ヴェラの姿はどこにもなかった。
全ての敵は倒し終えたし、獣神殿までとの約束ではあったが……何も言わずに忽然と消えられては気にもなる。
周囲を一通りは探してみたのだが、どこにもその影はなかった。
「仕方ねえ、行くぞ」
「ヴェラさん……どこ行っちゃったんでしょう」
「さあな、いねえもんは仕方ねえだろ」
獣神殿の荘厳なる回廊を歩みつつ会話を交わす。
この獣神殿の中にはモンスターは存在しない。ここは獣神像の安置された神殿だ。
回廊はそう長くは無い。しばらくも進まないうちに巨大な神を模した像が視界に入る。その神像の手前、捧げられるようにして安置されている宝箱に手をかける。
中身には『武芸の腕輪』が入っていた。前衛用の戦闘能力を高める装飾品だ。
「付き合ってやったんだし、これぐらいはもらっとくぜ」
そうでなければ余りにも割が合わない。無理矢理引っ張ってつれてこられた上に、特訓にまで付き合ってやったのだ。これぐらいもらっても罰は当たらないだろう。
「さて、取るもん取ったしタウンに戻るぞ」
「あの……ハセヲさん」
「何だよ? もう『月の樹』は十分だっつうの」
「あっち……あっちのほうから何か音が聞こえてきません?」
「……音?」
耳を澄ましてみる。しかし――
「……何も聞こえねえ」
「そんなはずは……だって、こんなにハッキリ聞こえるのに」
改めて耳を澄ますが、やはり何も聞こえない。ハッキリとばかりか、自分達の話し声以外の音は何も聞こえなかった。
「ほら、なにかざわめいています。確かめに行きましょう、ハセヲさん!」
「……はぁ? なんで俺もなんだよ、一人でいけばいいじゃねえかよ」
これ以上コイツに巻き込まれるのはもう御免だ。これ以上無駄なことをしている暇はない。のだが――
「……一緒に、行ってくれないんですか?」
捨てられた子犬のように、か細い声でアトリは俯く。
「……ぐうぅぅぅぅ……!!」
思わず唸る。
外見、容姿だけはアトリと志乃は瓜二つなのだ。違いといえば髪と服の色が違うぐらいのものだ。
そのアトリが、いま見せている表情。
それはハセヲが最も見たくないもの。志乃の……哀しげな表情そのものだった。
「あ゛ー! 分かったよ!! 行きゃいいんだろうが、行きゃあ!!!」
半ばヤケクソで叫ぶ。
「ありがとうございます♪ こっちです!」
アトリは、パァッと花開くような笑顔を見せ、踊るような足取りで獣神殿の出口へと走っていった。
「最後だ……ほんっとうにこれで最後だ……!」
対照に毒々しいオーラを撒き散らしつつ、ハセヲは死人のような足取りで獣神殿の出口へと向かった。
そして、獣神殿の外に出る。相変わらず月に照らされたフィールドは静けさを保ったままだ。少なくとも、ハセヲにはそう感じられた。
「……不思議な音……」
アトリは時折耳を澄ましながら、獣神殿の裏へと歩いていく。ハセヲもそれに続くが、
「……やっぱ何の音も聞こえねえ。ホントに聞こえてるのかよ?」
「はい……不思議と頭に響く音なんです」
アトリがそうして行き着いたのは、獣神殿の入り口の真裏。中の獣神像の、ちょうど裏側に位置する場所だった。
そこに――有り得ないものをハセヲは見た。
「不思議な音……この壁の向こうから聞こえるみたいです」
目を疑う。
コレは、有り得てはならないモノだ。それが、何故ここにある?
「……ハセヲさん?」
しかし、それはハッキリと存在していた。
鈍く、赤く光り、その存在を示す三筋の傷跡。
無残にも刻まれた刻印。三つの爪の傷痕。紛れも無く、それは――
「三爪痕の……傷跡!?」
大聖堂に刻まれた、奴の残した傷痕だった。
「トライ……エッジ? そういう名前なんですか、これ?」
そんなアトリの疑問の声も届かない。ハセヲの思考は目の前の傷痕が全てを占めていた。
この傷痕は奴が現れたところに必ず刻まれた、斬殺の証拠だ。それがここに在るということは――
(ここにも……奴が来たのか!?)
