今日はまあ…色々あって高級ホテルに来ています。

しかしでけえホテルだわ…一体一泊いくらすることやら…

しかもなんでかタキシードやらドレスの人多い…

俺の服おもいっきりバーゲンで安めのなんですけど……場違いだった…







時空を駆けちまった少年

第16話








「来たわね。こっちよ」



昨日ここに呼び出しをしてきた女の人がやったら偉そうにロービーで待っていて

俺とギンガ先輩の姿を見てそういう。



「…一体何させられるのかしら?」

「まあ…行きましょう」



残念ながらこっちは文句やら言える立場じゃないっすから。

そのまま進み、二階の奥に行く。

するとなんやらパーティー用の部屋っぽいとこについた。

カメラやメイクの荷物らしきものを準備してる方までいる…

隣の部屋にも何やら撮影用の準備をしている…



「着いたわ。え〜っと…」

「あっ、ギンガ・ナカジマです」

「よし、ナカジマさん。昨日の謝罪は今日1日私のデザインしたドレス全部のモデルをして頂戴」

「…へっ?」

「いい?あんた程の女性なんてそうそういないの。容姿、スタイルどっちも抜群!これなら私のドレスに相応しいわ!」



そんな力説までせんでも…

けどまあ確かに似合うだろうなドレスとか。けどなんで式場?



「最後はもちろん式場まで抑えたんだからウェディングドレスで締めるから」

「うっし!」



グッジョブ!



「ケ、ケイ君?」



だって先輩のそういう姿見たいっす。

楽しみ楽しみ。



「で、あんた。あんたは適当にその辺ブラついていなさい」



なんで!?見たいぞ!



「見ちゃ駄目ですか?」

「駄目。さっさと出てく。つうかぶっちゃけ来なくてよかったのよ」



ヒドッ!?

指で出口指してさっさと出てけと強調しよって……にしても残念だ…







「さあまずはこれよ!!」

「えっ!?そんなのを!?」

「大丈夫。ナカジマさんなら着こなせる!さあ着るのよ!」



式場の部屋から出たら扉の向こうからすげえ気になる会話が…

くそう…







       〜ホテルアグスタ・入口〜







はあっ…いい天気だ…

しかしなんだ?なんか受付に金持ちっぽいのがすげえ数いたぞ。

何かイベントでもあるのか?

金持ちのイベント…パーティ?何の?

まあいいや外に行くべ。



「んっ?」

「あれ?」

「…………」

「…………」



なんでスバルがいる。



「なんでケイがいるの?」



それはこっちのセリフ。









「はあ…そうか…師範が言ってた任務ってオークションの護衛か」

「うん。ケイは?」

「ギンガ先輩の付きそい?」

「なんで疑問形なの…」

「いや…俺もよくわからんから」



説明の仕様がない。

ちなみに今は中の見回りもあるそうで一緒ホテル内を歩きながら話している。



「隊長さん達は?」

「今は仕事着に着替えてると思うけど」



仕事着?局員服でいいんじゃねえの?

つうかどんな服だよ。



「あっ、なのはさん達いた」

「ホントだ。どうもこんにち…」



スバルが見つけたから挨拶しようとした。でも俺の言葉は途中で止まる。

3人はドレスを着て、いつもと違う雰囲気をしていた。



なのはさんは髪を下ろしピンクのキャミソールタイプのドレス。

フェイトさんは肩を出した黒のドレスで、スリットなどが結構すごいドレス。

はやてさんは髪を後ろでアップにし、青でカラーコーディネートされたドレスを着ていた。



うん。3人とも美人だしこういう服装も似合うはずだ。

大体の男は見惚れるだろう。ほぼ100%の確率で。



だがな……3人とも化粧ケバイ!!

そこでぜーーーんぶ台無し!!周りの人厚化粧に驚いて知らん顔してるよ?

何それ?厚化粧で皺隠したオバサン!?

だーーーひゃひゃひゃひゃ!!

笑い死ぬーーー!!



「あっ、ケイ君」

「なんでここにケイが……」

「ほ〜ウチらの綺麗な姿見に来たんか?」



だ…ダメ…おかしすぎる…

そうですよ、はやてさん。これは一見の価値大いに有りですよ。



主に笑いで!!



