今日はいろいろあった。

変わった姉妹と変わった旅人?と妖精。マッドなハゲ博士にその護衛の殺し屋(多分)に会い

そして魔法も使えた。

さらに死にかけた。

濃厚な1日だった。

そこに補導というおまけもついた。

うん。全然いい日じゃなかった。







時空を駆けちまった少年

第15話










さて…現在俺は人生2度目の取り調べ室に来ている。

ぶっちゃけされたことはないからわかんないけど補導ってここに連れてこられるの?

なんか普通にあの陸曹さんがここで待てって言っていれられたけど…



「待たせてごめんなさいね」

「いえいえ」



とりあえず早く帰らねば。

どういうわけか早く戻らないともっとひどい目に遭う気がして落ち着かん。



「さて…住所と親の名前。学校の名前を教えて下さい。親御さん呼ぶから」

「呼ぶも何もここに来れないっす。来て欲しくもないっすけど」



だって異世界で管理外だし。

魔法世界に迎えに来てなんて言ったら泣かれる。おかしくなったって。



「…いい?どんなに親御さんが嫌いでもあなたの家族よ?大切な人よ?」

「はあ…そうですね」



そりゃそうでしょ。



「いくら若くて夜の街に興味があるからって親に逆らってまで出歩いてはだめです」



…夜出歩いても店閉まっててコンビニくらいしか行くとこないよ。

立ち読みも学校帰りしかしないから夜に行かないっす。



「それに不良なんてやってても将来後悔するだけよ」

「誰が不良!?」

「えっ?だって深夜徘徊してたし…親と仲良くないみたいだから…」



ショック…

俺不良と勘違いされてた…

俺は健全なスポーツマンだと思ってたのに…

親とはむしろ仲いいよ…普通程度に。

ショックを受けつつ俺のミッドにいる理由。深夜に街にいた理由を言う。

もちろんルーテシアやチンク達姉妹のことは誤魔化してだ。







「じゃああなたがスバルの言ってた迷子のケイ君?」

「…スバルの知り合いですか?」

「姉よ。ギンガ・ナカジマって言ったでしょ?」



…あっ…

誰かに似てると思ったらスバルか。いや〜大人っぽくなったスバルって感じだ…なんで気付かんかった俺。

しかもめちゃ美人やん。



「どういう内容を聞いてるのかは多分まともじゃないから聞かんときます」

「そう?結構おもしろい男の子ってメールじゃ書いてあったわよ」



どこがやねん。俺はどこも面白くないっすよ。



「とりあえず解放してもらえます?今からでも帰りますんで」

「だめよ。今連絡いれて迎えに来てもらいます。規則だしね」



おいおい…シグナム師範あたりでも出てみろ。

明日の特訓地獄じゃん!?嫌だ!もうここはもうはやてさんでもいい!!お願いだから師範は出ないで!!



「どうしたギンガ。こんな時間に通信とは」



師範ーーー!?



「実はそちらで保護されている武ノ内君をこちらで預かっていて」

「……ケイ…」

「は、はい!師範!!」

「貴様…どこをうろついていた…」



ひいいぃぃぃぃぃ!?

そんな人を殺せる目で睨まないで下さい!



「すいません!勘弁して下さい!」

「明日の朝…楽しみにしていろ…



そんな殺生な!?



「と言いたいところだが緊急の捜査を依頼されて迎えに行けんし、別の任務も後に入っている。命拾いしたな」



なかったら殺す気だったんですか!?



「緊急の任務ですか?」

「そうだ。お前の所とは別の部隊が廃棄都市区画で魔法使用の痕跡を見つけてな」



ギクッ!



「だけどそれでなんでシグナム二尉が…」

「どういうわけかAAランク以上の出力で、しかも炎の痕跡もあったから同じ変換資質の私の意見を聞きたいらしい」



ギクギクギク!!



「そうですか…じゃあ別の方がお迎えに?」

「いや…主達ももう休んでいてな…」



まあもう12時回ってますし…



「やっぱ自分で帰りますよ」

「ダメよ。今日の昼も質量兵器の殺人犯を逮捕しているんだから危ないわよ」



…もしかして昼間の銃撃ってきたやつ?

あのまま捕まったのか…よしよし。二度とム所から出てくるな。



「ふむ…ギンガ。お前は明日から空いているか?」

「ええ、2日ほど非番ですが…」

「実はそこの馬鹿弟子を鍛えていてな、蹴りや拳も混ぜてくるから体術も教えたいのだが…しばらく鍛えてくれんか?」



へっ?



