【???side】
・・・・・・飢えは極限だった・・・・・・・・・
・・・・・・渇きは限界だった・・・・・・・・・
ここは何処だ?俺は何をしているんだ?
???「【 】ーーー!!」
力を手に入れれば・・・夢に近づけると思っていた・・・・・・
力を手に入れれば・・・平穏に生きていけると思っていた・・・・・・
力を手に入れれば・・・高みへ行ける思っていた・・・・・・・・
力を手に入れれば・・・汚泥を飲まなくても済むと思っていた・・・・・・・・・
力を手に入れれば・・・己の無力を責める必要は無いと思っていた・・・・・・・・・
力を手に入れれば・・・誰かの隣に誇りを持って立てると思っていた・・・・・・・・・
『ジュエルシード事件』『闇の書事件』等の魔法関連の事件・・・
他にも様々な災厄に見舞われ、事件に巻き込まれ、その度に無茶を繰り返した俺の身体は既にズタズタになり、
素養もないのに魔法を使い続けた代償として、俺の命はもはや風前の灯となっていた。
フィリスの奴が泣きながら、『もって一年』とか言った瞬間は悲しいというより『やっぱりな・・・』と思う気持ちの方が強かった。
『ジュエルシード事件』も『闇の書事件』も最初は惨めったらしいっていうか、なのは・フェイト・はやて達や、守護騎士団の様な華やかさとは掛け離れた無様ったらしい戦い方だったが、それなりに貢献はできた・・・あいつ等ができなかった事を俺がする事もできた・・・つぅか、具体的に言えば、それしかできなかったんだがな・・・。
――――小さな・・・消えてしまった筈のお嬢様の命に再びチャンスを与える事ができた・・・
――――実の娘を失くしかけ・・・失いかけていた母親の心を取り戻し、もう一人の娘に向き合わせる結果を創れた。
――――消えるべき運命だった『闇の書』を・・・まぁ、色々あって『夜天の書』に戻し、死す運命だった白銀の髪の少女を救うことが出来た。
あいつらがやった事と比べれば小さい事・・・でも、まぁ、それでも、俺にしては、上出来だった方だと思うが・・・。
だが、そんなちっちゃな事でも俺の器では、限界を超えていたらしく・・・人間としての寿命を削る結果になったと云う・・・笑うしかない展開になってしまった。まぁ、なんとなく、そうなんじゃネェかなぁとは思っていたが・・・。
そして、その事実は隠してたんだが・・・
俺はこの町に来て、自分の器を知ってしまった・・・『天下を取る』そして、そのために『最強の力』を手に入れる・・・・・・俺が求めていたのは『絆』ではなく『力』だった。俺の様な人間にとって『無力』とは、他の全てに勝る大罪だった・・・。力がない者・・・弱者には、何も得れらず、何も守れず、そして何も与えられない・・・安全も、衣食住も、尊厳も、恐怖や畏怖や敵意さえも、得れないし、守れないし、与えられない。
――――そして、俺は圧倒的な弱者だった・・・・・・
――――そして、俺には夢を追うための力さえも無いという事を知った・・・・・・
だが、こんな俺にも、心配してくれる奴等がいるわけで・・・義理の親分ヴィーダ、毎日の稽古相手シグナム、自称俺の正妻シャマル、チビ助妖精のミヤ、妹分なのは、友人のフェイト、俺にだけ唯一甘える家族はやて、頭脳明晰メイドのアリサ、理系の吸血娘・忍、その従者ノエル、巫女の那美、家来の久遠、白衣の天使フィリス、悪友のエイミィ。そして高町家のお人良し集団やさざなみ寮の住民・・・その他諸々・・・この事実を知った奴等は傍から見てた当事者である俺が呆れる程、取り乱していた。
