なんだかんだで、管理局入りしてしまった俺。

 

 

 

というか、なんで俺がヒーローに!?っていう感覚が消えかけている事がつらい。

 

 

 

まぁなんだかんだで、やかましいサイレンと共に発生した事件。

 

 

 

さて、いっちょ派手にクライマックスといくか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To a you side StrikerS −雷撃のDEN-O

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sideザフィーラ】

 

 

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 

 

鋼の楔と共に、正面から向かってきたガジェットを数体一気に殲滅できたか。さて、追撃は・・・・いたか。

 

 

「新手か・・・・・・ん、新型か?」

 

 

私の目の前には、大型の重装備型ガジェットが向かってくるのが見えた。装備から察するに、この施設を破壊してでもレリックを狙いに来たと見える。

 

 

「ならば・・・・今まで通り破壊するまで!!」

 

 

私の鋼の楔が、大型ガジェット目がけて放たれる。しかし、何故か楔が届く寸前で、粉々に消滅したのである。

 

 

「・・・AMF(アンチ・マギリング・フィールド)か」

 

 

魔法を無効化する武装。このタイプのガジェットドローンが常に標準装備しているが、我が攻撃をここまで消滅させたという事は、かなり強力なAMFを持っていると分かる。

 

 

「・・・となると、接近戦か」

 

 

私が人型に移行しようとした瞬間、ガジェットが突如ブーストを展開してこちらに突っ込んできた。

 

 

 

 

(マズイ!!移行状態では防御しきれん!!)

 

 

 

 

私がダメージを覚悟した瞬間、一台のバイクがガジェットを弾き飛ばしているのが見えた。

 

 

(あのバイク・・・・六課に配備されたマシンデンバード・・・まさか!?)

 

 

私が意識を戻すと、デンバードは私の横で止まっていた。その様子を見て、私は不意に皮肉めいた自分になれた。

 

 

「遅かったな」

「な〜に、ヒーローって奴は常にクライマックスな場面で出てくるもんだろ?」

「お前がヒーロー?似合わんな」

「俺も同感なんだがな、本音は」

 

 

そう言って、私の横にいる電王・・・・いや、宮本良介はバイクから降りたった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side良介】

 

 

ふむ、久々のザフィーラは相変わらず犬形態を保っていたかと思いながら、俺はデンバードから降りた。そして、そのままデンガッシャーを上空に放り投げる。

 

 

「さて、こっから派手にクライマックスと行くか」

「・・・楽しそうだな」

「悪りいな・・・・仕事なんでよ!!」

 

 

そう言って、落下してきたデンガッシャー【ソードモード】を手に掴むと、楽な体勢で構えた。

 

 

「それよりザフィーラ、あれが噂のガジェットって奴か?」

「そうだ。しかもあのタイプは重火器を多数装備し、強力なAMFを展開しているようだ」

AMF?なんだそりゃ?」

「魔力を無効化する力だ」

「・・・科学に負ける魔法ってどうよ?」

「・・・言うな」

 

 

切実なツッコミに、さすがのザフィーラも何も言えないようだ。さて、んな事は後回しにして、仕事するか。

 

 

「んじゃザフィ公」

「誰がザフィ公だ」

「そのままじゃきついだろ、久々に人型になって暴れてみたらどうだ?ちなみに、フォローはしねえから勝手に変われよ」

 

 

そう言って、俺はデンガッシャーを構えて走り、ガジェット目がけて振り下ろした。しかし、ガジェットの身体から出てきたシールドによって、デンガッシャーの刃が防がれてしまった。くそ、なんて硬さだ!!っていうか、デンガッシャーの先端にある魔力で出来た刀身が消滅してるんだけどよ!?

 

 

「おいザフィーラ!!さっさと手伝え!!」

「言われなくとも!!」

 

 

次の瞬間、人型化したザフィーラの強烈な蹴りが炸裂し、ガジェットは装甲を凹ませながら、吹っ飛ばされてしまった。相変わらず、人型だと余計に容赦ねえな。

 

 

「・・・なんつーか、普通に問題ねえじゃねえか!!」

「我に言うな」

「言いたくもなるわ!!あ〜これだから天才と凡人って奴はーーーー!!」

「・・・・自分で言って恥ずかしくないか?」

「うるせえ!!」

 

 

恥ずいより悔しいのほうがでかいわボケ!!純粋な馬力でこんだけ差があるのを見せられたら、俺の出番ねえじゃねえか!!