「シューティングアーツの基礎程度なら構いませんよ」

「では頼む。ということでケイ。しばらくギンガに指導してもらえ」

「なんか話がすげえ飛躍してるんですけど?」

「お前の蹴りなどは無駄が多いし体勢を崩し過ぎだ。威力も落ちているからギンガにきっちり習って来い」



…そういや蹴りとか拳で杖の男倒せんかったしな…そんなに無駄が多いのか…

そのまま師範は通信を切った。

…つまりここで泊れと。留置所で寝るとかないよな?



「それじゃあ行きましょうか?」

「…ブタ箱じゃないっすよね?」

「大丈夫よ。行くのは私の家だから」



はい?







       〜ミッドチルダ・ナカジマ家〜







…自分は今初めて女性の家にお邪魔しようとしています。

しかも今日初めて会った友人?(スバル)のお姉さんの家にです。

緊張しまくりです。



「どうぞ。ようこそナカジマ家へ」



にっこり笑顔で迎えてくれる。

うう…なんか感激…補導されてよかった気も…



「おっ?おめえさんか、スバルのとこの迷子でしばらく泊まるとかいうのは」

「あっ、どうもお世話とご指導受けさせてもらう武ノ内ケイです」

「おう、俺はゲンヤ・ナカジマ。ギンガとスバルの父親だ。よろしくな」



似てねえな。2人は母親似か?



「話からすると御飯まだでしょ?食べる?」

「いただきます」

「はっはっは。中々正直に遠慮もなしに言うじゃねえか」



すいません。でも半日何も食ってないんです。

しかも初めて魔法も使ってなんか疲れた。



少ししたら御飯が出てきた。

しかも白ご飯に焼き魚、味噌汁に豆腐と煮物…



「ううう…」

「えっ!?なんで泣くの!?おいしくなかった?」



久々の和食…しかもうめえ…なんか故郷の味っていいよね。

感激で泣いちゃったよ…



「うまいっす!おかわり!」

「…泣くほど腹減ってたのかよ」

「いえ。故郷の料理で感激しました!久々でうまいっす!」



とは言ってもまだ1週間程だが。



「おいしいって言ってくれてありがとうね。はい、まだ欲しいみたいだしいっぱい入れたわ」

「ありがとうござ…」



何その山盛り…30センチ行ってない?

ま…まさか…



「私も少しお腹空いたから一緒に食べさせてもらうわね」



…少し!?俺の倍くらいのどんぶりでしかも同じ高さの白飯でみそ汁もどんぶりサイズのに入れて!?

どうなっているナカジマ家!?



「あ〜俺はそこまで食わねえからな。ギンガとスバルだけだ」



すげえ胃袋だな。ナカジマ家女性陣。ん?母親は?



「妻も同じくらい食ったが結構前に逝っちまってな…」



……そっか…スバルに髪の色は母親に似たのかって言って沈んだのはそうだったからか…

悪いことしたな…



「おっと悪い。しけた話しちまったな」

「いえ。スバルのお父さんも苦労とかあったんでしょうね」

「お父さん呼ぶな。もっと別の呼び方しろ。娘が嫁に行ったみたいに感じる」

「じゃあおやっさんで」

「まあ…そう変わらん気もするが…いいだろう」



ぶっちゃけ変わらんだろうが、おやっさんの言う意味合いは薄れるしな。



「あら?スバルじゃダメかしら?」

「ぶうううう!?」



何言いますか!?つうか初対面に言うセリフじゃねえ!

いきなりで味噌汁吹いたよ!!



「う〜ん。あの子の話に男の子の影はエリオ君だけだったし、訓練校時代も全然聞かなかったからてっきり」

「まったくないです。むしろ殴られまくってます」

「お風呂覗いたからでしょ?若いのはわかるけどしちゃだめよ」

「…スバルの風呂を覗いた?おい…どういうことだ…」



サラリと爆弾発言!?

つうかあれ事故!!詐欺!!俺被害者!!



「風呂を男湯女湯どっちかって、はやてさんに聞いたら女湯が男湯だって騙されたんですよ!!」

「八神のやつ…」



ほっ…

てかおやっさんはやてさんと知り合い?



