すっかり、管理局入りしてしまった俺。やはり、俺には平穏はないのだろうと・・・泣きたくなってきた()

 

 

 

しかし、まさか俺が人を教える立場に立つなんて事になるとは。

 

 

 

面倒でやってられっか、ったく・・・・・・・・・逃げたらマジでトリプルブレイカー喰らう可能性高いな・・・・・・はぁ、才能ない俺がねぇ。

 

 

 

あ〜、ツッコミ所が多すぎて疲れてきたぜ・・・・ったく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To a you side StrikerS −海鳴のDEN-O

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side良介】

 

 

さ〜て、昼飯も食ったし俺は自分の鍛練でもするか・・・・・ん、何故フェイトがこっちを見てる?しかもなのはも。

 

 

「あの、リョウスケ」

「ん、なんだフェイト。俺は今から自己鍛練に」

「それなんだけど・・・・・今から、リョウスケにエリオたちの訓練を担当してくれないかな?」

「は!?それは才能がない俺に対する「それは前回言ったよ」・・・ぐぬぬ・・・」

 

 

俺の言いたいことを言いきる前に止めるとは、やるなフェイト。

 

 

「私たちの訓練は、基礎を中心にしたスタイルなんだけど、兄さんのような変則的なスタイルも、いずれ戦いに必要になると思うから」

「それは俺の戦い方が邪道と言いたいのか、なのは?」

「い、いえそういう意味では・・・()

 

 

冷や汗かいてる時点でバレバレだってんだ。ったく、どーせ俺の戦い方は邪道だよ畜生。

 

 

「うーん・・・でもなぁ」

「参加してくれたら、勝利敗北関係なしでメロン」

「乗った!!」

「も、物に釣られてますよ兄さん()

 

 

うっせえ、メロンはうまいんだぞこの野郎。

 

 

「よし、行くぞ新人共。俺の戦い方、きっちり教えてやるよ」

「・・・一番新人は兄さんだけど」

「だ〜か〜ら〜その口の聞き方はなんだこいつは〜!!」

「にゃにゃ〜!ごめんなさ〜い!!」

 

 

悪ノリした妹分には、この扱いで十分だってんだ・・・・ったく、放っておけない妹だ・・・・十年前も・・・・・今も・・・“あの時”も・・・な。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、場所を変えて演習場所に来たのはいいけどよ・・・・。

 

 

 

 

「ふむ、宮本があの者たちを教えるのか・・・見物だな」

「リョウスケが教えるのか・・・・私も参加しちゃダメなのかよ」

「ダメよヴィータちゃん。良介さんの裏ワザで大恥かくのがオチよ」

「オチって言うんじゃねーよシャマル!!」

「・・・やれやれ、面倒な事になりそうだ」

「リョウスケ〜、頑張るですよ〜」

 

 

 

 

暇人の集まりかヴォルケンズ!!(ヴォルケンリッターが面倒だからヴォルケンズだ、文句ねえだろ?)

 

 

 

 

「さてさて、今回の演習でどんなデータが取れるか、見物ですね。わくわく♪」

「・・・相変わらずマッドサイエンティストだねシャーリー」

「さて、良介の戦い・・・おもろい事になるのは確定だから見逃したら損だな」

 

 

 

 

シャリオ、何を期待してる?つうか、撮影止めるように言えよロウラン息子!!あと、お前は後で絶対飯奢らすからなヴァイス。

 

 

 

 

「お、またあいつだぜ!今度は何やらかすんだ?」

「うわ、あの新人たち大変だぜ。何せ、管理局をひっかきまわす男だからな」

「つうか、止めなくていいのかな?」

「無理無理、この演習の担当はテスタロッサ執務官だぜ?」

「あーそりゃ無理だ。管理局の美女または美少女に慕われる男って異名もあるしな」

「自分、演習参加したいっす!!むしろマンツーマン希望っす!!」

「こら、そこの超絶暴走乙女っ娘!?ちゃんと仕事しなさい!!」

 