 

 

「・・・あったま来た。こうなったら、素手でやりあってやろうじゃねえかこんにゃろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 

俺はデンガッシャーを地面に突き刺すと、拳をボキボキながらしながら突っ込んだ。そしてそのまま、拳を殴りつけ・・・・・痛てーーーーーーーー!!

 

 

「なんだよこりゃ!!滅茶苦茶硬てえじゃねえか!!」

「・・・ソードフォームで肉弾戦に挑むバカがいるか」

「うっせえ!!あ〜ちくしょうこの野郎!!」

 

 

仕方なくデンガッシャーを引き抜いた俺は、再びガジェットへと駈け出した。そして、大きく振りかぶり・・・・・そのまま全体重を込めてガジェットにデンガッシャーを振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

―――ザシュン!!

 

 

 

 

 

 

鋭い音と共に、デンガッシャーの刀身がガジェットの装甲に突き刺さっていた。そしてそのまま、俺はデバイスカードをベルトにかざす。

 

 

「刀身が消える前に決めるぞ、デンガッシャー!!」

『了解。全魔力を、刀身に収束させます』

 

 

魔力がフルチャージされ、デンガッシャーの先端にある赤い刀身に込められる。そしてそのまま、ドリルのように回転しだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くぜ、俺の必殺技・・・・・・・・・【物干し竿】パート1!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

そのまま、俺はデンガッシャーの先端の回転を最大にして、ミサイルのように射出した。その瞬間、ガジェットの背中からドリルミサイルと化したデンガッシャーの刀身が飛び出した。俺はそのまま、ガジェットを踏み台にして後方へと飛びあがる。

 

 

「ザフィーラ!!トドメくれてやるよ!!」

「・・・貴様に言われると、非常にむかつくな」

 

 

俺の言葉に不満そうながらも、鋼の楔を連発で発動させ、ガジェットを串刺しにした。そして次の瞬間、ガジェットは大爆発を起こした。

 

 

「・・・さって、仕事終了っと」

「相変わらずだな」

「ま〜な」

 

 

そんな感じで、軽口を叩いていると、突如頭の中に通信が入ってきた。

 

 

 

 

『良介!!』

「はやてか?」

『うん。良介、急いで施設の裏に向かってくれるか?』

「何があったんだ?後ろのほうなら、なのはやフェイトもいるはずだろ?」

『それなんやけど、なのは隊長とフェイト隊長は上空から来た飛行型ガジェットと交戦中。重装備型のガジェットはシグナム副隊長とヴィータ副隊長が応戦中。そして、地上ではスバルたちフォワード部隊が通常のガジェット相手に応戦しとったんやけど、なんやこっちにも新型が来とるんや!!』

「新型?まったくどこもかしこも新型ばっかかよ」

『それが、今までとは全く異なるタイプなんよ。急いで向かってな!!』

「分かった分かった。んじゃ、すぐに向かう」

 

 

そう言って通信を切ると、俺は再びデンバードに跨り、デバイスカードを差し込んでエンジンを起動させた。

 

 

「んじゃザフィーラ。ここの防衛頼むわ」

「承知した。新人を頼むぞ」

「あいよ」

 

 

そう言って、俺はデンバードを走らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sideティアナ】

 

 

「ったく・・・なんなのよ、このガジェット!?」

 

 

私が愚痴りたくなるのも無理なかった。最初の方に向かってきていたガジェットドローンは私たちで一掃したけど、新たに現れたガジェットはとんでもない化け物ね。人間の形をしていて、顔がガジェット特有の人工的な一つ目である事以外は人間と大差ないし。しかも、右手に持ってるのは・・・・・インテリジェントデバイス!?

