を、彼女が考えていることを。
そして、どうして自分が『特別』なのかも知りたかった。だから時間の許す限り、祐一は九月夜と言葉を交した。
どんな下らないことでもいいから、九月夜と話をしたかった。 
生い立ち、家族、友達、日常生活、九月夜を知りたいと思うと同時に、自分のことも知って欲しいと思った祐一は、
自身にまつわるありとあらゆる話をした。ただ、あの事件のことだけは意識的に話さなかったが。いや話せなかったというべきか。
九月夜の話にも一心に耳を傾けた。
目は見えなくとも、周囲の音の反響や空気の流れ、匂い、そういった視覚以外の感覚で世界を感じ取っていること。毎日のこと。
この先やってみたいこと。
 そうして二人は視線の代わりに言葉を交した。
「九月夜には、ひょっとしてだけど上か下が二人いないか?」
 入院のきっかけとなった事故の話にさしかかり、自分がなぜ不注意だったのかを話すか話さないかで逡巡した祐一は、
とっさに話題をそ逸らした。
「うん。下に双子の姉弟がいるけど、でもどうしてわかったの?」
 特に不審を覚えた風でもなく、九月夜は自分に兄弟がいることを言い当てた祐一に首を傾げてみせた。
「名前さ。最初に九月夜の名前の字を聞いた時、なんか引っかかったんだよ、うん、やっぱりそうだったんだ。
姉の方は満ちる月って書いて『満月』で弟のほうは、観る月って書いて『観月』って言わないか?」
「あ、ウチの両親のシャレが分かったんだ。でも祐一君が初めてだよ」
 パチンと両手を合わせて、九月夜は顔をほころばせた。
「九月夜って珍しい名前だなって思ったんだ。その名前で弟がいればって思ってさ」
「うん、九月の月の出る夜に観る満月、簡単に言うとお月見だよね。まあ家の両親のちょっとくだらないシャレなんだ」 
 そこまで言って、やや顔をうつむけて九月夜は続ける。
「ま、月見って言っても、月ってどんな形なのか、どんな色をしてるのかなんて、全然分からないんだけどね。
黄色に見えるって言われてるけど黄色ってどんな色なのか? 月にいるって言うウサギの姿も……何もかも全部」
 最後の方は耳を澄ましていないと聞こえないような声だった。
 祐一は、九月夜の手を握る。
「ごめんね、なんか自虐的だったね」
 二人は、しばらくそのまま手を握りあっていた。
「でもさ、俺はその名前、いいなって思う」
 ただの慰めでもなく、ただの同情でもなく、
ただ、目の前からやってくる人が転んだのを見て『大丈夫ですか』と声をかけるくらい自然に、祐一は口を開いていた。
「九月夜は、自分の名前、嫌いじゃなくて好きだろ?」
「うん、好き。大好き。祐一は?」
「小さい時は、『祐一』って名前なのに全然一等賞とか取った事なくてさ、それでからかわれてさ、
こんな名前じゃなければよかったのにって思ったことある。特に『へぼ一』とか言われた時とか」
「へえー、そうだったんだ」
 九月夜が少し頬を緩ませる。
「でも、今は嫌いじゃないと思う。九月夜が『祐一君』って名前を呼んでくれると、『祐一』で良いなって、思うんだ」
祐一が照れ隠しにうつむき加減に頭を掻く。
 そこでふと祐一は気付いた。九月夜は、世界をとりまく大半の差別とは、おそらく無縁の存在であると。
 目が見えないということは、視覚的な差別に縛られないということである。
 ――私は自分と他人とを相対的に見て、自分のランクをつけるようなことはしたくないの。
 『自分と他人とを相対的に見て、自分のランクをつける』それこそが差別や偏見の根幹であり、始まりである。
しかし、視覚があるとどうしても『自分と他人を相対的に見て、自分のランクをつける』事をしてしまう。
 だが、目が見えなければ、体の大きい小さいも、顔の美醜も、肌の色も、判別できない。
だから相手に応じて自分の態度を変えたりすることもない。いや、九月夜なら経験や触覚によって相手の雰囲気を読むこともできるだろう。
が、生まれつき全盲である彼女には、最初から比べるすべなどないのだ。
そこに、本マグロを解体する様子を見て『おいしそう』と嬉々とする一方で、
牛が屠殺される時に涙を流すという話を聞いて『かわいそう』と言う人間のような矛盾は生まれない。
 なまじ姿が見えるからそういうことを言う。
姿形が自分達に近付くにつれ、あるいは愛玩性を帯びるにつれ、『おいしそう』が『かわいそう』という偽善にすりかわる。
そういう人間の前に、仔豚の丸焼きと仔犬の丸焼きを出したとすると、どちらに抵抗を示すだろうか。
見た目の問題以前に心理的抵抗も生まれるだろう。だが、九月夜にはそんなものはない。仮に抵抗が生まれるとしたらそれは両方にだ。
九月夜にとっては、豚も犬も変わらぬ命なのである。
「どうかな? 別に私は聖人君子じゃないし、好き嫌いは当然あるよ。それは人に対しても物に対しても同じ」
「でも、少なくとも相手の容姿で自分の態度を決めるなんてことはしないでしょ?