「ぷっ…くっくっく…」

「け、ケイ…が、我慢だよ…が、我慢…」



うん。すまんスバル。

もう無理。



「ぶひゃひゃひゃ!!あひゃひゃ…だーーっはっはっは!!は、腹…腹痛っ…あひゃひゃひゃひゃひゃ!!し、死ぬーー!!」



マジで腹痛い〜

ダメ。地面に転がってまで笑っちまう。

おかしすぎる〜厚すぎる〜



「ど、どこかおかしいのかな?」



なのはさん。あんた化粧確認した?

顔がおかしい。いつもの素っぴんの方がいいよ。



「変…じゃないと思うけど」



フェイトさん。あんたの感性が変だよ。



「…ケイ君?笑いすぎちゃうかな?具体的にどこがどうおかしいのか教えてくれへんか〜?」



はっ!?殺気!?しまった!笑い過ぎた!

はやてさん、その笑顔どこも笑えてないよ〜しかも厚化粧で怖さが般若っぽくなってますよ〜

よし、逃げる。



「スバル確保!」

「は、はい!!」



放せスバル!羽交い絞めにするな!



「ごめん…でもなのはさんの命令なんだ…」



お前も怖くて逆らえんのか…それとも憧れから笑ったのが許せないのかどっちだ?

俺的に前者であることを祈りたい…そっちなら仕方ないと思えるから…



「さて…お話聞かせてね?」

「話は大事だからね」



拳や魔法での攻撃はお話とは言いませんよ?



「さ〜シバこうか〜」



あんた今話じゃなくてシバキって言ったよね!?

自覚あるんだよね!?



「スバル…まじで放して…」

「…ごめん…」



顔逸らして言わないで…無理やり逃げづらくなる…

く…来るな…嫌だ!死にたくないーー!!





「あら?スバルじゃない。それに八神部隊長やなのはさんフェイトさんまで」



救世主来たーーー!!

声の方を向く。そこには予想通りギンガ先輩。

しかし唖然とした…



「ギン姉…その服…」

「あっ、これ?デザイナーの人に着て少しホテル内歩いてこいって言われちゃって…」



だからってチャイナドレスっすか…

先輩は蒼色のチャイナドレスでしかもスリットがかなり深い…フェイトさん並だ…しかも胸元も少し空いてる…

やべえ…しかもメイクもプロがしたからか完璧だ…

見惚れたぜ…

デザイナーめ…金持ちの前で自分のドレスのアピール作戦か…非常にOKだ!



「…………」



ぐあっ!?締め付けるなスバル!苦しい!

ギブッ!ギブ!



「あっ、ごめん…」

「な…なんで締め付けを強めた…」

「あれ?なんでだろ?」



俺が聞きたいのにか?



「ギンガまで…なんでケイとここに?」

「実は…」







そのままここに来た理由の説明会。

ちなみに理由を言ったらおもいっきり笑われた。

隊長さんの化粧程おもしろくはないぞ?



「ケイも災難だね」

「俺のここに来てからの災難の中にお前もいるってこと忘れるなよ」



お前も俺を殴っているからな。

この後雑談してたらデザイナーが怒りながらやってきた。

そして隊長さん達みて驚愕。

爆笑の後3人をメイクし直すと言って引張って行った。

うん。これでよし。



「あっ、そうそう。なんかティアが一昨日の夜、怒ってたから謝っといた方がいいよ」

「…あのときの寒気はそれが原因か…」



変な第六感ができてきたかも…

とりあえず謝りにいくか。







     〜 ホテルアグスタ 外 〜







え〜っと外にいるって言ってたがどこにいるんだ?

オレンジの頭、オレンジの頭…

目立つからすぐ見つけられるはず…おっ、いたいた。



「やっぱり…うちの部隊で凡人はあたしだけか…」



…何脈絡もなく凹んでるんだ?