 

 

「く・・・・スバル、一度下がって!!一度大勢を立てなおすわよ!!」

「うん、分かった!!」

 

 

スバルが後退するのを見て、人型ガジェットが動いた。しかし、そう易々とスバルを狙わせてたまるもんですか!!私はクロスミラージュのカートリッジを2発ロードさせ、8発分のバリアブルシュートの準備に入る。

 

 

「私が自分でコントロールできる限界はこれが限界・・・・・行くわよ、クロスミラージュ!!」

『了解』

 

 

クロスミラージュの了解を受け、私は躊躇わずスバルに迫る人型ガジェット目がけて標準を向けた。

 

 

 

 

「バリアブル・・・・・シュート!!撃ち抜けーーーーーーーーーーーー!!」

 

 

 

 

8発分のバリアブルシュートが、ガジェット目がけて放たれる。しかし、人型ガジェットが何かを呟くと、インテリジェントデバイスをこちらに向けた。その瞬間、杖型のデバイスが・・・・・八つの刃を持つ大型の刀型デバイスへと変貌した。そしてその刃が分離し、バリアブルシュート全てを切り裂いた。

 

 

「あれって!?宮本さんの技!?」

 

 

そう、私の目の前で、宮本さんが電王となった時に使った必殺技らしき技に酷似した技を発動したのだ。そしてそのまま、八つの刃のうちの一つが、スバル目がけて高速で放たれた。

 

 

 

 

「スバル、逃げて!!」

 

 

 

 

私がクロスミラージュを構えるが、間に合わない。スバルが振り返った次の瞬間・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっらあああああああああああああああああああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

マシンデンバードのまま飛び出し、デンガッシャーでスバルに迫った刃を叩き落とす宮本さん・・・・・いや、電王が姿を見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side良介】

 

 

「ったく、後ろから不意打ちとはいい根性してるぜ」

 

 

俺はそのままデンバードを着地させると、そのまま降りて人型ガジェットを対峙した。なんだぁ、あの八つも刃があるバカでかいデバイスは?無駄にでかい気がするぜまったく。

 

 

「・・・ところで、大丈夫かハチマキ?」

「は、ハチマキじゃないです!!スバル・ナカジマです!!」

「悪い悪い、名前知らなかったからよ。んで、無事か?」

「は、はい」

「まだ戦れるか?」

「大丈夫です!!」

「うし・・・・・・んじゃ・・・・ってのでどうだ?」

「だ、大丈夫なんですか?」

「任せとけ。んじゃ・・・行くぜ行くぜ行くぜーーーーーーーーー!!」

 

 

 

スバルにある考えを伝えると、俺はデンガッシャーを構えたまま、人型デバイス目がけて走りだした。そのまま跳躍し、デンガッシャーを振り下ろした。しかし、高速移動によって、それは回避され、俺は背中に八又の刃を食らった。けど、これはあくまで作戦。日本古来の、ある戦法だ。

 

 

「やれ、スバル!!」

「はい!!リボルバー・・・・・・・・・シュート!!」

 

 

俺に攻撃して背後を見せている隙に、スバルが右腕のデバイスからリボルバーシュートを放った。そう、日本古来の戦法【肉を切らせて骨を断つ】である。これは自身にダメージを与えるが、俺にダメージを与えた相手を戦闘不能に持ち込む、諸刃の刃といえる戦法。そのまま、魔力の塊がガジェットを・・・何!?

 

 

「うがあ!!」

 

 

ガジェットが次の瞬間、俺の後ろから消えた。そして、スバルが放った魔力弾は、俺の背中に直撃した。それにより、俺は背中から火花を散らしながら倒れ込んだ。

 

 

「ああ、すいません!!」

「いってて・・・・・なんで俺に・・・」

 

 

必死に謝ってくるスバルを無視し、俺は周囲を見渡した。すると、上空に人型ガジェットの姿があった。

 

 

「・・・高速移動で、魔力弾を避けやがったのか・・・・野郎」

 

 

上空にいるガジェットを睨みつけながら、俺はどうすべきか考えていた。すると、ふと先ほどの訓練を思い出した。

 

 

「・・・うし、試してみるか」

 

 

そう言うと、俺はデバイスカードを空に掲げた。そして、戦乙女の女神のページを呼び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アクセス・・・・・・・・フェイト!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、俺の身体からシグナムの頁が外れた。そして、俺はデバイスカードをベルトにかざした。