 恐そうだから媚びへつらうとか、美人だからちやほやするとか……」
「視覚的な意味で『可愛い』とか『恐い』っていうのが、私にはどんななのか分からないから、そう言われればそうかもしれない。
でも、声の感じとか、話す時の口調とか、それから……」
 急に九月夜の声が沈んだ。
今の今まで顔を上げて話していた九月夜が、うつむき加減で話を始めたのに、祐一は疑問を持った。
「……どうしたんだ?」
「それから、ね、どこを見て話しているのかとか、分かるんだ。音の届き方と反響の仕方で、顔がどの辺を向いているのかとかって」
 わずかに震えを帯びている九月夜の声に、祐一は不安を覚えた。
「祐一君は、私と話す時、私の目を、きっと見てくれてるんだよね?」
 祐一はうなずく。その首の動きは見えなくとも、九月夜には、自分の手に伝わる祐一の手の感触が肯定を示していた。
「……だから、そういった目以外で感じる色んなことから、相手がどんな人間なのかって分かるんだ。
その印象をもとにして、相手との接し方を変えることもあるよ。だから、差別と無縁とか、そんな高尚なやつじゃないよ、私は」
祐一の手を握り返して、九月夜は言葉を繋ぐ。
「祐一君は、こうして私に触れて、話してくれるのはどうして? 
私は、自分がどんな顔をしているのか知らないけど、その顔が祐一君にどんな風に映っているのか、気にしないでいたいけど、
でも気になる」
「俺は……」
 九月夜に、誰か違う人間を重ねて、代償行為として彼女と接しているのではないか。そう考えてしまった自分を、祐一は嫌悪した。違う。
あいつと九月夜とは関係ない。でも……。
祐一は口をつぐんでしまった。分からなくなってしまった。
九月夜は確かに綺麗だ。祐一はそう思う。だが、それが全てではないし、綺麗だから好きだという即物的な感覚で接しているわけでもない。
九月夜となら、純粋に人格対人格で付き合えて、お互いを高めることができるとか、そんな傲慢なことを考えているわけでもない。
「結局、俺は勝手に周りの人のこと決めつけて、それが違っていると裏切られた気分になるような卑怯な部分があるって、
……そういうことなのかもしれない」
 身じろぎ一つしないで耳を傾ける九月夜に向けて、祐一は真摯に言葉を紡ぐ。
「何て言えばいいんだろうな、小さいころから、俺には妙な思い込みみたいなものが沢山あったんだ」
「思い込み?」
「ああ、例えば、女性はタバコを吸っちゃいけないとか、女性はみんな字がキレイとか、そういう、封建的というか、
今時ナンセンスも甚だしいというか、そんな感じのものを持っていたんだ」
 九月夜が吹き出した。
「あ、ひどいな。そりゃ、今のだけ聞いたら、なんだそれって思うかもしれないけど、一応そう思う、そう思い込む理由があったんだから」
「じゃ、ご説明願おうかな?」
「女性はタバコを吸っちゃいけないってのは、一言で言うと、俺には恐かったからだと思うんだ。
そう思い込んでいた時って、ずっと小さいころのことだったから、ニコチンが赤ちゃんに良くないとか、
そういう科学的な根拠があって吸ってはいけないとか思ったんじゃないんだ。
ただ、女性がタバコを吸う姿が、なんだかとても、恐くて、嫌だった。そんな個人的な理由なんだ」
「今でもそう思うの?」
「ああ。それは、タバコが母体に影響を及ぼすとか言う以前に、嫌なんだ。女性がタバコを吸う姿は。
だから、偏見だとなんと言われようが、タバコを吸う女性は苦手」
「女の人は字がキレイだってのは?」
「こっちは、もっとバカバカしいな、もっと根拠がないんだけど、なぜかそういう風に頭に刷り込まれていた感じだな。
ただ漠然と、女性はみんな字がキレイなんだって思ってた。
でも、実際は、筆跡なんて十人十色だし、女性の中にも、なんというか豪放磊落というか、自由奔放な字を書く人もいる」
「……そっか、今言った祐一君の思い込みって、みんな目に見える何かに対する思い込みなんだね。」
「うん、もっとやくたいもない例を挙げると、眼鏡をかけている人は頭がいいみたいな。
もちろんそんなことを決めつけていたのは小さいころの話だけど」
 祐一は、九月夜の手を握り直した。
