某月某日
管理局が作っている雑誌を読んでみた。
そこにはこんな項目が
『女性管理局員必見!管理局男性物件』
「こんなのがあんのかよ。完全に女向け雑誌じゃねえか」
まあ気にせす読んでみた。
とりあえずいろんな感じで分類別がされていてランキングみたいになっていた。
俺的に印象に残るのが2つあった。
超絶波瀾万丈人気No1物件 宮本良介
「ちょとまてコラ!」
俺は民間人だぞ!?そりゃ確かに管理局には知り合いが多いが・・・。
しかも補足を読むと
「白い悪魔」「死神」「夜天」など管理局きっての美女たちが狙う中未だに落ちない物件。
落すのはかなり必死の物件ではあるが一緒にいられれば間違いなく退屈しない非日常の生活が
約束される。退屈しているあなたにお勧め。
おい、たしかにあいつらは美人の分類に入るだろう。だが俺にとってはただの死亡フラグだぞ!?
貴様らも本性知ってるんだろ!?・・・・あっ!知ってるからこそこれ以上のことを書けんのか・・・。
「悪魔」とか書いた時点で死んでるだろうけど・・・。
あと非日常って・・・俺はのんびりしたいのに・・・。
しかしこれの方にもかなり驚いた。
超優良物件 無限書庫司書長ユーノ・スクライア
いたなこんなやつ!!本当に忘れてた・・・。
しかしたしかにこいつはいい物件なのかもしれんな・・・。
提督並の権力者でしかも給料も高い。顔も女顔だが美形ではあったと思う。
内容を読んでみると・・・
現在フリーで「白い悪魔」「死神」「夜天」の幼なじみ。
しかもまったく相手にされていないため命の危機はない。
落とせば将来安定した結婚生活が約束されるだろう。
たしかにあいつらこいつのこと相手にしていない・・・つうか覚えてんのか?
タダの便利屋扱いみたいな感じだよな・・・・。
・・・・あまりにかわいそうなので差し入れをもって無限書庫にいった。
そしたらあいつはいた。しかしここでの激務のせいかものすごくやつれていた・・・話してみたら
「いや〜、差し入れありがとうございます。それにしても久し振りですね。」
「ああ、ところでお前体大丈夫か?」
「大丈夫ですよ。徹夜が4日続いてるだけですから」
「4日!?」
おいおい、いくらなんでも忙しすぎだろ・・・
とりあえずそのまま雑誌の話をしてみたら
「うれしいな。ちゃんと僕のこと覚えてる人いたんだ・・・でも誰も告白なんてしてくれないんだよね」
ものすごく悲しそうに言った。
「そういえばなのは達は元気ですか?」
「ん?仕事で会わないのか?」
「会ってますけど画面越しだけです。仕事の依頼を受けたらそれで話終わりですから」
流石に俺も同情した・・・
同時にこいつの静かな生活に羨ましく思った。
しばらくここに通って俺も静かに生活しよう。休息もたまにはいいだろう。
無限書庫生活一日目
「(肩でも)揉んでやろうか?」
「え? 急にどうしたんですか?」
「気にするな。うお、お前滅茶苦茶固いな!? こんなに(身体は)細いのに」
「ああ、気持ちいいです。こういうの(肩もみ)、久しぶりなんで嬉しいです」
この後、アルフに妙な視線で迎えられた。
はて、なんでアイツはあんなに顔を真っ赤にしていたのだろうか?
「フェイト…一体どうしたら」とかなんとか呟いていやがったし。
無限書庫生活二日目
折角なので読書をしようと一冊手にとって見る。
『ツンデレな人の落とし方』
…貸し出し先の名簿がほとんど知り合いの女の名前ばかりだった。
無限書庫生活三日目
クロノがユーノに通信を入れてきた。
どうやら資料の請求のようだ。
しかしアイツ、ユーノ後ろにいた俺には全く気がついていなかったな…
まさか空気属性が伝染した!?