 

 

 

 

 

 

 

 

Den(デン)-o(オー)-form(フォーム)AX(アックス) ・・・・・・・・・変身!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

俺がそのまま、デンガッシャーをバラしてそのまま上空に放り投げた。すると、デンガッシャーはアックスモードへと形態変化し、落ちてきたデンガッシャーを手に取った。その瞬間、周囲に雷を思わせる金色のバリアジャケットが出現し、雷を巻き起こしながら俺のアーマージャケットに装着される。そして、戦乙女の頁が金色の光の塊と化し、俺の頭に落下した。すると、そこから騎士を思わせる金色の仮面が出現し、黒い仮面を覆った。そして、最後に俺の背中に、フェイトや赤髪の小僧とピンク髪のちびっ娘のジャケットと同じ白を基調としたマントが装着された。

 

 

「そのマント・・・」

「フェイト隊長の羽織っているジャケットに似てますね」

 

 

スバルとティアナがそう言っている中、ガジェットがこっちを見ていた。さ〜て、これでハンデは無しってか!!

 

 

 

 

 

 

「泣かねえ野郎だな・・・・・・・・・俺の強さで・・・・・・・泣かせてやるよ!!」

『に、兄さん!!それって思いっきりいじめっ子のセリフです〜!!』

「やかましい!!」

 

 

 

 

 

 

いきなり通信越しになのはのツッコミが来たが、とりあえず放っておこう。そして俺はそのまま、上空へと飛び立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sideなのは】

 

 

は、思わずツッコミ入れちゃった。けど、あんなセリフ聞かされてツッコミ入れないほうがおかしいよ〜()

 

 

「フェイトちゃん、私たちも制空権獲得したから、兄さんの援護を・・・・・フェイトちゃん?」

 

 

あれ、なんで聞こえないんだろう?私が近づいてよく見てみると、ぽ〜っと顔を赤く染めていた。む、なんか羨ましい。

 

 

「フェイトちゃん、戻ってきて〜」

「・・・・あ、なのは」

「早く、兄さんの援護に」

「う、うん」

 

 

そう言って、私たちが動き出そうとした次の瞬間、私たちの間を二つの影が通り過ぎた。一つは、例の人型ガジェット。もう一つは・・・・兄さん!?

 

 

「に、兄さんて空飛べたの!?」

「あ・・・・私のマント使ってる」

「え〜〜〜〜〜〜」

「・・・嬉しい」

「あ、戻ってきてよフェイトちゃん〜〜〜!!」

 

 

私は泣きそうになりながら、フェイトちゃんの意識を戻すので精いっぱいです()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side良介】

 

 

「さ〜て、これで空中戦可能って事か。んじゃ、行くぜ!!」

 

 

俺はデンガッシャーを構えると、人型ガジェット目がけて突進した。そして、そのまま力任せにデンガッシャーを振り下ろす。しかし、相手のガジェットはそれを軽々と避けた。

 

 

「ち、当たれ!!」

 

 

ブン、ブンと大きく振るうが、ガジェットは余裕でそれを避ける。

 

 

「ちくしょー!!斧の戦い方なんて知らないってのに!!」

『・・・私が教えてあげるよ』

「だから通信越しにいきなり話しかけるな!!」

 

 

嬉しそうなフェイトが通信越しに話しかけてくる中、ガジェットが八又の刃と化したデバイスを俺目がけて振り下ろした。そして、それを俺はデンガッシャーの刃の部分で防いだ。

 

 

 

 

 

 

―――ピシーーーーーーーーーーーーーーーン

 

 

 

 

 

 

次の瞬間、相手のガジェットの持っていたデバイスの刃が綺麗に砕け散った。ありゃ、めちゃくちゃ硬いなこれ・・・・ってか、これってチャンスか?