「知りあいですか?」

「教え子だ」



もっと常識を教えてやってほしかったです。



「ところで…当然記憶から消去したんだろうな?」



首を高速で縦に上下させ答える。

消去します。いますぐ消去します。勿体ないけど消去します!!



「よし…」



助かった…消さなかったら熱い親父の拳をもらってた…



「ごちそうさま」

「早っ!?」



俺よりあったのに俺より先に済んだ!?

サッサと食べて片付け手伝わねば!!

うっ!?喉に詰まった!!お茶!お茶!!



「だ、大丈夫!?はいお茶!」



ぶはっ!?はーはー…マジで焦った…



「慌てて食べるからよ…もっとゆっくりでいいから」

「す、すんません」



喉に詰まってお茶で流し込んでるときも、その後も背中をさすってそう言ってくれる。

ああ……なんでだろう…癒された気がする…局関係の人で癒されたのはすげえレアだ…

また俺感激…



「片づけはしておいてあげるからお風呂先に入ってきちゃいなさい」

「すいません…」

「いいのよ。弟ができたみたいで楽しいわ」



さいですか。







かっぽーん





あ〜〜〜〜〜〜〜いい湯だ。

疲れた体に染みる。

しかし背中……傷がもうない…ルーテシアの回復魔法が効いたのか…それとも…

回復したばかりのときはまだ少し痛みが残っていたけど今は全然…いや…ちょっとは染みるけど…

けど明日には消えてそうだな…



「はあっ…」



それにアギトの言ってたリンカーコアのこと…それが本当ならなんで六課のみんなは隠す。

何か事情があるのか?

どちらにせよこのことは言えない…

俺自身の体の変化のことも含めてだ。





   ガチャッ



ん?扉が開いた?



「パジャマだけど父さんのお古置いておくから使ってね」



…何おもいっきり開けてるんすか。



「それじゃあごゆっくりね」



…普通に出てった…

あれ?俺がおかしいの?あれ?



後でなんで開けたのか聞いてみた。理由は



「扉の向こうからじゃ聞こえづらいし、男の子なら気にしないでしょ?」



まあそうだけどなんかズレてない?

年頃の娘さんの行動じゃないでしょ。もはや主婦の領域?



寝るのはダイニングのソファーで寝かせてもらった。

スバルの部屋空いてるぞと言われたが無理だつーの。

まあソファーも柔らかくて寝やすかったので熟睡できた。

さらば不幸の事件の日。

明日はいい日になってくれ。頼むから。







      〜翌日〜







朝は結構早めに起きた。いい匂いがして目が覚めたからだ。

朝食はご飯、味噌汁、焼き鮭。

うん。俺嬉しい。今日はいい日だ。



「おいしそうですね」

「あら?起きたの?」

「はい、手伝いますね」

「じゃあ運んでくれるかしら」

「うい〜っす」

「おっ?なんだ?もう起きてたのか?」

「おやっさん、おはようございます」

「もう少しで準備できるから」



平和な朝。平和な朝食。

うん。昨日の反動だなこれ。いや…昨日までがおかしかったんだ。

そうだ。そうに違いない!









朝食も済みついに体術の特訓が始まる。

スバルの姉であるギンガさん…こっちも格闘系か…師範が習えというくらいなら相当強いんだろうな。



「じゃあ準備はいいかしら?」

「はい!いつでもOKです。ギンガ先輩」

「先輩?」

「師範はシグナムさんですからギンガさんは先輩で行こうかと…教えてもらう立場ですし」

「あはは…先輩か。別にギンガさんでも姉さんでもいいけど」

「あえて先輩で」



師匠はジジイ。師範はシグナムさん。先生も考えたが先生って程歳離れてないし。



「じゃあまずは組手してみましょうか」

「はい」



構えると同時に先輩の雰囲気がガラリと変わった。

…やばい…これ絶対俺不利。

よし、しゃあねえ。先手必勝!!突貫!



「ふっ!」



距離を詰め第一撃の拳を出す。



「なっ!?」



詰めた速さに驚く先輩。

しかしギリギリでガードをされ受け流された。

けど体勢が崩せた!

そのまま回し蹴りをする。

くっそ、バックしてかわされた。タイミングドンピシャだと思ったのに!



「………」



何か考え事をしているのか?難しい顔をしてる…

まあいいや。今は組手に集中集中。



「はあっ!!」



今度は向こうが詰めてきた。

っつ〜〜速っ!?踏み込み速すぎだろ!?