 

 

 

・・・何この暇な方々は?お前ら仕事しろよ!?管理局こんなのでいいのか!?んでも、こいつらならまだいいさ。俺が一番ツッコミ入れたいのは・・・。

 

 

 

 

「うーん、慕われてるわね良介君・・・・はぁ、お茶が美味しい」

「ふむ、これはおもしろい組み合わせね。エース・オブ・エースの教え子VS管理局最大のジョーカーとは」

「ですね〜・・・おーい良介!見にきたわよ〜」

 

 

 

 

・・・艦長職引退したからって、本局の仕事あるだろリンディ!?それに、アンタは苦手だから来るなよロウラン母!!というか最後、お前絶対に冷やかしに来ただろエイミィ!?

 

 

「・・・なのは、フェイト」

「な、なんですか兄さん?」

「どうしたの、リョウスケ?」

「・・・俺、帰っていいか?なんか後でクレームの山が来る気がしてやる気が削がれるんだが」

「・・・にゃはは()

「止めようとしたんだけど、シグナムたちに見つかっちゃって」

「・・・予想はつく。シャマルとかヴィータが情報流したんだろ?」

 

 

俺がそう言うと、二人はハハハと苦笑していた。ちくしょう、孤立無援かよ。

 

 

「は〜・・・・しゃぁねえな。よし、んじゃすぐに自分たちのデバイスをスタンバイさせろ」

「「「「了解!!」」」」

「んじゃ俺も・・・・・よっと」

 

 

俺はさっさと、腰にベルトを巻いた。そして、そのままデバイスカードをベルトにかざした。

 

 

 

 

Den(デン)-o(オー)-form(フォーム)・・・・・・・・・変身」

 

 

 

 

俺の詠唱と共に、俺の身体を黒いジャケットが覆った。

 

 

「・・・あの、良介さん」

「ん、なんだティアナ?」

「あの・・・・バリアジャケットは?」

「いらん」

「へ?」

「訓練にあんなもん使ったら後で滅茶苦茶クレームくるからパスだ。それにティアナ・・・・お前は自分に才能がないように言ってるみたいだが」

 

 

俺の言葉を聞き、ティアナが少し顔を俯かせた。それを見てか、スバルは少しばかり俺を睨む。待て、最後まで話を聞けってんだ。

 

 

 

 

「・・・・凡人が天才に勝つ姿、見せてやるよ」

「・・・え?」

 

 

 

 

お、驚いてる驚いてる。さて、んじゃひと暴れするか。

 

 

「んじゃ・・・・用意・・・・スタート!!」

 

 

俺はそう言うと、ティアナたちに向かって全速力で・・・・・・・“後ろ向き”に走りだした。それを見た瞬間、俺以外の全ての人間がこけていた。

 

 

「や、やる気があるんですか良介さん!?」

「言ったろ、俺の戦いを見せてやるって。ほらどうした新人共、早くしねえと逃げられるぜ」

 

 

俺はそう言って、廃墟となっているビルの中へと姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sideエリオ】

 

 

ティアナさんからの提案で、ツートップで追い詰める事になったけど・・・大丈夫かな?

 

 

「あの、私が頑張ってフォローしますから」

「あ、うん。僕も頑張るよ」

 

 

大丈夫、僕の後ろにはキャロがついてるんだ。頑張ろう。僕がそのまま周囲の気配を探っていると、一瞬だけ黒い影が動くのが見えた。

 

 

「・・・!!ストラーダ!!」

 

 

僕はストラーダに魔力を流し、それを槍の先端で雷に変えた。そしてそのまま、振りかぶって雷の刃を放った。

 

 

 

 

―――ズドーーーン

 

 

 

 

轟音を立てて、その場に埃と瓦礫が散った。僕とキャロがゆっくり近づくと、そこには何もなく、ただ僕が放った斬撃の跡だけが残っていた。

 