 

 

 

 

「おっしゃ、一発喰らっとけ!!」

 

 

 

 

動揺した様子のガジェットに、俺は体重を込めてデンガッシャーを叩き込んだ。そして次の瞬間、一気に吹っ飛ばされた。しかも、どうやら今のダメージで動きが止まったみたいだ。

 

 

「よし、んじゃ大技と行くか」

 

 

俺はそのまま、デバイスカードをベルトにかざした。

 

 

「デンガッシャー、一気に決めるぞ」

『了解。全魔力収束・・・・しかし』

「なんだ?」

『先ほど、ソードフォーム時にフルチャージを一度行っています。今、アックスフォームでフルチャージを行えば、発動を終えた後にバリアジャケットの強制解除に加え』

「加え?」

『落下します』

「・・・落下!?」

『はい、落下です』

 

 

デンガッシャーの最終宣告に、俺は頭を抱えたくなった。ここから落ちたとして、ビルに落ちればなんとかってところだけど・・・締まらねえ(溜息)

 

 

「・・・・あの黒ジャケットの解除だけは防げるか?」

『それだけは、非常時用の予備魔力でなんとかなるとは思いますが、今からのフルチャージを間違えれば、アーマージャケットも解除されます』

「・・・・ミスったら、フィリスに殺されそうだ」

『・・・ご武運を』

「・・・お前って意外に酷い奴だな」

 

 

思わず我がデバイスに文句を言いながら、俺はデバイスカードを再びベルトにかざした。それにより、魔力がフルチャージされる。その瞬間、デンガッシャーの斧の刀身の部分が一段階伸び、フェイトのザンバーフォームのような巨大な光の斧へと変貌した。そしてそのまま、右足を後ろに下げて、剣道でいう脇構えの体勢に入った。そしてそのまま、デンガッシャーの魔力が最大に膨れ上がった・・・・次の瞬間。

 

 

 

 

 

 

SONIC MOVE

 

 

 

 

 

 

妙な音とともに、俺は何故か一瞬だけ、世界から消えたような感覚になった。そして気づくと、俺は何故かガジェットの背後で、マントをはためかせながら立っていた。それも、デンガッシャーを振り抜いた状態で。そして、世界が戻ってきたような感覚になった瞬間

 

 

 

 

 

 

―――ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

 

 

 

 

 

 

後ろにいたガジェットは、爆発四散した。

 

 

 

 

「ダイナミックスラッ・・・・・しゅうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!?」

 

 

 

 

なんとなく言った決め台詞を言い終える前に、俺の身体からフェイトの頁は外れ、俺はそのまま落下し始めた。しかも、黒ジャケットまで外れてやがる!!

 

 

(あ〜・・・・・海鳴町帰ったらフィリスに殺されるな・・・・・・・)

 

 

俺は半ば諦めの思考に入り、目を瞑って墜落するのを待っていた。しかし、しばらくすると

 

 

 

 

 

 

―――ぽふん

 

 

 

 

 

 

なんか、妙にやわらかい何かが俺の顔にぶつかった。

 

 

「ん、なんだ?」

「に、兄さん・・・・大胆なんだから」

「・・・は?」

 

 

俺が顔を上げると、そこには顔を真赤にしつつ嬉しそうななのはの顔があった。俺があえて確認のために下を見ると、そこには無駄に育った双丘が存在した。

 

 

「・・・何顔赤くしてんだ?」

「もぅ、兄さんたら。私の胸で寝るなら、いくらでもしてあげるのに♪」

「・・・ダメだ、トリップしてやがる」

 

 

俺がダメだこりゃと呆れていると、突如なのはのいる上空に雷鳴が響いた。それに気づいたなのはが俺を抱えたまますぐに移動すると、そこに一筋の雷が落下した。

 

 

「さ、サンダーウォール!?」

「ふぇ、フェイトか!?」

 

 

俺はあわてて顔を上げると、上空に何やら黒いオーラを全開にしているフェイトの姿があった。

 

 

「・・・うう」

「ふぇ、フェイト・・・ちゃん?」

「フェイト・・・どうした?」

「なのはの・・・・リョウスケの・・・・」

「「・・・・まずい()」」

 

 