無限書庫生活四日目
見知らぬ女司書に相談された。
なんでもこの女司書、ユーノのことが気になるらしい。
流石は優良物件、裏ではきっちりモテてるんだな、本人にはいわないけど。
とりあえず『フェレットの上手な飼い方』という本を渡しておいた。
うむうむ。
平和だ・・・六課のやつにまったく会わないだけで
そう思っていたらギンガが資料をくれとやってきた。しかし空気属性のせいなのかきずいていない。 センサーがここじゃ何かの力で働かないのか?
本の山で顔を隠しつつ逃げようとしたらそれがまづかったか手伝おうと近づいてきた。
そしてそれが俺のだと顔を見てやっと気づいた。
「なんであなたが・・・その本・・・まさか更生するために勉強を・・」
なにやら勘違いしたようだがここでうまく言わねば俺の安息が・・・
「まあそんなとこだ。ただ他のやつ等に言うなよ」
「あなたのことですから恥ずかしいんですね?わかりました。私も邪魔はしたくありませんから黙っておきましょう。」
そう言ってうれしそうに依頼をして出て行った。
それからよくギンガが来て勉強の差し入れだと弁当を作ってくるようになった。
まさか留置所以外で食えるとは・・・
弁当はカツ丼が出るかと思ったが高校生が彼女につくってもらってそうなうまそうなもので意外だった・・・。
「おいしいですか?」
「ああ、まさかカツ丼以外を作るとは思わなかった。」
「それ以外だって作れますよ。勉強がんばるのならリクエストくらい聞きますよ?」
「メロンで」
「うふふ、言うとおもいました。じゃあデザートで持ってきますね?」
・・・こんな会話までできるとは・・・
ここはいいところだ・・・
某月某日
「良介さん、そこの資料の日付順にまとめてもらえませんか?」
「おお、そんくらいいいぞ」
ついに手伝いをするようになってしまた。
しかしこいつすげえな・・・本を一気に十冊以上読んでいる・・・
他の司書達も5冊くらい一気にやりやがる・・・
おっ?何やら速読魔法の質問にいきやがった。いい雰囲気作ってやがる。
ここには争いがないのか・・・
無限書庫生活某日目
例の司書が真剣な面持ちでユーノと向き合っている。
おお、いよいよ告白か!?
告白シーンなんて生で見たことがない俺は本棚の後ろからこっそり覗き見だ。
あれ、そういえばギンガはどうしたんだ?
確かさっきまでそこに……ってうお!? 真っ赤じゃねえか。
湯気まで出してるし…純情なんだな、コイツ、新発見だ。
よし、弱みをゲットだぜ!
…おっと、それはそれとして続きを見なければ。
「ん? どうしたの?」
「ユーノさん、わたし…」
いけ、もう少しだ!
心の中でエールを送る俺。
だが次の瞬間、通信モニターが二人の間に現れた。
……おいおいクロノ、空気読めよ。
あーあ可哀想に、あの女司書逃げちゃったよ。
よし、とりあえずフェイトに匿名でクロノの悪行をリークするとしよう、無論でっちあげだけどな!
ちなみに、ギンガはこの行動を見逃してくれた。
流石に腹に据えかねたんだろうな…
無限書庫生活某日目
ティアナが勉強しにやってきた。
やはり俺には気がつかない。
なんせ背後に回っても無反応だしな。
ガンマンの癖に緩慢な奴だ、俺の背後に立つなとか言って見せろ!
「全く、模擬戦してもらおうと思っていたのに、あの人は一体どこに…ぶつぶつ」
何かブツブツいってやがるな。
とりあえず何もしないのもなんなのでフッと耳に息を吹きかけてみた。
「ひゃあぁんっ…」
うわ、腰を抜かして座り込みやがった!?
なんかビクビクしてやがるし、ここは退避だ!
無限書庫生活某日目
先日のティアナへの悪戯のせいか、無限書庫には幽霊がでるという噂が立ってしまった。
ユーノは別段気にしている様子はないが、何かギンガの様子がおかしい。
ひょっとしてコイツ、オカルト苦手なのか?
