『ジョジョの奇妙な冒険外伝 SNOW MEMORYS
奇跡の男はあきらめない@』




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相沢祐一は目を覚ましてから、約一週間後に退院した。
ちなみにその一週間の間に彼は北川にスタンドの制御の仕方を教わった。
ちなみに祐一のスタンドは北川と同じく、近距離型であった。まぁ、能力は後にということで……

そして、退院後、始めて登校する。

ドンッドンッ

祐一は名雪の部屋をノックした。しかし……

「これぐらいじゃ……起きないよな」

そう思い、彼は部屋に入った……そして、そこで彼が見た物は!!

名雪の起きてる姿だった!!そして、着替えるために今は下着姿になっている

祐一は

(ばかな!なぜだ!?なぜ起きてるんだ!!?あの名雪が!!?)

と祐一は驚愕している……ように見えるが、実際は…まぁ、セクハラ親父の目である。
名雪は

「キャァァァァー!!」

温厚で天然が入っている名雪だが……やはり、着替えを見られると、いつもの3倍は早く動くようだ。
しかし祐一は

「名雪……成長したな!」

グッ

サッ

ヒュッ

バキィィィィーン

ズシャァァァー

バタンッ

……ええ、説明しよう。最初のグッ、は祐一が親指を立てて、グッドです。といったようなもの
次のサッ、は名雪がこの部屋で、一番大きい目覚ましを取った音
次のヒュッ、は名雪がそれを投げた音
そんでもってバキィィィィーン、は祐一にクリーンヒットした音
んでズシャァァァーは祐一が滑った音
最後にバタンッが名雪のドアを閉めた音です
以上、補足でした。

「ってぇ、何するんだ、名雪!」

「祐一がエッチな目で見てるからだよ。」

「何を言う!俺はおまえがどれくらい成長したのかこの目で確かめてただけだ!」

「言ってる事が無茶苦茶だよー」

確かに無茶苦茶だ……祐一の気持ちは分かるけど…

「二人ともひどいよー」

「?二人って誰の事だ」

祐一はスタンドを出していない……ということは……おれ(作者)だ!

「あれ?誰の事だろ?」

「……俺が分かるわけないだろ。早く着替えて降りてこいよ」

そう言い祐一は下に降りていった。


祐一が下に降りるとそこには、既に朝食が用意してあった。あゆは朝食を食べていた。

「あ、今日は速いね」

「名雪が早く起きていたんだよ」

と話した。たしかにいつもと比べると格段に速い。

「ふふ、祐一さんが怪我をしてからちょっとだけ早く起きれるようになったんですよ」

秋子さんが台所から話しかけてきた。

「………よろこんでいいのか微妙ですね…」

「ふふふ、そうですね」

いや、そんなにあっさり言われても…、と思ったが今回は怪我が無いだけまし、と思うしかない

……北川によるとこれからが大変らしいが……

「うーー」

唸りながら降りてきた。当然かもしれないが…

「祐一、いくらなんでも今日のはちょっと……」

「……今日は悪かったよ」

「もういいよ」

名雪は溜め息混じりに返事を返した。祐一は、まぁ、イチゴジャムでも食えば機嫌は直るだろ

「ううーー、酷いよ、祐一、イチゴサンデーだよ」

「祐一君、今のは酷いと思うよ」

「ぐはっ、喋っていたのか…」

この癖本当にどうにかしてくれ……祐一はこの街に来てから、何度目かはわからないが祈った。
それはもう祈った。

「そういえば、祐一。今日は日直だよ。速く行ったほうがいいよ。」

「えっ、きょうは俺なのか?」

「えっと、昨日、確か最後の人が日直してたから祐一くんのはずだよ」

「うーん、病みあがりなのだが…」

そうはいうが、一応早く行ったほうがいいかな、と思ったので行く事にした。

「分かった、先に行くぞ、後からこいよ。」

「「いってらっしゃい、祐一(くん)」

祐一は水瀬家をでた。そういえば、補足として真琴は天野の家に居候している


祐一は通学路を歩いていた。

「うーん、ナンだカンだ言っても歩けるというのはいいことだ」

祐一は伸びをしながらそう言った。

「この調子なら、かなり余裕ができそうだな」

「……そんな心配…する必要は無い」

シュッ

と、どこからか謎の男がそう言ったのが聞こえた。祐一は

「?空耳か…ウオッ!」

そこに空を切るような感覚がしたので、そこから飛びのいた。
飛びのいた場所にはナイフのような物が見えた。祐一は

「だ、だれだ」

「知る必要は無い」

どこからか聞こえる男の声。しかし、姿は見えない。必死に目を凝らした。しかし、見えない。

(これが……北川が言ってた事か?あいつ…大分前からこんなことしてたのか?)