すずかさんより速い…身体強化とかでも使ってるのか!?



「危ねえっ!?」



ブリッジして顔面直撃コースの拳を回避。

そのままの体勢から体のバネを利用しての両足蹴りを出す。

うおっ!?意外にできるもんだな。

ギンガ先輩の腹に向かって蹴った。



だあっ!くっそ!今度は空いてた片腕でガードかよ!反応速すぎだ!







        Sideギンガ







……この子…本当に普通の魔法の使えない一般人?

最初の踏み込み…パンチの威力…身体強化している魔導士よりも上じゃないかしら…



「だりゃああ!!」



今度は踏む込みからジャンプしての回し蹴り。

速い!でも…わかりやすい!



「はあああっああ!!」

「ぶっふぉ!?」



蹴り足のみかわしがら明きの顔にパンチを叩きこむ。

い、いけない!?つい本気でカウンターを…

ケイ君が派手に後ろに飛んじゃった!



「っ〜〜〜〜!!痛えええ〜〜〜」



えっ?ダメージあれだけ?平然と立ちあがった?

いくらリボルバーナックルも魔力で強化もしていないからって…

……少し魔力強化してみようかしら…



「だりゃりゃりゃりゃりゃ!!」



顔、腹、脇、上半身中心に連打を打ってきた。

それを腕でガード、スウェーでかわしていくけど圧される。

腕が痺れる…一旦離れて急所に一撃を入れる!



バックに飛びそこから左のアッパーで顎を狙う。



「ふんがっ!」



顎への一撃を両手で止めた!?魔力で強化までしたのに!

でも相当腕に負荷がかかったみたいね。動きが止まってるわよ!



「はあっ!!」

「ぬおおっ!?」



動けなくなったところに横蹴りを脇腹に入れて吹き飛ばす。

…これで効いたかしら…

庭の芝生に吹き飛びながらも滑って行く。

そのまましばらく動かない…あれ?やりすぎちゃった?



「うげっほ!ごっほ!…うげえ…」



起き上がってきたけど…足にきているわね。



「大丈夫?なんらなストップにするけど」

「いえ…ラストで」

「わかったわ」



ラスト一本…どんな一撃で来るかしら…

突撃ばかりじゃさっきの二の舞よ…



けれどもケイ君はまた正面に向かってまっすぐ突っ込んでくる。



また正面から…

どこが悪いのか分かっていないようね。

そのまま私も真直ぐ踏み込む。正面からの打ち合いでシューティングアーツは負けない!



お互いに近づきパンチを打とうとした瞬間ケイ君の腕が伸びてきて





     パチーン!!





いきなり目の前に手を持ってきておもいっきり両手を叩く。

つい目を閉じてしまう。



「っ!?どこっ!?」



そしてその間にケイ君は視界から消えていた。







       Sideケイ







よっしゃ!猫だまし成功!目を瞑っている間に俺は真上におもいっきり飛び上がる。

先輩は俺を見失ってる。今しかねえ!

体を1度だけ回転させて蹴りの威力を上げる。

このまま落下エネルギーつきで打ち込む!!



「上っ!?」



バレた!!だけどこのタイミングでかわせるか!!



「だあああああああ!!」



おもいっきり上からの踵落としを放つ。

両手を交差してガードでもガードしきれるわけがねえ!



「っ〜〜はあっ!!」



うっそ!?そのまま無理やり踵を下に受け流してダメージ減らされた!?



やばっ!?体勢も崩されて着地できねえ!



「ぶげらっ!?」



…アホか俺…漫画みたいに地面にへばりつくかのように落ちた…



「はあっ…はあっ…勝負あり。…ね」

「…うっす…」



着地に失敗して地面に激突して顔を上げると拳を突き付けられた。

…くっそ…結局まともな一撃ねえ…



「ありがとうございました…」

「お付けれ様。うん…結構強いね」



どこが…デバイス装備もなんもしてなかったのに勝ったじゃないっすか…

自分じゃ強くなった思ったけどこれじゃあな…はあ…



「後半は魔力強化までさせられたしね」

「へっ?」



してたの?どのあたりから?



「一回直撃させたのにすぐ起き上がってきた後はずっと強化してたのよ?」

「…どうりであそこからの一撃効くわけだ…」



あの後お星様見えたしな……なんか綺麗な川っぽいのも見えた気もせんでもないような…

あれに今度はデバイスとかつくんだろ?