 

「・・・いない?」

「気をつけて。たぶん、まだどこかにいます!」

「気配は間違いないんだけど・・・・どこに?」

 

 

キャロと背中合わせに周囲を注意していると、今度はまるでデンガッシャーを振り下ろそうとしている電王の影があった。

 

 

「・・・見えた!!」

「いきます・・・我が甲は、疾風の翼・若き槍騎士に・駆け抜ける力を」

 

 

キャロの詠唱が終わり、ケリュケイオンからブーストアップの魔法が僕のストラーダに追加された。

 

 

 

 

「いっけーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 

 

 

僕は次の瞬間、ストラーダの爆発的な加速で一気に動き、その影めがけて突っ込んだ。何かを貫いた感触はある・・・・あれ?

 

 

「こ、これって?」

「・・・へ?」

 

 

僕とキャロの前には、人の形を模った瓦礫だった物が存在した。それも、剣を

構えているような形に。

 

 

「これって・・・」

「囮・・・でしょうか?」

 

 

僕とキャロが、呆然とその瓦礫を見ていた・・・・次の瞬間。

 

 

 

 

「・・・・・・・チェストーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 

 

 

突如、地面が砕け散った。そしてそこから、アーマージャケットを見に纏った電王が姿を現し・・・・キャロを捕縛した。

 

 

「キャロ!?」

「油断大敵だな。ほれ、お前の負けだ」

「え、エリオくん!!私に構わず撃って<ポカッ>あう」

「アホ、んな事したらエリオは自己嫌悪でフェイトは泣くだろうが。それに、これは訓練なんだから負けは負けと認めとけ」

「・・・はい」

「うっし、まずは一勝・・・・ってチビ竜!?何もしねえから炎を吐こうとするんじゃねえ!?」

 

 

フリードに脅されてキャロを離す宮本さん。なんというか、色んな意味で凄く大きい人かも()

 

 

「でも、一体何が?」

「日本古来の言葉に「灯台もと暗し」って言葉があってな」

「灯台もと暗し?」

「うむ。探している場所は案外すぐ近くにあるって事だ。俺は隠れて移動しながら、削りやすい瓦礫を使って人型を作り設置、あとは、窓からの光で俺が動いているように見せてお前が攻撃を放った後の轟音のうちに人型を設置、そして、そのまま下の階に降りて、後はお前らが人型を破壊する音をチェックして、タイミングを計って下から攻撃を仕掛けたって訳だ。ま、気配だけは常に匂わせないと出来ないがな」

「・・・凄いです」

「ま、参りました」

 

 

僕はこの日、凄く大きな経験を積んだ気がする・・・・もっと頑張ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sideティアナ】

 

 

「どうやら、エリオとキャロは負けたみたいね」

「・・・・というか、あんな戦闘方法なんて聞いたことないよ」

「・・・まぁ、絶対ミッドチルダの戦術教本には乗らない戦法よね」

 

 

そう言いながら、私たちは良介さんもとい電王の消えた場所を探知していた。そして・・・・見つけた。

 

 

「スバル!!エリオたちが居た場所から・・・・・市街地を高速移動中!?」

「高速移動!?だって宮本さんって・・・・・・あ!?」

「マズイわ、デンバードで高速移動してるのよ!スバル、ウイングロードで追跡お願い!援護は私がするわ」

「オッケー!!」

 

 

スバルはそう言って廃ビルの屋上に立つと、地面にリボルバーナックルを叩き込んだ。すると次の瞬間、電王がデンバードで逃げている方角に空色の道【ウイングロード】を作りだす。

 

 

 

 

 

 

「いくよ、マッハキャリバー!!」

『任せてください』

 

 

 

 

 

 

スバルは声を上げると同時に、マッハキャリバーを起動させた。そして、フルスピードでウイングロードを駈け出した。私はその隙に、ビルに隠れながらクロスミラージュをワンハンドモードに切り替え、バリアブルシュートの体勢に入る。

 

 

「・・・頼むわよ、スバル」

 

 

私は相棒にそう言いながら、遠くにいる電王に標準を合わせ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side良介】

 

 

んげ!!スバルの奴ウイングロード展開しやがったな!!くそ、デンバードで逃げ回って持久戦持ち込みたかったが、これじゃ意味ねえ!

