魔法少女リリカルなのはSTS「波乱を呼ぶ男」
ザーーーーー……。
雨が降っている……少しでもぼーっとしていたら一瞬で全身ずぶ濡れになってしまう程の激しい雨……。
「ハァ……ハァ……ハァ」
その雨の中でひたすら広い荒野を歩き続ける者がいた……。
その者の格好は誰が見ても酷かった……。
服はまるでボロ雑巾を縫い付けている用な粗末な物に成り果て更にこの大雨のせいで徐々に体温を奪っていく……。
そして何より目立つのは腹からドクドクと流れている血だ。
雨のせいと手当てもせず放置しているせいもあってか、
血は止まる事なく流れていきボロ服を黒く染め上げ更にその上を新しい血が赤く染め上げる。
「クソッ………早くしねぇと………待ってろよ………直ぐ助けてやるからな………」
その者はその出血量から見ても立つ体力すら無いはずなのにその者は歩き続ける……。
その背にかけがえの無い大切な存在を背負って………。
そして時は数年後に移る………。
第一話「そして奴はやって来たーーー!!!」
075年 4月 時空管理局 遺失物対策部隊 機動六課隊舎
「うひょ〜〜〜〜〜〜〜此処が俺様の新しい仕事場か〜〜〜中々良い所じゃん♪」
新しい仕事場の隊舎前にてまるで子供の用にはしゃぐ男がいた。
男の物とは思えない程サラサラな金髪のロングヘアー。
一度見たら吸い込まれてしまいそうな透き通る蒼い瞳。
肌も日を浴びた事の無いように思える程まっ白。
背も長身で顔立ちも数人に一人しか居なさそうな部類、要はイケメンである。
「しっかし〜部隊長も粋な事するよな〜俺様をこんな良い所に出向させてくれる何てよ〜♪」
そう言いつつまたはしゃぐ男、その姿は誰が見ても少し異様である。
何故この男が機動六課に出向になったのかは数日前に遡る………。
※ ※ ※
数日前とある部隊の部隊長室にて………。
その男はノックと共にドアを開ける。
此処までは普通である。
何故か制服が普段より輝き片手に花束を持ち満面の笑みを浮かべてる以外は。
「イエ〜イ♪ 何々部隊長様〜♪ 二人きりで話って〜等々
この俺様の魅力に気付いてくれちゃったり何かして〜♪」
男は入ってくるなり本日最高の笑みを浮かべて言う。
「ああ、今気付いたよ、本気でお前の腐った脳をぶっ飛ばしたい事に」
そう言った後部隊長は杖型のデバイスを男の頭部に向け構える。
「ちょ!! 冗談ですって! 冗談!」
「ほぉーならその手に持ってる花束は何だ?」
「そりゃ凝れを麗しの貴女にプレゼントして、そして凝れを切っ掛けに
その後貴女とデートして最後にアツ〜イ一夜をすご………あ………」
「ブレイズキャ……」
「すいません! もう貴女以外にしかナンパしませんから許して!」
「ハァ〜…」
という下らない会話をしている男と部隊長(女性 32歳 独身)
まあ、毎度、毎度の事なので特に大きな騒ぎとはならず終了するが……。
「ハァ〜〜〜何で私はコイツを選んだんだろうな……」
部隊長はため息を尽きながらデバイスを待機状態に戻す。
「?何がですか部隊長様?」
男は首を傾げる。
「ああ……お前にもちゃんと話さないとな……実は………」
部隊長が男に用件を言う。
「な〜る程〜俺様があの噂の機動六課に出向ですか〜、しかし機動六課って言えば」
用件を聞いた男は少し真面目顔で部隊長に語りかける。
「ああ………かなり曰く付きで突っ込み所満載な新しい部隊さ」
部隊長は少し不機嫌顔で言う。
機動六課……。時空管理局内で五課までとされている遺失物管理部機動課に増設された六番目の部隊である。
其所までは普通だが登録は陸士部隊だが所属は本局とその他諸々といういきなり突っ込み所ありありの部隊でもある。
「しっかし良く地上の皆さんはOKしましたね〜只でさえ地上の予算本局よりすくね〜のに〜」
男の発言に又部隊長はため息を吐き不機嫌そうな顔で言う。
「何でも本局のお偉いさん方と聖王教会が後見人になっているそうだ………」
「成程ね〜そりゃ納得だ♪」
男は納得して面白がりながら手を叩く。
「面白がるな……ったく訳の解らん新設部隊のせいで予算以前より減らされたんだぞ、
只でさえ予算少ないのにこれ以上新設部隊の為に予算を回されちゃ堪ったもんじゃない」
そう、さっきっから部隊長が不機嫌だった理由がそれである。