一撃でノックアウトだわ……



「…ケイ君は秘密とかある?特に体について」



ぎく…つい最近いっぱいできました…



「いえ?別にないですが?」



がんばれ俺!嘘を突き通せ!!



「本当?」

「本当っす」



近いです。非常に顔が近いです。

綺麗な顔が近くで動揺しちゃいます。



「そう…じゃあこのまま反省点を挙げるからそこから型の練習ね」

「うっす」





注意点は結構あった。

・拳を放つとき脇が開いているため力が分散している。

・腰の捻りのタイミングが無茶苦茶でほぼ手打ち

・無駄に力溜めてるからわかりやすい

・蹴りは飛び込みで勢いをつけたのばっかだからもっと相手の近くでも蹴りを入れられるようにする

・細かい打ち込みと蹴り、それの繋ぎがうまくないのに正面からノーガード突撃している



総合評価



ちょっと格闘技かじった喧嘩レベル。

でもパワーがあるから普通のBクラスの陸戦魔導士となら条件しだいで勝てるだろうだと。

…う〜ん…微妙?いや魔法なしでAクラス倒したけど刀と銃あったしな…

素手でこれならいいのか?うん。よしとしよう。







「パンチは踏み込み、腰、肩の順で打つの」

「踏み込み、腰、肩…」



ふむふむ。型が相当悪かったのがよ〜くわかる。

でもね。



「もう少し肩力抜いて」



ふにっ



「で、そのまま踏み込んで」



   ふにっ



「このまま拳を突き出すの」



   ぴと、ふにっ



…当たってます…ラッキーです。

そしてごめんなさい…喜んでる自分がいます…ほんとごめんなさい…



「こらっ。集中する」

「あたっ…すいません」



軽いチョップを喰らう。集中集中。

……できんわ!!

型を習うのは困難を極めたっす。つうか先輩いい加減当たってるって気付いて。







        〜午後・ナカジマ家〜







型を習う事で午前中は終わった。

その後昼食をごちそうになり片付けをすませてから一息をついた。

そして今は先輩が家の掃除をしないといけないとのことで庭でサンドバック打ちをしている。



「しっかし…若い女の人がサンドバック持ってるって…」



主な使用者は先輩にスバル。しかも所々破けた跡まである。

……これ特注とも言ってたよな?なんか陸士校の魔導士用をさらに頑丈にしたやつって言ってたし。

よく生きてるな俺。



「ごめんなさい。冷蔵庫の中に何もなくて買い物に行かなきゃいけなくなったの」

「じゃあ手伝います」

「助かるわ。じゃあ練習は一旦休憩ね」



ういっす。







          〜ショッピング街〜







…どよどよ…

     …ざわざわ…





今買い物についてきた。そしたらなんか周りの人が注目している。

それはなぜか…



「じゃあケイ君。今度はお米持って」

「せ、先輩…無理…」



明らかに俺より大きいリュックサックを背負わされていている。

しかももうギュウギュウになってる。

そこにさらに米の追加まできた。

周りの人はこの光景に驚いているのだ。



「いつもこんなに?」

「いつもは父さんの車とかなんだけど今日はいないから無理なのよ。それに別の若い男の子がいるし荷物持ってもらえるから特別よ」



そんな特別いらないっす。

てか先輩、米袋片手で持つってどんだけ〜



「う〜ん…もう少し買いたいけど…」

「無理っす」

「そうね。買い物はここまでにしましょ。まあ3日は持つかしら」



3日!?2人でこの量が3日!?食費どうなってるナカジマ家!!

いや…主にギンガさんが食べるのか…

一体あの体のどこにこの質量が消えてるんだ…







「引ったくりよーーー!誰か捕まえてーー!!」



いきなりでかい声で女の人の悲鳴が…

あん?誰だこんなとこでするアホは。ほっとこ、ほっとこ。



「いくわよケイ君!」



はい!?なんで襟首掴むの!?なんでいきなりバリアジャケット装備するの!?

そしてなんでそのままローラースケートでかっ飛ばすのーーーー!?



「待ちなさーい!!」

「先輩が待ってー!!首!首!」



いやーー!?めっちゃ速いーー!!首絞まるーー!!

あーー!?荷物の中身が一部吹っ飛んだー!?しかもなんか大きな荷物持ってる女の人に当たったー!!