 

 

「・・・しゃぁねえな、土壇場だがやるだけやってやる」

 

 

俺はそう呟きながら、デンバードを更に加速させた。そして次の瞬間、瓦礫を台にして・・・・・・・ウイングロードに飛び乗った。

 

 

「かっかっか!!自分の作り出した道じゃ終わりはねえからな、いくらでも逃げ回ってやるよ!!」

 

 

そう言うと、俺は更にアクセルを全開にさせた。なんか後方から「あーずるいーーー!!」って声とか外野からクレームがくるが無視だ無視。

 

 

「さぁ、鬼ごっこの始まりだぜ!!」

 

 

こっからが、逃げのクライマックスだぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side外野】

 

 

 

 

「ふむ、逃げは逃げでも相手のアイディアを逆手にとるとは、やるな宮本」

「へっ、フォームチェンジすりゃいいのによ」

「それじゃ、良介さんがやり遂げたい事が出来ないのよ」

「やり遂げたい事って・・・・なんだよ」

「良介さんは・・・・ティアナちゃんに教えたいのよ。凡人が天才を打ち負かすってところを」

「そんなの、過去の戦闘データ見せればいいじゃねえか」

「実践で、見せてあげたいのよ。映像よりも、実体験したほうが自身のためになるでしょうし」

「リョウスケも世話焼きさんですね〜♪」

 

 

 

 

そんな会話をしているヴォルケンズの方々。

 

 

 

 

「裏ワザ使いますね良介さん。まさかウイングロードに飛び乗るなんて」

「・・・・というより、あの人は勝つためならなんでもしそうだからね」

「はは、やっぱおもしろい戦いを見せてくれるな良介の奴は」

 

 

 

 

裏ワザとか言っている六課のメンツ。

 

 

 

 

「おいおい、なんでも利用するなアイツ」

「新人も苦戦してるな〜こりゃ」

「やっぱ誰にも止められないのかよあの人は」

「出来るとしたら、テスタロッサ執務官の上目遣いとかでおねだりとかの上級テク使わないと無理だろ」

「もしくは、高町教導官の甘えモードってやつだろうな」

「自分、感動っす!!むしろ私が追いかけたいっす!!」

「こらこらこの暴走乙女っ娘!!いい加減暴れるのやめなさい!!」

 

 

 

 

暇な方々も好き勝手言っていた(苦笑)

 

 

 

 

「うーん。やっぱり良介君はうちのフェイトの婿にしたいわね〜・・・ずず」

「またおもしろい事やってるわね。さて、凡人の道化師は天才を超えられるかしら」

「こらー逃げるなー!!面白みかけるわよー」

 

 

 

 

おもいっきり観客と化している方々。そして

 

 

 

 

「兄さん・・・・またあんな変則を」

「確かに・・・・リョウスケらしいけど」

 

 

 

 

なんだかんだで、戦いに見入っているなのはとフェイト。そして、戦いは大きく動き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side良介】

 

 

さてと、あまり逃げ回ってばかりじゃティアナに見せてやれねえからな・・・・んじゃ、ちとやるか。俺はデンバードの後輪を浮かすとそのまま回転し、スバルの向かってくる方向へと向きを変えた。そしてそのまま、向かってくるスバル目がけてフルスロットルで走らせ始めた。お、向かってくるスバルが驚いてやがる。

 

 

「行くぞ!デンガッシャーソードモード・・・」

 

 