只でさえ地上本部は本局と比べ大きな事件、事故が少ない故に予算はどうしても本局寄りになって終うのだ。
更に新設部隊の為の予算を他の部隊の予算から少々引くと聞かされたら部隊長じゃなくても不機嫌になるだろう…………。
「さて………話を戻すがお前にはその新設部隊に出向してその部隊を調査してもらいたい因みに拒否は……。」
「え〜〜〜」
男が不満げな顔で言う。
「え〜〜〜って何だ! え〜〜〜って!」
すかさず突っ込みを入れる我らが部隊長。
「ブーブー!」
今度は頬を膨らませて文句を言う男。
「ブーイングすんな! ったく…………何が不満何だ言ってみろ」
部隊長は飽きれながら聞く。
「此所の部隊が好きだからです」
「ほぉ〜……」
珍しい男の真剣な発言に場が空気が少し変わる。
「俺様は此所の部隊が好きで此所の配属を希望したんです、此所の仲間逹とも付き合い長いですし、
それにこの魅力と知性たっぷりの俺様が此所の部隊抜けたらそうとうな戦力ダウンになり…
「ならないな特に寧ろ居ない方が大歓迎だ」…俺様ションボリ……」
自分の事を少し否定されションボリする男。そして男のアホな発言に頭痛を覚える部隊長。
「まあ無理にとは言わんさ、いざとなれば他の奴を出向させれば良い、
だが出向先の事をもっと知っておいてその後に決断しても損は無いと思うぞ」
部隊長が手元にある書類を男に渡す。
「だ〜か〜ら〜、こんな書類の一つや二つで俺様の鋼の様なかた〜い意思が変わるとでも〜」
男がブツブツ文句を言いながら部隊長から受けとった書類を見る。
「何々〜フムフム、へ〜、ほ〜……!?」
ペラペラと書類を殆んど見ず飛ばしていた男がとある部分の書類を見て停止する。
「……………………(ゴクリ」
「………おい、何か今ゴクリって音が聞こえ……「ぶたいちょ〜〜〜〜〜〜〜!」ひゃ!?」
突っ込みを入れようとした矢先に男のイキナリの大声?に思わずすっとんきょうな声を挙げる部隊長。
「ひゃ?」
「オ、オホン!」
顔を少し赤らめながら無理に咳き込み誤魔化そうとする部隊長。
「で、どうしたん……「そーですよー!」きゃ……だから何だ!」
流石に二度目である為か驚いた物の即座に怒鳴る。
「見て下さいよ〜この六課メンバーの年齢を皆二十歳未満ですよ〜」
「ああ…私も其所が気になっていたんだ、普通は経験豊富な二十歳超えの奴が数人いるはずなんだか……」
「でしょ〜だからこの経験豊富な俺様がこの六課の半人前部隊長に鞨入れて………「嘘だな」(ギクッ!」
「本当に分かりやすい奴………」
部隊長が呆れてため息をつく。
「だって〜可愛い子ちゃんと一緒の部隊のが良いんだも〜ん、むさ苦しい野郎ばっかしの部隊やなんだも〜ん」
まるで子供の喚きごとの様な理由を言う男。
「お前確か私の部隊入る時の理由もそうじゃなかったか?」
「うん」
「ハア〜そうだよな〜お前初めて来た時もそうだったよなー」
そう………この男がこの部隊長の部隊に入った理由が此れである。
この部隊長(32歳 独身)部隊長としての能力は勿論、
持ち前の厳しさと例え目の前のアホでも見捨てない優しさがあってか女性局員が普通の部隊より多いのである。
勿論男性局員も居るが女性局員と比べたら四割程である。
其所にこの男がやって来た。
最初はその理由を聞いた時、面白い奴だと思い余り気に止めなかったが其れが間違いだった。
この男、暇さえ有れば女性局員を次々ナンパして殆んど落としてしまうのだ。
普通なら此れで処罰になりそうな物だがこの男、出された仕事はきちんとやり遂げ、
仕事に慣れてない新入り(特に女性局員)などの世話も焼くなど面倒見も良い。
もしナンパ癖を無くし部隊の事について勉強さえすれば自分の部隊だって持てる男だ。
だから自ら注意する時もあるが止める所か逆に自分にナンパしてくるのだ。
勿論、ブレイズキャノンをお見舞いしたのは部隊長の思い出として今も残っている。
(本当に何でコイツが管理局に入れたんだ………)
管理局の未来を少し不安に感じた。
「どうしたんです〜部隊長様?」
「いや……何でも無い、兎に角お前はこの機動六課の出向を受けるんだな」
「勿論〜俺様超大歓迎よ〜♪」
「よし! 沢山の不安はあるがそんな事はどうでも良い!」
部隊長はもう完全にやけくそになった。
「偵察の詳しい事は追って説明する、お前は普段………は不味いから出来るだけ我は出すな!
