『ジョジョの奇妙な冒険外伝 SNOW MEMORYS
第13話 一時の平和と反逆者の語り』




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祐一視点
彼は起きていた。前日に真琴がスタンド使いに目覚める話しを聞き、
その時に真琴が自分の意思で人を救う事を……
天野の言う通り、真琴は俺より大人なのかもしれない。
そんな成長をしてくれた、真琴が俺にとっては誇らしい。

「起きるか……」

窓を見ると外には雨が降っていた。
少し前まで雪だった、その景色は季節の移り変わりを見せていた。
祐一は……

「名雪でも起こすか……」

祐一にとって最大の難所……ある人は不可能だといった。その荒行を彼は行う。
彼に平和な朝はくるのだろうか……

名雪視点
昨日は凄かったな……
名雪は眠そうな目でそう思っていた。
昨日の戦闘は名雪にとってはかなり衝撃的なものだった。
一歩間違えれば死んでいてもおかしくないほどだった。
しかし、その戦闘が終わって、1日が過ぎると夢だったのかと思えてしまう

「夢……じゃないよね……」

つい口に出してしまった。祐一の癖が移ったのかな?
と考えている。平和な思考のお陰であまりショックを受けていないようだ。
それにピンチになっても祐一なら助けてくれる。そう思っている。
従兄妹の少年は、優しいから……誰よりも優しいから……
名雪はそう思った。それは間違ってはいない……が、逆を言えば彼は命を賭けても守ろうとするだろう。
人の命を……
そこまで考えて、鬱になり、名雪は完璧に起きた。
そして、1日は始まる……

あゆ視点
あゆは考えていた。
昨日から祐一と名雪が何かが変なことに……
あゆが聞いても答えてはくれない。秋子さんが聞いても答えてくれない。
あゆはそんな2人を心配していた。
あゆにとって大事な家族でもある2人……それが悩んでいるのを見るのは彼女にとって辛い事だった。
上から祐一の叫び声が聞こえる。しかし、あゆは聞こえていない。
しかし……

(いつか……話してくれるよね……祐一君……)

彼女は知らない。それは、いつか……ではなく、1日後……つまり明日知ることになる

秋子視点
こちらも悩んでいた。朝ご飯をなににするかではない。
自分の娘と自分にとって甥にあたる……自分にとっては子供同然の大切な人。
彼等はなにかを隠している。

「どうしたのでしょう?」

秋子は悩んでいた。自分の娘が隠し事をする……それは今までで一度も無い事だった。
そして、それほどの悩みを相談してくれないことに、不安を抱いていた。
なにかとてつもないことに撒きこまれた……思わないようにしていた事を頭に過ぎる。
でも……

(いつか……話してくれますね……名雪……)

自分の娘を信じる親……理想の母親がそこにいた。
しかし……この時、既に娘がスタンド使いになっている事を彼女はしらない。
そして、秋子も既に自身がスタンド使いだという事を話していないのだ。
その事は近いうちに知ることになるだろう。

香里視点
優等生な彼女は朝も早い。
早いうちに髪を整える。彼女はこの天然の髪型がコンプレックスだったりする
名雪のようにストレートな髪に憧れる。
そして、その母親であるあの人にも……

「ふぅ……」

彼女の溜め息。これは髪の事ではない。
昨日の出来事だ。あれが夢だと思いたい。しかし、あの痛みは現実そのものだ。
それが分かっているために、彼女は溜め息が出る。

不安だ

彼女の思考はそれに絞られている。あんな危険な目に遭いたくないが、それでも闘うしかない事が分かる。
栞を守る……これが、今の香里の全てだから……

栞視点
昨日から姉は変だった。いつもは栞に勉強を薦めたりするが、昨日は何もしていないのだ
なにか悩みがあるのかもしれない……そう思った。
昨日こっそり覗いて見たが、その表情はかなりの悩みを抱えている。そんな顔だった。

(祐一さん達と喧嘩でもしたのでしょうか?)

栞はそう思ったが、確信が持てない。
もしそうなら、相談をしてくれるはずだ。よって除外していた。
しかし、姉に友人関係以外でここまで悩むかといえば、考えられないのだ。
例外があるとすれば、自分の事……だが、それを苦しめた原因はもうないのだから……

(もう……お姉ちゃんはあの頃のお姉ちゃんじゃない……だから、話してくれるよね?)