「九月夜が目が見えないって知って、特別だって言われて……、色々と話して、そうやっていつの間にか九月夜なら、
目に見えるものに縛られない九月夜なら、一緒にいて自分が傷つくことはないんじゃないかって、
勝手なこと思ってたのかもしれないって、少し思った。でも、そうじゃない。
ただ、俺は九月夜と一緒にいたいんだって、話をしたいんだって、上手く言えないけど。俺は……」
 再び沈黙が訪れた。
 祐一の胸の鼓動が、次第に大きくなっていく。九月夜と同調するように祐一は目を閉じた。
握った手から伝わる九月夜の体温と脈動が、命の大河を伝わって彼女の鼓動を示す。
とくん、とくん、という脈が、やがて頭の先でじんじんと響き、今確かに触れ合っていることを実感させる。
「私にとって祐一君が特別な理由、いくつか考えてみたんだ。そしたら分かった。
私も祐一君と同じようなこと考えていたかもしれないってことも一緒に」
「俺と……同じ?」
「うん……」
 そこで深く息を吐き出すと、九月夜は再び祐一の手を強く握った。
「初めて会ったとき、私、祐一君のこと女の人だって勘違いしたでしょう。あれには、私なりの根拠があったの。
だから男の人だって知ってびっくりした。ううん、今でも、本当は女の人なんじゃないかって思ってるくらい」
「何でなんだ?」
「うん、とね。なんていうのかな、さっきも言ったけど、私は人と対面する時って、その人のしゃべり方とか、距離とか、
あと顔の向きとか、そういう物で漠然とその人の性格みたいなものを類推しているの。
それ意外にも、多分今までの経験を無意識に思い出して、雰囲気みたいなものを読みとって、
なんとなくその人がどういう人なのかを計っているの。上手く説明できないんだけど」
祐一には、なんとなく伝わった。と同時に、祐一は『セレンディピティ』と言う言葉を思い出していた。
セレンディピティ――
識閾下探知者は、その本人に自覚はなくとも、
無意識的、あるいは潜在意識的に自身の周囲の状況や情報を察知し、色々なものを発見したり、
危険を回避する能力を持っていると言われている。
虫の報せや霊感なども、分析すると、存外それと気付かなかった情報によってもたらされるものだったりする。
祐一自身もこの体験をしている。七年前の祐一は幼い心には留めきれないほどの悲しみを背負った。そのとき祐一の心は崩壊しかけていた。
そこで祐一の脳は自身の保持のためにそのときの記憶を一切合切全て記憶から削除した。
七年前祐一が立ち直ったのはセレンディピティに近いことが起こったためかもしれない。
九月夜の皮膚感覚にも似た『なんとなく』と言う表現は、このセレンディピティに近いものがあるのかもしれないと祐一は思った。
「そうして、ただ対面するだけで、触れたり、声を聴いたりしなくても、相手が男性か女性かって分かるの。でも、祐一君は違った。
女性だと思ったけど実際は男性だった。だから特別、ただそれだけのことだよ」
「一体どこが、他人と違うんだかな」
 ぽつりとつぶやいた祐一は、すぐに答えを察した。
「祐一君からは、ギラギラしたいやらしい感じがしなかったから」
 祐一のつぶやきに応えたというよりは、自分自身に言い聞かせるように九月夜はゆっくりと言った。
「目が見えない、目で確認できないってことは、色んなところで他人の言うことを全面的に信用するしかないってこと、分かるよね。
例えば、背中の部分に『バカ』って縫い込まれた服を着せられていたとしても、私にはそれは分からない。
芋虫を食べさせられても、よく仕込んだクリームだと言われたら、そうだと思うかもしれない。
基本的に、私に接する人間が、私を騙したり嘘をついたりすることはないって、そう思って人と接するしかない……
それしか人と接する手段が無いんだよ」
 祐一の手を握る九月夜の手に、再び力がこもる。それと同時に、彼女がまた小刻みに震えていることに祐一は気付いた。
「みんな、私によくしてくれた。親切にしてくれた。
でもね、中には、私の目が見えないのを利用して、変なこと、しようと、する人とか、い、いたんだ」
「……九月夜、もういいんだ。言いたいこと、もう分かったよ。それで君がどんなつらい思いをしてきたか俺には少しだけ分かる。