手を伸ばし、その存在を確かめるように傷痕へと触れる。
触れたと同時――傷痕の鈍い光が僅かに輝きを増した。同時に振動。
「……! なんだ!?」
その震えは獣神殿のみにあらず、このフィールド全体、ともすれば世界全体を揺るがしているのではないかとの錯覚を覚えるほどの大きさと圧倒感があった。
鈍く光り続ける傷痕を中心に、周囲の存在全てが――
「なに……!? 傷痕に――」
「きゃぁっ! ハ、ハセヲさん!」
「――吸い寄せられる!?」
その一点へと集約された。
そして、傷跡は招くだろう。
死せる大地。死せる聖域。死せる国への門。
死世所――『エルディー・ルー』へ。
*****
「対象を喪失。そっちは?」
「こっちもだ、いきなり反応が消えた」
慌しくコンソールパネルを弾き、目を走らせる桃色の髪の才女――パイ。
「検索範囲をΔサーバー全域に拡大して洗い出してみるわ」
「Δサーバー全体って……おいおい、もう少し絞り込めないのか?」
「カオスゲートを介さずに飛んだのよ? 恐らく転送先はロスト・グラウンド……」
喪失の地――ロスト・グラウンド。
システム管理者にも消去することが出来ない原初の地。
通常方法では行く事が出来ない場合が多く、その存在はプレイヤー達の偶然の発掘から明らかにされる、といったいわくつきのエリアだ。
その他の特徴として、通常のエリアとは明らかに異なった幻想的な、あるいは荘厳的な美しいエリアだということが挙げられる。
「ブラックボックス内のエリアが何処に在るかなんて分かるわけがないでしょう。Δサーバー内かどうかすら怪しいわね……」
だが、そんな偶然は宝くじに当たるほどの低い確率から生まれるものだった。そんなイレギュラーがんな時に起きるなどと誰に予想できようか。
「やれやれ……しっかしまあ、なんでいきなりロスト・グラウンドなんかに――」
ぼやきつつ、その現地にたどり着き―――絶句する。
「…………冗談だろ」
壁に刻まれた、赤く、鈍く光る三角形の傷痕。それを見て、一瞬でクーンは理解した。
「三爪痕の傷痕……!?」
これが……元凶だと。
「パイ、三爪痕の傷痕がある! 多分これが原因だ、転送先を――!」
「こっちでも確認したわ! 転送先の割り出し完了! 強制転送ゲート作成中……残り一分四十秒!!」
急げ、と気ばかりが焦る。
突然の喪失に三爪痕が関与しているとすれば……アイツの身に何が起きても不思議じゃない。
一刻を争う事態となった。
「パイ、転送先のエリア名は!?」
「死世所『エルディ・ルー』――やはり、ロスト・グラウンド! 残り一分二十三秒!」
「急いでくれ……!」
パイが弾き出した時間だ。それが最速のものであることは判っている。彼女がそれだけかかる、と言ったからにはその時間が限界なのだ。
しかしそれでも、そう言わずにはいられなかった。その時――
「待って……こ、れは……!?」
パイの、その戸惑いの混じった声を聞き、例えようもなく悪い予感に囚われた。
「『エルディ・ルー』にAIDA反応!!」
「なっ……!?」
予感は現実となる。展開は最悪の一途を辿りつつあった。
「パイ! 残り時間は!?」
「一分八秒!」
「くそっ!!」
吐き捨てるがどうしようもない。
「頼むぞ……オレが着くまで、持ちこたえてくれよ……!」
これだけの要素が揃って何も起きない、というのは有り得ない。
ましてや最短で一分。その一分は、何かが起きるには十分すぎる時間。
しかしそれでも、クーンは間に合うようにただ祈った。
心から、祈った。
残り――五十九秒。
*****
「……ここは……?」
眩暈のする頭を振って周囲を見渡す。先程の月夜の草原とは、似ても似つかぬ場所だった。
「ロスト・グラウンドでしょうか……? でも、こんな地底湖があったなんて……」
淡く光を放つ岩に照らされた、幽玄たる洞穴。他に類を見ないその美しさは、ロスト・グラウンドの特徴に一致する。しかし――