凡人?誰が?ティアナさんがか?ないない。

うむ。こんな捻くれた考えを持つやつにはいたずらをば…



そっと後ろに近づいて背中に指をつ〜っと。



「っ〜〜〜ひゃあ!!」



おお意外にかわいらしい悲鳴。



「よっす!」

「…何だ、あんたか……って何でここに!?」

「気にしない気にしない。俺はしないから」

「あたしがするわよ!!」



よし調子戻ったか。



「まあ詳しくは後でスバルにでも聞いて。説明するのめんどい」

「…はあ…あんた見てるとスバルと同じで悩みがアホらしくなるときがあるわ…」



かっかっか!…すんません…



「んで?何故に凡人といじける?」

「…聞こえてたの?」



バッチリね。



「俺は凡人思わない…てか思えないけど」

「はあ…周りを考えなさい…」



周り…無茶苦茶な人ばっか?あんたも含めて。



「明らかにあたしは負けてるでしょ…魔力にしても才能にしても…あんたには勝ってるけど」

「じゃあいいじゃん」



俺アギトいないと魔法無理ってわかったし、融通が利かないっぽいんだよね〜



「はあ…あんたに勝ってどうすんのよ」

「自慢ができない」

「しないわよ。てっ要するにどうにもならないんじゃない」



されても困しその通りです。残念ながら。



「じゃあ努力の才能がある」

「…どこの漫画のセリフよ」



俺の好きな漫画のセリフです。



「とにかく才能あるないじゃなくて強くなって認めさせるのが目標なんでしょ?じゃあそれ目指せばいいじゃん」

「まあ…そうね。私は執務官を目指す…立ち止まらないで…」

「息抜きはしとけよ?」

「はいはい。であんたそれを言いに来たの?」



あっ…帰れんかったこと謝るんだった。



「ごめんなさい」

「何がよ」











ふう…よかった。意外にもお仕置きなかった。

…殴られないのはいいけどなんかな…ティアナさんらしくないというか…

まあ任務は本人やる気満々だから大丈夫だろ。

やる気がなにより大事だしな。



「しっかし…暇だ…」



なんつうかやることがねえ。

先輩のドレス姿もっと見たいけど禁止されてるし…

覗きにいくか…よし行こう。

こうして俺は撮影現場覗きに直行した。



別に風呂とか更衣室覗くわけでもないし、大丈夫だろ。多分。









さっきの撮影していた部屋にまで到着。

では失礼しま〜す。



…あれ?誰もいない?何でだ?



「何やってんだ君。モデルさんの連れの人だろ?」



あっ、カメラマンの人だ。見えんかった。

丁度いいや。どこ行ったか聞こう。



「ああ、天気もいいからどうせなら外の鐘のあるところで撮影しようってなってね」



ああ。外に。

ホテルの裏庭に結婚式用の庭があるらしく、鐘もおいてあるとか。

結婚式の形結構同じなのか。

文化はどこかしら似るの多いよな。



「じゃあそこに…!?」







行きます。と言おうとしたが突然の爆音が鳴り響き少し揺れる。

それも一回や二回じゃない。断続的に鳴り響く。

戦争か!?空襲か!?

防空壕はどこだ!?



「一体何が!?ガ、ガジェット!?しかもあんなにたくさん!?」



廊下に出て窓から外の様子を見るとガジェットが大量にいやがる。

スバル、ティアナ、エリオ、キャロ、フリードは正面で戦闘を行っている。

遠くの山の方では火炎や鉄球が飛び交いそこら中で爆発が起きている。

……まさに映画的シーン!?

これ結構やばい!?



「な、なんであんなものがホテルに…」



カメラマンビビり過ぎて腰抜かしてる…

まあそうだよな…俺もこんなの腰抜かすよ…今までのことなかったら。



「まあ先輩は魔導士だし大丈夫…」

《 No. She doesn’t have me . So she is not safe . (いいえ。彼女は私を持っていないので安全ではありません 》



あん?今の英語らしきものどこからだ?



《 Here !! (ここです!!) 》

「だからどこだ!?英語で言うな!!日本語喋れ!英語はわからん!」



まあここだって言ったのはなんとかわかったけど。



《日本語とは知りませんがこれでいいですか?》

「OK!よしどこだ?でお前は誰だ!?さっきなんて言った!?姿見せろ!」

《 ギンガ・ナカジマのデバイス、ブリッツキャリバーです。彼女は今私を持っていないので丸腰です。

  あなたの目の前の服の上にいます。私を相棒のところまで連れて行ってください 》



…なんで持って行かんかったの!?

