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まおうくえすと
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  注意事項(重要)

この話コンセプトは、劇中でも浩平が言うとおり『B級RPG』です。
と、言う事で、モンスターやアイテムなどの名称がダサいのは、わざとです。
決して筆者のセンスが無いためだけではありません。違うのです。

あと、日常的に起きる現象に関してもRPG風に作ってあります。
具体的に言うと……

・モンスターが貨幣を落とす(基本です)
・一晩寝れば全回復(これも基本)
・レベルが上がれば突然強くなる(まあ、これも基本ですね)
・武器や防具の能力はその形状ではなく設定された数値に依存
 (例えば防御力30のTシャツが、防御力20の鎧より硬いとか)
・例え斧で脳天カチ割られても、HPが残ってれば大丈夫(普通死にます)
・瀕死でも普通に動ける(んなわきゃぁないです)

……と言った所でしょうか、まだありますが、限が無いので。

話としては、ONE,Kanon,Air のクロスオーバーで、
主人公は『折原 浩平』――言わずと知れたONEの主人公です。
読んで下さる方は、先に上げた三作品は知っておいたほうがいいです。
知らないという人、知ってください。

それと、動かしやすい様に(筆者の技量不足と思われる)キャラの性格が若干違ったりします。
んで、全篇に渡りご都合主義に満ち溢れていますが、気にしたら駄目です。

最後に――この話、カッコよさや、感動とは全く無縁です。
更に読むと確実に頭が悪くなるような文章なので、注意してください。

宜しいですか? 宜しくない人はここで回れ右です。






宜しいようですね

では、本編へどうぞ。











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「魔王を倒してきなさい」



「は?」



久しぶりに早起きし階下に降りたオレに、叔母である由紀子さんから伝えられた言葉……
それは、これまで生きてきた中で、もっとも衝撃的、且つ信じられない言葉だった。







  プロローグ








「あの、今……なんて言いました?」
「なに? 聞こえなかったの? 魔王を倒して来いって言ったのよ」

由紀子さんは、ソファに寝転がり、煙草をふかしながら……まるで軽いお使いを頼むかのように言い放った。

「冗談っすよね?」
「何、バカなこと言ってんの、良いからさっさと行きなさい」
「行きなさいって……どうゆう事っすか? さっぱりわかんないんですけど……」
「……しょうがないわねぇ」

しぶしぶと…といった感じで体を起こしテーブルの上においていたチラシをオレの前に突き出す。
そこには、何やら凶悪な化け物の姿が描かれており、その下には――

『突如、魔王が現れましたので、住民の方は注意してください。
なお、魔王を討ち取った方には国王から褒美がありますので、
腕に自信のある方は奮って魔王討伐にご参加ください』


――などと言う事が書かれていた

「……つっこみ所満載なんですが」
「これで分かったでしょ?」
「分かった……って言うか、何でオレが……」
「今まで黙ってたけどね……」

フッと真面目な顔になり突然語り出す。
「アンタの家系は、えっと……光の勇者? らしいから」
「なんすか、光の勇者って……どっかのB級RPGじゃぁないんですから……っつーかなんで疑問形?」
「いいからさっさと行く!! ぐだぐだ言ってると、家からたたき出すわよ?」
「ぐっ……」

それはまずい…ここを追い出されると宿無しになってしまう。
高校生という身の上でそれは避けたい所だ。

「あ、でも学校休む訳にも……」
「休学届は出しておいたわ」
「……」
「物置に、装備品置いてあるから持っていきなさい。あ、あとこれ、支度金。はい」

由紀子さんは財布の中から500円玉を取り出すと、呆然としている俺の手に握らせると、にっこり笑って言った。

「無駄遣いするんじゃないわよ?」

由紀子さん……500円で一体何を買えと……

「いってらっしゃい、私の可愛い浩平♪ 魔王倒してくるまで帰ってきちゃ駄目よ?」

その仕打ちはあんまりです……オレに死ねと言うのですか?

「……」
「頑張ってね♪」

もう何を言っても無駄……そう結論付けたオレは、とぼとぼと玄関に向かう。
ふと振り返ると、由紀子さんは煙草に火をつけ、つまらなそうにテレビのチャンネルを変えていた……


「……あれってやっぱり、遠まわしに『出てけ』って言ってんだよなぁ」

玄関の扉をくぐり、空を見上げる……七月の空は、小憎たらしいほど晴れ渡っていた。
まだ早い時間とは言え、夏の熱気が肌にまとわりつく。
昨夜雨でも降ったのだろうか、地面が湿り蒸し暑さも3割増だ。

「……仕方ない、行くか…………って、なんだこれ!?」

一歩門を出ると、そこは既に別世界だった……
一見いつもの街並みと変わらないのだが、
天下の公道を訳の分からない生き物(?)が我が物顔で闊歩してるのだ。
良く見ると、其処彼処でサラリーマン風の男や学生が訳の分からない生物と死闘を繰り広げている。
状況が良く判らないのでとりあえず観察してみることにした。

