『北の高校生の非常識な日常 第一話』
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○ この話は原作の過去の悲劇は起きていません。
○ ONEも出てきます。
○ 能力もいろいろ出てきます。
○ ついでにオリキャラも出ます。というか基本的に男が目立ちます。
○ 以上の設定が嫌な方は読むのをやめるのをお奨めします。
「――様、どうします。――――ればなり―――――。」
一人の男が10歳くらいの子供を連れ、老人に話し掛ける。
「この―――に――はありません。」
「…――に罪はない。生かせ」
「しかし…」
なおも食い下がる男。子供は下をみている。何を話しているのか、わかっているのかもしれない。
「ならば、―――ではなく、――家に行かせろ。それなら良かろう。」
「……御意」
男は不服そうだが、当主の命令ならばと、仕方なしに頷いた。男は出て行き、子供が残った。
子供は顔を上げた。それを老人は見てからこういった。
「こちらにきなさい。」
子供は近づいた。そして、抱きしめられた。
「すまん。おまえを守れなかった。」
それを聞き、子供は首を振った。子供は知っていた。
この人と、遠い北の街にいる叔母たちは自分を愛していてくれたと。
「そうか、許してくれるのか。」
こくんと頷いた。
「おまえの名は変わる。あちらでは、きっと優しくしてくれるじゃろう。
しかし、辛ければ、いつでも会いにこい。わしはいつでも待っておる。」
また頷く。
「この先おぬしの名前は……」
子供はじっと見つめ聞いた。そして
「相ざ「朝〜、朝だよ〜。朝ご飯食べて学校行くよ〜」」
相沢祐一は比較的寝起きはいいのだ。そのため夢を見るほど熟睡していても、起きてしまうのだ。
だが、さすがにタイミングが悪すぎて、少し機嫌が悪いようだ。
「……あの時の夢か。」
頭の中はどうやらすっきりしているようだ。
「何で今ごろ見るんだろうな。」
その後、何分か考え事をしていたら水瀬家の朝の洗礼が鳴り響いた。
そう、名雪の目覚ましだ。
ジリジリジリー ピロピロピロ バリバリバリ メキャメキャ グシャグシャ
ウッギャー おがぁちゃーーん 血がー
…目覚ましかどうか怪しいのもあるが。とりあえず名雪の部屋へ向かった。最近はノックさえしない。
しても無駄だからだ。
「なんで、毎朝毎朝、こんな苦労をせにゃならんのだー!」
と叫びながら、目覚ましを器用に止めていた。習慣とは、本当に恐ろしいということを、実感していた。
それと同時に先ほどまであった暗さもほぼ無くなっていた。
「さて、どうやって起こすか」
「お困りですか」
「秋子さん、おはようございます。」
祐一の後ろに秋子さんがいつのまにか立っていた。だが、祐一は気付いていたため、驚かなかった。
シュッ
キィィィィィン
「また、腕を上げましたね。祐一さん」
「いやいや、まだまだですよ。」
などとにこやかに話していた。一般人からしたらかなり驚く光景だ。なにしろ
秋子さんは包丁で首に攻撃をしかけたのを、祐一は見もせずに日本刀で防いでいるのだから。
秋子さんは包丁をおろし、名雪に近づいていく。
「冗談はさておいて、名雪を起こしましょう。」
(冗談でこんなことしないでほしい。)
と内心思っていたが、口には出さない。このことを以前いったら
(一部の人にしかしませんよ)
と言っていた。それを聞いたとき祐一は苦笑していた。そして
(ま、いっか)
という、投げやりな感想しか思い浮かばなかった。投げた槍がどこにいったか本人にさえわからない。
「名雪、起きなさい。」
と優しい声で起こしていた。包丁で切りつけた人とは思えない平和な光景だ。
だが、平和はあっさり破られた。
「く〜、お母さんの邪夢の原料は…」
などと、のたもうた。
ピシッ
という音がしたような気がした。すでに祐一は逃げている。素早い行動だった。
「ふふふ、名雪にはお仕置きね。」
オレンジ色のジャムを、いや邪夢を取りだし、名雪の口に突っ込んだ。