一ミリたりとも出すな!つーか出したら殺す!」
「ひ、ひで〜俺様泣いちゃう〜」
部隊長の妙な殺気に涙ボロボロの男。
「知らん! じゃあ頼むぞ! スカイ・バレンディア三等陸尉!」
「イエス・サ〜〜〜!」
※ ※ ※
「と流されながら来てみたけど〜誰もお迎え居ないのね〜まあ可愛い子ちゃんだから許すけど」
スカイは機動六課隊舍前で一人ブツブツと愚痴をこぼす。
「まあ〜愚痴ってもしょうがねよな〜サッサと此所の部隊長に渡してデートにでも誘おうかな〜♪」
男は録でも無い考えと共に隊舍の中に入っていった。
果たしてこの駄目男が六課にどう影響を及ぼすのだろうか?
※ ※ ※
「ちょっと失礼するッスよ〜」
「あ……すまない」
一方隊舎内では一人の女性が歩いていた。
地上部隊の制服に身を包み、ピンク色の長髪をポニーテールにし無駄の無い動きで通路を歩く
彼女の名は「シグナム」元ミッドチルダ首都航空隊第14部隊副隊長であり今は機動六課ライトニング
分副隊長の肩書きを持つ女性だ。
「ふぅ〜」
彼女は今非常に緊張している。
何故なら今日は自分の敬愛する主、八神はやての夢の部隊の始まりの日でもある。
幾ら普段は冷静沈着な彼女でもこの日は緊張せずには要られなかった。
(今日は我が主はやての大切な日だくれぐれも問題失敗等起さぬ様気を引き締めねば……制服は洗いたて
を使用……シャンプーとリンスは奮発し高い物を使いハンカチとティッシュも忘れていない……フフフ……
完璧ではないか今日の私は……少し自分が怖くなって来たぞ……)
明らかに緊張を通り越して危ない人化してきたシグナム……周囲に人が居たら若干引いていただろう。
そんな考えにふけている内に何時の間にか部隊長室前に着いていた。
(よし………。)
シグナムは緊張を振り払うかの様にドアをノックする。
「は〜い?」
すると直ぐに聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「主はやて、シグナムです」
「あ! ええよ〜入ってきて」
「失礼します」
軽いやり取りを終えてシグナムが部隊長室に入る。
「シグナム〜元気でしたか〜♪」
入ると同時に明るい声でシグナムの傍に飛んできた小さい妖精の様な女の子。
彼女の名は「リインフォースU」はやてのユニゾンデバイスであり職場では皆の「ちっちゃい上司」だ。
「あぁ……私は問題無いお前も病気などして主はやてを困らせていないだろうな」
「あ〜! 又子供扱いしましたね〜リインはちゃんとはやてちゃんのお役にたってます〜〜〜!」
リインはシグナムのからかいに直ぐに反応して頬をプク〜っと膨らませた。
その姿を見て「変わらないな……」と感じ少し苦笑しながら主はやてに向き直る。
「それで主はやて、私に用とは何でしょうか?」
「あ〜其れが言いたかったんや〜リインの所為で忘れてしもうたわ〜」
「え?何でリインの所為になるんですか!?」
「うぷぷ……冗談や冗談♪」
「あ〜! はやてちゃんまで酷いです〜〜! プンプンです〜!」
シグナムだけでなく自分のマイスターであるはやてにまでからかわれてしまいリインは顔をまっ赤にして
完全に怒っていた。
「あ〜、御免な〜、リイン、後でアイスこうてあげるから許してくれへんか?」
「え!? 本当ですか! 冗談じゃないですよね!」
「ほんまやほ・ん・ま♪」
「わ〜いで〜す〜♪」
すると先程までの怒りは何所へやらリインは満面の笑顔で宙を舞っていた。
因みにそれを見た二人が顔を背け大笑いしていたのは秘密だ。
「さて……話を本題に戻そうか」
「はい」