〜3分後〜

学生は、訳の判らないものに止めを刺すと、足元から何かを拾い学校の方に向かって駈けて行ったが、
サラリーマン風の男は、周囲を囲まれ、タコ殴りにされていた。

……あれが噂に聞くモンスターって奴か? 始めて見るけど。
昨日まで、居なかったよな?
……

「……オレも『あれ』を相手にしなくちゃいけない……んだろうなぁ、やっぱ」

……ま、何とかなるか?
ちなみにさっきのサラリーマンは、既に天に召されていた。

そこで、ふと由紀子さんの言葉を思い出す……

『物置に、装備品置いてあるから持っていきなさい』

つまり、その装備品を身につけて『あれ』と戦えということだな。
まあ、素手よりマシかもな……
そう思い、家の裏手にある物置小屋に歩を進め、とびらを開け放つ……

「……」

……確か、以前見たときは、使わない雑貨等が詰め込まれていたはずだが……
今、オレの目の前には大きめの箱(しかも、RPGとかで良く見る宝箱)が、ぽつんと置かれているだけだった。
ちなみに箱以外は何も無い。目の前の光景のあまりと言えばあまりのシュールさに一瞬動きが止まる。

数秒後、我に帰り、箱を開けてみる。

「……装備品……?」

箱の中には、鉄パイプ、鍋、革ジャンが入っていた。
良く見ると箱の蓋に何やら紙が張り付けてある。そこには――

『 てつのつるぎ――攻撃力 +2
  てつかぶと―――防御力 +1
  かわのよろい――防御力 +2

  ――死にたくなかったら
     武器と防具はちゃんと『そうび』するようにね――
                        〜由紀子〜    』


――と書かれていた。

「……ぐぁ」

最悪だ。これを身に付けろと…? しかも、鉄の剣? 鉄兜? 革の鎧? 
そんな物が何処に有ると言うのだ?

この鉄パイプを手に持ち、鍋を頭にかぶって……この夏の暑い中、革ジャンを着て戦えと?
っつーか、由紀子さん、この鍋、鉄製じゃないっす。

「冗談じゃない! 俺は帰るぞ!」

と、勢い良く振り返ると、家の中から由紀子さんが、笑顔でこっちを見つめていた。
……が、目が全く笑っていない。
その瞳は、『魔王を倒すまでこの家の敷居は跨がせないといった筈よ?』と言っている

「……判りましたよ……いきゃあいいんでしょ」

オレは半泣きになりながら、箱に入っていた装備品を着込む……
由紀子さんは『それで良いのよ』と目で合図をして奥に引っ込んで行った。
自分の格好を見るとなんだか哀しみが込み上げてくる……
ハッキリいってコレじゃあ唯の馬鹿だ
はぁ……もう開き直るしかないな。
帰る家が無い以上前に進むしかない。

「こうなったらもうヤケだ! さっさと行って魔王をぶっ倒してやるよ!!」

と、大空に向かって啖呵を切った所で気付く。

……魔王って何処に居るんだ……?


とりあえず旅立つ
由紀子さんに聞く



ふむ……


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  ⇒ とりあえず旅立つ  ピッ


ま、チラシが出まわってるぐらいだから、誰かに聞きゃ判るだろ。
由紀子さんが教えてくれるとも思えないし……

と言うわけで、オレはまず学校に向かう事にした。
由紀子さんは、休学届を出していると言っていたが、
何をするにしろ、情報は必要だしな。




Aルート1話へつづく…


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  ⇒ 由紀子さんに聞く  ピッ


どんどん

「あの、由紀子さん?」
「……まだこんな所に居たの? 今度は何?」

あ、すげ−機嫌悪そう…

「あ、えっとですね、魔王って何処にいるんでしょうか?」
「……さあ」
「さあって……」
「チラシには書いてないわよ。交番ででも聞きなさい。あ、このチラシもあげるから」
「はぁ、交番……っすか?」
「じゃ、がんばって」

バタン

「……」

交番で……

マジか?


Bルート1話へつづく…


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   【折原 浩平】   高校生 Lv.1

HP 48/48  力 知 魔 体 速 運
MP  0/0   5  3  2  5  5  3
   
攻撃  7(9)       防御  6(9)
魔攻  4(4)      魔防  4(4)
命中  79%      回避  5%

装備  てつのけん
      てつかぶと
     かわのよろい

所持金  500円




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後書き

はじめまして、黒川です。
深く考えず、とりあえず書いてみた訳ですが……
え〜……なんと申しますか、まあ……

なにぶん、読書感想文すら書いた事のない人間の書く文章ですので、
言いたい事は山ほど有ろうかと存じますが……
まあ、温かい目で見守ってやってください。

あ、それとタイトルはお気づきの通り、某有名RPGを捩った物ですが、
別にアレがB級だと言っている訳ではないです。ないのですよ?

とにかく、読んで下さって有難うございます。
ご意見ご感想など御座いましたら是非お願いします。
(なんか、家のPCがメール受信してくれないので(原因不明)
 できれば掲示板(風のシンフォニー)にお願いします。)

2003/06/05  黒川