「女の子なら誰だって苦手だと思います」
「じゃあアリサとかどうなんだ?」
「あの人は別の意味で怖いです」
俺もそう思う。
無限書庫生活某日目
今日地震があった…。
頂点が見えないほど高い本棚(?)の上から本が落下してきやがった…。
負傷者は居ないと思う…。
てか落ちてきた本に埋まって行方不明者続出のため確認できない状況だがなぁ…。
なんかユーノのヤツが
『せっかく整理した所が…』
って泣いてやがった…
まぁあの女司書が慰めていたので大丈夫だろぉ…。
無限書庫生活某日目
今日"も"地震があった…。
最近頻発してるなぁ…
まぁ最初の教訓から本の落下防止用の対策や、途中で本の落下を受け止めるネットまで張ったので対策は万全だ!
後、あの一件以来女司書とユーノが一緒に居るのを見かけた…。
無限書庫生活某日目
ふと家のメイドに現在の場所の連絡を入れていない事に気が付いた…
だが今電話すると危険と俺の野生の感が警告を鳴らしている…。
そして電話しないならしないで、危険である事を俺の野生の感が警告を鳴らしている…。
どうするべきか…
「そぉか…
ギンガのヤツが差し入れに来た時に伝言を頼めば良いか…」
とりあえず間接的に連絡を頼む事にした。
Side ギンガ
ついにあの人が改心してくれた。
母の代から続いてきた私達親子の逮捕の戦いもついに終わったのだ。
少しさびしくなったような気がした・・・。
けれどもこれからはあの人の手助けをするという使命がある。
とりあえず勉強の助けと思いお弁当を作った。
最初は癖でカツ丼を作りかけたがここで不貞腐れてしまってもダメだと思い普通のお弁当にした。
持って行ってみたら
「うまいぞ。まさかかつ丼以外を作るとはおもわなかった」
うふふ、そう言うと思って普通のにしたんですから。
リクエストを聞いたらメロンと言われた。
・・・私の手作りのものを言ってくれなかったのが残念だったけどこの人らしい
しばらく無限書庫に通うようになったら司書長に女性司書が告白しようとしていた。
あまりにも突然に見てしまったためあの人に赤くなっている所を見られてしまった・・・恥ずかしい・・・
逮捕しようかと思ったが何も悪いことはしていないのでできなかった・・・。
告白の瞬間にクロノ提督が資料の依頼で邪魔をしてきた。
なにしてるんですか!女性の一世一代の告白を邪魔するなんて!
あの人がフェイトさんに連絡していたが今回は見逃そう・・・
またしばらくしてから無限書庫にいくようになってから幽霊が出ると聞くようになった。
正直恐い・・・あの人が聞いてきたので正直にいってしまったが
「じゃあアリサとかどうなんだ?」
あの人は別の意味でいろいろと怖いですよ・・・
今日、朝に差し入れのお弁当を作っていたらスバルに見つかった。
「あれ?ギン姉お弁当なんか作ってどうしたの?」
「あっ・・・い、いやね最近自分で作った方が安いと思って作ってるのよ」
「でも足りなくない?」
「ダ、ダイエット中なのよ」
「ふ〜ん・・・」
なにやら納得していなかったがそのまま六課の仕事に向かった。
深く考えない子でよかった。もしバレたら今の状況がなくなってしまう・・・
あ、あれ?今の時間が消えないでほしいと思ってる?
な、なんで・・・?
そ、そうよ今の状況がなくなったら今までの公正が泡になってしまうからよ!きっとそう
さて今日もお弁当を届けよう。今日もおいしいって言ってくれるかな?
sideギンガ2
不覚だった。
あの人達を甘く見ていたとしか言いようがない。
きっかけはスバルの一言だったらしい。
「最近ギン姉がよくお弁当作ってるんですよねぇ〜。ダイエット中とかで」
たったこれだけ。
これだけであの人達は私をマークしていたのだ。
いつものようにお弁当を作って本局に直通している転送ポートに向かった私の前に
「あれ、どこに行くのかなぁ?108の隊舎はこっちじゃないよね・・・・・・?」
「それに、どうしてそんなにウキウキしてるのかな?」
「ちょ〜っと話さへんか?」
管理局の誇る若手三巨頭がそろい踏みしている。
「え・・・え〜っと今日は本局に用があって・・・・・・時間もかかるからお弁当を持っていったほうがいいかなぁ〜、と・・・・・・」
「最近よくお弁当作ってるんだって?」
「え・・・?」
「しかも前線組でカロリー消費しまくりのはずやのにダイエットしとるって?」
「え・・・??」
「それって不自然だよね・・・?」
「えっと・・・・・・」
言葉が出なかった。
相手はスバルじゃない。下手に言葉を発すればそこから突き崩されかねない。
だがこのまま黙っている訳にも行かない。
そうこうしている内に決定打を打たれた。
「最近、兄さんと連絡が取れないんだよねぇ・・・」
ダメだ。
そう確信した私はブリッツキャリバーを高速起動。一気に走り出す。
転送ポートまで距離はもう長くない。あそこまで行けば後は何とかできるだろう。あそこにはハラオウン提督を初めとした歴戦の雄がそろっているのだから。
つまり勝負はそこまでの間!勝機はある!!