祐一は北川を少し尊敬した。こんな命のやりとりをしていたのか、と思った。
それとさすがに、こんな状況では例の癖は発動しないようだ。

(やるしか……ないのか?)

祐一は動揺している。しかし…今、この場で殺されるわけにはいかない。
そう思い祐一はスタンドを発現させた。
そこには、銀色の身長にしておよそ2mほどの…北川のヒートマスターと同じ位の大きさのスタンドがいた。
所々に筋みたいなものも見える。そして、祐一は近くの空き地に逃げ込んだ。
男も走りながら追いかけてきたようだ。

「……報告通り、スタンド能力に目覚めていたか…まぁ、いい。殺してみせるさ」

姿を表わす男。祐一は

「オラオラオラオラオラオラァー」

ラッシュを叩きこんだ。そのスピードは北川のヒートマスターと同等の速さだった。
パワーも凄く、難なく塀を壊していた。しかし、男は予想していたが如くそれを避けた。

(クッ、かなり強力なスタンドだ。しかも破壊力も尋常じゃない…しかし……)

男は、祐一はまだスタンドの能力を完璧に使い切れないはず、と予測した。
やはり、まだスタンド能力に目覚めた男がそう簡単に、
能力をつかみきれないはずと予測するのは当然の事だった。そして、男は姿を消す。

「ど、どこだ!」

(パワーだけじゃ勝てないぞ)

スタンドの勝敗は精神力にある。そのときの精神力によって勝敗が決まるのだから。男は自信をもっていた。
当然だ。この能力で今まで数多の人を殺してきたのだから、
そして、数え切れない修羅場を潜り抜けてきたという自信があった。それは決して誇張ではない。
厳然たる事実なのだから。それに加えて祐一は動揺している。
そして、男は消えたまま祐一の背後に移動し、ナイフだけが姿を表わし、攻撃を仕掛けた。

「!」

祐一はその攻撃を避けた。ぎりぎりのタイミングだった。
もし、祐一が朝走っていなかったらかわせなかっただろう。
怪我の功名というべきであろう、祐一は毎朝、登校の際に走り、
体力がクラブ活動をしている生徒と同等の体力を持っているのだ。
そして、なおも祐一は襲いかかるナイフを間一髪のところをギリギリで避けた。
しかしそれでも、男のナイフ攻撃は続いた。そして、ついに薄皮一枚を切った。
今までの攻撃で制服も所々が切れている。そして、攻撃が終わるとナイフも消えた。

「出て来い!卑怯だぞ!!」

男は答えない。答えたところに、祐一はスタンドのラッシュを叩きこむ気だと読んだからだ。

(くそ、やっぱり誘いには乗らないか!)

祐一は分かってはいたが、念のため言ったのだ。これで喋ってくれば、男は俺を嘗めている、と。
しかし、喋らないなら

(完璧なプロか……俺如きに喋る必要が無いかのどちらかだな)

祐一はそう予想をたてた。そして、

(ふん、俺はおまえが初心者であろうと手を抜かない。確実にしとめてこのビジネスを終える)

どうやら前者のようだ。その姿には慢心は無い。
この手の敵は厄介だというが……自分が襲われることになるとは、と祐一は思った。
事実は小説より奇なり。とはよく言ったものだ。

そんな事を考えていると同時に、ナイフが姿を表し祐一に襲い掛かってくる。
祐一は避けながらタイミングを計っている。

(次だ!次来たときに叩きこむ!!)

しかし、男も並ではない。祐一の気配を察知し、攻撃を止めた。そして、ナイフも姿を消す。祐一は

(クソッ、また、消えた!)