栞の問いかけは誰に向けたものか……
姉の悩む原因は明日分かってしまうだろう……運命はどう動くのか……

真琴視点
真琴は朝の一時を満喫している。といっても……

「真琴ちゃん……おじさんに朝ご飯を恵んでくれてもいいじゃないか!」
「あうー!それは私の!」

と朝ご飯をめぐっての、壮絶……本人にとってはだが……
傍から見ると、ばからしくてしょうがない光景だ。現在、争っているのは卵焼きだ。
そう、他人から見るとばからしいのだが、本人がまじめなため余計に笑いが取れてしまう
真琴は自分がスタンド使いになったことを後悔しない。
元から、人と違うため、今更なのだ。逆にこの能力があれば大事な人を守れるという利点がある。
それが真琴を安心させているのだ。
それはともかく……

「あー!それは私のって言ったのに!」
「早いもの勝ちだ!」

……誰か、止めてやれ……

美汐視点
朝から賑やかな事です。外は雨なのに……
美汐が朝一番に思った事だ。この2人の平和なときは、精神年齢が互角なのでしょう。
と思う。仕事などをしている時は、精神年齢が高くなるのですが、
今の姿を見る限りそんな感じは全然しない。むしろ……小学生並?
無礼極まりないが、今の姿で反論するのは難しい。

(それにしても……真琴はスタンドの事をどう思っているのでしょう?)

美汐の疑問だった。自分がスタンドに気付いたとき、人には無い力だったため、嫌悪したものだが……
少し美汐は考える。もしかしたら……

(真琴は守れる力が出来たから、喜んでいるのかもしれません……)

以前は守られるだけだった、真琴。バイトなどで芽生えた責任感のお陰で、守れる事に対して、
喜んでいるのかもしれない……その考えは当たっている。
真琴のことをよく分かる少女…彼女は本当の意味の親友だ。それはこれからも変わらない

舞視点
祐一が元気だった。
祐一が学校に行く前の日に、舞と佐祐理は祐一に会いに行っている。
元気だった。確かに元気だった。だけど、なにかを隠している。
それがわからない……だから、完璧に安心できない。
もちろん私にも秘密はある。
私の魔物の力がいつでも使えるようになったこと……
このことを隠すのは苦しい事……誰にも……佐祐理にも話していないこと……
いつか話すことが出来るの?
舞の心の疑問に答える事は誰にも出来ない……が彼女も知ることになる。
彼女の苦しんでいる事に、誰もが悩む事に……

佐祐理視点
舞と佐祐理は、祐一さんに会いに行きました。
でも、以前の祐一さんと違います。いえ、そうではありません……
あの目は昔、舞の事を秘密にしていたときの目によく似ています。

「祐一さん……自己犠牲が強過ぎますよ……」

このことを舞がいないときに言いました。
祐一さんは、大丈夫。と返しました。分かってはいないでしょうけどそう言うなら大丈夫でしょう。
そう思う事にしました。
これからも、祐一さんは変わらないでしょう。
あの人は自分が傷付くよりも他の人が傷付く事が嫌がる人ですから……
でも……いつか、話してくださいね……今度は佐祐理も助ける事が出来ます。だって……

「いたっ!」

考え事をしていたら、指を切ってしまいました。お弁当作りの最中に考え事をしては、いけませんね……
舞が声を聞いて、駆け付けました。大丈夫です。と伝えました。
舞はしぶしぶ引き下がりました。確かに、どこにも怪我がないのですから……
ふと、見ると包丁が少し錆びていました……でも、一瞬で錆がとれました。

「あははー。祐一さん、今度は守りますからね」

自分の力で祐一を守る事を決意した。その思いに揺らぎはない。

北川視点
北川潤が起きる……彼も雨が苦手だ。
彼が『矢』に刺された日は、夜に雨が降っていた。
今朝の天気は雨……憂鬱だった。

「………どうするかね?」

ふとボヤク。一人暮らしには慣れているため、その件に関する事ではない。
むしろ、問題は相沢と名雪と香里、真琴のことだった。

(納得したのはいいけど……本当に割り切れたかな?)