俺はデンバードを自動運転にすると、デンガッシャーのパーツの一つを手にとった。それを見たのか、向こうにいるスバルは慌ててリボルバーナックルをスタンバイしているが、ミスったな(ニヤリ)

 

 

 

 

 

 

「と見せかけて、ストレートど真ん中だーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

次の瞬間、俺は全力でデンガッシャーのパーツをブン投げた。リボルバーナックルに気を取られてマッハキャリバーを止められないスバルの額に、デンガッシャーのパーツがヒットした。それにより、スバルは「いたーーー!!」って叫びながら倒れ、ウイングロードの上に転がりこんだ。それを確認した俺は、戻ってきたデンガッシャーパーツを手に掴むと、スバルの前でデンバードを止めた。

 

 

「ほい、スバル確保」

「うー・・・・痛いですよ〜」

「アホ、魔法障壁使えば問題なかっただろ。それに、ハチマキ狙ったんだからまだダメージは軽減されてるはずだ」

「でも、デンガッシャーソードモードって」

「ハッタリだ」

「ハッタリ!?」

「アホか、ハッタリも立派な戦術の一つだぞ。このハッタリで、どれだけヴィータを倒してきたか」

「そ、そうだったんです「ゴルァリョウスケーーーーーーーーーー!!」ええ!?」

 

 

うげ!!会話聞いてやがったのかあの野郎、こうなったら逃げるが勝ちだ!!

 

 

「待てーリョウスケーーーーーー!!」

「待てと言われて待つ奴がいるかボケーーーーーーーーーーーーーー!!」

「カートリッジーーー・・・」

「げ!?テメエまさか!!」

「ローーーーーーーーーーーーーード!!ラケーーーーーテン・・・」

「や、やめ!!」

「ハンマーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

 

ちくしょーーー!!また鬼ごっこの始まりかーーーー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sideティアナ】

 

 

なに、この非常識な光景。あのヴィータ副隊長が、激怒しながらグラーフ・アイゼンで追い掛けてるのに、良介さんは軽々と逃げてる・・・。

 

 

「あれが、にいさ・・・・・宮本遊撃部隊長の力だよ、ティアナ」

「高町隊長」

「どこまでもひっかきまわして、どんな相手も挑発出来る強さ・・・・私たちには真似できないよ」

「・・・凄いというか、反則並というか()

「あれが、本人いわく凡人の・・・・・戦い方なんだよ。もし希望するなら、頼んでみてあげるよ。戦闘訓練」

「・・・・お願いします」

 

 

正直、私は強くなりたい。兄さんが教えてくれた魔法を証明するために・・・強くなりたい。周りが天才や歴戦の勇士なら、私は六課の凡人代表になってみせる・・・・絶対に。良介さん・・・・・よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side良介】

 

 

「ぜえ・・・ぜ・・・死ぬと思った」

「兄さん、ヴィータちゃんを怒らせるからですよ」

「はい、リョウスケ」

「さ、さんきゅ」

 

 

フェイトから受け取ったスポーツドリンクを飲みながら、俺はふとつけていた時計を見た。すると、時刻は午後三時を迎えていた。お、この時間ならちょうどいいか。

 

 

「うし・・・んじゃ、新人共」

「「「「はい」」」」

「今から汗流した後、三十分後に私服でここに集合」

「え、どうしてなの兄さん?」

「この時間だと、時間が時間だから翠屋のほうに顔出しておこうと思ってな」

「あ、もうそんな時間なんだ」

「それに、こいつ等も疲労してるはずだから小休止でもいいだろ」

「・・・そうだね。確かに結構精神使う訓練したから、心にゆとりが必要だと思う」

「んじゃ、決定だな」

 

 

そんな会話をとりあえず終えて、俺たちは一度解散し30分後、俺たち(俺とスターズ&ライトニングの面々)は再びこの場に集合していた。

 

 