「……ハセヲさん?」
「…………」
――ここは傷痕から転送されて来た場所。何が起こるか分かったものではない。
「何でもねえよ」
「そうですか……あっ」
「どうした?」
「……音が、まだ聞こえるんです」
「……どこからだ?」
「あっち……奥の方からです」
アトリの指差す方、洞窟の奥からは一際強い光が見える。
周囲を見回すが、転送先には必ずあるはずの転送装置が見当たらない。
こうなれば……進むしかない。
しばらくも進まないうちに、洞窟の最奥へと出た。そこだけは大きな空間が作られており、美しい地底湖のただ中に一本の白い巨樹が屹立していた。
「ハセヲさん、あそこに人が!」
その大樹の根元、優雅に腰掛ける一人の幻想がそこにいた。
美しき歌を口ずさみながら、左手に浮かべている何かと戯れている。
左手の動きに合わせ、自らもその動きを追従する、黒い泡。その様はまるで踊っているかのようだった。
「なんだろ……あれ、とっても綺麗……」
陶酔したような声で、思いを口にするアトリ。
アトリの言うように、それは綺麗だった。
幻想的な地底湖に聳え立つ白樹が美しければまた、それに腰掛ける青年もまた美しかった。
青年の口ずさむ歌もまた美しく、それと戯れる黒い泡も、どこまでも美しかった。
だというのに……百人が見れば百人ともが美しいと感じるであろう、それを――
――ハセヲはただ、忌まわしいとしか感じることが出来なかった。
「あっ……聞こえる……音……あの人の方から」
「……奴から? あいつ、何なんだ?」
青年の肩に乗っていたネコが甲高く、鳴いた。
それを合図とするように歌は止まり、青年は白樹の奥へと立ち去ろうとする。
「あ、待ってください!」
アトリはそれを呼び止め、追いかけようと駆け出した。それを――
「行くなあぁぁ!!!」
ハセヲは、理由も判らず呼び止めた。
何故呼び止めたのかは自分でも判らない。ただ、止めなければならない予感がした。
圧倒的なまでに、現実感を帯びて。
「え? え、え……?」
アトリはいきなり放たれた鋭い声に驚き、白樹を背に振り向いて戸惑う。
その振り向いた背後――黒の泡が、溢れ返っていた。
(な、んだ……アレは!?)
増え、溢れ、狂い、踊る。
黒の泡は無数の黒点となって増殖凝固連鎖結合し、周囲を呑み込んで顕在化する。
「こっちに戻れ!! 早く!!!」
「え?」
黒点の先程までの幻想的な美しさは掻き消え、その様からはもはや、おぞましさしか感じ取れない。
溢れかえった黒点は巨大化――否、肥大化し、視界を埋めんばかりに膨れ上がる。
ハセヲの、自分の背後を凝視する様子を怪訝に思ったか、アトリは自分の背後――白樹のあった方へと振り向いた。
振り返った背後、そこには醜く肥大化した、黒点が、溢れ返っていた。
「きっ、きゃあぁぁぁー!!?」
それは――千人が見れば千人ともが目を背けるほどの、醜悪なモノだった。
黒点は一瞬、鼓動するかのような光を放ち――
「……ッ!?」
アトリは、崩れ落ちるようにして倒れた。
ハセヲはそれに――――半年前のあの光景、倒れ逝く志乃を幻視した。
「お、おい――!!」
崩れ落ちるアトリを抱きとめる。呼びかけるが、返事はない。
「おい! 返事しろよ! おい!!」
ゴボゴボという異音に顔を上げる。
顔を上げた眼前には、まるで病原体のような、おぞましき黒点の姿があった。
ゴボゴボと、溢れかえるようにして五つの球弾が分離した。
球弾は鈍く鳴動し、光り、照準を定めるようにして浮遊し――一斉に撃ち放たれた。
「……ッ!?」
鈍く澱んだ閃光が迫る。
圧倒的な死の匂いを引き連れ、襲い掛かってくる。
ハセヲと――志乃へと。
それは、半年前の焼き直しだった。
間に合わなかった、救えなかった半年前の、
無力な自分の目の前で、抗うことも出来ず――ただ無慈悲に貫かれ消ザッジジィッザア、アァァアァア
“また――彼女を失うのか?”