珍しく、俺となのはの声がユニゾンした。そして、次の瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

「バカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

フェイトの無差別サンダーウォールが発動した。しかし、何故かそれは周辺に被害を出さず、何故か全部なのはをかばった俺に命中した。それを目撃した六課の面々は、雷神が降臨したとガタガタ震えながら言っていたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、なんとかフェイトの攻撃による瀕死状態?から脱した俺は、スターズ&ライトニングの面々と管理局本局で昼食をとっていた。はやても来たかったらしいが、お仕事や〜とか言いながら涙流して仕事行ってたな。

 

 

「それにしてもすごかったですね。あの人型ガジェットを真っ二つにぶった斬るなんて!!もうすっごく燃えましたよ!!」

「スバルうるさい!」

 

 

興奮しながら語るスバルをたしなめるティアナを見ながら、俺は大量のスパゲティをずるずると食っていた。

 

 

「でも、確かにすごいですよね。そういえば、あの時前線の映像見てたんですけど、宮本さんは一瞬だけ、ソニックムーブ使ってましたよね」

「ソニックムーブ?なんじゃそりゃ?」

「し、知らないで使ってたんですか!?」

「いや、なんかデンガッシャーに魔力収束させたら、勝手に出来ただけだ」

 

 

俺の言葉を受け、フェイトの部下である赤髪の小僧は目を丸くしていた。そんなにおかしいか俺が?

 

 

「・・・多分、良介が私にアクセスした事で、私の使用魔法の一つであるソニックムーブを無意識の内に使ってたんだと思う」

「ふ〜ん」

「確かに、あの時の宮本の動きは何時もの動きではなかったからな」

「・・・シグナム、それって誉めてるのか?」

「無論だ。いつもの無骨で荒々しく、迷いなき斬撃とは違い、真に洗練された一撃だった」

 

 

シグナムのまっすぐな言葉に、なんだかんだで照れてる俺がいる。あ〜恥ずいぜちくしょう。

 

 

「ま、あれくらい出来てとーぜんだよな〜リョウスケ」

「・・・お前が言うと激しくむかつく」

「なんだと〜!!それ奪ってやる!!」

「こら、俺の分取るんじゃねえ!!」

 

 

スバゲティを奪おうとするヴィータからなんとか脱すると、今まで黙っていた赤髪の小僧は話しかけてきた。

 

 

「あ、あの」

「ん・・・・え〜と」

「エリオ・モンディアル三等陸士です。エリオって呼んでください」

「おう。んで、どうしたエリオ」

「あの、宮本遊撃部隊長「その長い役職は抜いてくれ」あ、はい。宮本さんは十年来の付き合いって聞いたんですけど、どんな経緯で出会ったんですか?」

 

 

よもや、十年前の出会いのことを質問されるとは思ってなかったな。

 

 

「んまぁ簡単に話すと、俺が自由気ままに旅しいて、なのは達の世界にある鳴海町ってとこに流れ着いたんだけどよ。そこでまぁ色々あってまだちびっ娘だったなのは達と出会ったんだ。んで、その後色々あってジュエルシード事件に関わったりしてフェイトに出会い、はやてとも出会った。んで、あとはながーいながーい腐れ縁ってやつだ」

「旅をしていたって言いましたけど、宮本さんのご家族は「いねえぞ」・・・え?」

「だから、俺の実の家族はいねえんだよ。いや、正確には知らないってのが正しいか。俺は生まれた時に捨てられてて、その後施設を転々とタライ回しされただけだ」

 

 

俺の言葉を聞いた瞬間、皆は何故かどんよりとした空気になった。おい、大した事じゃねえだろうが。俺はこのお涙頂戴的な空気が苦手なんだよ!!仕方なく、俺はエリオの頭を鷲掴みにした。

 

 

「・・・え」

「何か不謹慎な事を考えているのはこの頭かーーーー!!」

「うわーーーーー!!」

「りょ、リョウスケ落ち着いて」

 

 

フェイトが止めに入るが、俺は止める気はねえぞ。このどんより空気が消えるなら、俺はいくらでも暴れてやるぜ!!そして一分ほどたち、先ほどのどんよりな空気は完璧に消え去った。うむ、これがやっぱり楽だ。

 

 

