『ジョジョの奇妙な冒険外伝 SNOW MEMORYS
第7話 危険な恐竜と庭B』
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2人は出口を捜した。しかし……
「どこだ……どこから出ればいい?」
北川達は歩いて、既に10分……一向に出口が見つからない。
彼らは知らないが、『ガーデンズ』の能力だ。これがスタンドだということは区別はついている。
しかし、どんな能力かはわかっていない。
「だけど……このスタンドの能力は?ただ、景色を変えるだけなのかしら?」
それは、北川も考えていたことだ。たしかに景色を変えるだけとは思えないが……
「考えられるのは……3つだ」
「3つ?」
「1つは、このスタンドがあの恐竜とセットの可能性……恐竜を活かすために何もしない事だ……
だから、このスタンドには攻撃能力が無い…………」
ここで言葉をきる。しばらくして
「相沢達に攻撃をしていてそれどころじゃない……これが2つ目……」
「3つ目は……?」
北川は溜め息を吐いた。そして…
「このスタンドが……あの恐竜を倒される事を考えていないため……」
「でも……倒したわよ」
「信頼か……それとも油断か……!?」
北川は後ろを振り向いた瞬間に驚愕の表情を作った。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
「………どうやら……信頼……のようだ……」
北川の擦れた声……それは現状を表わしていた。
ドスン、ドスン
「な!?まさか!!?」
意を決して香里も後ろを向いた。そこにいたのは確かに、あの恐竜だったろう……
大きさといい、足音……そして、威圧感も酷似していた。威圧感に限っては先程より大きいが…
しかし、先程までとは確実に違う……なぜなら、恐竜の姿が先程のものと違うからだ。
具体的には、周りの肉は全て吹き飛び、骨だけだからだ。
もう一度言う。骨だけだ。全ての肉は吹き飛び、骨だけの姿でそこに立っている。
「か、核融合でも倒せないの!?」
香里の絶叫が響く。香里にしてみれば、現時点で……いや、恐らく現代科学最強の攻撃のはずだった。
だが、目の前のD・Sは、肉こそ吹き飛んだが、
スタンドの状態としては、ダメージを何一つ受けていないのに等しい。
現代科学最強の攻撃を耐えたこのスタンドを誉めるべきだろう。
敵だから誉めるわけにはいかないが……
そして、骨だけの狩人はついに2人を見つけた。やはりというべきか、突っ込んでくる。
「ウオッ!!」
「キャッ!!」
先程とはスピードも迫力も違う攻撃。少し前の攻撃に目がなれていたため、かわしきれなかった。
「さ、さっきと攻撃のスピードが違うわ!!どういうことよ!!?」
「周りの肉が無いからじゃないか……」
北川もウンザリとした調子だ。あれだけ叩きこんで倒せない敵は、彼の闘いの記録の中にもちょっと無い。
しかし、その分ブレーキという概念が無いのか……大分先まで、奥に突っ込んでいった。
「……肉があるときより、ばかになってない?」
「…………かもな…………」
ここで補足しよう。2人は知らないが……この本体である、荒神は精神が半分壊れている……
が、一応仲間は判別する。まぁ…仲間であろうと邪魔をすれば殺そうとするが………
話しが逸れたが、ここでネタをばらそう……
この骨の恐竜の姿をしたものが、スタンド『デンジャラス・ザウルス』の本体だ。
では……周りの肉は何を表わすか……
それは、人間でいう理性だ。
精神の具現化した姿……精神が崩壊しかけている、荒神の精神を忠実に再現しているのが、
この『デンジャラス・ザウルス』なのだ。だから、一応は薄い理性だが、理性には違いない。
その理性を剥ぎ取ったのが……先程の核融合だ。
そのため、肉が完璧に無いため、スピード、迫力……そして、殺気が先程より大きく上回っているのだ。
「もう一回……核融合できる?」
「できるけど……!?」
香里の言葉を遮り、D・Sは足を高く上げ、そして地面にその足を叩きつけた。
ズズゥゥッゥーン
叩きつけた足から、地面が割れた。そして、その攻撃は二人の位置を大きく変えた。
その亀裂を中心に2人は左右に分かれる。そして…北川に向かって突っ込んできた。
「お、おれか!?」
北川の絶叫。ちなみに香里のスタンド、マクスウェルは一瞬で能力を発動させる事ができない。
約1秒かかる。攻撃を受けていないときならば問題は無いが、戦いにおいてこの1秒は大きい。
さらにいえば、生物に対しての直接的な攻撃の発動はできない。
しかし、幸いな事にスタンドには制約が無い、直接能力の発動を送る事が出来る。その時間も約1秒だ。
しかし……戦闘不足は露呈した。突っ込むD・Sに一瞬気を取られた。
その間に、D・Sは北川の射程距離にまで到達した。
北川のスタンドは近距離型だ。その射程距離ならば、間違いなく爆発に巻きこむ。
このスタンドは本能でそれを察知した。だから北川に狙いを絞った。
「く、クソッ!!」
北川のラッシュ。しかし、微妙に、骨に隙間があるため、当たりづらい。
結果、2、3発当てただけだった。当然、吹っ飛びもしなければ、よろめきもしない
。
当たったところは、熱で溶けてはいるが、あまり効果はない。
ブオッブオッ!!