「ケイ君!!」

「はい!」

「行ってきなさーーい!!」

「ぎゃああああ!?」



引ったくり犯に向かって投擲されたーー!?

くっそ!それもこれもこいつのせいだ!死ねえええ!!



「天空ペケ○拳(横飛び版)!!」

「ぎゃあああ!!」



ふっ…悪は滅びた…

今度は着地失敗しねえぜ…



    ガン!!



…リュックの中身の缶詰が着地した瞬間頭に落ちてきた。

痛い…

しかし先輩…流石スバルの姉さんだけある…すげえパワーだ。



「ご苦労様。じゃあ事後処理を108部隊に…」



     ちょんちょん



何だ?



「この荷物…あんたのかしら?」



げっ!!さっき荷物直撃した人!ん?なんかさっきのでっかい荷物持ってどうした?



「あんたのおかげで明日ホテルである撮影用のドレスが台無しになったんだけど…どうしてくれんの?」



マジか!?



「しかも初仕事で回ってきたのよ?デザインも自分で…」



やばい…すげえ黒いオーラーが…



「それは…本当にすいません」



先輩…確かに先輩に非があるわ。…あっ、もしかして俺もか?

とりあえず俺も謝ろう…



「すいません…」

「すいませんですんだら管理局は………いいわ。チャラにしてあげる」



へっ?



「ただしそこのリュック男の彼女…じゃないか。とにかくバリアジャケット着てるあなた」

「はい?私ですか?」



リュック男…たこ焼き男の次に変なネーミングが…

しかもギンガ先輩と俺を交互に見て彼女て言葉撤回しやがったな…

当然じゃボケ!!釣り合うわけなかろうが!!



「明日、ホテルアグスタに来なさい。そして私の言う事聞きなさい」

「え〜っと…」

「それとも何の謝罪もないのかしら?」

「…わかりました…明日行かせてもらいます…」

「じゃあよろしく。よ〜し!今夜は徹夜よ!」



何して徹夜だよ。

にしても足取り軽く帰っていくな〜



「ケイ君」

「は、はい!」



また殴られる!?



「ごめんなさいね。巻きこんじゃって…それに明日教えられそうにないわ…」



あれ?いつもはここで鉄拳制裁。理不尽横暴。お仕置きタイムなのに…

ええ人や…この人、ホンマええ人や…



「いえ…自分も荷物取りこぼしてすいません」

「でも何をしろって言うのかしら…」



さあ…何でしょう…



「ケイ君も来てくれるかしら?もう一度謝る必要あると思うから」

「そうですね。そうします」



そうして今日の午後は終わる。

う〜ん。比較的平和だったぜ。





本日の一言メモ

俺の癒しは一応存在した。万歳。







    〜おまけ1〜





「明日はホテル警備の仕事か〜」

「オークションでしたっけ?」

「なんだか大変そう…」

「……」

「どしたの?ティア」

「別に、何でもないわよ」

「ふ〜ん。あっ、そうそう。今ケイってわたしの家にいるんだって」

「なんでケイ兄が…」

「なんか補導されたって聞いたけど…」

「ケイ兄さん…」

「あの馬鹿…何してるのよ…」





    〜おまけ2〜





「父さん。明日なんだけど食事1人で済ませてくれる?」

「別に構わんが…どうした?」

「ケイ君とホテルに行ってくるの」

「小僧!!貴様ーーー!!」

「おやっさん落ち着いて!ちゃんとした理由が!」

「喰らえ親父の熱き魂の拳!!」

「ぐぼおおっ!?」

「ケ、ケイ君!?」





あとがき





だんだん増えてきたキャラ達。そしてやっとアニメの話に戻れる次回。

しかも15話かけてやっとアニメ2話分進んだっす…

ここからはテンポが早まりますが。

次回はホテルアグスタ。ではまた次回もお願いします。





   Web拍手返信





    13話



※文章が読みやすくなって、テンポが良く話が進んでます。だんだん面白さがましてる感じです。



>ありがとうございます。話のテンポはそろそろ上げないとやばいので上げていく予定です。


※ケイの巻き込まれ体質がひどくなってきてるような…(汗)



>今回はそこまでひどくなかったですね。一応。


※このままだと数の子と六課より前に全員会ってしまうんじゃ…。



>あはは…しばらく数の子出番ないっす…早くまた出せるよう頑張ります。


※番外編で出ていたアギトが漸く登場!ユニゾンが待ちどうしい!
※次回はケイとアギトのユニゾンが見れそうですね。

※次回はアギトとユニゾンするのかな?