祐一はいらついた。絶妙なタイミングで姿を消した暗殺者に……

(なんて感がいいんだ。これじゃ撃ち込むのも至難の技だぞ)

祐一は全体的に自分の見通しが甘い事に今、気づいた。
しかし、男は待たない、なおも祐一を殺すために、ナイフを出し攻撃を加える。
祐一はガードが精一杯だった。そして、またもナイフは消え去った。

(くそ、このままじゃ……俺が疲れたところをやられる)

祐一は焦っていた。このまま長期戦になれば確実にやられる。
認めたくはないがそんな予感を感じてしまったのだから。そして、

(こうなったら、いちかばちか)

祐一は意を決した。そして、

ヒュンッ

目の前にいきなりナイフが現れた。祐一はそれを知覚すると

「オラオラオラオラオラオラオラ」

先程と同等、いやそれよりも速く、力強いラッシュが撃ちこまれた。祐一は

(とった)

と思った。祐一は目の前のナイフを弾き飛ばし、そこにいるであろう男にラッシュを撃ち込んだ。
そこにナイフが出てきた、だからそこに本体がいる。そう思った。いや思いこんだ。
だから気付かなかった。
ラッシュが終わり、そこには塀は壊れ、そこにあった草もほとんど吹き飛んだようだ。

「どう…!」

祐一は右から殺気を感じ、避けた……かに見えたが、肩をかすったため、
中のYシャツは血が滲んでいるだろう。

「く、なんだと!」

(なぜ、横から……スタンドは一人一体じゃないのか!?)

祐一はそう毒づいた。だから、祐一は気付かない。暗殺者は

「くくく」

男の声が響く。傷のためか周りから声が聞こえるような気がする。

「そのナイフはスタンドではない。ただのナイフだ。俺はおまえの考えくらいお見通しさ。
だから、おとなしく死ぬのを勧めるよ」

祐一はただのナイフという言葉を聞いて、怒りを覚えた。

(俺はばかにされているのか?)

と思った。しかし、

(ふん、暗殺用の切り札まで使うとは、意外にやるな)

暗殺者は祐一を誉めていた。しかし、

(これ以上、てこずるとまずいな)

暗殺業は信用問題である。その暗殺業でスタンドに覚醒したばかりの小僧にてこずるなど言語道断である。
男は

(次で仕留める。絶対に)

暗殺者は気合をいれたようだ


一方、祐一は北川が言っていたのを思い出していた。確か…

(相沢…スタンドには各々に能力がある。俺の場合は、熱を操るんだ。
お前の能力はある意味、規格外だが……
それでも、相手は自分に有利な状況を、そして自分が有利にする道具を使って攻撃してくる。
それに、はまったら勝ち目は薄くなる。
できればその前に相手の能力を見極め、それを封じて攻撃するんだ。難しいだろうがお前なら出来る)

と北川の言葉を思い出していた。祐一も実際にできると思っていた。
しかし、実際のところは現在のとおりだ。

(言うは易し……か。だけど、聞いてなかったらもっとパニックになっていただろうな)

祐一はぼんやりと考えていた。壁を背にして

(相手がどうやって、消えているのかは知らない。
だけど、あれはナイフだ、壁を背にすれば後ろからは攻撃できない)

そう判断した祐一は壁を背にした。

(横からなら……俺のスタンドのスピードで止められる。さぁ、勝負だ!)

祐一は止まって待った。いつ来るかは分からない。だが来てもスピードなら負けないはずだ。
そう予測しての行動だった。止めたらラッシュをかます。それが作戦だった。
そして、1分ぐらいだろうか。刺客は塀に登っていたのだ。

(死ね!始めての戦闘にしてはよくやったと誉めてやろう)

