『ジョジョの奇妙な冒険外伝 SNOW MEMORYS
第3話 相沢祐一はあきらめないA』




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(さて……どうしたものか)

祐一は考えていた。先程の塀を飛ばした攻撃。
動きが止まっていたから当たったのであって、この超スピードの敵をどうやって当てるか……
今、彼の頭の中でそんな戦略を考えていた。

(俺のスタンド……『リトルミラクル』は殴った物を好きなようにできる……が)

ここまで考えたところで、彼が入院しているところまで話しを戻そう。彼のスタンドの説明をしようと思う。

ドゴォォォォォオーーン、ドゴォドゴォドゴォドゴォォォォーン!!

スタンドを試している男は相沢祐一……見ている男は北川潤という。

「……すげぇな!お前!?」

北川は叫んだ。祐一の出したスタンドは
自分のスタンド能力よりもパワー、スピード、精密動作性の全てが自分のスタンドと同等以上なのだから…
その証拠に……拳だけで鋼を粉砕している。恐るべきパワーである。

「ふっ、分かったかね。この俺の光り輝く才能が!この力があれば俺は無敵だー!!」

祐一は叫んだ。北川は

「確かにお前のスタンドはすごいけど……お前より強い奴いるぞ」

「なにー、鋼を素手で破壊できるコレより強いのか!?」

祐一は声をあげた。こんなこと出来る奴が他にいるのかと思うと、ゾッとするが…

「ああ、お前と同じ様な事が出来て、しかも時を止めることが出来る人がいるぞ」

北川は正直に話した。嘘をつくより、世の中の広さを知ってもらった方がいいと判断したのだろう。
祐一は

「時を…止める?おいおい、冗談だろ?」

「おれも知らなければ冗談ですませたいが……現実に体験したからなー」

北川は、あの時ほどビックリしたのは無い。と断言できる。
なにせ一瞬も目を離していないのに、後ろにいたのだから…

「うーん、凄い奴っているんだな」

「その事も凄いけど……
なにより、あの人はお前と同等以上のパワー、スピードに加えて精密に動かせて、
そのうえ沈着冷静だから隙がまったくない。
そのうえ、身体能力も冒険家だから鍛えている。はっきりいって無敵に近い」

「そんなの……本当にいるのか?」

「おれがこの目でしっかりと見た」

祐一はそんな人とは喧嘩は絶対にしないと心に決めた。そして、程なくして

「それはともかくお前の能力を知りたい」

「能力?」

「ああ、スタンドはただ殴るだけじゃない。それに加えて能力があるからな。それを知っておきたい」

祐一が殴り飛ばした。鋼を見るため近づいた北川は……

「……これはどういう事だ?」

北川は鋼をみて怪訝な顔をした。殴り飛ばしただけではなく、なんらかの変化はある。ただ…

「なんで、変化が全部違うんだ?」

そう北川が見たダイヤは全て、変化が違うのだ。それをみて

(相沢は……いや、そんなはずは…)

しかし、どう考えてもおかしい。無意識ならば効果は一つしか出ない筈。しかし、全て違う効果なのだ。

「?どうした、北川?」

祐一は北川に聞いてみた。北川は

「信じられないが…おそらくだが…お前の能力は殴りつけた物を好きなように扱う事が出来るだと思う」

「?意味がわからないぞ」

「おそらくだが……お前が壁を殴って、ある人を攻撃したい…と思えばその通りにできる。
他にも、壊したものを飛ばしたりいろいろ出来る筈だ」

「へー、すげぇな。」

「ただ、お前には固有の能力が無い。毎回使うときには頭を使わないといけないな」

「……使わないとどうなる?」

「おそらく、ランダムで出るからナニが起こるか予想ができない。
最悪の場合、お前に攻撃が帰ってくるかもな。使うなら注意しろよ」

北川にありがたいアドバイスをもらった。


再び、空き地に戻る。

(あの後、いろいろ試した結果は……北川の言う通りだった……、)

そう祐一の能力はやろうと思えば何でも出来るのだ。
しかし、1回1回能力をよく考えて使わないといけないという弱点もある。
そして、能力の発動がちょっと遅い。殴ってから1から2秒かかる。
これは今から戦う相手……キラーナイフのデュエルモードを使う、
目の前の男に使うのはちょっと難しいのだ。

(相手の安全を考えるな!手加減していれば死ぬ!)

