魔法少女リリカルなのはSTS「波乱を呼ぶ男(第二話)」



ザアーーーーーーー!


「………雨止んでくれないかな………」


何時までも止む気配の無い雨に少々まいりながら

雨が降りしきる何処までも何処までも続く道を1人の男は歩き続ける。

背に背負いしはこの男の大切な存在

此れだけは死んでも離すまいとしっかり背負い転ばない様、歩き方にも気を配る。


「ふう〜……其れにしても……」


男はため息を吐き雨雲の空を見ながら言う。


「懐かしいな〜昔もこういう事あったっけ………なあ………」


男は何かを思い出したのか其れをこの暗い雰囲気を変えるように明るめの口調で話す。

男にとっての唯一の無二の存在に……。












第二話「ラー〇ン! つ〇麺! 俺様イケメン! OK〜♪(コラ」





機動六課 隊舎内の通路にて………。


「ふう〜……」

「シグナム大丈夫ですか?」

「ああ…少し疲れた……」


あの、珍騒動の後少々揉め事はあった為シグナムは仕事が始まる前から少々疲れ気味だ。

其れはそうだろう、期待していた同じ古代ベルカ式の剣士があんな女たらしだったとは思いもよらなかった事である。





あの後のアルトはグリフィスとルキノに任せシグナムはスカイを引きずって無事はやてに会わせる事が出来た。

流石に上官相手に無礼な事はしないだろうと安心していたシグナムだったが、あろう事かスカイははやてと挨拶を交わした

とたんに、はやてを口説き始めたのだ。

シグナムは切れた、それはそうであろう敬愛する主をナンパされたのだ切れない方が可笑しいだろう。

シグナムは自分の分身とも言える魔剣「レヴァンティン」を出し、まるで親の仇とも言わんばかりにスカイに襲いかかった。

幸い丁度通りかかった赤毛の女の子とはやての説得によりシグナムは落ち着きを取り戻し事態は事無きを得た。

その後はやてはスカイを念入りに注意した後シグナムにも少し釘を刺し二人に先にロビーに行くよう言い下がらせた。

その後、はやては後から来たなのはとフェイトにスカイの事を「面白い人」と称し先程起きた出来事を暢気に話した。

勿論フェイトが「シグナムってそんな人だっけ?」と語ったのは秘密である。

その後、部隊長八神はやての挨拶時にも事は起きた。

先程注意されたのにも関わらずはやての挨拶中にスカイは隣にいたルキノを口説き始めたのだ。

其れに気がついたシグナムが胸倉を掴み「何をしている!」と問い詰めると「ナンパ」と普通に答えた。

勿論即座にシグナムのパンチでKOされたが……。

因みにこの騒ぎの所為で粗自分の挨拶を皆に聞いて貰えなかったはやては「どうせ私何か……」と一日中

部隊長室の隅っこで体育座りをしてイジケテいたのは内緒である。




そして今現在シグナムは疲労困憊な表情でフェイトと歩いていた。


「しかしあの男にも困った物だ……」


シグナムはため息交じりで言う。


「そうでしょうか? 其処まで悪い人には見えませんが……」

「甘い、甘いぞテスタロッサああいうタイプは甘やかすとつけ上がる、其れを其の侭放置したらどうなる?
あっという間に部隊の輪が乱れてしまう、そうなったら主はやてに申し訳が立たない、そうなる前に私が
奴の腐った思考を叩きなおさねば……」