「―――――」
ドクンッ、と“有り得ない誰かの心臓”が波を打つ。
ザアアァァ彼アァ女を、失ジジッう?
疑問が巡り惑い、次いで激情が身体を支配する。
心臓を生んだ胸中に存在する思いはただ一つ。
「――――けんなっ……!」
ザア、ァア、ギチィ、ザザ…ァザザァザ…
迫り来る澱光はこの世界に在るモノでは防げない。
この世界に有り得ないモノから撃たれたソレが、この世界のモノに防げるはずがない。
アレはこの世界の原典にも記述されていない、異質なる存在。
ならばこの世界以外の法則を以って――この世界にないモノで防ぐ他手段はない。
「ふざけんなっ……!!」
ザアァア……ザザ…ァザザァ
理解にはほど遠い。そんな知識持ち得ようはずもない。ならば本能で悟れ。
零と壱の狭間に介入し、無と有に属さぬ胎児を検出。
並びにその在り方を把握し、展開手段を構築する。
顕現化には至らない。欠片が揃っていなければ扉を開ける鍵もなく、ここに在るのは想いだけ。
それだけでは意味がない。それだけでは■■■■は動かない。元より具現することすら不可能。
「俺は二度と……!」
ジィッ、ザッ、ジジジッ、ガカカッ、ザアァァア
ならば一部だけ、上辺だけを、ほんの一瞬だけでもいい。
侵食箇所を限定、固定化し、顕現に至る末端の構成を導き出す。
展開までの速度を最短に収めるべく、具現を統べる過程の内の三工程を省略。
可逆式への介入手段は無く、再構成は困難。形状、及び抵抗力のみを再現。
自らの全存在を賭して一瞬、一点、表層のみに限定凝縮し、世界を表裏逆転させる。
「テメェラなんかに……志乃を……!」
ジィッ、ァア、ギチィッ、ザザァザザァザァァァァァァ
急げ、あらゆる法則を無視しろ、今内に在るモノが全てと思い込め。
無理は承知。後のことは考えるな。自己に埋没し、世界の否定と己の肯定のみに全霊を篭めろ。
輪廻を再現する。己を縛りつける原理を覆し、映し出す世界の在り方を模倣しろ!
今この瞬間、片腕だけで構わない。ここに奴を――俺の内側に眠る■■■■を――――
「やらせはしねええぇぇぇー!!!」
改竄し、肯定し、装填し、新たな世界を引き摺り出せ―――――!!!
