スーパーヒーロー作戦  NEW MISSION  IF  (リリカルなのはStrikers Another Story) 第四話  「機動六課始動」 Part-b


     Side  はやて 

ついに、今日うちらの部隊が始まる。
やっぱり、緊張するわ・・・
せやけど、一つしとかなあかん仕事がある。

「で、はやて。 俺に何の用だ? いろいろ忙しいんだが・・・」
「そんな怖い顔で睨まんといてぇな・・・」

別に、楓くんにとって悪い話とちゃうんやから・・・
「はやての用事は何なんだ? さっさと言ってくれよ」
「せやね。 楓くんにお願いしたいのはガイアセイバーズの皆と一緒に六課非公式の部隊、デルタフォースのリーダーになってくれへんやろか?」

楓くんは何を今さらみたいな顔をしている。
何か癪やな・・・

「もちろん、引き受けよう。 俺としても渡や天道達が自由に動けるようにした方がいいからな」
「楓くんが了承してくれてありがとな・・・ 」
「別にお前のためじゃないさ。 スバルや渡達が安全になるようにするためだ」

ほんまに楓くんは会った頃と違て、今ではスバルを溺愛しとって、渡くん達にも仲良くしとるもんな・・・

「まぁ、よろしく頼むわな・・・」
「あぁ、任せておけ。 全力を尽くすさ」

楓くんの言葉は相変わらず迷いがないなぁ。
うちも頑張らなあかんな・・・

       

     Side   侑斗

ゼロライナーでジェイル・スカリエッティのアジトまでやってきた。
ここからはうまくやらないとな・・・

「(デネブ、こっからは俺一人で行く。 お前はゼロライナーと一緒に野上んとこに行け。 いいな?)」
「(侑斗!? 今から侑斗が行く所は犯罪者のアジトだぞ!? やっぱり、俺も・・・)」

俺はデネブの言葉を遮り、俺の考えをデネブに伝えることにした。

「(お前は野上のいる場所まで行って、最悪の場合に備えて定期的に連絡するからそれを野上に伝えろ。 いいな。)」
「(分かった。 俺に任せてくれ。)」

デネブを説き伏せることはできた。
とりあえず、アジトに乗り込むか。

「おい、ジェイル・スカリエッティ。 ここにいるんだろ。 出てこいよ」

何の返事もない・・・ 
無視しやがったみたいだな。

「あはは・・・ 勇気ある青年だなぁ・・・ 少し試してあげよう・・・」
「試してみろよ。 俺はお前よりも度胸はあるつもりだ」

俺の言葉とともに妙な機械兵器が出てきたか・・・
パーティーの始まりだな・・・

「それはガジェット・ドローンと名付けられている。 君は数百といるガジェットを相手にできるかな?」
「実体があればな・・・ だが、幻影とは戦えないぜ・・・ 顔を出したらどうだ!?」

俺の言葉に反応したジェイル・スカリエッティの顔が空間モニターに映し出された。
こいつがスカリエッティか・・・
完全にマッドサイエンティストの顔してやがる。

「ようこそ、私のアジトへ。 君の名前は何と言うのかな?」
「俺は桜井・・・ 侑斗だ。 お前達の用心棒になりに来てやった」

スカリエッティの顔に笑みが浮かぶ。
自分のアジトがばれて焦ってないって言いたいのかよ・・・
大胆な奴だな・・・

「迎えがそちらに向かう。 彼女について来てもらおうか」

どうやら、第一の関門は乗りきったようだな。
じゃあ、俺の計画を進めるとするか・・・


     Side  天道

いよいよ、はやての部隊である機動六課が始動する日だ。
はやての挨拶でも聞いてやるとするか・・・

「あれ、天道さん? はやてちゃんの挨拶ならもう終わっちゃいましたよ」
「本当か? はやての奴、俺の真似などしてからに・・・」

全く、どうやったらああいう風に育つのやらだな・・・ 

「なのはは今から新人達の訓練か?」
「はい。 今日から早速みんなの訓練をしないと駄目ですから」

なのはがガッツポーズを取りながら俺に答えてきた。
俺より大人になったみたいだな。

「老けたな、なのは・・・ 俺は不安だぞ・・・ いろんな意味でな・・・」
「老けてません! まだ二十歳にもなってないんですよ!!」
「いいからさっさと新人達の訓練に行ってやれ」