装飾品と思われて置いてけとでも言われたのか!?



《 早く連れて行って下さい! 》



しゃあねえ!先輩にはお世話になってるし持ってくっきゃねえ!

けど丸腰はキツイぞ…くっそ。アギト居てくれれば…

って馬鹿野郎!いない奴に頼るな!

とにかく使えそうなものは……



「これ借ります!」

「えっ?ちょっと君!?モップなんて持ってどうするの!?」



ぶち折って武器の代わりにっすよ。

ないよりマシ!



「いくぞ。ブリッジキャリバー!」

《 “ブリッツ”キャリバーです 》



ええい!だまらっしゃい!

俺は廊下をダッシュで駆ける。急げーー!





《 中庭に一番近い階段はここを真っすぐです!急いでください! 》



了解!おっ?中庭見えてきた!

廊下の壁が全部ガラス張りだからよく見える…こっから外は…

げっ!?ガジェットが裏からきてやがる!

スバル達は正面だし、師範達も結構遠くで戦闘している。裏かかれたか。



《 急いで降りてください!相棒が素手で戦闘を 》



げっ!?マジだ!撮影スタッフ庇いながら中に誘導してる!

しかもウェディングドレスで!?

戦う花嫁かよ!?



T型が1体一気に誘導している先輩に詰め寄る。

くっそ!間に合え!



「突撃ーーー!!」



俺は窓ガラスを蹴破ってそのまま庭にジャンプする。



「突貫!!」



そしてそのまま詰め寄っていた一体の真上に。

真下にモップの先端を向け、落下する力を利用して機体に付き刺す。

そして爆発前に地面に着地。

着地と同時にガジェットが爆発した。

よし!決まった!!



「先輩!お届け物です!」

「あ、ありがとう」



…?なんでそんな驚いた顔してるの?



「ケイ君…2階からガラス破って飛び降りてきたのはいいけど…」



いいけど?



「破片…頭に刺さって流血してるわよ…」



へっ?マジだ!?

ぴゅ〜ぴゅ〜してる!!

止まれ!出るな俺の血!!



「!?伏せて!」



はい!!

伏せたら先輩がウェディングドレスのまま俺を飛び越え、シールドを展開する。

見るとガジェットがこちらに光線を放っていた。

あざーす!



「ブリッツキャリバー!!」

《 Set Up !! 》



バリアジャケットをそのまま展開する。

光に包まれそこからバリアジャケット姿の先輩が出てくる。



先程の肩を出し、蒼のスカーフを長いスカートの上に付けたに純白のウェディングドレス姿にリバルバーナックルを装備。

さらに黒のジャケットを羽織り、胸の上に胸当てを装着したバリアジャケットだった。



……えっ?いつもそれで戦ってるの!?



「…なんで一部ドレスのままなの!?」

《 With much effort . ( せっかくですので ) 》



ブリッツキャリバー、グッジョブ!

何言ったかわからんが、ぶっ飛んだ理由なのはなんとなくわかった!



「…もう…このままいくわよ!」



あっ、諦めた。

さて…丸腰の自分はどうしようか…

って考えてる内にガジェットさらに来たーー!?



V型一体が先輩に、T型二体が俺に別れて突撃してくる。

来るんじゃねえ!!



「ケイ君!!」



はい!逃げさせていただきます!



「T型は任せるわ!がんばって!」



えーーー!?

って撃ってきたーーー!?

くっそ!このっ!?撃って!来るな!ダンゴめ!!

俺は避けて避けて避けまくる。



「大丈夫!ケイ君なら素手で倒せるわ!多分だけど」



多分!?多分で倒せと!?

先輩はあのでかいのに精一杯…倒せん事はないっぽいけど、こっちまで手が回らないだろうし…

よし!やっちゃる!!



「へいダンゴ!!こっちだ!!」



森に向かってダッシュ!

そのままガジェットは俺についてくる。

森に入り木々を避けながら進む。ガジェットも同様についてくるが差が開いていく。

くっくっく。そんなんで俺より速く森を進めるか!

伊達にジャングルサバイバル経験しとらんわ!



「よっ、っほ!」



登りやすそうな木を見つけた。

近くの木に向かって飛び、跳ね返りを利用し、登りやすそうな木の枝に掴まり、鉄棒の蹴上がりで上に乗る。

よし。ガジェット来た!