「アハハハ………」


フェイトは燃え上がるシグナムを見て苦笑いするしかなかった。







※          ※           ※







同時刻別の通路にて………。


「まったく何だったのかしらあの変な男……」


先程の挨拶?を終え訓練に向かい歩いていた四人組メンバーの中の内の1人のオレンジ色のツインテール
の髪と少しツリ目の少女が先程の出来事に不満を漏していた。


「駄目だよティア、人の悪口言っちゃ」


其れをまるで子を叱る母の様に注意する青髪のショートのボーイッシュな外見が特徴の少女。


「スバル、そうは言っても今日は部隊発足の大事な日なのよ、其れなのにアレ酷いと思わない?」


ティアと呼ばれた少女ティアナは、青髪の少女スバルに返答しながら傍にいた赤髪のツンツンヘアーが特徴の
少年とピンクのショートが特徴の少女に同意を求める。


「えーっと……僕はそんなに悪い人には……」

「私も酷い人には見えませんでした……」


同意を求められた二人、エリオとキャロは不機嫌なティアナを怒らせないよう少し気まずそうに返答する。


「そ、そう………(何よ…此れじゃあ私が嫌な女みたいじゃない……)」


流石にこの二人にまでこう言われてしまってはティアナも黙るしかなかった。


「皆、お喋りは良いけど簡単な自己紹介はすませたのかな?」


四人組の先導に歩いていた茶色のサイドポニーが特徴の女性が四人への注意も含めて尋ねる。


「あ! ごめんなさい! なのはさん」

「え〜っと、名前と経験やスキルの確認はしました」

「あ…後、部隊分けとコールサインもです」


なのはの注意にスバルが直ぐに謝り後からティアナとエリオも若干申し訳なさそうに言う。


「じゃあ、早速訓練に入りたいんだけど良いか……「ノー!」そお……じゃあ今日は止め…え!?」


なのはは突然聞こえた拒否発言に驚く、まさか拒否されるとは夢にも思ってもいなかったからである。


「ちょっと! 今の誰が言ったの!?」

「私じゃないよー」

「僕も違いますよ!」

「わ…私もです」


ティアナの発言にスバル、エリオ、キャロが首を横に振る。


「え? …じゃあ誰が…「俺様さ〜」(な…この声は…)」


ティアナが妙に聞き覚えある声に反応し即座に声のする方に振り返ると其処には笑みを浮かべた男、
スカイがいた。


「酷いじゃないですか〜高町隊長〜」

「え?」


スカイは笑みを浮かべたまま優雅な歩きで丁度五人の中央の位置に移動する。

そしてなのはも行き成りの「酷い」発言に困惑する。

何が悪かったのだろうと考えるがまったくといって良いほど思い付かない。


「この華麗なる俺様の自己紹介がまだ済んでないじゃないですか〜」

「え?でも貴方は……」

「はいは〜い、この俺様にちゅうもーく!」

「えー!」


スカイはなのはの言葉をスルーし全員に聞こえるよう大声で自己紹介を始めた。


「俺様の名前は〜ラーメン! つけ麺! 俺様イケメンOK〜ことスカイ・バレンディア様だ〜」


スカイは本日最高のノリで皆に聞こえる様自己紹介をする。


「なんですか? その変なネタ?」

「ラーメンですか!? 何処? 何処にあるんですか!?」

「エリオ君? イケメンって何?」

「え? え〜っと………」

「アレ? そのネタ昔聞いたような……」


スカイの自己紹介にティアナは呆れ、スバルはある筈も無いラーメンを探しエリオはキャロの質問に
答えようと真剣に考え、なのはもスカイのネタを思い出そうとして皆一時訓練の事を忘れてしまって
いた。