俺の言葉になのはが少し頬を膨らませてから訓練場に向かった。


     Side  光太郎 

 俺ははやてちゃんからこの部隊に最新式のヘリがあると聞いて、そのヘリを見に行くことにした。

「しかし、おっきいヘリだなぁ。 これで飛んだら気持ちいいだろうな・・・」
「あんた、ヘリ好きなのかい?」

俺の目の前にはここのヘリパイロットであろう人がいた。

「君は誰だい? あっ、俺は南光太郎だよ」
「俺はヴァイス・グランセニックだ。 この部隊のヘリパイロットをやってるもんだ。 あんたもヘリパイロットなのかい?」
「昔はね・・・ 今は何もしてないけど・・・」 

つい、昔のことを思い出してしまった。
守れなかった人達のことを・・・ 

「何かわけありって顔してるな・・・ まっ、詮索はしないさ」
「ありがとう・・・ まぁ、これから1年よろしくお願いするよ」

俺の差し出した手をヴァイス君の手が握りしめられる。

「そうだ、光太郎。 ストームレイダーに乗ってみたいか?」
「もちろん! 俺も久しくヘリには乗ってなかったから嬉しいお誘いだよ!!」

俺の言葉にヴァイス君は子供みたいな笑みを浮かべながらヘリに案内してくれた。
輸送ヘリということだからスペースはかなり広い。
これならアクロバッターを乗せられるかもしれないなと思ったりもする。

「じゃあ、光太郎。 ストームレイダーのテストフライトに行くか!?」
「あぁ、行こう! 楽しみにしてるよ!!」

俺もヴァイス君も結構興奮しているようだ。
ストームレイダーは無事に離陸して、今は機動六課の周りを飛んでいる。

「光太郎! あれ何だと思う!?」
「あれは対空型サイプロクスか・・・ このヘリを狙ってる!」

ヴァイス君はとっさに操縦桿を操作して、サイプロクスの追跡を振り払おうとする。
しかし、サイプロクスもしつこく追跡してくる。

「ヴァイス君! 俺が迎撃する!! だから、ある程度距離を取ってくれ!!」
「どうするつもりだよ! あんた、一般人だろ!?」

俺はヴァイス君の言葉に意識を昂らせながら変身のためのポーズを取る。

「こうやってだ! 変身!!」

俺は仮面ライダーBLACK RXに変身した。

「あんた、一体何もんだよ・・・」
「俺は仮面ライダー・・・ 改造人間だ・・・」

俺の言葉にヴァイス君の表情が変わる。
しかし、すぐに表情を戻すとヘリを操作して、対空型サイクロプスとの距離を保つ。

「俺が奴を撃ち落とす。 ヘリをできるだけ近づいてくれ!」
「分かったぜ。 けど、気をつけろよ!」

ヴァイス君の言葉に俺は頷きながらロボライダーに変身する。
そして、ボルテイックシューターを呼び出した。

「行くぞ! ヴァイス君!!」
「おうさ!!」

ヴァイス君がヘリをサイクロプスに近づけてくれる。
俺はボルテイックシューターからエネルギー弾をサイクロプスに撃ち込んでいく。
しかし、サイクロプスは軌道を変えて、ボルテイックシューターをかわしてくる。

「光太郎! 俺が奴との距離をなんとかするから決めちまえ!!」
「あぁ、分かった!!」

ヴァイス君のヘリの操縦は的確にサイクロプスとの距離を取っている。
俺は神経を研ぎ澄まし、サイクロプスの身体にボルテイックシューターを撃ち込んでいく。
サイクロプスはボルテイックシューターの威力に耐えきれなかったのか、爆発したようだ。