男はナイフのみを出し、祐一に突き立てようとした。しかし、

ドカッドカッドカッ

突如、飛んできた物に当たり吹き飛んだ。飛んできたものの正体は……

「なっ!塀だと!!」

そう、飛んできたのは先程祐一が壊した塀だったのだ。それが、かなりのスピードで飛んできたのだ。

「ふぅー、間に合ったか。念の為、能力使っといて、よかったぁー」

祐一が呟いた。どうやらこれが祐一の能力に関係しているようだ。男は祐一を睨みつけていた。祐一は

「やっと、捕まえたぜ。もうこれで透明にはなれないだろ」

祐一は、子供のイタズラが成功したかのような笑みを浮べながら言った。

「確かにな、てめぇの攻撃のせいで血が出てきやがるからな」

確かに、体を透明にするのは可能だ。だが、体から離れる血は透明化できない。
男の口調が荒い。つい先程まで追い詰めていた、素人のような少年。
しかし、その少年に透明の能力を潰されたのだから

「なぜだ。なぜ、貴様は透明化の秘密を知っている?」

「知っているわけじゃない。
ただ、俺の親友が、スタンドは自分の体は確実に能力が作動するが、
体の外にあるものとかには効果が無いときがあるんだ。と言ってた。要するに賭けたんだ。
それに俺は勝った」

祐一は北川の教えを聞いていた。それに賭けた。ただそれだけだった。

「く、くくく」

男は笑った。笑っている。祐一は怪訝な顔をした。

「く、くははははははは!」

なおも笑いつづける男。

「おい、狂ったのか?」

祐一は心配そうに話しかけた。男は

「いや、なに。そんな事でこの俺の能力が破れたからな。おかしくてな」

男はそう言った。
しかし、今までどこか、祐一の事を嘲っていた目が、態度が、無かったかのように消えていった。
その目は細められ、狩人の目になっていた。

「遊びは終わりだ!貴様を狩る!!」

男が消えた。祐一はその一瞬で背中に殺気を感じ、しゃがんで避けた。
そこにはナイフを持った男が立っていた。
祐一は一瞬で背中に移動した事を考える前に次の攻撃を避けた。流れるように続く連撃。
その攻撃は流水の如き動きだった。なんとかスタンドで手元を攻撃し、軌道を変化させながら、避けていく。
しかし、祐一はついに攻撃を加えようと男に攻撃をしかけた。しかし、全てかわされた。

「なに!」

前述したように、祐一のスタンドのスピードは北川のスタンドと同じかそれ以上に速い。
それを苦も無くかわされたのだ。かわされた攻撃は周りの地面や壁を抉っていく。
それほど広域に攻撃したのに、一発として当たらなかったのだ。

「ふん、驚いたか?」

祐一の驚愕を見ながら、男は抑揚の無い口調で話しかけてきた。

「なぜだ、なんでそんなに速い?さっきまでは…手加減していたのか!?」

「違うな。さっきのは暗殺用の能力『スタッブモード』!そして、これは!」

男は消えた。そして、

スパン

祐一の横にある電柱が斬れた様だ。祐一はその電柱に近づいた。

「こ、これは!!?」

祐一は驚愕した。斬った電柱の切断面は滑らかだったのだ。それに、その前の動き。
祐一は見えなかったのだから。

「そう、これが、『キラーナイフ』の1対1用の能力『デュエルモード』だ!」

祐一は、この台詞を聞き後悔した。スタッブモードの時に倒しておけばよかった。と
しかし、祐一は

(切り替えろ、気持ちを切り替えろ!切り替えないと死ぬ!!)

祐一はこの闘いで、精神の切り替えを学んだようだ。この吸収力、祐一は天才だ。
ただし、その天才もその命を終えるかもしれない瀬戸際に立っていた。

「最終ラウンドだ!行くぞ!!」

TO BE CONTINUED

後書き
作:第2話完成と祐一君のスタンド初戦闘記念(ドンドン、パフパフ)
祐:しかし、のっけから強いぞ
作:暗殺用の能力者は書いときたかったからな
祐:暗殺用ね……
作:君は次回も戦ってもらう。
祐:まぁ、俺なら楽勝だろ?
作:…………
祐:……おい!まさか…負けるのか!
作:さぁね(含み笑い)……主人公が最初に死ぬ闘い物も珍しいかも……
祐:おい、冗談だろ!
作:この目が冗談に見えるか!!
祐:………こいつ……まじや!
作:わかったならよろし、俺にはセオリーは無い!
祐:や、やれやれだぜ
作:声が震えとるぞ




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