「リョウスケ、やりすぎだよ」

「あのなぁ、俺がこういう空気が嫌いだってのはお前がよく知ってるだろうが」

「そ、それはそうだけど・・・」

「いいかお前ら。俺は別に実の両親なんざ、ぶっちゃけどーでもいいんだよ。俺は海鳴町に流れ着いたおかげで、なのはやフェイト、はやてはシグナム達に出会えた。それが最初は冷たい出会いだったとしても、なんだかんだで、俺はそれが大切な出会いだったと思ってる。孤独しか知らなかった、俺でもな」

 

 

・・・うわ、我ながらすげえ似合わないセリフ言ってしまったぞちくしょう!!あーまたどんよりな空気に・・・・・あれ?なんだこの和やかな空気は?なんか皆の優しそうな表情は!?あーこれはこれでむかつく!!俺は仕方なく、もう一度エリオの頭に手を乗せた。

 

 

「んまぁ、今ある仲間がいりゃ、問題ねえって事だ。それだけ覚えとけ」

「あ・・・・・・はい!!」

 

 

俺に手を乗せられて、嬉しそうなエリオ。なんだか、弟が出来た気分っていうのかこういうのを・・・・んまぁいいや。そんな中、俺に聞こえるか聞こえないかのレベルで小さくティアナの声が聞こえた。

 

 

 

 

「凄いですね・・・・・才能ある人は」

 

 

 

 

・・・ほぉ〜・・・才能ある人間がそれを言うか・・・・・。

 

 

 

 

「それは才能がある人間の余裕かゴルァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

「わーーーー!!兄さん止まってーーー!!」

「落ち着いてリョウスケ!!」

 

 

 

 

暴れだす俺を、なのはとフェイトが強引に止めてきたがった。げ、バインド使ってまで止めるんじゃねえよおまえら!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sideティアナ】

 

 

え・・・なんで良介さんはあんなに怒ってるの?どう考えても私なんかより才能があるのに。そんな私の考えが読めたのか、シグナム副隊長が話しかけてきた。

 

 

「宮本の前で、才能という言葉はご法度だ」

「え、何故でしょうか?」

「宮本は過去に、高町と魔力にどれくらいの差があるかを聞かされて、大きくショックを受けてしまってな。才能という言葉に対しては異常に敏感になっているんだ」

「し、しかし。どう考えても、良介さんはあの電王って力も凄いですし、資料を見たとき、法術という希少スキルを持っていると書かれていました。それは、どう考えても凄い才能じゃ?」

「確かにな・・・・・だが、そのスキルの本質は知っているか?」

「い、いえ」

「宮本いわく、他者の想い、願いを叶える力。想いや願いを力に変える能力だそうだ。つまり、己個人では決して戦えない。あくまで、孤独を捨てる事で、宮本は真の力を発揮できるんだ。故に、宮本は個人で使用出来る才能に対して、ある意味羨ましいという感情を持っているんだろう。だが、私から言わせてもらえるなら」

「もらえるなら・・・?」

「他者のためならどんな状況も突破出来る・・・・・最強の凡人だ」

 

 

最強の・・・・凡人。凄く以外だった。あれだけ強い良介さんが、才能にあふれた人間ではなく、私と同じ凡人側の人間だったなんて・・・。

 

 

(・・・負けられないわね。こんな凄い凡人代表の人が目の前に居るんだ。才能なんて・・・・・絶対越えてみせる!!)

 

 

今、私の中から一つの悩みが消えて、一つの目標が出来た。絶対・・・・・・絶対、良介さんを超えてみせる!!・・・・あ、隣に立てるでもいいかな・・・横顔とかカッコいいし・・・・・って、何考えてるの私は!?

 

 

 

 

『宮本部隊長なら、マスターにお似合いかと』

「う、うっさい!!」

 

 

 

 

クロスミラージュに文句を言ってはみたけど、私の心臓のドキドキが消えなかった。

 

 

 

 

あとがき

あ〜、これは本当に宮本良介なのかと悩みつつ、執筆をしているweyでございます。アックスフォーム大暴れと言っておきながら、微妙に感じている自分が辛い()

次回は、本編では良介が四人に指導という話になる予定です。そして、次第に動き出す黒幕らしき人物により、話は大きく動いていく予定であります。では!

 




作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板
に下さると嬉しいです。