「待ちなさーい!ギンガーっ!!」
その声に一瞬だけ視線を送る。
・・・・・・・・・なんでリミッター外してるんですかぁ!?
「アクセルシュート!」
「プラズマランサー、ファイア!!」
「ブラッディダガーッ!」
「いやぁああああ!!」
飛び交う魔法をかわしながらブリッツキャリバーを走らせる。
あの人はいつもこんなのをかわして逃げ回っていたの!?
改めてあの人の凄さを思い知った。
・・・そんな事思ってる場合じゃない!
そして、ここでも私は自身の考えの浅さを思い知らされた。
「「「待ちなさーい(待ちーや)ギンガーっ!!」」」
「何てしつこいのーっ!!?」
本局が三巨頭によって(物理的に)大きく揺れた。
ギンガside3
「「「待ちなさーい(待ちーや)ギンガーっ!!」」」
い、いや・・あんな人たちに全力全壊なんてされたくない・・・
そう思って逃げ続けていたら目の前にユーノさんが・・・そうだ!
「ユーノさんこれいつもの差し入れです!」
「えっ!?」
いきなりいろいろ省いてお弁当を差し出した。
ユーノさんは一瞬わけのわからないといった顔をしたがすぐにこやかになり
「わかった。いつものようにしとくよ?」
「はいできたら感想もおねがいします。」
「うん、わかったよ。あっ!なのは達久し振り元気だった?」
ユーノさんはそのまま三巨頭に笑いかけた。その三巨頭は驚き顔で
「えっ!?ユーノ君・・・それって・・・」
「うん?ギンガからの差し入れだよ?ところでどうしてギンガを追いかけてるの?」
「えっ!?い、いやなんでもないんや ほ、ほなな!!」
「ギ、ギンガごめんね!!」
そういうと三巨頭は早足で去っていった。
本当に・・殺されるかと思ったわ・・・
「大丈夫だったかい?」
「ええ、ありがとうございます。助かりました・・・」
「まあ、なのは達のことだから良介さん絡みで怒ってたんだろ?」
「ええ、でも書庫にいることは秘密にって・・・」
「まあ、いつも平和だからね・・・・存在は忘れられてるみたいだけど・・・」
自覚あったんですか・・・
「とにかく僕も協力はするよ。あの人がいる方が楽しいし」
「ええ、お願いします。」
こうしてなんとかバレずにすんだ。
命がけだけれどやっと公正してくれるんだからこれくらい頑張らなきゃ!
そう思ってた次の日
「ギンガさん・・・先輩・・どうしたんですか?昨日から探してるんです・・・」
「ちょ、ちょっと待って!ティアナ落ち着いて」
「あれ?なに慌ててるんですか?もしかして知ってるのかな?かな?」
そ、そんなティアナまで壊れてくるなんて・・・
い、いややめてそんな単色の目で見ないで・・
「あはははははははは」
「いーやー」
この日また本局が揺れたのだった。
そして局員たちから六課のメンバーになると破壊能力UPと壊れ度UPが半端ではないと再認識された・・・
ユーノside
宮本さんが無限書庫に来てからどれくらいになるだろう。
すっかりここに一員のようになっている。
彼自身、ここをいたく気に入っているようだ。
彼がここに来てから地上の方はとても平和だと聞いた。
むしろ物足りないぐらいだと。
・・・・・・複雑な話だ。
今日はクロノに依頼された資料を再チェックして転送した。
お礼の通信を入れてきたクロノがどうしてそこかしこに包帯を巻いていたのか気になったが、触れないでおこう。
むしろ触れちゃいけない。
そういえばあの時、いつもよく働いてくれる部下の司書の子が何か僕に言おうとしていたっけ?