最近読んだマンガの悪役の台詞にこんなのが在った。
――――――――理想ってのは、実力の伴う者のみ、口にする事が出来る現実だ・・・・・・・・・・・・と。
全くもってその通りだ・・・
あの時・・・アルフとの戦いの時・・・もし、俺に力があれば、アリサを犠牲にせずに戦えただろう・・・
あの時・・・時空庭園での戦いの時・・・もし、俺に力があれば、はやての命を削らずに、戦えただろう・・・
・・・あの時
・・・あの時
・・・あの時・・・
思い起こすと、全くもって、キリがない・・・
・・・・・・思えば、『強くなりたい』って思いは初めから在ったけど・・・
・・・・・・『生きたい』って真剣に思ったのは、この町に来てからなんだよなぁ・・・
『禁断の果実』・・・・・・かつて、最初の人間『アダム』と『イヴ』が神の言いつけを破り、動物離れの知恵を得たという林檎の果実・・・だが、俺の解釈は少し違う・・・『禁断の果実』とは、服用者を汚染し、遺伝子を組み換え・・・『進化』を促がす究極の毒ウィルス・・・・・・甘い蜜であると共に、神経の一本一本に一秒毎、千回は死ねる決して和らぐ事の無い激痛と快楽を経て、ようやく辿り着ける『無限』と云う名の境地。
・・・・・・・・・・・・・・・それでも、・・・俺の人間としての器を満たす『成長』ではなく、生命・・・存在としての『進化』を選んだ・・・それが唯一、生きる可能性が残される道なのならば・・・
俺は『禁断の果実』の試練を乗り越えた。精神力というより、諦めの悪さと言った方がいいかもしれんが・・・俺は生き残り、さらに進化によって、強大な力を手に入れるに至った・・・。魔力とは異質だが、俺の望んだ力。法術も完全に制御できるようになり、俺は自分を誇れる力を手にする事ができた・・・
そして・・・
それが・・・
―――――最高のエース達と・・・・・・
―――――最凶のジョーカーの・・・・・・
―――――――――悲劇と別離・・・・・・
―――――そして・・・逸話の始まりとなった・・・・・・
―――――『禁断の果実』とは、『進化』の代名詞・・・
―――――神は言いつけを破り、禁断の果実を口にしたアダムとイヴを『原罪』の咎人として、楽園から追放した・・・
―――――だが、俺の解釈は少し違う・・・・・・
―――――――――神は恐れたのだ・・・・・・己を超える存在を創り出す『進化』という可能性を・・・・・・――――――――――――
我が罪状・・・・・・それは力が無く・・・・・・そして、余りにも弱過ぎた事・・・・・・
●To a you side 三次創作・・・・・・・・・『禁断の果実〜Forbidden Fruit〜』 プロローグT・・・原罪・・・●
【管理局員side】
どうしてこんな事になった?
俺達は今まで通り、この強大な魔力資質で弱者を痛めつけて、金を奪って、気に入った女を犯して、管理局じゃ英雄扱いされる筈だった・・・。今回の獲物は色々と曰く付きの噂が多かったが・・・、元々の魔力資質はFランクさえ遙かに下回る落ちこぼれ・・・。徹底的に痛めつけて、楽しんで・・・今までの女を犯してた頃と同じ様に薬やら、精神魔法やらを使って・・・こいつの持つって云う『願いを叶える』って力で暇つぶしをするつもりだった。
今までと同じ弱いもの虐めだった筈だ・・・・・・それなのに・・・
――――ズバンッ!!
「ぎゃぁっ!!」
――――ドズンッ!!
「ゴギャァァァァァァァァァァァァ!!」
――――カッ!!