突如として二本の腕からの連撃。
片方はガードできたが、ニ撃目はガードできず、まともに当たり、木に衝突した。
衝撃が胃を活発にさせ、危うく嘔吐するところだったが、なんとか耐える。
「ゲホッ!ゲホッ!」
口の中も切ったのか、血の味が口に広がる。
北川が避けれない理由として、先程までの攻撃の速度に目が慣れているために、
それ以上の速度が避けきれなかったというのもある。
しかし、それ以外にも傷も負い、その上先程まで全力で戦っていたために、
もうスタミナもあまり残ってはいない。
そして、D・Sは近づいてきた。
(や、やばいッ……う、動け!)
体の力を振り絞る。
が、それよりも速く、D・Sの足は北川を踏み潰すべく、足をあげた。
その瞬間
ボッ!!
D・Sは突如燃え始める。D・S自体、意味がわかっていない。
北川も詳しくは分かっていない。分かっているのは、火がついたところは先程、殴ったところだ。
「これで……終わりよ!」
香里の勇ましい叫びと共にD・Sは苦しんだ。
話しを少し戻り、
(このままだと……北川君が死ぬ!)
これは予感ではなく、確信だった。通常の状態ならともかく、今の北川は間違いなく満身創痍だった。
(……あの恐竜が北川君の方向に行くかはともかく……このままだと、核融合を行えない)
前述したとおり、このままだと北川も巻きこんで爆発を行う。それだけは避けないと行けない。
(考えなさい……私の能力は元素を……元素!?)
この考えは、恐らく最後の賭けだ。失敗すれば敵を倒す手段が無くなる。
しかし、北川の体力を考えて、もう時間が無い。
敵のD・Sはスタンド……だから1秒で能力は発動する。
(一か八か!どうにでもなれよ!!)
そして、能力の発動寸前、D・Sが北川の攻撃に近づくのを見た直後、香里の能力が発動した。
「ギャォォォォォォ!!??」
骨の一部が燃え、狂った如く雄叫びをあげる一匹の恐竜。
北川潤は、周りの植物にも火が回るかも…と場違いな心配もしていた。
そこに、
「名前は知らないけど……あんたのカルシウムをリンに変えたわ!これで、終わりよ!!」
リンは発火温度が低い。そのため、北川の熱で発火した。これがタネ明かしだ。
まだ全身は燃えていないが近いうちに燃えるだろう。
カルシウムのかわりにリンで骨を構成しているのだから。このままなら灰になる。
「ギャ、ギャォォォォォ!!」
炎に包まれながらも動く、D・S。しかし、所々灰になっている。そして……
全ての骨が灰になる。
「北川君……トドメをお願い……もうほとんど動けないわ……
貴方のスタンドなら、確実にトドメをさせる……灰を蒸発させて」
香里は念の為、完璧にトドメをさすように、指示した。
そして…
「わかった……ぜ!ドラァ!!」
灰にヒートマスターを叩きこみ、蒸発した。
「つ、疲れたぁー」
北川の台詞は現状を表わしていた。長く、そして困難な闘いは終わった。
北川潤
疲労、全治1週間の怪我を負う。
美坂香里
疲労、そして軽傷
荒神
??????(不明)
祐一&名雪SIDE
北川たちがD・Sと闘いの最中、祐一達も戦いは始まっていた。
遊馬が消えた直後から、祐一は周りの様子に気を配っていた。
(……どこだ……どこからしかける?)
祐一の真面目な顔。普段なら見惚れているだろう名雪だが、現状は未だに悪い……
しかし、名雪の後ろにふよふよと浮いた、妖精と形容したくなるような……スタンド…だろう、
恐らく……がいた。
周りを見ると、既に電柱が倒れていたり、ガラスが散らばり、
さらには普段は見ない大きい石も転がっている。
話しは5分ほど前に遡る。
5分前
「遊馬……だったか?どこからくる?」
祐一は気を配る。遊馬が消えて約2分。祐一はいつ攻撃がきてもいいように、周りへの気を配っていた。
「祐一……大丈夫?」
名雪は心配そうに声をかける。祐一は言葉こそ返さなかったが、名雪の頭に手を乗せた。
その暖かさに安堵するが、その直後
ボキッボキッ!