何だったんだろう?休暇の申請かな?
ここ最近、働きづめだったからなぁ。
そんなことを考えていたらいきなり本局を地震が襲った。異空間に浮かぶ本局に地震なんて起こるはずがない。
ということは次空震か、それとも局内で何かがあったという事だ。
何にせよせっかく整理したとこが滅茶苦茶だ・・・。あ〜あ。
気分転換にリラクゼーションスペースに向かう。
と、向こうから走ってくる人影。
あれって・・・ギンガじゃないか。どうしたんだろう、あんなに慌てて。
彼女は僕を見つけると
「ユーノさんこれいつもの差し入れです!」
そう言っていきなりお弁当を差し出してきた。
僕は一瞬訳が分からなかったがこれがいつもの彼への差し入れだと気が付いた。
分かった。いつものようにしとくよ。と言ったら
「はいできたら感想もおねがいします。」
と言って頭を下げた。やはり彼女は律儀だなぁ。うん。
と、なのは達もやって来た。何だか僕を見て驚いているというか拍子抜けしたと言うかそんな顔をしている。
さっきの地震。昔、なのは達が訓練室を半壊させた時のそれに似ていたと感じたのは間違いじゃなかったみたいだ。
その後、話を聞いたらやっぱり彼絡みだった。
とりあえずギンガに協力すると約束すると彼女は嬉しそうに何度も頭を下げた。
これは命の危険から開放された事への感謝に見えたのは気のせいじゃないな、きっと・・・。
次の日、またギンガは本局を走っていた。
「あはははははははは」
「いーやーっ!」
今日はなのはの教え子―ティアナって言ったっけ?―に追いかけられていた。
流石はなのはの教え子。将来有望だね。
・・・・・・いろんな意味で。
さて、今日も落ちた資料の整理から始めようかな。
無限書庫生活某日目
何故か今日のギンガはボロボロだった。
何があったのか問い詰めてみるが頑として答えようとはしない。
しかし服とかはボロボロなのに弁当箱には傷一つついてない、中身も無事だ。
メロン様が無事なのは良いことだが、流石にギンガをほうっておくわけにもいくまい。
というわけで手当てをしてやるとしよう。
「いつもと立場が逆ですね」
確かに。
いつもは追いかけられている俺が怪我して、捕まえたお前が治療してくるもんな。
よしー、しみるから注意しろよー
「あふっ…」
ちょ、ヘンな声を出すな!
あれ? あそこにいるのは例の女司書…ん?
『参 考 に な り ま す』
なんでモールス信号なのかはわからんが、参考になったなら何よりだ。
…で、何の参考になったんだ?
無限書庫生活某日目
今日はキャロとエリオが二人で調べ物に来ていた。
例によって俺の存在は気づかれていないようだったのでこっそり二人の小指に赤い糸を<結んでやった。
お、気がついたようだな。
二人とも顔を真っ赤にしていやがる、初々しい奴らよ
。
うむうむ。
無限書庫生活某日目
何故かフラフラなスバルが現れた。
余程意識が朦朧としているのだろう、ぶつかったにも関わらず俺を認識できていないようだ。
「ギン姉…アイス…食べ…」
何かブツブツ言ってやがる。
耳をすませてみると、どうやらギンガにアイス禁止令を出されたらしい。
はて、姉思いなコイツがギンガを怒らせるとは一体?
とりあえず、あまりにもスバルが哀れなので俺の手作りアイスを部屋に送っておいた。
バレたらまずいのでユーノをパシリにつかったけどな!
無限書庫生活某日目
今日はユーノがフラフラしていた。
まあコイツの場合は普通に睡眠不足と疲労によるものだから珍しくもなんともないんだが。
とりあえず日本の様式美にしたがって後ろから首筋にチョップ!
…おお! 気絶した、俺ってすげえ!