「・・・・・・・・・アァァァァァァァァァァ・・・・・。」
鮮血が迸る・・・。
傲慢・・・Pride
暴食・・・Glutony
嫉妬・・・Envy
怠惰・・・Slouth
性愛・・・Last
貪欲・・・Gleed
憤怒・・・Larth
七つの宝石を埋め込んだ歪な形の剣が、欲に捕らわれた俗物たちの頭蓋を割る・・・。
―――ある者は刃と化した腕に、足を斬り飛ばされ・・・、
―――ある者は大砲の様な蹴りに、胴体を粉々に吹き飛ばされ・・・、
―――ある者は虹色の光柱に、存在ごと跡形も無く消滅・浄化させられた・・・
時空管理局地上本部局員S+ランク魔導士・・・その部下のAAA+魔導士・・・
数多の次元にネットワークを持つ時空管理局でも、そう多くいない最優秀の一角と言っても過言ではない魔法の素養を持つ者たち・・・・・・エリート魔導師達・・・・・・、それを、まるで、虫でも潰すかのように殺す事のできる力を、かつて『落ちこぼれ』だった虹彩の髪の男は手に入れていた・・・。
それは『戦闘』ではない・・・そう呼ぶには・・・あまりに一方的な『殺戮』だった・・・
(・・・・・・・・・なんなんだよ!!魔導師とか、騎士とか、そんな次元の問題じゃねぇ!!・・・・・・コイツ・・・化物だ!!)
『人間』の常識範疇でどうこうできる存在ではない。その男は己の『器』を破り・・・そして『死』すら幾度も経験し、その精神力で捻じ伏せ、屈服させ、己の望む力を得た『超越者』のだから・・・・・・。
(勝てる訳無い!!こんなのに!逃げッ・・・・・・)
ボトンッ
「へ?・・・・・・・・・ヒ・・・ヒギャァァァァアアァァァァアアァァア!!!腕!腕!俺の右腕ェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!」
男の命を狙ってきた局員のたった一人の生き残り・・・リーダー格の男は、片腕を強力な障壁の上からバターの様に綺麗に切り取られていた。
男は自分の命を狙ってきた最後の局員の前に立つ。
その瞳には無限の進化の力の証である∞の聖痕〜スティグマ〜が浮かんでいた・・・・・・。
「ま、待ってくれ!見逃してくれよ・・・俺は上に命令されて来ただけなんだ・・・。あんたの持つ『どんな願いをも叶える』って力を欲しがってる人がいてさ・・・なぁ、頼むよ・・・」
男は命乞いをする憐れな獲物に冷たい眼光を送った。そして、興味を失ったかの様に後ろを向いて歩き出した。
「ヒャハッ!!油断したな!マーヌケェ!!」
男の慈悲を逆手に取り、リーダー格の局員はその手に持った杖型のデバイスに魔力を込め、最大の魔法を発動した。
半径8kmの空間を歪曲させ、敵を含めた全てを魔法が及ばない次元の狭間〜虚数空間〜へと叩き落すSSランクの大魔法。
その局員は良家の生まれだった・・・将来を約束され、多大な魔力、武芸、才能、環境・・・そして甘い家族に恵まれ、将来を約束された存在だった。それ故に己の望む事は全てまかり通って来た。舎弟や部下と共に、気に入った女を犯して、気に入らない者を傷つけて、自殺にまで追い込んでも、両親を含めた全ての環境が自分に味方し、全てを揉み消してきた。そうやって何度も繰り返して、今度は時空管理局に入局し、そこでも今まで通りの人生を送ってきた。
・・・・・・・・・・しかし
「くたばりやがれェェェェェェェェェェェェェェェェ」
天から与えられし圧倒的な才と恵まれた環境が生み出した暴君の約束された将来は・・・・・・
――――――――テメェがな・・・
パンッ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
―――――――――いい根性してんな・・・・・・。
天をも超えた『超越者』の
「俺の最大魔法を・・・・・・・・・・・・・・・・・・腕一振りで?」
埃でも払うかの様な動作によって
――――――――――褒美だ。受け取れ・・・・・・。