どこかで何かが折れる音がした。祐一と名雪は音が聞こえた方向に振り向くと、
いきなり電柱が倒れこんできた。
「オラオラオラァ!」
祐一のスタンド『リトルミラクル』が倒れてくる電柱を粉砕する。
その威力は瞬く間に電柱を破壊する事から判断できる。
一方
「わ、すごいね。祐一。」
どこか気の抜けるような感想を名雪はいった。祐一は疲れを感じたが、それは錯覚ではないだろう。
「頼むから……気の抜けるようなこと言わないでくれ……」
しかし、祐一の懇願はあっさりと無視され、
「だけど……危ないね」
祐一は悲しくなったが、気を取りなおした。
「あいつが……遊馬がこれを操っているんだよ!」
(そして……命令したのに、なにも反応が無い。この電柱もスタンドだ!)
まだあまり現状を理解していないが、今現在わかっていることはこの事ぐらいだ。
祐一のスタンド『リトルミラクル』はスタンドには発動しないのだ。
発動すればこれは現実の物……あるいはそれに近いものであるという証明になる。
しかし、発動しないということはこの電柱がスタンドであるということだ。
一方の名雪は少し悲しそうな顔をする。
「なんで……こんなこと……するんだろうね…」
「……わからないけど……ここで俺達は死ぬわけにはいかない…そうだろ?」
「そうだね……だけ……!」
パリィィィン!!
突如として、近くにある窓ガラスが全て割れ、それがなぜか、祐一達に降り注ぐ。
周りの建物はあまり高くないが、それでも祐一達より高いところからガラスが降ってきた。
ガラスは凶器になる。
祐一は
「逃げろ!!」
2人は一目散にその場を離れる。
さすがに全ては避けきれないと判断した祐一は名雪に当たりそうなガラスを判別し、
それは自らのスタンド『リトルミラクル』で弾き落とす。
しかし、祐一には防御手段がなく、ガラスで腕を多少切っていた。
「く……傷をふさげ!リトルミラクル!!」
祐一は自らのスタンドで傷口を殴った。そして、約2秒後、祐一の傷はふさがれた。
しかし……
「今の行動……将さんの時は、何かを飛ばしていたと報告があるが……しかし……今の言動……」
突如として遊馬の声が響く。そして、それを聞き祐一は焦る。
「な!?おまえは心が読めるのか!?」
祐一は先程の命令を心の中で思ったことなのだ。それが読まれ狼狽した。
しかし……それは味方に一蹴された。
「祐一……喋ってたよ……」
「ぐ、な…なんでこんなときに……」
祐一は自分の癖がこんなときに発動するとは思わなかったらしく、ショックをうけた。
遊馬は聞いていないが……
「今の言動からして……お前の能力は命令するのか!命令した事を忠実に再現する!
それがお前のスタンドの正体か!?」
遂に……というか、自爆だが祐一の能力は敵にばれた。祐一は図星をつかれて、焦る。
遊馬の姿無き声は、どこかは分からないが響く。
「ふん、しかし、どうやら発動は遅いようだな!それならば問題はない!!」
そして……
ヒュッヒュッヒュッ
突如として、地面に転んでいた石が、浮かぶ。そしてそれは前方だけではない。
後ろにも……そして、左右にも石が浮かぶ。四方から石を弾丸のように飛ばすようだ
まともに当たっても死にはしないが、怪我は保証されるだろう。
が…
「おい……俺を嘗めてないか?いくら全方位とはいえ…これぐらい防御できるぞ」
確かにこの程度の数なら……全てとは言えないが、大きいものを判別でき、それを防御するだろう
しかし…
「そういえば……今日のお前は一人ではないよな……」
遊馬の忠告。それを聞いた瞬間……祐一は名雪の方を向いた。
祐一と名雪の距離は約5mほど離れている。
その距離は石に名雪を当てるのには充分離れている。
「しまった!!」
「もう遅い!くらえ!!」
どこからか響く遊馬の言葉と同時に、祐一は名雪のほうに向かった。
それと同時に、石は一斉に名雪の方向に向かっていった。
かなり正確な射撃。四方からの銃弾の砲撃と同じ様な迫力がある。
祐一は
「オラオラオラオラ!!」
まず右と後ろから向かってくる石を全て叩き落し
「オラオラオラァ!!」
次に名雪の左から跳んでくる石も防御する。そして、正面から向かってくる石を全て防御した。
ヒュッ!