「ところで、良介さん」

「ん、どした?」

「今から、どこへ向かうんですか?」

「あ〜、俺やなのはがいる世界にあるなのはの母親の店だ。疲労した身体には甘いもんでも必要だろうと思ってな」

「あ、分かってますね宮本さん♪」

「何を言うかお前は」

「あうあう〜」

 

 

調子に乗ってるスバルの頭をグリグリとしてやる。まぁいいや、とりあえず転移ポットに乗り込んでっと。

 

 

「んじゃ、海鳴町に行くぞ」

「はーい。それじゃ、海鳴町に、転送!」

 

 

なのはの入力で、転移ポットが起動しミッドチルダから転送された。そして、翠屋付近の場所に、俺達は転送された。

 

 

「よし、うまくいったようだな」

「へへ、翠屋のシュークリームはギガうまなんだぞ♪」

「ヴィータ、あまり食い意地を出し過ぎなようにな」

「な、なんだとシグナム!!」

「・・・お前ら、ここらで争うなら桃子に頼んでデザート出させないようにするぞ」

「う・・・・ごめん」

「すまない、迷惑をかける」

 

 

やれやれ、この町にくるとこいつ等はやっぱ気が抜けるのかねぇ。そんなこんなで、俺達は翠屋の扉を開いた。すると、どうやら今は客が来ていないようで、俺達だけのようだ。ドアについてるベルに気付いたのか、カウンターから桃子が顔を出した。

 

 

「あ、良介君。おかえり」

「あいよ。なのはとフェイト、そしてその子分連れてきたぞ。甘いもん食わしてやってくれねえか?」

「こ、子分じゃないよ兄さん!!」

「同じようなもんだろ。ほれ」

 

 

そう言って、俺はなのはたちを席に座らせた。そして、俺はカウンターの中に入る。

 

 

 

 

「あ、メニューはテーブルにあるから決まったら呼んでくれー」

 

 

 

 

さて、俺のもう一つの仕事と参りますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sideなのは】

 

 

もう、お母さんの前で子分っていうのはやめてよ兄さん。私が溜息をついていると、スバルが話しかけてきた。

 

 

「あの、なのはさん」

「ん、どうしたのスバル?」

「あの人・・・・・なのはさんと・・・・お母さんですか?」

「あ、うん。そうだよ」

 

 

私が頷くと、スバルたちは目を丸くしていた。あれ、そんなに変かな?

 

 

「・・・・お姉さんじゃないんですか?どう見ても、母親というには」

「少し年の離れたお姉さんのほうがしっくりする気がします」

「お、同じくです」

 

 

あらら、まぁお母さんは本当に十年前と変わってないもんねほとんど。それに対して、兄さんは・・・・・・カッコよくなったよね(赤面)。あぅぅ、恥ずかしいよ。

 

 

「なのは、大丈夫?」

「へ・・・あ、うん。大丈夫だよフェイトちゃん」

「なら・・・いいんだけど」

「大丈夫大丈夫、元気元気♪」

 

 

あぅ、フェイトちゃんに心配させちゃった。よし、こうなったらもっと笑顔でいないとねやっぱり。私がそう気持ちを切り替えようとした・・・その時だった。

 

 

 

 

 

 

―――ガシャーーーーーーーーーン

 

 

 

 

 

 

何が割れる音がして、私は驚きながらその音の方を向いた。そこには、地面に落ちてお皿が割れている光景と、“右腕”を震わせている兄さんの姿があった。皆がガヤガヤとなる中・・・。

 

 

 

 

「兄さん!!」

 

 

 

 

思わず飛び出して、カウンターの中にいる兄さんに駆け寄った。

 

 

「兄さん、大丈夫!?」

「あぁ・・・・悪い、皿割っちまった」

「それはいいよ・・・・・もしかして、まだ“あれ”が・・・」

「いや、本当に手元が狂っただけだ。悪いな驚かせて諸君!」

 