二機の片方に向かって飛び降りる。



足は出せんが…腰…肩…そして拳を捻りこむ!!



    ドゴッン!!



うおっ!?先輩に習った通りにやったらメッチャ威力上がった!

ガジェットが地面にややめり込んだ。しかも光線撃つ部分が地面に接しているのでこっちに反撃もなし。

そのまま後ろの部分にもう一発拳を入れ破壊しようとする。



  ビュン



しかしもう一体がUターンして攻撃してくる。

危ねえ!髪掠めてった!



「このっ!!邪魔すんじゃねえ!!」



めり込ましたガジェットを両腕で抱え



「秘技!!ガジェットバリアーアタック!!」



そのまま戻ってくるもう一体に向かって突撃。

盾にしたガジェットも向かってくるもう一体もお互いに光線を撃ち合う。

馬鹿め!同士討ちしてやがる!



「どりゃああああ!!」



抱えていた方が光線を喰らったことで爆発し掛けたのでブン投げてもう一体にぶつける。

退避ーー!!



その場から離れると同時に二体が爆発。

よし!勝利!!



「さて戻るべ」



自分の分は倒したので森から出てホテルに戻ったのだった。



戻ったら先輩がさっきの恰好で既にV型をスクラップにしていた。

この花嫁…激強え…







     〜 襲撃後 〜







ふうっ…戦闘後のお茶はうめえ…

あの後結局撮影器具もやられ撮影は中止。

しかし何故だろう?デザイナーは超ご機嫌だった。

いい事でもあったのか?



ギンガ先輩は襲撃の後始末やら検証も手伝うらしく六課のみんなと現場に残った。

で、俺はゆっくりホテルの中の喫茶店で一服している。



「ごめんな。なんや手伝わせてもたみたいで」

「いや〜お疲れ様だね」



あっ、はやてさん。…と誰?



「あっ、僕はヴェロッサ・アコース。よろしく〜」



軽い感じの美形だな。

そのまま自己紹介。ちなみにやっぱし当然お約束のように迷子というワードも出た。

いい加減やめれ。

そのまま部隊の話に流れた。



「そうそう。ケイ君。今度後見人の人達が会ってみたい言っとたから教会にいくで」



はっ?後見人?なんで部隊の後ろだてみたいな偉い人達に会わんといかんのですか?

つうか教会って宗教何?

我が家は仏教ですよ?熱心じゃないにしろ。

行くなら寺っすよ。



「まあ特に変なことじゃないから安心しなよ。みんないい人達だから」



まあ…いいっすけど…



「おや?あれはフェイト執務官とユーノ先生かな?」



ヴェロッサさんが外を見て言う。

ユーノってまた知らん人の名前が…

あの長髪のメガネかけてる緑のスーツの人か?



「…なんやて?」



なんでキレるはやてさん。



「おや?今度は高町教導官と話しながら森に行ったね。いやいやいい雰囲…気…」



何故だろう…ゴゴゴッって音がはやてさんから聞こえる…



「ふふふ…ユーノ君…まだなのはちゃん諦めてへんのやな…ウチら三人の愛の前には…」



…まさか…



外のフェイトさんをよ〜く見てみる。



ゴゴゴゴゴッ…



うわあっ!?こっちもなのはさんとユーノさんとかいう人の後ろ姿見て殺気出してる!?



まさかここの隊長さん達三人ガチですか!?

百合!?百合の世界ですか!?

六課に女の人多いのそういう理由!?

もしかしてスバルにティアナさんまで!?



「はやて…」

「何やヴェロッサ?人の恋路に口出しせえへんといて前に言うたやろ?」

「ご、ごめん…」



あんた知ってたのかよ!?