迎撃に成功した俺達はしばらくの間、様子を見てからフライトを再開することにした。
ヴァイス君が後でいろいろ聞かせてもらうからなとか言っているから覚悟しておかないとな・・・ 


      Side  スバル 

なのはさんによる訓練が始まってから早くも2週間が経った。
今日は楓兄との模擬戦がある日。
みんなとも仲良くなったし、だいぶ連携も取れるようになってきた。
今なら楓兄とも戦えると思う。

「スバル。 張りきるのは構わないけど少しは落ち着きなさい」
「スバルさん。 頑張って、楓さんに勝ちましょう!!」
「うん! みんな、頑張ろう!!」

あたし達は楓兄との模擬戦の準備を終えて、ストレッチを済ませた。
後は楓兄との模擬戦に勝つだけだよ。


    Side  楓 

スバルとやるのは初めてだな。
六課フォワード陣の戦い方は見てきた。
そして、スバル達は俺の戦い方を知らない。
その分だけ俺にアドバンテージがある。

「じゃあ、模擬戦する前に楓くんにはいくつか条件をつけておこうかな。 楓くんはトライデントのファーストモードだけを使用してね」
「条件はそれだけか・・・ なんなら、使用する魔法は簡単なのだけにしておいてやる」

スバル達の表情が強張ったように見える。
まぁ、当たり前だな。
馬鹿にされたようなもんだからな。

「じゃあ、始めようか。  勝敗条件は相手を戦闘不能にすることだよ。 みんな、頑張ってね!!」

なのはの声で模擬戦が開始された。
俺はスバル達と距離を取ると構えを取る。

「さぁ、来い! フォワード陣!!」
「行きます! スバルさん!」
「おう!! 楓兄、あたしが勝つよ!!」

スバルとエリオが突っ込んでくる。
フロントアタッカーとガードウィング・・・ 
俺が最も相手にしやすいポジション。
スバルはローラーブーツを走らせて俺の懐に入ってきた。
そして、左のジャブから右のストレートを打ち込んでくる。
俺はそれをいなして、左右のストレートを返す。
スバルはそれをガードして離れるとエリオが後ろから飛んでくる。

「楓さん! 勝たせてもらいますよ!!」
「エリオ! 敬語を使うなと言ってるだろ!!」

俺は背後から来るエリオを捌いて、反撃の膝蹴りでエリオを弾き飛ばす。
そこへ、ティアナの射撃魔法が撃ち込まれる。
こっちも見せてやるか・・・

「風の精霊30人! 集い来たりて 魔法の射手 連弾・雷の30矢!!」

俺の周りから電撃を纏った魔法の矢がティアナ目掛けて射出される。
しかし、全弾かわされたようだな・・・
なら、さっさと終わらせるか・・・ 

「終わらせてもらうさ・・・」 

俺は瞬動でキャロとの距離をゼロにしていく。

「悪いな、キャロ。 まだ俺は負けてやるわけにはいかないでな」
「あっ・・・ あの・・・ わたしはどうすればいいんでしょうか?」

キャロの首筋には俺が作り出した断罪の剣を突きつけている。
もし、これを使えばキャロは即死するだろう。 
まぁ、脅しだがな・・・ 

「さぁ、降参してもらおうか・・・ チャンスはまだあるさ・・・」
「分かりました。 降参します・・・」

俺はキャロの言葉に魔法を解いた。 

訓練が終わり、スバル達はクールダウンを行っている。

「楓兄! 今日はちょっとずるかったよ!!」
「悪かったな・・・ まぁ、少しは意地張らせてくれよ・・・」

スバル達は俺の言葉にある程度納得してくれたようだ。

こいつらはまだまだ強くなれる。
上を見ているからだ。
もう少し、平和な日常をスバル達が送れるといいがな・・・ 

         第5話に続く


あとがき 

今回も修正しました♪♪ 
それでは、またですよ♪♪ 
ひらひらでした♪♪








作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板
に下さると嬉しいです。