「だおーーーーーーーーーーーーーーーー」
断末魔の叫びが木霊した。
「危なかった。あと少し逃げるのが遅れたら、やばかった。」
祐一は居間でくつろいでいた。包丁より邪夢のほうが怖いようだ。
ふと、周りを見渡してみると、
「そういや、あゆはどこだ。」
「あゆちゃんなら、もう学校に行きましたよ。」
「………」
固まっていた。気配がわからなかったのだ。俺も邪夢のえじきになるのか。
と思いながら、どう逃げるか真剣に考えていた。
そして、その方法は
「ははは、秋子さんなんでこんなに早くあゆは家をでたんですか。」
笑ってごまかすという方法に出た。内心、確立は五分五分かと計算していた。意外と冷静なようだ。
「星崎君と一緒に登校したいようですから」
星崎とは男子陸上部のホープとして有名な生徒である。そして、現在あゆと付き合っている。
二人とも奥手なので祐一たちのからかいをよくうけている。
「おっ、ついに自分から誘い出すことが出来るようになったか。」
といっているが、うれしいらしく、顔は笑っている。
「ふふふ、そうですね。苦労してましたからね。」
「そうですね。…ってなんでそのことを?」
「企業秘密です」
いつもの台詞で追及はできなかった。
そう、あゆたちが日曜日にデートしたときに、俺、浩平、北川の3人は尾行していたのだ。
ちなみに経費は会長の久瀬と生徒会の会計係にだしてもらった。
いろいろと策を施したが、想像以上の奥手だったので、使うまいと思っていた最終手段を使う事にしたのだ。
二人が最後に乗ったのは定番の観覧車(俺が最後に乗れといった。)。
そこで、俺達は観覧車のコントロール室を強引に占拠し、回転を止めたのだ。
そして、コントロールを浩平にたくし、俺と北川は、観覧車のフレームを登り、
二人が乗っている観覧車を揺らしたのだ。
二人はバランスを崩したため二人の距離は抱き合うくらいまで近づいたのだ。
その後キスをしてデートは終わった。作戦はまぁ、成功だったのだろう。
そこで終われば平和だったのだが、騒ぎを起こしたのが久瀬にばれて、説教をたっぷりもらってしまった。
「そういえば、祐一さん。」
「はい?」
祐一は秋子さんの声に反応して、現実に戻ってきた。
「今日は、どうしたんですか。ちょっと元気無いですよ。」
「……ちょっと夢見が悪かったんですよ。」
と答えた。実際、嘘では無い。
「じゃ、学校に行きます。」
「…はい。それと名雪は今日、学校にいけませんと伝えておいてくださいね。」
「………わかりました。」
俺は、名雪の冥福を祈った。
(まだ、死んでないんだおー)
なにか聞こえたが無視だ。
(祐一、イチゴサンデーなんだおー)
無視といったら無視だ。
「さあ、学校にいこう」
玄関を出たのを見送ると、秋子さんはポツリとつぶやいた。
「祐一さん…あなたは、まだ過去に縛られているのですね。」
いつもは、走っている学校までの道、いつもはただ走るだけの道、それが
「ああ、歩いている。なんで歩いているだけなのに、こんなにも幸せを感じてしまうのだろう。」
と、彼は、幸せを感じていた。どうやら、朝の夢を悩むのをやめたようだ。
「毎日、こんな感じだといいのに……無理だな。」
彼の脳裏に、爆睡イチゴシャンキーの顔が思い起こされた。
この平和も、今日一日でこの幸せは終わるだろうと痛感していた。悲しいが事実なのだ。
だからこそ、今日だけはこの幸せをしっかりかみ締めようとすることにした。
そのまま、何事も無く学校に到着した。
いつもなら、もっと騒動が起きるのに。とおもったが気にしないことにした。
教室に到着し、彼を迎えたのは、教室の生徒全員のざわめきだった。
北川や香里など、驚愕を隠そうともしなかった。
「美坂、今日は吹雪かもしれん。学校終わったらとっとと帰ったほうがいいぞ。」
「そうね。栞にも伝えないとね。」
「うぐぅ、ちょっと失礼だよ。香里さん、北川君。たまにはこういう日もあるよ」