「と言う訳でさ〜お前らも自己紹介宜しく〜♪」

「「「「えー!」」」」


行き成りのスカイの無茶な発言に声を荒げ驚く新人達。


「ささ! 早く早く!」


スカイは一秒たりとも待つ気など無いかのように手で急ぐよう催促する


「え〜っと、スバル・ナガシマ二等陸士です!」

「……ティアナ・ランスター二等陸士です……」

「エ…エリオ・モンディアル三等陸士です!」

「きゃ……キャロ・ル・ルシエ三等陸士です…」


スバルは突然の事で少し戸惑うが元気良く大声ではきはきと自己紹介をする。

ティアナは不機嫌さを隠そうともせずに言うだが上官が相手なので丁重語で喋る事は忘れなかった。

エリオもスバルと同じく少々戸惑うも直ぐにつっかえつつも自己紹介をする。

キャロは一番最後で少し控えめな声ながらもしっかりとスカイの目を見て答えた。


「フムフム〜スバルちゃん♪ にティアナちゃん♪ にキャロちゃん♪ 後……がきんちょ一人か〜中々良いメンバーだな〜」


スカイは全員の自己紹介を聞くと裏表の無い嬉しそうな表情で皆の名を呼ぶ。

だがティアナは自分の呼び方が気に入らなかったのか即座にスカイに反論する。


「すいません…そのちゃん付けは止めて下さい」

「え〜〜〜良いじゃんティアナちゃん」

「嫌です! ちゃん何て変です! 気持ち悪いです!」

「へいへい……解りました〜」

「……」


スカイの曖昧な返事に益々口を尖らせるティアナ、真面目な性格故この曖昧な返事が許せないのだろう。

エリオも自分の呼び方に疑問を感じスカイに質問する


「あの〜すいません…何で僕はがきんちょなんですか?」

「俺様がそう決めたから」

「えーーー!」


あまりにもあんまりな理由にエリオは色々な意味でショックを受けた。


「ねえねえキャロ、キャロ」

「はい?」

「何かさ少し雰囲気変わったよね」

「え?そうですか?」

「そうだよ〜♪」

「?」


何故かうんうんと嬉しそうにするスバルの表情を見てキャロはキョトンとしていた。


「あの〜……」


すっかり取り残されたなのはは訓練を始める為にスカイに話掛けようとするが…。


「さて〜今日は皆で親交を深める為に街行こうぜ〜街〜♪ 俺様の奢りで御馳走しちゃうよ〜♪」

「え!? 本当ですか!」


スバルは「御馳走」という単語を聞いた瞬間直ぐにスカイに駆け寄った。


「おうマジだぜ〜マジ」

「やったよティア! 御馳走だよ! 御馳走!」

「あ〜もううっさい! 馬鹿スバル! そして離れなさい!」


あまりの嬉しさに子供のようにティアナに抱き付くスバル。

ティアナは恥ずかしいのか少し赤くなるのを隠しながらうっとうしそうにスバルを引き剥がそうとする。


「あの〜…」

「え〜っと…良いんですか僕達も?」

「何言うか〜がきんちょ〜お前はオマケだオマケ」

「アハハハ……ですよね……」


またオマケ扱いされた事に苦笑しながら頭をかくエリオ


「で…ですから……」

「キャロちゃんも行くでしょう?」

「え?良いんですか?」

「おいおい〜お子様は遠慮なんてする必要ないぜ〜思い切り甘えて良いんだよ〜」

「え…えと…それじゃあお言葉に甘えさせて…」

「ノンノン、こういうときは「ありがとう」で良いの」

「あ………ありがとうございます」

「うんうん良い子だな〜キャロちゃんは」


スカイはキャロの態度を見て気に入ったのか笑顔で頭を撫でる。

キャロは最初こそ驚いたか撫でらるうちにに次第に嬉しそうな表情になる。

スカイはキャロの頭から手を離すと街方面に指差し高らかに宣言する。


「さあ〜では諸君街に……「うわ〜ん! お願いですから訓練させてくださーい!」うわーお!」


流石に我慢出来なくなったのか殆ど泣き声に近い大声を出すなのは。

スカイも驚いたのか思わず叫びながら二三歩程下がり目を点にする。


「スカイさん! 御馳走も良いですけど今日は訓練なんですよ!」

「いや〜すいません高町隊長〜訓練の事す〜っかり忘れてました てへ♪」

「てへ♪ じゃありません! 忘れてたのは貴方だけです!」

「「「「……忘れてた(ました)……」」」」

「……」


皆の発言に半場泣き顔のなのは。

まさか新人達全員忘れていたなど彼女は想像すらしていなかったのであろう。


「すいませんでした! 急いで支度して行きます! ほら! 急ぐわよスバル! チビッ子二人!」

「あ! 待ってよ〜ティア〜あ! 御馳走今度お願いしますね!」

「はい! キャロ行こう、スカイさんまた」

「うんエリオ君、ではまた」

「皆〜夕飯までにかえってきてね〜♪」


流石に皆不味いと感じたのかティアナを先頭にスカイに挨拶した後、皆訓練の準備に取り掛かりに行った。

スカイはその四人に下らない事を言いまるで子供を見送るかのように笑顔で手を振る。

四人が見えなくなった所で少し凹んでいるなのはに近づきポンと肩に手を乗せる。