はやて、シグナムは笑うのを止めて仕事の表情へと変える。
「実はな……内の部隊に地上部隊の局員が一人来る事になったんよ」
「地上本部からですか……」
「そおや、今日来る予定なんやけどな、シグナムが気に入るかもしれへんから呼んだんや」
はやてはそう言うとその局員の情報が書かれた資料をシグナムの前に置く。
シグナムは直ぐにその資料に目を通す。
スカイ・バレンディア
所属:時空管理局 陸士警備隊第110部隊
階級:三等陸尉
魔法術式:古代ベルカ式・陸戦AA+
「ほお……古代ベルカ式か……」
シグナムはスカイの写真を見ていた。
金髪のロングヘヤー、透き通るような蒼い瞳、少し切れ長の目つきではあるが怖さは感じない。
何よりシグナムが目を引いたのはスカイの魔法術式だ。
今の時代の術式は遠距離戦闘や大火力が支流のミッド式と強化や近距離戦闘が支流のベルカ式の二つだ。
しかし現在の主力魔法はミッド式が多い為ベルカ式の使い手を見るのはかなり稀である。
更に古代ベルカ式となれば思い切り使用できる人数が限られる。
そういう意味も含めてシグナムはスカイという男に興味が湧いていた。
「因みにシグナムと同じ剣士やよ〜」
シグナムははやての言葉を聞き更に興味が湧いて来た。
何せ自分と同じ剣の使い手が来るのだ。興味が湧かない筈が無い。
此れがシグナムを「バトルマニア」と呼ばせる由縁なのだが………。
「しっかし遅いな〜もうとっくに来てもええ頃なのに……」
「もう予定の時間30分も過ぎてますよ〜」
はやては時計を見ながら段々不安な表情に変わっていく。
リインもそんなはやての表情を見て表情が暗くなる。
「主はやて、何でしたら私が見に行きましょうか?」
シグナムはそんな二人を見ていられなくなり自ら探しに行くと発言した。
「あ〜助かるわ〜御免な何か押し付けっぽくなってしもうて」
「いえ、主はやてばかりに負担をかける訳にはいきません、寧ろもっコキ使ってくれてもかまいません
私達は貴方を支え共に道を歩む騎士なのですから」
シグナムは、はやての目を見て嘘偽りの無い言葉を言う。
「………ありがとな」
はやても又、心から感謝の言葉を告げる。
「では探しに行きますね」
「行ってらっしゃい、夕飯までに帰ってくるんやで〜」
「早くしないと冷めちゃうですよ〜」
「それは大変だ、急がなくてはな」
そんな他愛の無い会話をしてシグナムはスカイを探す為に部隊長室を出る。
「さて……私も色々と準備せな」
「リインもお手伝いです〜」
はやてとリインはシグナムを見送った後、他の作業にも取り掛かる。
※ ※ ※
「う〜ん、まいったな………」
場所は変わり部隊長室から離れた通路。
其処でいかにも「困ってます」状態の青年が一人居た。
「トイレに行ったのが間違いだったかな………」
青年は辺りをウロチョロしながら己のした行動を一人悔いていた。
「まいったな……このままだと八神部隊長の挨拶にまにあわ……「どうしたの?グリフィス?」
いやだから………ってうわ! ルキノ!?」
グリフィスと呼ばれた青年は行き成り背後からかけられた言葉に驚く。
「えっと……どうしたの? ウロチョロして? ……考え事?」
ルキノと呼ばれた女性は少し小声になりつつもグリフィスに話かける。
「いや実はアルトが………」
「アルト? アルトがどうしたの?」
ルキノは親友の名前を聞き少し不安気に聞く。
「いや……アルトと一緒にロビーに行こうとしたんだ、ほら八神部隊長の挨拶があるだろ、其れで丁度
良いから一緒に行こうと思ってさ」
「うんうん、それで?」
「それで此処まで来れたのは良いんだけどトイレ行きたくなっちゃって………」