などと、言っていた。頬が引きつるのを感じたが、なんとか自制した。
それとあゆ、あまりフォローになってない。
「今日は、名雪がいないからだよ。でなかったら、こんなに早くこれねーよ。」
と不機嫌そうに話した。話を聞いて納得したが、別の疑問がでてきた。
「じゃあ、なんで名雪がいないのよ。」
当然の疑問だった。祐一は簡潔にこたえた。
「邪夢がでた。」
ぴしっ。香里とあゆ、そして北川が固まった。北川も食べたことがあるのだ。
「そうか、もういいこの先は話すなよ。」
北川が早く戻ってきた。流石だ。香里はショックをうけている。あゆなどうぐうぐいっている。
二人は当分戻って来ないだろう。ふと、祐一は周りを見渡した。
「そういや、悪徳生徒会長と超危険人物はどこだ。」
「多分、久瀬と龍二のこと言ってんだろうけど、危険だから、そのあだ名はやめたほうがいいぞ。」
「事実だろう。あの二人はその名前で十ぶ…。」
「なにが十分なんだ。」
と祐一の後ろから、怒気がわかりやすいほどの声を出している男がたっていた。
この男こそ超危険人物、石神龍二である。なにが危険かというと、
「とりあえず、首においた剣、しまってくれないか。」
そう、この男は人の命を考えずに剣をふるうのだ。俺とちがってな。俺は考えて振るう(おい)。
遅れて、久瀬も入ってきた。
「おい、やめろ、龍二。」
と北川が言ってくれる。いいやつだ。しかし、やめようとしない。
「殺すんだったら、後でやれ。今はまずい。」
…前言撤回。しかし、
「除草は速くやらないと、意味が無い。」
と言い、彼の提案を却下した。
「助けろーーー。」
「やだ。俺死にたくないし。」
薄情なやつだ。本気で死を予感したが。
「やめてあげたまえ。彼は有能だからね。」
と久瀬が弁護してくれた。龍二は「ちっ」と悔しそうな声を出したが、やめてくれた。
「助かった。ありがとな。」
珍しく素直に礼をいった。が、帰ってきたのは素晴らしい返答だった。
「死ぬなら、卒業後に死にたまえ。」
ありがたすぎて涙が出てきた。だが、彼はこの程度でくじけるような人間ではなかった。
というか、考えないことにした。
「だが、久瀬、なんでこんなに遅い?いつもならもっと速いだろ」
「ああ、ちょっと仕事でね。本当はもっと速く終わる予定だったが、一人手伝いもしなかったからね。
おかげで遅くなったよ。」
久瀬は目線を龍二に向けたが、龍二は完璧に黙殺した。が額に青筋が浮かんでいる。
「でも、いったいどんな仕事なの。」
と絶妙なタイミングで香里が聞いてきた。どうやら復活したようだ。
「ああ、このクラスの問題児5人のうち3人に関係があるな。」
ピクッ
不覚にも反応してしまった。(遊園地の一件のことだ)
香里が反応してしまった2人に気付かずに更に質問する。
「ええっと、問題児というと、石神君、相沢君、折原君、北川君、…名雪かしら。」
「そんなところだ」
と龍二が肯定した。一応自分が問題児という自覚はあるようだ。治す気もなさそうだが。
逆に祐一と北川は
「「ちょっとまて、北川(相沢)はともかくなんで俺まで、」
と反論した。
「自覚無いのか。」(龍二)
「自覚が無いのかい」(久瀬)
「………」(香里)
と二人にきっぱりと言われ、香里に哀れみの視線を貰った二人はこれ以上の反論ができなかった。
「話を元に戻すけど、いったい誰が…」
「そこの馬鹿二人だ。」
と龍二が、香里の言葉を遮って、祐一と北川を指差した。
「正確には、あと折原君だけどね。」
と久瀬は補足した。香里は二人を見て、
「なにしたのよ。」
「「聞くな」」
簡潔な問いに簡潔な答えだった。呆れたように溜息をつくと、
「どうせ、馬鹿なことしたんでしょ。」
「「………」」
二人はぐうの音もでなかった。
しかし、祐一は今日で何度目かの鞭をいれた。
(これ以上攻撃されると死んでしまう。)
すでに、精神に大ダメージをうけているのだ。これ以上うけるとまじでやばい。
祐一は、これ以上の会話をやめよう。と思い強引に話を切り上げた。