だから、君の言いたいこと……分かったよ」
「その人、面白い生き物を触らせてくれるって、とっても可愛いからきっと気に入るってそう言って。
私、盲導犬の訓練私設に連れていってもらったことあって、
そこで大きなゴールデンレトリーバーっていうのかな、その子の頭を撫でさせてもらって、すっごく嬉しくて、
動物に触れるのが好きになった。だから、その時もとっても喜んで、はしゃいで、早く触らせてってねだったんだ」
 祐一は止めたかった。九月夜が自分を『特別』だと言った理由に気付いた以上、
彼女が言わんとしていることにも、おぼろげに察しがついたのだ。だが、九月夜の震えが伝播し、祐一は何も言えなくなった。
「部屋に、二人で。どこにも動物なんていないって思ってたら、急に手を取られて、これだよって。変な感触だった。
鳴き声も息遣いもしないのに、熱を持ってるのは分かった。
何これって思ってたら、その人がはぁはぁ言い出して息遣いが荒くなって、それがどんどん堅くなって。最初は何だか分からなかった。
でも、すごく嫌な感じがした。気持ち悪いって思った。あと、覚えてるのはカチャカチャいう音だけ。
それ以上その部屋にいたくなかったから、半分パニックになりながら手探りで部屋を出て、それから、よく覚えてない。
気付いたら白杖を持って外にいた……みたい」
 祐一の想像は確信へと変わった。祐一の中で何かがざわめく。
「それ以来、男の人と向かい合ってると、何か嫌な感じがつきまとってダメだった。
そんな風に思わないですむのは、観月と、ごく親しい身内くらい。でも、祐一君は違った。それで思った。祐一君ならって。
私は、ただ男の人だというだけで、その人がどういう人かとか考えずに嫌ってしまうのが嫌だったから……、
祐一君なら私を変えてくれるかもって思ってしまってたんだ」
 祐一は握っていた九月夜の手を離した。
「ごめんね、祐一君がどうとかいう前に、ただ男の人なのに嫌な感じがしないからって、自分の勝手な都合で親しくしたみたいで。
でも、祐一君と色々話をして、さっきみたいに手を握ってもらって、嬉しかった。だから、私は……」
「違うんだ。九月夜のこと、怒ってるわけじゃないんだ。俺だって勝手な思い込みで九月夜と一緒にいたいって思っていたんだ。
それだけじゃない」
自分の手に視線を落として、祐一は続ける。
「俺も、少し前まで、多分そんな奴とそう変わるとこなんてなかったかもしれない。
俺に、そういうことに対しての興味がないわけじゃない。
でも、九月夜が俺に対してギラギラしたものを感じないのは、俺が、俺が自身が性的不能だから、だと思う」
九月夜は驚かなかった。
 祐一が再び九月夜の手を取り、九月夜もそれに応じて握り返した。
名雪。
秋子さん。
香里。
栞。
北川。



……あゆ。 みんな……もういいよな。いままでやってきたけど一人はやっぱりつらいな。
ははっ、情けないなこの俺が弱音を吐くなんて……みんなすまない。俺がもっとしっかりしていれば……あゆ、ごめん。俺、もう……。
祐一は静かに、あの夏休みの事件の話を、ただ一人の観客のために語り出した。



















後書き

b「中篇をお届けしましたー」
ゆ「なんか女性には嫌な話ね」
b「まあそう言うなよ。でも実際にあったらしいけどな、そういうことが」
ゆ「本当に!」
b「ああ、それで人間不信になった人もいると俺は聞いた」
ゆ「……酷いわね」
b「ああ【視覚障害者】を、いや【ちょっと目の見えない人】の弱みに付け込んだ最悪な人間だ……人間にも値しないな。
そこまでいくとただの動物だな」
ゆ「……」
b「おいおい、なにそんなにしんみりしてるんだよ」
ゆ「……だって」
b「後書き終わり!」
ゆ「早くない?」
b「相方のお前がこんなじゃな」
ゆ「……うっ」
b「そういうわけでまたです。後篇で会いましょう」










                                       

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