>はい。ユニゾンしました。バリアジャケットはジャージでしたが(笑)


※間違い…かな、とりあえず発見しました。廃棄都市の東って言ってたのに、西に向かって走ってます。ケイ君のボケか間違いか判断つきませんが、とりあえず報告を。次回も期待してます。
※廃棄都市区画の東?西?それと、刀はともかく銃を撃った事の無い素人が命中させられるのかな?
※廃棄都市区画の東→ケイの台詞が西になっているよ…

※廃棄都市区画の東…西って…巻き込まれ体質は仕様DEATHネ☆
※向かう方向が反対?



>すいません…間違えました…方角を間違えるとは…

>銃は命中したのは運です。だから魔力弾撃ち落す芸当無理で、投擲したら当たりましたw

>巻き込まれ体質?当然使用です(ぇー


※ケイは受難な星の下に生まれてるな、ほんとに。そして今日も蹂躙される、と。……合掌



>ミッドに来る前は普通でした。今はものすごい速さで不幸の道を進んでいますw


※ケイ君暴走の反動なのか危ない人になってる?



>キレたらこんなです。ただヘタレが混ざってるから中々キレる機会がありません。


※面白かったです!次回を楽しみに待っています。

>ありがとうございます。14話も面白く感じてもらえてたら嬉しいです。

※だけれでもそれはリインとはまた違うどこかギラギラした雰囲気を持つ紅い髪のの妖精だった]
「だけれでもそれはリインとはまた違うどこかギラギラした雰囲気を持つ紅い髪のの妖精だった」では無く
「だけれどもそれはリインとはまた違うどこかギラギラした雰囲気を持つ紅い髪の妖精だった」だと思うのです
「くっそ!だからどこでも行くなって言ったのに」では無く
「くっそ!だからどこにも行くなって言ったのに」だと思うのですが…



>「の」を一回多く入れてしまいました…ありがとうございます。「くっそ!」の方はこれで合ってます。どこでも勝手に行くのでアギトが困っています。




   14話





※大炎塊って、どこの火拳の人ですか。



>炎と言えばエー○ですよね!大好きです!監獄から出られるといいのですが…


※面白すぎだ。感動した!
※面白く読みました。続き待ってます。



>感動してもらえて嬉いっす!続きお待たせしました!

※ケイ君、某ガンマンに銃殺されないように気をつけな!



>ケイ「はははは!今なら銃弾かわせるぜ!」

>ティアナ「へえ?じゃあかわしてみなさい」

>ケイ「待って!頭に銃口突きつけられたらよけられない!」

>ティアナ「あら?そうなの?でも一応試しましょう?」

>ケイ「NOOOOO!!」


※いやかわいいのは水色のアホノ子だ



>セイン「へっへ〜ん」

>ウェンディ「くぅ〜〜…でもアタシが先に言われたっス!アタシの勝ちっス!」

>セイン「何だと!?あたしだろ!?」

>ウェンディ「アタシっス!!」

>ケイ「どっちでもええやないか」(どっちもかわいいし)


※ 「そもそも奴らの目的を殺すことなら攫う必要がない」では無く「そもそも奴らの目的が殺すことなら攫う必要がない」だと思うのですが…
「アギトによるとここからなら生体反応が出ていたらしい」では無く「アギトによるとここから生体反応が出ていたらしい」だと思うのですが…
「さっきのが効いたのは効いたみたいだな」では無く「さっきのが効いたみたいだな」だと思うのですが…



>すいません…誤字多すぎですね…もっと注意します。



※ケイがルーテシアを堕とした様で…ロリコン?



>ケイ「誰がロリコンだ!!俺は普通の意味で子供好きなだけだ!俺の守備範囲は同じ歳か近いと歳だ!」

>ルーテシア「…ロリコンて何?」

>ケイ「ん?子供がやばい意味で好きな人のことだ」

>ルーテシア「…じゃあケイ…ロリコン…子供好きだから…」

>ケイ「いや普通の意味でだと言っただろ!?」

>ルーテシア「ケイ…ロリコン…」

>ケイ「無限ループ突入!?」


※すずかのケイへの感想が鬼みたい+アギトとユニゾンで炎がだせる=閻○堤炎上軋間○摩!?



>すいません…元ネタわからんです…







作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板
に下さると嬉しいです。