不安な点はそこだった。しかし……頭の中では安心していた。
みんな意思が強いという点では共通していたから……
彼は朝ご飯と久しぶりに弁当を作ろうと思い台所に立った。
なかなか、手際が良く、見る見るうちに完成していく。
しかし……弁当のメインであるチャーハンを作るためには基本的に火力が足りない。
そこで……

「ヒートマスター!」

こんな事にスタンドを使っている。ちなみに料理の出来は過去最高のものだった。

???視点
海崎遊馬と荒神を始末した次の日……その日は雨が降っていた。
この地方も最近になって雨になり始めた。しかし、まだ雨は冷たい。
居候先のベランダから雨を眺める。しかし、この雨を見るのがつらい。
この雨で悲しみを流してくれはしない。この雨が怒りの炎を消してはくれない。
しかし、彼には一つ思うところがある。この雨こそ死者の涙なのではないかと……
自然の現象だという事はわかっている。だが彼にはそう思えてならなかった。
だから、僕は雨の日は無性に落ち着きがなくなる。
そして、心の中で

あの男にそろそろ呼び出されれる……

そんな予感がする。当然といえば当然かもしれない。僕達の行動は結構目立つ。
目立たないようにしても目立ってしまうだろう。
現在の状況は良好だ。予定よりかなり早くスタンド使いになっている。
ありがたいことだが、それと同時に罪悪感も芽生える。
以前、そのことに触れたら殴られたが、僕はずるい……
なにも関係がない人物まで巻きこんでいる。
実際のところ、関係があるのは、水瀬秋子と北川潤ぐらいだ。
そのなかの北川潤にしてもなりゆきの行動でしかないのだから…
その北川を許さないのが器量の小ささだ。
だが、あの男は今も君臨する。この街の裏の支配者として……
矛盾だと思うが、器の大きさが彼をいまだに支配者として君臨させている。
僕の反逆に気付いたときあの男はどう思うだろう。
おそらくこう思うはずだ。使えないガキ……と
あの男にとっては使える使えないで物事を決めるところがある。
それは僕が見てきたからよく分かる。
どんなに忠誠を誓っても、ミスをすれば人を疑うのだから……
少し寛大な所があるとすれば、
ミスでもなにかしら有益な情報などを提供できればまたその男を使うことぐらいだ。
僕達の反逆の結末は分からない。だが、なにもしないわけにはいかない。
僕達は勝つ。それが僕個人の復讐だとしても……

「なに黄昏ているんだ?」

この部屋の主だ。僕の反逆に最初に付き合ってくれた男。
この男には感謝の念を抱いている。ずぼらな所もあるが、それを補って余りある広い心がある。

「雨は落ちつかなくてね。僕は今日、学校を休む」
「いいのか?」
「今日は行きたくないんだ。」

彼は心底以外というような顔をした。
当然だと思う。僕自身サボった事は一度もないのだから。

「思うところがあるのなら、別にいいけどな……」
「……すまない……」

僕は本当の意味で謝ったと思う。
こんなに素直なのは何時以来だろう。

「じゃぁ……俺は学校に行くぜ」
「見張ってろよ……」
「なぁに。渚もいるから大丈夫だよ」
「渚にも謝っておけよ……斎藤」
「……てめぇも、雨には慣れろよ…………久瀬……」 

反逆者の名は明かされた。また、これも始まりの一つ……

後書き
作:このままシリアスモードは続行するのかな?
祐:クッ!貴様……後書きだけはギャグモード全開じゃないか!
作:おー……君も復活したか
祐:こ、こいつ!前回濡れ衣を着せたくせによくも……
作:まぁまぁ……押さえて押さえて。押さえてくれればもう一回戦闘シーンを作るぞ
祐:さ!押さえたから後書きをしようではないか
作:はやいなー。それはともかく第一章もいよいよ中盤戦から後半戦に突入予定です
祐:ちなみに予定は?
作:あゆ&栞編で次に舞&佐祐理編、そんでもって秋子さん編、んでもって君と誰かだ。
なお、最初のほうで目覚めた人は出番は少なくなります。
祐:長いな……
作:実はあと一回足そうか迷っているんだ。
祐:がんばれよ
作:……真面目な後書きつまらないから、次回からまたギャグを……(ボソッ)
祐:なんか言ったか?
作:いや……
祐:やれやれだぜ
作:では次回。(次回からギャグ後書き復活だ!) 




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