 

兄さんがわざと偉そうな口調にしてるけど、私にはわかるよ?やっぱり、まだ完全には治ってなかったんだ・・・・。

 

 

「兄さん・・・」

 

 

私はただただ不安に、泣きそうな気持ちになっていた。あの時の古傷が、まだ残っていたなんて・・・・それなのに、兄さんを電王に・・・忘れちゃいけなかったのに・・・。

 

 

 

 

―――ポフ

 

 

 

 

「・・・え?」

 

 

私の頭の上に、何かが乗せられたのを感じた。私が顔をあげると、そこにはやれやれという表情で私の頭に手を乗せて、優しく撫でてくれている兄さんの姿があった。

 

 

「・・・兄・・・さん」

「バーカ、何泣きそうな顔してんだ。お前にそんな表情は似合わねえんだ、とっとといつもの笑顔でいろ」

「で・・・も・・・」

「あのな、俺はお前の泣き顔が苦手なんだよ!!だから、いつのも笑顔でいやがれ、ほれ」

 

 

兄さんはそう言うと、私の頬をぷにぷにと引っ張ってきた。うう、痛いです。

 

 

「いいな?これは兄貴様からの絶対命令だ、返事は?」

「・・・・・・うん!!」

「・・・やれやれ」

 

 

そう言って、兄さんはポンポン頭を叩く。なんだか、凄くうれしい・・・・あれ?なんでみんなこっち見てるんだろ?

 

 

「なのはさん・・・・嬉しそうですね」

「ちょっと・・・・羨ましいな」

「宮本・・・・あまり高町を泣かせるなよ」

「むーーーーーー!!」

 

 

スバル、なんでそんなに微笑んでるの?ティアナも、なんかちょっとムッとしてる。シグナムさん、ありがとうございます(//////)。そしてヴィータちゃん、睨まないでよ〜()。そんな中、お母さんが近づいてきた。なんだろ?

 

 

「ねえねえ、なのは?」

「・・・・・え?」

「式の時は、ドレスと着物どっちがいい?」

「え・・・・・・ドレスと着物って・・・何に使うの?」

「え?なのはと良介君の結婚式」

「・・・・・・・・ええええええええええええええええええ!?」

「・・・何言い出す桃子」

 

 

 

お母さん!!いきなり爆弾発言しないでよ!!というより、この発言でフェイトちゃん翠屋の隅っこでいじけてる!?帰ってきてよフェイトちゃ〜ん()

そんなこんなで、一日が過ぎていきました・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side良介】

 

 

さて、本日も六課に来たわいいが・・・・・なんでいきなりヘリに乗りこまされるんだ俺?

 

 

「さて、今回向かうのは、ホテルアグスタですぅ」

「骨董美術品オークションの会場警備と人員警護、これが今日の仕事ね」

「今回のロストロギアで、間違ってガジェットたちが勘違いして襲撃してくる可能性があるから、私たちが呼ばれたの」

 

 

なのは・フェイト・ミヤの三人が新人たちに指示を出す中、ヘリに同乗していたシャマルの足元に複数のケースが存在していた。

 

 

「シャマル、なんだこれ?」

「これですか?はやてちゃん達のお仕事着ですよ」

「仕事着?」

「はい。あ、一応良介さんの分のタキシードがありま「却下」・・・しくしく」

 

 

やれやれ、俺はタキシードなんか着ても似合わないっての・・・・まったく。さて、またひと波乱ありそうだな・・・。

 

 

 

 

あとがき

あかん、悪い奴らの動向をまとめ切れなかったことが悔しいweyであります(

さて、何故お見合い写真になのはが写っていたか?その真実は、外伝のほうをお読みくださいw

次回ですが、StrikerS本編でいうホテル・アグスタが絡んできます。そこで、また何かが・・・・・・それは、次回までのお楽しみ()




作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板
に下さると嬉しいです。