祐一はあまりのパワーのため少しセーブをしていたのだ。しかし、今、それを解こうとしている。
それと同時に最初にあった動揺も消えていく。

「最終ラウンドだ!いくぞ!!」

男は突っ込んできた。この能力の場合小細工は逆効果……だから正面から攻撃を仕掛けるのだ。
祐一は知らないが、透明になる能力である『スタッブモード』と『デュエルモード』の併用はできない。
男は最後の勝負に出たのだ。

「オラオラオラオラ」

祐一のリトルミラクルによるラッシュ。男もナイフを使い攻撃を仕掛けた。速さも互角だった。
男は攻撃をかわされると後ろにさがる。

「なんだ…さっきより速いな……能力を使うのに慣れたのか?」

男は警戒を深めた。ズブの素人であった祐一がもう闘いのコツを掴み始めているのだから。
男は右に動きながら、祐一の隙を捜そうとしていた。祐一は

「…あんたのスタンド……一本しか無いからな……俺はナイフを避けるのに全力を尽くせばいい。」

祐一は揺さぶりをかけた。
この程度で我を忘れてくれれば……という淡い期待を抱いたが……男は無視したようだ。

(くそ!この程度の揺さぶりじゃ意味無いか……どうする!?)

祐一は男の隙を捜そうと懸命になっているがその隙を男は見逃さない。

ヒュッ

男が消えた!その直後

シュッ

右下からのナイフ攻撃!今度はかわせずに祐一は腕を浅く切った。しかし、

「オラオラオラオラ」

祐一のリトルミラクルの左右のラッシュ!攻撃をくらうのを覚悟していたかの如く、直後に攻撃を加える。
しかし、

ドゴッヒュッヒュッヒュッ

祐一のラッシュが避けられた。先程のように一直線に攻撃ではなく。
最初の一撃を下に打ち下ろし、その後避けられた時の為に、まっすぐ打ち込んだ。
それらも全てかわされたのだ。

(な、スピードが上がっている!?なぜだ!!?)

祐一は動揺から抜け出した、しかも本気のラッシュも避けられたのだ。男は

「不思議そうだな……言い忘れていたが…俺のナイフに切られると身体能力は増えていくぜ!」

男の攻撃はその言葉と同時にやってきた。確かに今まで以上に速く、正確に攻撃を仕掛けていく。
祐一の両手は完璧にふさがれている。男は余裕の笑みを浮かべている。

(くそ!どうする!?)

速い攻撃を前に防戦一方である祐一。このままなら確実に後1、2分でこの防御を破られる。
それほど速い攻撃だった。しかし…

(速いけど……攻撃のタイミングは結構、雑だ)

男はスタンドの能力を過信しすぎているせいか、この能力に必要な体を鍛えるということをしていない。
これでは、もう少ししたら体はついていかないだろう。

しかし、既に祐一も疲れているため…そして、現時点で既に追い詰められ始めた状態なのだ。
このままでは、いずれ殺されるだろう。

そんな事をよそに、男と祐一はラッシュの速さ対決を始めた。

「オラオラオラオラオラオラオラ!!」

「クククククククククククククク!!」

祐一と男のラッシュはほぼ互角だった。
キラーナイフの能力のほうが速いが、祐一のスタンドは力を落とし、スピードを高めている。
さらに、片手の相手に対し、こちらは両手だ。
多少は楽観していた祐一だが……互角の速さのため焦りが出る。

(お、おいおい、こっちは両手だぞ!なんで互角なんだ)

祐一は知らないがここにくる前に、何人かの人間にかすり傷を負わせていたためである。
ちなみに、殺してはいない。関係無い人間を殺すと依頼人がうるさいからだ。
祐一は事体を深刻に考え

(こうなったら……一か八か!)

祐一は再度、タイミングを取り始める。といってもラッシュをだしながらだが……
男の攻撃は更に正確さを増す。そして、ついに……祐一のガードが大きく開いた!

(死ね!!)

(いまだ!!オラッ)

祐一のガードを開けたのは誘いだった。祐一は両手でガードしていた手をそのままに





ローキックをしかけた!!





しかも、上から下に叩きつけるような蹴りだった
男は意表をつかれた!!

(まずい!!こいつのパワーなら……骨が砕ける!!!)

そう判断した男は攻撃を一旦止め、回避に全力を尽くした。その時間にすると0.2秒にも満たない時間。
しかし、今の男にしてみればそれは、10秒はたったような感覚を受けた。
当たるか当たらないかの瀬戸際!その一瞬はスローモーションに見えた。


そして

ヒュッ

ドカァァ

祐一の攻撃を紙一重で避け、地面を抉る音が聞こえる。男は安堵した。そして、

「ふ、ふふふふふ」

男は笑った。それは勝利を確信した笑いだった。

「ふ、ふふふ、ふははははははは」

男は笑う。これでこの目の前の男は切り札を使いきった!と確信したからだ。

「ふははははは!小僧!!今の攻撃には肝を冷やしたぞ!!!まさかあそこで蹴りとはな!
一瞬だが本気で負けると思ったぞ!!しかし!!」

男は一瞬言葉をきる。

「俺の勝ちだ!!貴様の精神を押し切ってみせたぞ!!」

男は勝ち誇った笑みを浮かべながら、祐一にそう宣告した。祐一は俯いている。

「くくく。だが貴様の名前は覚えておこう!貴様の名前は!!」

「俺は、地面を抉った……」

祐一の小さな呟き……しかし、なぜかよく聞こえた。

「?」

「俺は賭けたんだ……この蹴りに……」

それを聞き

「ふん、賭けは失敗したな!」

男は自信に溢れたように言った。しかし、祐一の耳には届いていないかのごとく言葉を続ける。

「賭けたのは……当てる事じゃない…ぎりぎりで避けてもらう事なんだ……」

男は訳が分からない。しかし、祐一は言葉を続ける。

「俺の能力は拳で発動していた……しかし……なら蹴りでも発動するのではないか…と……」
男はそれを聞き顔を青くしはじめた。そして

「俺は蹴りで能力を発動できるかもしれないということに賭けたんだ!そして……それは成功した!!」

その瞬間!

