魔法少女リリカルなのは―――暗き瞳に映る世界―――
第二章 予告編
[私を、敵に回すおつもりか?]
アースラに新たに下された任務。
「今回ばかりは、リュウトの力でもどうにもならないみたいね」
管理局上層部の思惑。
「あの連中は、今回の一件を目一杯利用するつもりだろう」
管理局の研究施設の消滅。
「あのタヌキどもめ、これを機にミナセ提督を蹴落とすつもりじゃないか?」
管理局内の不穏な動き。
「う〜ん…、わたしゃあいつを本気で怒らせるくらいなら、虚数空間に生身で飛び込むね」
アースラによる懸命の探索。
「無限書庫って言っても、探すのは人間だし」
調査の依頼。
「ふん、あんな若造にいいようにされたままで終われるか。我らこそが正義…」
復讐に燃える管理局上層部の一部強硬派。
様々な思惑が交錯し、運命が動き出す。
「それでは、B2Uの基礎訓練を始めましょう」
鍵を求めて彷徨うアースラ。
「はやてっ!! 次はあたしがやるぞ!」
自分の罪。
「あたしは…、本当に罪を償えるんでしょうか?」
闇の書の罪。
「はやてちゃん、管理局でなにかあったみたいなんです……」
魔法を知り、世界のことを知る度に新たな罪も知る。
「……主はお優しい方だ。だからこそ、護りたいのだ…」
管理局で出会った老人は、否が応にも少女に過去を見つめさせる。
「主はっ! 主は何故、私たちになにも言ってくださらないのだ?!」
守護騎士たちは嘆き、
「…心配だよ。友達だもん」
友人たちは考え、
「管理局で何があったかは、僕にも分からない」
執務官は己の無力を呪った。
「私たちに出来ることって、意外と少ないのよね…」
思い悩む魔法使い達、
「…緊急通信? しかも本局からって、なんだろう?」
その思いを無視するように、管理局では一つの決定が下された。
「提督っ! 彼女の処遇はすでに決定されていたはずです!」
少女を縛る鎖。
「…これは管理局の総意による正式な決定だ。一艦長である君が反抗することは許されない」
過去という名の呪い。
「ちょっと! 変なとこ触んないでよ!!」
罪という名の闇。
「ミナセ提督、君は反抗しないのかね? まあ、それが君の本音だろうね!?」
罰という名の終わり。
「勘違いしないで頂きたい。私は管理局の決定に従っただけです」
それを知った彼らの答えとは?
「主殿…。私は、主殿が主殿だからこそ、お慕い申し上げているのです」
主の命を受けた使い魔もまた、悩み続ける。
「貴方様が斬れと仰られるならば、私は…」
主の過去を知っているからこその苦悩。
「…主殿。私ではお力になれませんか…?」
主の想いを知っているからこその逡巡。
「私は、主殿に、リュウト様に心から笑ってほしい……」
そして、主の心を知るからこその思慕。
彼女の懊悩に答えが出ることは無い。
「これは…。彼らはここまであの子を消したいのか?」
リュウト達が辿りついた真相。
「提督、あなた方を告発します」
いつまでも消えない人々の闇。
「被害者たちの関係者に情報を流したのも、すでに調べがついています」
大きすぎる罪。
「私は、言ったはずです。すでに闇の書は存在していない」
それは、願いだった。
「それでも、八神はやては、罪を償おうと前に進んでいる。あなた方のように、立ち止まってはいない!」
それは、はやてを想う人々の願いだった。
しかし、人々の心とは無関係に、物語は最後の局面に突入する。
「管理局はアレの存在を勘違いしていたんだ」
鍵の意味。
「第154空域に小規模な次元震を多数確認!」
人の業による災厄。
「直ちに即応可能な艦を向かわせろ! アレは闇の書以上の被害になりえる!」
古の禍が今また目覚める。
魔法少女リリカルなのは―――暗き瞳に映る世界―――
第二章 『メイガスの鍵』編
近日公開予定
「ヤツは全てを喰らい尽くすまで、止まりはしない」
乞うご期待!