「いや〜高町隊長様も大変でしたね〜」

「うぅ…ありがとうございます……って貴方の所為じゃないですか!」

「ごめんなさ〜い! お詫びの印に今度デートでも……」

「何でそうなるんですか!」


余りにもノリの軽いスカイに徐々にペースが乱れていくなのは。

本当なら放って置けば良いのだが彼女の生真面目さが其れを邪魔するのだろう……。


「それよりも良いんですか〜時間?」

「あ……もうこんな時間! 急がないと!」


なのははスカイの指摘を受け慌てて訓練の支度に取り掛かろうとする。


「あ、俺様も訓練見に行って良いですか? この後暇なんで」

「あ、良いですよ。 私も着替えたら直ぐに行くので先に行ってて下さい」


そう言うとなのはもダッシュで更衣室に向かう。


「さてと〜俺様も向かうとしますかね〜」


一人になったスカイは愚痴でもぼやくかのように独り言を言うと一足先に訓練場に向かった。









※          ※           ※











機動六課隊舎。

首都とは別の区画にある湾岸地区に作られた新しい部隊。

湾岸地区なだけあってか交通の便は悪いがヘリ等の出入りはしやすく緊急時等には出動が早く出来るのが利点だ。

その隊舎近くの海岸付近で一人の黒いストレートヘアーに眼鏡をかけた女性が空中パネルを操作している。

彼女の名はシャリオ・フィニーノ、皆からはシャーリーという愛称で呼ばれ、フェイトの執務官補佐にして優秀なデバイスマイスターである。

彼女は、今新人達の為に訓練用シミュレーターを準備している。

その横で先程挨拶を(勿論デートは断られ)ノンビリと訓練の開始を待つスカイ。


「それにしてもよ〜」


唐突にスカイがシャーリーに話かける。


「どうしたんですか?」

「此処ってよ〜何から何まで金かけてね〜か?」

「かけてますよ〜何せ色々な人達が協力してくれましたからね」

「へ〜」


そんなやり取りをしている内に教導用の制服に着替えたなのはが二人の傍に駆け寄る。


「シャーリー!」

「なのはさん! 随分遅かったですね?」

「駄目ですよ、なのは隊長〜上司が部下待たせるなんて〜」

「はい! ごめんな……って誰の所為ですか!?」

「駄目ですよ人に罪を擦りつけちゃ、此れじゃあ駄目な上司の見本じゃないですか」

「うぅ…何でシャーリーまで……」


着いた早々スカイと何故かシャーリーにまで弄られて軽く凹むなのは。

そんななのはを見てニヤニヤと笑うスカイとシャーリー、元々ノリの良く誰とでも直ぐ仲良しになれる

シャーリーはノリの塊とも言えるスカイと先程の挨拶中にすっかり仲良くなってしまった様だ。


(いや〜凄いですね〜あのなのはさんが凹む姿何てめったに見られませんよ! レアですよ! レア!)

(ハハハ! 伊達に何百人の可愛い子ちゃん相手にしてないぜ〜)

(凄いですね〜、尊敬は出来ませんけど)

(あらら……)

「二人共、さっきから何ヒソヒソと話してるんですか?」

「「いえいえ〜何でもありませ〜ん」」


なのはの疑問に声を合わせて否定する二人、どうやら完全に意気投合したようだ。

その後、少し遅れてきた新人達にシャーリーが軽い自己紹介をした後、直ぐにシミュレーターを起動させ仮想の市街地を出現させる。

先程まで凹んでいたなのはも新人達に的確に指示を出しているのは流石教導官といった所か。

新人達はなのはの指示通りに市外地に入り訓練の始まりを待つ。


「しかし、なのは隊長〜」

「?」

「訓練でしょ? 指示しなくて良いんすか?」

「大丈夫、今回は仮想の敵と戦うだけだから」

「敵?」

「うん、シャーリー」

「はいは〜い」


シャーリーが空中パネルを操作すると次々に青いカプセル状の機械が次々と出てきた。


「なっ!?」


始めてみる機械兵器に驚くスカイ。


「なんすかアリャ!?」

「ガジェット、AMFって言うAAAランクのフィールド系の上級魔法を備えた機械兵器……」

「大抵の魔法統合や魔法効果を無効するかなりやっかいな敵なんだ」

「あらら……何とも面倒な……」


なのはとシャーリーの説明を聞きスカイは思わずため息を零す。

何せ魔法は魔道師にとって無くてはならない存在だ。

其れが無効化されてしまうのは魔道師にとって致命傷以外の何者でもない。

其れを粗実践経験の薄いBランクの新人にはかなりキツイ相手の筈だ。

何時もノリの良いスカイも新人達が少し心配になり二人に意見をする。


「つーかBランクのあいつ等に行き成り此れはキツイでしょ?」

「大丈夫ですよ」

「おいおい〜もしミスって大怪我したらどうすんのよ?」


シャーリーの発言に反論するスカイ。


「大丈夫……あの子達ならやれます」


しかし即座に返ってきたなのはの自信に満ちた発言に何も言えなくなってしまう。


(大丈夫かね〜)