ズドン

突如として、男が立っていたところが沈み、そして、地面が足首がロックした。男は焦る!
そしてさらに!!

ドスッ

男が持っていたキラーナイフに向かって、先程リトルミラクルが蹴った土が固まり、
ナイフへと向かっていった。そして、当たった!ナイフは近くの塀にまで飛んでいった!!

「ぐ!な、お、おまえの能力は……一体なんだ!」

男はそう聞いた。今までの闘いでも祐一の能力が検討もつかないのだから。

「俺の能力は……殴ったり、蹴ったりしたものを命令通りに動かせる事だ……
だから、塀を飛ばしたり、おまえの足を地面に埋もれさせたり出来る!」

祐一は能力の説明を終えると

「質問だ。おまえの名は?」

「教えない…といいたいが、教えてやる。雨水 将」

「なぜ俺を狙う?」

「本当は北川潤を殺せと言われたがな……おまえを人質に取ろうとしたのさ」

「おまえの他に何人スタンド使いがいる?」

「それは、わからねぇ。だが、かなりの人数はいると思う。」

「命令した奴の名前は?」

「言えないな…それだけは」

「じゃ、最後の質問だ。トドメのラッシュは何がいい?」

「そ、そんなこと聞くなよ……ができれば、思い切り叩きこんでくれ。
そうすれば、クライアントから狙われないから」

「OK。じゃ、いくぜ!」

男……将は目を瞑った。しかし、ラッシュはこない。将は目を開けた。
このままトドメをささないと思ったのだ……しかし

「オラオラオラオラオラオラオラ!!!」

祐一は相手が安心した瞬間にとどめのラッシュをしかけた。曰く

「クルのを待ってると、半端に怪我するからな」

だそうだ。しかし、それを証明するかのように……ラッシュをくらった直後に気絶したようで、
その後、病院に運びこまれた。ちなみに全治2ヶ月だそうだ。

雨水 将  再起不能


祐一は空き地から出た。
そして、程なくして

「この制服で行って、大丈夫かな?」

彼は今更ながら、後悔した。彼の制服は血で汚れ、埃まみれで、所々切れているのだから。

TO BE CONTINUED

スタンド解説

相沢祐一 スタンド名 リトルミラクル
破壊力 A スピード A 射程距離 E(2m)
持続力 C 精密動作 A 成長性  A

能力
殴りつけた対象に何らかの命令を下せば、それと同じ様に動く。
(例 殴って壊したものを固めて弾丸のように飛ばす)
そのため基本的に何でも出来る。ただし、発動を始めるのが、殴ってから2秒後である。
生物にも可能だが、スタンド自体のパワーが凄いため、あまり必要ない。
スタンドには能力の使用は不可能である。
この作品のスタープラチナのような存在である。

雨水 将
スタンド名 キラーナイフ
破壊力 C スピード A 射程距離 C
持続力 E 精密動作 B 成長力  D

能力
操る人を透明化する『スタッブモード』。それはその姿を完璧に消す事が出来るため
暗殺に最適。
そして、『デュエルモード』は身体能力を上げることができ、
そのうえ、切るごとに身体能力を上げていくことが出来る。
ただし、ナイフのせいかパワー自体はあまりない。
それを手のスピードで、カバーするため切れ味抜群である。

A=超スゴイ B=スゴイ C=普通 D=苦手 E=超苦手

後書き
祐:祝!勝利!!
作:君の能力は強い、の看板に偽り無しだな
祐:自分の事だが……いいのか?
作:その代わりにすぐに発動しないという弱点をつけたんだ。
祐:……ようは、強さを合わせるためか
作:その通り
祐:本当に、否定しろよ
作:気にするな。それより、おまえのスタンドはこの話しの鍵になる予定
祐:本当に〜(疑惑の眼差し)
作:まじ、まじ、あんまり疑うと北川を主人公にするぞ
祐:ごめんなさい(土下座)
作:よし、では次回は名雪か香里のどちらかだ
祐:大丈夫だろうな?
作:おうよ!それといつになるかは分からないが、あいつもだす
祐:だれだ?久瀬か?
作:久瀬は既に決定済みだ。ま、後でのお楽しみという事で
祐:やれやれだぜ
作:では次回




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