「ありがとうございます! 司書長、私たちがいくら言っても休んでくれなくて…」
例の司書がユーノを膝枕しながら頭を下げてくる。
ていうかいつの間にそんな体勢に…気にしたら負けか。
まあ、ユーノにも休息は必要だし、これでいいのだ。
うむうむ。
スバルside
その日、あたしはギン姉がお弁当を作ってるところを見た。
なんでもその方が安く済むかららしい。
それにダイエット中で量も減らしているとか。
そんな必要ないと思うんだけどなぁ〜。
下手にダイエット何かしたら減っちゃうじゃない。
主に胸部から。
と、そんな話を夕食時になのはさん達にしたら途端に顔色が変わった。
何て言うか、いわゆる魔王モード?何で?
ある日、ギン姉がズビシッ!と人差し指を突きつけて
「スバル!あなたは良いと言うまでアイス禁止っっ!!」
と宣告された。
えぇ〜っ!?なんで〜っ!!?
「自分の胸に聞いてみなさい!」
と取り付く島もない。
そんな〜。酷いよギン姉〜っ!
禁アイス宣告を受けてどれくらい経ったんだろう。
もうアイスが何だったのかも分からなくなってきた・・・。
もうダメ・・・ギン姉・・・アイス・・・食べたいよぉ・・・。
ふらふらと何かにぶつかった気がしたけどそれどころじゃない。
食べたいよぉ・・・宮本さんの手作りアイス・・・・・・。
もうダメだ。もう何も出来ない。体がアイス分を欲しがって全ての機能を放棄。絶賛ストライキ中だ。
「うわ〜、大丈夫かい?」
不意に掛けられた声に顔だけ動かすとクーラーボックスを肩にかけたスクライア博士がいた。
何かご用ですか?
ここはあたしの部屋なのだから用がある以外ないけど。
「これ、良介さんからの差し入れ。預かってきたんだ。はい」
そう言ってクーラーボックスから半透明の、バケツ程の大きさの容器を取り出した。
・・・・・・ぁあ!!コレハ!!?
一見して分かる。これは宮本さんの手作りアイス!!
あたしはボロボロと涙を零しながらそれを受け取り蓋を開けた。
あぁ・・・やっぱりだ。
「じゃ、僕はこれで」
スクライア博士が何か言っているけどそんなの聞こえない。それどころじゃないから。
キラキラと光る表面がダイアモンドのように見えた。
・・・・・・ぱく。
号泣しました。
うぅ〜っ!どうして送ってくれたのか分からないけどとりあえず感謝感激!!
好感度急上昇です〜っ!
パクパクとアイスを食べているとティアが帰ってきた。
おかえり〜。
「スバル・・・あんた何食べて・・・・・・ねぇ?」
ん?何??
パクパク。キ〜ン。あう。
「それって先輩の手作りアイス・・・?」
そうだよ〜。
「・・・そっか」
あれ、何でクロスミラージュを起動させてるの?
何で、単色の目であたしを見てるのかな?
「スバル・・・先輩がどこにいるのか知ってるのね?」
え、知らないよ。
「嘘だ!!」
えぇ〜っ!?
「待ちなさーい、スバルぅうううう!!」
だから知らないってばー!!
「だったら何であんたが先輩のアイス食ってんのよーっ!」
隊舎を駆け回るあたし達。
「ふぅ〜ん。そうなんだぁ〜」
「リョウスケの手作りアイスねぇ・・・」
「それは聞き捨てならんなぁ・・・」
気が付くと追いかけてる人数が増えてた。
・・・・・・何でリミッター外してるんですかぁ〜っ!!
「アクセルシュート!」
「プラズマランサー、ファイア!!」
「ブラッディダガーッ!」
「ヴァリアブルシュート!!」
「うわぁああああああああっ!!?」
機動六課は今、正に戦場と化した。
グリフィスの呟き
「仕事、してくださいよぉ・・・・・・」
こちらは投稿掲示板内において書き込まれましたリレー小説の編集版です。
一部においてオリジナルと違う点もございますが矛盾や誤字脱字などを消していった結果ということで
ご理解いただけますようお願いします。
作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル、投稿小説感想板、