「へ?」
絶望を感じる間もなく
――――――――――・・・・・・・・・不倶戴天、『プライド・ブレイド〜傲慢の兇刃』・・・
グチャッ
頭蓋の脆い音と共に崩れ去った・・・・・・
【???サイド】
「・・・なんというか、爽快な位、絵に描いた様なクソ野郎だったな。しかし、魔力だけならなのはやフェイトに匹敵するモノがあったなぁ・・・。結構いるもんなんだなぁ『天才』ってのは・・・。確か良家の生まれとか言ってたが・・・どうでもいいか・・・」
男は雪原を歩いていた。少し妬む様な口調で、ボロボロのシャツとズボンを引き摺りながら・・・、何日も洗っていないらしく、返り血で真っ赤になっている。
「しかし、死に様は案外ベタだったなぁ。後ろから不意打ちしといて、返り討ちでやんの。・・・・・・プッ・・・・・・。何処に出しても恥ずかしくない清清しいほどベタな小悪党だった・・・・・」
自分でやっておきながら、まるで他人事のように呟き、そこでやっと返り血にまみれた自分の身体に頓着した。
「何処かで洗うか・・・っていうか、この分だと買い直した方が早いかもしれん。身体も洗いたいなぁ。・・・・・・なぁ、あんたら、ちょっと、風呂貸してくんない?」
その男は周りを百をゆうに超える武装局員に囲まれながら、それに向かって、そんな暢気な事を喋っていた。
そこに一人の少年、そして三人の少女、そして少女の一人を守る騎士達が、武装局員の代表として前に出た。
その内の一人の少年が男に向かって投降を促がした。
「もう、大人しく投降しろ。君には釈明の余地がある。」
男はその言葉にようやく、周囲の状況に関心を向けた。
男「・・・久しぶり・・・といったところか?お前も俺を捕まえに来たのか?・・・クロノ・ハラウオン執務官。
それと・・・・・・・・・元気だったか?なのは」
男は嘗ての仲間達に向かって、淡々とした口調で返答を返した。
男「・・・フェイト」
二年間に渡る寝食さえ、まともに取れない戦いの中で・・・、
男「・・・はやて」
血塗れになった顔と・・・
男「・・・ヴィーダ、・・・シャマル、・・・シグナム・・・・・・」
虚ろになった瞳を向けて・・・
――――――――少し、背ェ伸びたか?
暢気な声で笑いかけた。
〜ミヤモト・リョウスケ〜
『禁断の果実〜フォービドゥン・フルーツ』による『超神化』を成し遂げ、強大な力を得た法術使い。
二年前に姿を晦まし、そして今日まで、己の力を狙う・・・多くの管理局員や十を超える時空航空艦を堕とし、裏表を含めたそれぞれ・・・千を超えるその他の組織を潰し・・・・・・その過程でも更なる『進化』を幾度も繰り返して来た・・・・
数多の種族・世界を巻き込んだ時空管理局史上最大にして最悪の事件・・・その災禍の中心。
――――――虹彩の長髪を携え・・・
――――――進化を意味する無限〜∞〜型の聖痕を瞳に刻み・・・
――――――神をも超えた力を使役する・・・
――――――最高のエース・オブ・エースの対極に立つ存在・・・
――――――最凶にして、最悪のジョーカー・・・
太古の昔、単細胞を多細胞に、獣を人に変えた『進化』という名の『禁断の果実』は幾星霜の時を経て、『人』と『神』の間の『失われた進化の輪〜ミッシングリング〜』へと、彼を『進化』させた。
『死』と『生』と云う名の試練の輪を幾度も乗り越えて・・・・・・・・・
その罪状・・・・・それは力を求め・・・・・・そして、余りにも強くなり過ぎた事・・・・・・。
あとがき
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・疲れたぁ!!!
うちのパソコンにはWordがないんで、これが限界ですわ。
あ、自己紹介が遅れました。我が名はJUDO、全ての生命の長です。
はい、仮面ライダーネタです。
はじめてのSSなので、かなり不定期になるでしょうが、何とぞ、暖かく見守ってください。