「そ、そういえばあとは、浩平たちぐらいか。」
と周りを見渡しながらそういった。見ると大部分の生徒はすでに登校している。
「あいつらだから、遅刻はせんだろう。」
と、龍二が言った。見ると全員が頷いた。とふと思いついたかのように
「あゆ、いつのまにそこにいた。」
「うぐぅ、最初からいたもん。」
祐一は、せめてもの気晴らしにあゆをからかっていた。しかし、
「忘れないうちに言っておこう。相沢君と北川君、
そして今はいないが折原君は放課後、生徒会室にきてくれたまえ。」
「…そういうことは、昼休みに言ったって…」
「昼休みにいうと、栞君に邪魔をされるからな。今、言っておく」
(寒いので、生徒会室を昼休みにみんなで利用しているのだ。理由は一つ、暖房がある。)
「……」
なにも言い返せない祐一は、机に突っ伏した。そして、
(今日の授業は何があろうと、全部寝る。)
と固く心に決めたようだ。
なお、浩平達が到着したのは、ぎりぎりだったと明記する。
続く
登場人物紹介
相沢祐一
日本刀「冬華」を持つ少年。
性格は原作とほぼ同じだが、命があればそれでOK。と思っている。
よく刀を振るう、龍二のことを出すが所詮、五十歩百歩だということに気付いていない。
容姿は女顔の美形で、学校でももてている。しかし鈍感であるため気付いていない。
昔の、ある事件においてトラウマを負っている。
水瀬秋子
最強の主婦で、祐一と互角以上の腕前を誇る。
祐一の過去を知る、理解者の一人でもある。
なお、邪夢の見た目は変わらないが日々進化しているという。
なお、一説には×××や○○○がはいって…ぎゃーーーー
水瀬名雪
秋子さんの娘で祐一にLOVEである。
イチゴサンデーをたかりっているため、祐一の所持金を少なくしている最大の原因でもある。
雪ウサギイベントはなし。
ピンチになると脚力を異常にアップさせることが可能。
その際のスピードは100mを5〜6秒台で走れる。ただし、本人に自覚無し。
北川潤
祐一の男友達の一人である。最近突っ込み役からボケ役になっているが両方できる。
便利な男。
気付いていないが年下に好かれるようだ。鈍感。
なお、秋子さんの言う一部の人に入っているため強い。
美坂香里
学年主席の才媛。というか、日常での突っ込み担当
メリケンサックを所持し装着すると身体能力が増す。
過去の悲劇が起きていないので栞と仲が良し。シスコン。
北川が好き。
月宮あゆ
作中でいったとおり、すでに彼氏あり。
奥手のため、よくからかわれている。木からおちていない。
なお、祐一のことを女子のなかで一番知っており、大抵のことは知っている。
石神龍二
オリキャラ。容姿は切れ長の目で美形。
学校内で一番の問題児で、超危険人物。酒、煙草、賭博行為、銃刀法違反と何でもあり。
基本的に女性には手を出さない主義だが、向かってくるなら容赦しない。
何故か生徒会副会長。それには久瀬に借りがあるからが、有力。
秋子さんのいう一部の人物。突っ込みはうまいが、ちょっと(かなり)過激である。
久瀬秀平
現生徒会長。なお本編と違い最初から祐一たちと仲がいい。
少し素直ではないが、根は善人。
基本的に突っ込み役だが、切れると誰よりも破壊王になる。
秋子さんの言う一部の人物。佐祐理さんが恋人。
後書き
作者(以下作):私の初めてのSSです。
折原浩平(以下浩):このばか
作:ぐぅー、なぜ?
浩:オレが出てないだろーが
作:うっ、次は出すから許してくれ。
浩:まぁいい、絶対出せよ。出さなかったら。後書きで先に技だすからな。
作:…まじで?
浩:まじだ。
作:うーーー、絶対出します。ですから許してください。
浩:よし、約束だからな。というわけで初めてなんで感想を、そして、悪いところ、教えてくれ。
じゃ、また次回の後書きで。
作:くそ、台詞とられた。
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