ザアァアザザァザザァザザザアァアァアザザザァアアッ
有り得なき心臓が鳴動し稼動し拍動し蠕動し駆動し鼓動し爆動し――――
「グヴォォオオオオオォオオオオオオオオオオオオオォオオ!!!!」
―――果たして、世界は一瞬一点において否定干渉改竄された。
中身のない上辺だけの赤光腕を虚空より引き抜き抉り出す。
無理矢理に具現化された右腕は一薙ぎに空間を裂き、澱んだ閃光を塵芥の如く吹き飛ばす。
「がっ……ぁっ……!!!」
だが……それで終わり。
何もかもが不完全なソレは一瞬で世界に塗りつぶされ、消失した。
未だ眠る■■■■を強制的に引き摺り起こしたツケが、身体への反動となって襲いかかってくる。
世界からの逆流に、一個の存在は抗う術も無く蹂躙され駆逐され破壊されていく。
「ぐっ、があっ……あぁぁ……!」
まるで、全身を火箸で抉られたかのような痛み。
狂いかねないほどの痛みを得ながら、それでも意識だけは手放さない。
振り落とされないよう手綱を引き絞り、僅かに残った足場に意識をしがみつかせる。
気を失っては戦えない、防げない、護れない――。
「がっ……あぁ……ぁあぁあああ!」
故に意識だけは保ち続ける。
生き地獄ともいえる痛みを受けつつも、それだけの抵抗は続けた。
しかしそれすらも無為に終わる。
眼前には――第二射を番える病原体の姿。
「ぐっ……!!」
もう防げない。
この世界に在るものではアレは防げない。
もはや身体は瓦落多同然。こんな状態では、もう一度引き摺りだすなんて事は出来はしない。
故にハセヲは咄嗟にアトリの身体に覆い被さり、己が身を盾として庇った。
そんなことで護れないとは理解しつつも……抗わずにはいられなかった。
果たして撃ち放たれた澱光は無慈悲に迫り、ハセヲたちを今度こそ撃ち貫き――
「よく頑張ったな。後は――任せとけ」
―――刹那。
ハセヲの背後、強制的に開かれたゲートから碧の騎士が弾け出た。
一瞬を以って彼我距離を零とし、迫り来る澱光の前へと躍り出る。
「てぇやぁッ!!」
腕を振るい、己が内の存在を防御壁と成して展開。
その碧の防御壁に触れた瞬間、澱光は弾かれ、掻き消えた。
「ハッ――」
おぞましいその病原体を前にして、騎士は不敵に笑みを浮かべる。
「もう大丈夫だ――下がってろ」
そう告げられたハセヲは残された全ての力を振り絞り、アトリを抱いて後ろに飛び退いた。
まだ何の解決にも至っていない。
前方にはおぞましき病原体。
逃げ場はなく、また逃げ出す力すら残っていない。
だというのに――その碧の騎士の姿を見て、ハセヲは危機が去ったことを知った。
「いっけぇぇぇぇぇ!!」
騎士が叫ぶ。アレは召喚の祝詞だ。
続き、紡ぎ出される名を俺は識っている。
「オレのぉぉ――!」
――否。奴が、■■■■が識っている。
恐らくはまた、一瞬の後に忘れ去るであろう持ち得ないはずの知識。
未だ得ない知識に刻まれた、8つの神の名。
果たしてその名が祝詞の口上と化し、紡ぎ出された。
「“メイガス”!!!」
世界を分解し破砕し侵食し変革する。
幾何学紋様の陣が展開され、導き出されるは葉碧の騎神。
この世界以外の『世界』を具現化、顕在化した一体の神。
碑文の紡ぎ手に憑依せし一個の『世界』そのものたる神。
今在る『世界』を塗り潰し、己の『世界』を創り出す神。
その神名は――“憑神”
猛々しくも神々しく腕を振るい、己に満ちた光を振り払いてその姿を顕在す。
神の降臨せし世界は果て無き地平の三千世界。
半身は翼とも見て取れる4対の葉を生やし、頭部のそれは西洋騎士の仮面兜。
両腕もまた翼の如き雄々しさを抱き、その存在は不変にして至高。
故に刮目せよ黒点。
眼前の神は絶対存在。
今在る世界を塗り潰す上位存在。
唯一無二にして絶対至高の存在と知れ。
「うおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
ここに裁罰は下った。
碧緑の騎神は哀れなる供物を喰らわんが為、世界を空として駆けた。
もはや見るまでもなく、病原体は死に絶えるだろう。
アレは――文字通り『神』なのだから。
そして、ハセヲはその騎神の姿を見届け――意識を緩やかに手放した。
To be Continue
作者蒼乃黄昏さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル、投稿小説感想板に下さると嬉しいです。
後書き
はじめまして? 作者の蒼乃黄昏です。
読んでいただいている皆さん、そしてご感想を下さった方、ありがとうございます。
正直、ご感想を燃料に執筆しているのでとてとて嬉しいです。
ご感想をメールで下さった方には、お返しに『第零話:終わり逝く世界』をお送りさせて頂いてます。
これからも是非、ご愛読、ご感想をよろしくお願いします。
(簡単な一言で構いませんので〜)