と思われたが、正面から防御したと思われた石の後ろから、今までの石よりかなり大きい石が飛んできた。
その石は尖っていた。
そんな石が正確に名雪に向かい飛んできた。祐一は
「オラァ!」
左手で弾こうとした。しかし
ヒュッ!
突如としてその石は祐一に向かい方向転換した。まるで意思があるかのように
(!?)
祐一は不意をつかれた!このままでは確実に心臓を貫かれる。
始めから祐一に狙いを定めていたのだ。
現在、名雪にスタンドを使う気配はない。
その名雪を後に始末することに既に遊馬のシナリオでは決まっていたのだ。
この相沢祐一は他人を見捨てられない。そう見込んだ遊馬の作戦勝ちだ。
祐一は驚愕の表情だ。現在の状況を理解が追いつかないのかもしれない。
しかし……ここで誤算があった。
名雪は石の大群が宙に浮いていたとき、祐一が攻撃されると思った。
名雪は、祐一を助けたい!と強く願った。
その結果……名雪は無意識のうちにスタンドを発現させた。跳んで来た石を祐一は全て防御した。
その後に、名雪のスタンドは姿を表わした。
その後祐一に向かっていると思われた尖った石を名雪のスタンドは防御した。
シュッ!バチィ!!
名雪は尖った石を、そのスタンドから出ていた木のツルで弾いていた。
祐一は状況がわからなかった。
しかし、すぐに自分の命が助かった事を知る。
そして、名雪の近くに見える妖精のような……かわいらしい容貌をした……恐らくスタンドだ。
を見て、驚いた。
「な、名雪の…スタンドか?これが……」
祐一の声が擦れた。そして、名雪は自分のスタンドを見て
「わ、びっくり」
いつも通りの反応だった。祐一の体が脱力したのは言うまでも無い。
TO BE CONTINUED…
スタンド解説
マクスウェル
破壊力 A スピード C 射程距離 C(10mぐらい)
持続力 B 精密動作性 E 成長性 D
能力
元素を操る。しかし、生き物などに直接的に攻撃はできない。(スタンドには可)
元素の変化及び組替え
元素を重複及び減少、結合させることで、様々な事象を起こす。
エネルギー転換
元素のエネルギーの転換。(例 水素などを氷にする。)
直接攻撃はあまり得意ではない。
デンジャラス・サウルス
破壊力 A スピード E 射程距離 A
持続力 A 精密動作性 E 成長性 C
能力
生きているものを襲う恐竜型スタンド。
肉を纏っているが、実体は骨である。
肉を取ると凶暴性が増す、恐ろしいスタンドである。
スピードはあまり無いが、その迫力のせいか実際には速く見える。
なお、本体である荒神の精神がいかれているため、スタンドの封印を海崎遊馬が行っている。
後書き
祐:あの恐竜…すごい強いな
作:そうだな…それ以前にここまで話しを引っ張るとは思わなかった
祐:でも、絶対に味方向きのスタンドじゃないよな
作:お前等の中にここまで精神いかれたやついないだろ?
祐:いたら困るぞ
作:というか普通はそんな奴には近づかないぞ
祐:それにしても、香里のスタンド強いな
作:まぁな。でも君達なら近づけば勝てるよ
祐:近づけないと?
作:この前の二の舞だ(ジョジョ5話の後書き参照)
祐:あれ……めちゃくちゃ痛いんだけど…というか死?
作:かもな
祐:そういえば……香里と北川はくっつくのか?
作:決めてない(きっぱり)
祐:それぐらい決めろ!
作:ごもっとも。でもこの話題は無し。この話しから香里は気があるということで…
祐:そうか。でも核融合なんて、今回しか使えないような気が…
作:確かに(笑)、使えば町が大騒ぎだな
祐:どうするんだ?
作:まぁ…氷にもできるし…香里のは使いやすいし…
祐:やっぱり……奴隷にするスタンドのほうがよかっ……ハッ!
香:死にたいようね……相沢君……
祐:カタカタカタカタ(震え)
香:そう……作者さん……連れて行くわね(ニヤソ)
作:い、イエッサー、香里様!!(ビシッ)
祐:イヤダーーー!!!!
香:うるさいわよ……相沢君……
ボゴッ!!
作:あ、あのー……後頭部に煙が……
香:…………死にたい?
作:とんでもございません!!(敬礼)どうぞお連れしてください!!!(最敬礼)
香:ありがとう……うふふふふふふふふっ(去っていく)
作:死ぬなよ……次回は現在出ているキャラの設定をつけようと思います。キャラは
祐一(故人(笑)、北川、名雪、香里です。で……ん?地面に……
やれやれだぜ。
作:祐一よ……そんなことに能力使うなら逃げろよ……
この前も〜同じ事書いたと思うけど〜作者は何も見ていないし〜聞いてないよ〜
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