それでも親しいままでいるあたりすげえよ…



「ケイ君、愛の形ってどう思う?」

「人それぞれだと思います!サー!」

「ほらな?」

「そ、そうだね…」



恐るべし…機動六課…



「お、俺もう十分休んだんで行きますね」

「えっ!?そ、そう言わずに」

「ほなな〜」



すまん。ヴェロッサさん。今の空気は無理。

俺は逃げた。

まさかあんな美人が……世界は不思議がいっぱいだ…











ふうっ…

喫茶店からこの世の謎を知ってしまい俺はホテルの裏のほうに来た。

まったく…ロクなもんじゃねえな。今日も。



「「はあっ……んっ?」」

「「…またティアナさん(あんた)か……」」



セリフばっちり被ったよ。

ブラブラ歩いてたら反対側から来たようだ。まったく気付かんかった。

…なんつうか…覇気がないな…



「何だ?失敗でもした?」

「…そうよ。悪い?」



えっ?マジで?

どうしよ…ホントに失敗してたとは…



「ご、ごめん…」

「いいわよ。事実だし」



気…気まずい…

何か言わねば…



「ま、まあ人間失敗誰でもするもんさ!」

「そうね」



……



「じ、人生50年!!まだまだこれからいいことあるさ!」

「今の平均寿命80超えてるわよ。あんたそんな早く死ぬわけ?」



……



「じ、人生100年これから」

「そこまで生きないといい事おきないと?」



……



「ごめんさい。調子に乗りました」

「さっき許したでしょうが」



いやどこも許してもらった気がしなかったもんで。



「で?あんたはなんで凹んでるのよ?」

「いや…この世の不思議を垣間見たから…」

「はあ?」



下手したらこの人も…



「ちょ!?なんでそんな目で見るのよ!?」



…ありうる…スバルとあ〜んな事とかこ〜んな事とか…



「何で微妙に距離をとって行くのよ!?」

「いや…ガチな人なのかなって…」

「今の話でどう飛躍した!?あんたの頭の中どうなってるのよ!?」

「見る?」

「見れるわけないでしょ!」



見れたら困るよ。頭パカって開いて脳みそ見えたら怖いよ。



「はあ…疲れる…」

「若い内は買ってでも苦労しろ。これ俺の世界の言葉」

「あんた絶対に買わないでしょ」



いえ〜す。

誰が好き好んで苦労するか。俺はのんびりダラダラが大好きなんだ。



「さて元気出た?ツッコミも健在になったし」

「あんたね…これで励ましてたつもりなの?」



ううん。

ただのノリで進んだだけ。



「とりあえず頑張ろう。俺も頑張るから」

「わかったわよ…それに元々そのつもりよ」



あっ、お呼びじゃなかった?これまた失礼しました。



ティアナさんはそのまま見回りを続けるとのことでその場で別れた。

よし。俺も負けてられん。帰ってデバイスもどきを作らなければ。

結局地球戻ってから何にもしてねえからな…シャーリーさん怒ってねえだろうな?









「…まだ戻らないのかしら?」

「シャーリさ〜ん」

「アルト?ルキノ?どうしたの?」

「なんか部隊長からで“ケイハッケン。キョウモドス”って」

「ふっふっふ…よ〜し!進んでなかった分、試射してなかった分徹夜でもするわよ!」

「「がんばってね〜〜」」











何故だろう?怒ってないが今日はとっても寝不足になりそうな気がする。

よし、ロビーで寝よう。







       Sideユーノ



 