スカイはそう思いながら新人達の様子を見守る。

だが結果はスカイの予想以上の物だった。

ガジェットが逃げない様に橋を崩し足止めするエリオ。

そのガジェットに渾身の一撃を叩き込み見事撃破したスバル。

サポートだけでなく使役竜フリードとのコンビネーションで見事ガジェットを捕獲したキャロ。

ティアナにいたっては難易度の高いAAランク相当の魔力弾でガジェット数体撃破した。

スカイは、とても新人とは思えない成果に驚きを隠せない(元々隠せないが……)。


「すんげ〜……」

「凄いですよね! 初めての相手に此処まで出来るなんて!」


シャーリーもまるで自分の事の様にはしゃいでる。


「まだまだ、もっと伸びるよあの子達は」

「もっとって……羨ましいね〜俺様思わず嫉妬しちゃいそ〜」


そう言いつつ少しにやついた笑顔で新人達を見るスカイ。


「高町」

「なのは」

「あ! シグナムさん! ヴィータちゃん!」


突然の自分を呼ぶ声に振り返ると其処には別の場所で訓練を見ていたシグナムと赤いおさげが特徴の女の子

ヴィータだった。


「二人共どうして此処に?」

「いや何、挨拶がてら少しな」

「そう言うこった」


なのはがシグナム、ヴィータと会話をしている内にスカイはシャーリーの傍に行き内緒話を始めた。


(なあなあ、シャーリー此処って有名人多いよな〜)

(皆、八神部隊長のご友人やご家族なんですよ)

(スゴッ! 下手な芸能プロダクション顔負けじゃん! 写真集出したら売れるんじゃね?)

(そうですね! 売れたら大儲け出来ますよ!)

(フフフ〜お主、話が解るではないか〜)

(目指せ1ま……いや! 10万部!)

((フフフフフフ………))


何やら危ない会話をしている二人、果たしてその野望が叶う時がくるのだろうか……。


「おい」

「「ひぃ!?」」

「何故二人で驚く……」


行き成りシグナムに話しかけられてまるで子供の様に驚き尻餅をつく二人。

シグナムもシャーリーまで驚いたのが意外だったのか少しあっけに取られた表情を浮かべる。


「ど、どうしたんですか? シグナムお姉さま?」


スカイは急いで立ち上がりながらシグナムに話かける。


「お姉さま言うな……何、模擬戦でもしようと思ってな」

「へ〜俺様とお姉さまがね〜……ってえーーーー!?」


スカイはシグナムの驚きの提案に声の音量MAXで答える。


「五月蝿い、落ち着け!」

「グハッ!」


スカイはシグナムの鉄拳を諸に喰らい死に際の魚のようにピクピクと動く。


「で、でも何で行き成り模擬戦なんて……」


スカイは其の侭の状態で弱弱しく話す。


「お前は古代ベルカ式の剣士だからな純粋に興味が湧いたんだ」

「其れだけ?」

「……他に何を期待していたんだ」

「淡い恋心」

「一度死ぬか?」

「ごめんなさい……」


スカイは喉元に突きつけられたレヴァンティンとシグナムの凄まじい殺気に涙目で謝る。


「さて、行くぞ」

「え! もう!?」

「シャーリー市街地から森林地帯に変更を頼む」

「はい、了解しました!」

「あ〜ん誰か助けて〜」


シグナムは涙目で暴れるスカイの襟を掴み問答無用で引きずりズルズルとシミュレーターに入っていく。

其れを見送りながらスカイに両手を合わせ「南無…」と合掌するヴィータとシャーリーとなのは。




そんなこんなでシグナムに強制的に模擬戦を挑まれたスカイ!

果たしてスカイに明日の朝日と可愛い子ちゃんは拝めるのだろうか!?

最終回「サラバ……スカイ」を待て!?



おまけ1

「あ、あのさ! ルキノ!」

「何、アルト?」

「スカイさ……んに口説かれたよね? アレどうしたの?」

「あーアレ? 断ったよ」

「え、本当に!?」

「本当だよ」

「ホッ……でも何で?」

「何でって……そ、それはね……」

「???」

「秘密!」

「えー!」



「いや〜恋する乙女は大変っすね〜♪」


おまけ2


「なあ、なのは」

「?」

「どうでも良い事なんだけどさ」

「何? ヴィータちゃん」

「シグナムってあんなキャラだったっけ?」

「さあ?……其れに其れってどうでも良く無い気が……」








あとがき

どうもKaiです。

遅れながらも書いた第二話、そして書いた後に思いました。うん私最低だ!

取り合えず更新はノロノロの一ヶ月に一つがノルマです。

次回は一応メインのシグナムVSスカイですが作者は戦闘系苦手なので期待しないように(じゃあ書くなよ!)

因みにシャーリーとスカイの危ない計画ははやてが介入すれば始動するかも……(すな!)




では見てくださった皆様に感謝を……。






作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板

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