「それで直ぐに行って戻ったらアルトが居なかったと……」
「………」
「成程ね……」
ルキノはグリフィスの証言を元に考える。
アルトとは親友だけあって付き合いも長い。それ故にアルトが勝手に何処かへ行くという考えは消えた。
となると何かあったに違いないとルキノは思った。
「急いでアルト探さないと!」
ルキノは一目散に走りだす。
「ま! 待って!」
グリフィスも慌てて後を追いかけていった。
※ ※ ※
グリフィスとルキノがアルトを探しに行った時間と同時刻シグナムはスカイを探していた。
「ふむ……入り口にもいない、ロビーにもいない、念の為に見に行った食堂にもいないか……
何所に居るんだ……」
既に色々な場所を探した物の見つける事が出来ず不安が少しづつ溜まっていくシグナム。
「………仕方ない……一度戻り最初から見直して見るか………」
そう考えたシグナムは部隊長室に向かい歩み始めた。
「え……そ……そんな」
「ん? 何だ?」
部隊長室に向かう途中の曲がり角で妙に色っぽい?女性の声が聞こえた。
シグナムは気になり曲がり角からそおっと覗く。
するとどうだろう、二人の局員が誰もいない通路隅っこでイチャイチャしていた。
二人の顔等は影に隠れて見えないがどうやら男性局員が女性局員をナンパしているようだ。
「う〜ん。君って超可愛いね〜♪ 君みたいな可愛い子ちゃんに会える何て……運命の女神様が齎した素敵
な出会いに乾杯……」
「そんな……私全然可愛く何て……」
「おやおや、謙遜は良くないぜ君みたいな可愛い子ちゃんはミッド広しと言えど10人に1人……いや!
50人に1人居るか居ないかだぜ〜」
「あ………ありがとうございます」
どうやら女性は男性に口説かれているらしい。しかもかなり古臭い口説き方だ。
(何だ……今日は大事な日だと言うのにけしからん注意せねば……)
シグナムはその二人を注意しようと覗くのを止め二人の元に歩みだす。
(ん? ……な!)
シグナムは女性局員を見て驚いた。
口説かれていた女性はグリフィスとルキノが血眼になって探していたアルト・クラエッタだった。
シグナムはアルトと面識があった故にこの事に驚いた。
しかしもう片方のナンパしていた男性局員を見てシグナムは更に驚いた。
腰まで伸びた金のロングヘヤー、綺麗な蒼い瞳、切れ長の目………。
まさしくシグナムが探しまわっていた男スカイ・バレンディアその人だった。
なんという事だ……自分と自分の主はやてが心配していたというのにこの男は暢気にナンパして
いたのか……。
そして驚きは少しづつ怒りに変わっていった。
「な……な………な」
「ん? なんだ?」
シグナムの声に気付いたスカイはシグナムの方に………。
「何しとるか! 貴様ーーーーー!!!」
「おっぺけぺーーー!!」
振り向く前にシグナムの強烈ツッコミキックを顔面に喰らった。
さあ何だかんだで機動六課についた主人公(?)スカイ果たして彼の運命はいかに!
後半へ続く〜
おまけ
「「アルト!」」
「……………」
「よかった〜アルト無事だったんだね」
「ふう〜無事でよかった」
「……………」
「アルト?」
「どうしたんだ?アルト?」
「スカイ様(ポッ」
「「!!?」」
あとがき
どうも人生初小説で色々馬鹿をしてしまった愚か者事Kaiです。
ストーリーは基本原作進行系で行きますがスカイの乱入により
多少というかかなり変わる可能性大なのでそれでも良いという寛大な心
の持ち主はどうぞ最後までお付き合い宜しくお願いします。(ペコリ
それでは読んで下さりました皆様に心からのお礼を…………。