はあっ…今日久しぶりになのはに会った。

元気そうなのはよかったけど同性愛なのも相変わらずみたいだ…

それになんかフェイトから殺意も感じたし…

僕の恋が叶う日は来ないのかな…



「ん?」



ロビーに入るとソファーのところで寝ている少年がいた。

あれは確か前に調査依頼の来たコアの持ち主の…



「お〜い起きなよ。こんなところで寝ちゃ駄目だよ」

「うう〜ん…あっ…ガチに惚れてる片思いさん」



…どんな称号だよそれ…

フェレットもどき以外の称号がいいと思って来たけどそれも嫌だよ…



「じゃねかった。ユーノさんでしたっけ?」

「何で知ってるの?」



初対面なのに…まあこっちも知ってるけどさ。



「あ〜…さっき2階からなのはさんと2人でいるの見ました。名前もはやてさんから…」



成程…

はやてにも見られていたのか…どおりで殺気が一方向からじゃなかったわけだ…

そしてはやての殺気と何かのセリフで判明したのか…

でもこれは本当に一部の…僕ら仲間内だけの秘密だし…噂は結構たってるけど…



「片思いはそうだけどなのは達はそっちの人じゃないよ」

「へっ?でもはやてさんは…」

「いつもの冗談だよ。はやてそういうの好きだから」

「そ、そうですよね。あんな美人が男に興味ない世界なんてないですよね」



あはは…ごめん。実はあるんだそういう世界が…

どういう理由でそう思ってるか知らないけど信じてくれてよかった…



「それじゃあ僕は自分の職場に戻るから」

「あっ、そうですか。それじゃあ」

「じゃあね」



まあそう悪い子ではないみたいだね。うん。よかった。

さて…じゃあ僕は無限書庫に戻るとしよう。

なのはとも話できて元気が出たしね。

今回はだめだったけど次回こそなのはを真っ当な道に戻すんだ!!







     Sideケイ







いや〜さっきのユーノさんのおかげでガチじゃないってわかってよかったよかった。

マジでそうだったら怖いもんな〜



「ケイ〜」



あっ、スバル。それにギンガ先輩も。



「現場検証も終わったし隊舎に帰ろ」

「そうだな。ゆっくり寝れたし帰るか。どうもお世話になりました。おやっさんにもよろしく伝えてください」

「ええ。またいつでもご飯食べにきてね」



是非行かせてもらいますね。



「ケイ兄〜スバルさ〜ん」

「八神部隊長が早く来てと呼んでますよ〜」



おっ、チビっ子2人も来たか。

ヘリも待たしてるし行くか。



こうして俺のミッド観光から始まった3日間が終わりを告げた。

まあ…色々あったが悪いことばっかではなかったな。







                                  つづく





  〜おまけ1〜





「ほお?あの坊主素手でガジェットに勝ったのか?」

「ええ。本当に驚いたわ」

「そうか…向こう学校卒業したらウチの部隊にでも誘ってみるか」

「それもいいわね」

「「ただいま〜(こんばんは〜)」」

「「ぶぅううっ!!何でこんなすぐ帰ってきてた(るの)!?」」

「いや〜自転車忘れまして」

「で、わたしがここまでの道案内してきたの。あっ!丁度晩御飯中!食べてっていい!?」

「ええ、いいわよ。ケイ君も食べてく?」

「さっそくですがまた御馳走になります」

「はいはい♪」

「たっく…よし、せっかくだ。飲んでけ。ギンガ酒だ」

「父さん、程々にね」

「俺未成年っすよ…」







    〜おまけ2 事件から数日後〜





「け、ケイーー!大変ギン姉が雑誌に!」

「何!?」





新・ウェディング!!戦う女のウェディングドレス!!



華やかさだけでなく実用性と機動性

家庭を守る女神の姿が様々な賞を受賞!!

  撮影数日で人気爆発。新人デザイナーと謎の美女モデル!





そこにはウェディングドレスで戦闘していたときギンガ先輩の姿が写っていた。



「…………」

「すごいよね〜ギン姉がモデルさんだよ!」

「デザイナーがご機嫌だった理由はこれかーーー!!」



ちなみにこのデザイナー…この一件より超人気ドレスデザイナーとして有名になったそうだ。

ギンガ先輩もモデルとしてスカウトの嵐が殺到したそうだ。

まあ先輩なら当然だな。しかし…



「なんで俺がいたはずの場所に綺麗に合成で美形の男が立っている…」



納得いかんぞ…俺だって頑張ったのに…







   あとがき





はいどうも。今回どういう流れでか隊長さん3人をホンモノにしちゃいました。

以前書いたバレンタイン話ではユーノに惚れているみたいな話になってましたが変更してしまいました。

そのうちそっちの方も修正したいと思います。

一応矛盾が出ることもあると書いたので勘弁してもらえると助かります。

それでは次回もお願いします。





   Web拍手返信





※すずか様いわく“鬼”そしてアギトとのユニゾンで“炎”ってことはかませ!独角・炎浮○炎上



>すんません…またもや元ネタがわかんないっす…



※既成事実(にしか見えない)ゲットだぜぇ



>既成事実?もしかして14話の戦闘後の庇ったシーン?

>単語だけだと…押し倒す+血の跡+破れた服+荒い息遣い……ホントだ!?単語だけだと犯罪にしか見えない!







作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板
に下さると嬉しいです。