前回、なんだかんだでなのはたちを助けに行った俺。
しかし、まさかその後に思いもよらぬ展開が待ってるとは・・・泣かす、後で絶対泣かす。
とまぁ、それは置いといて。全てはそう、なのは達を救出したあの日に起きた。
【Side良介】
さて、拳骨で涙目になっているなのはとフェイトの首根っこを掴み立ち上がらせた。
「さて、この性根腐りきった奴をさっさと連行するぞ。なのは、バインドで思いっきり縛り付けてやれ、俺が許す」
「あ、あのさすがに思いっきりは・・・新人たちも見てますし〜」
「バーカ、何言ってんだお前は。こんな悪党は放っておいても百害あって一利なしな。ほれ」
「は・・・はい〜」
俺に強く言われて渋々納得したなのはは、そのまま男を何重ものバインドで念入りに拘束した。そしてそのまま、魔法陣で転移ゲートを作りだす。
「んじゃ、さっさと帰るぞ」
「うん・・・・あ、その前に、エリオたちのバインド解かないと」
そう言うと、フェイトは後ろで拘束されていた新人たちの方へ行こうとした。だが、俺はそれを強引に止める。いや、止めないとヤバい事実に気づいた。
「・・・リョウスケ?」
「あ〜フェイト・・・・・ジャケットところどころ破れてる」
それを聞き、フェイトは慌ててマントで自分の身体を隠した。十年経ったせいか、こいつらは無駄に発育がよくなってるんだよな。
「・・・リョウスケのエッチ」
「・・・どの口が言うんだこの口かーーー!!」
「あむむ〜〜〜ご、ごめんなひゃい〜〜〜」
頬を染めて俯くフェイトに、俺は容赦なく頬を引っ張ってやった。それにより、フェイトの柔らかい頬がむにむにと伸びる。
「むぅ・・・兄さん、フェイトちゃんとイチャイチャしてズルいです!!」
「これのどこがイチャイチャしてるんだ?」
「あぅ・・・・その・・・・・・もう、知りません!!」
そう言って、勝手に怒り出すなのは。なんだよこの理不尽。そんなこんなで新人達のバインドを解除すると、俺達は転移ゲートに入り、そのままその世界から姿を消した。そして次の瞬間に目を開くと・・・。
はやてとミヤが転移早々タックルをかましてきた。ん、こんな展開前にも・・・まぁいいか。泣きながら俺の胸にしがみつく二人を呆れながら撫で、俺は周りを見た。すると、そこには機動六課のメインメンバーがほとんと勢ぞろい・・・・・・ちょっと待て?何で六課の面々が勢ぞろいしてんだ?
「おいはやて」
「ぐす・・・・・ん、なんや良介?」
「泣いてるとこ悪いんだが、何でかの六課の面々がいるんだ?なのはやフェイトたちの無事だけで、ここまで揃うのは珍しいと思うんだが?」
「あ〜その事か・・・そやね、じゃぁなんで集まっとるかを教えたげる」
そう言うと、はやては六課の面々の方に行き、皆の前に立った。そして、高らかにこう宣言した。
・・・は?何を言ってるんだこの娘は?
「はやて・・・・ちょっと聞こえなかった。もう一度頼む」
「え・・・もぅ、しゃあないな。ようこそ、機動六課へ。宮本良介特別遊撃部隊部隊長「って待てやーーーーー!!」うひゃあ!!」
俺の突然の叫びに、はやては思わず尻もちをついた。しかし、今はそれにかまっている暇はない。
「どーいう事だ!?何で俺が管理局入り決定なんだよゴルァ!!きっちり説明しろーーーー!!」
「お、落ち着けって良介!!」
「ヴァイス、貴様もコイツらの手先かーーーー!!」
「だから落ち着けって!!」
俺を押さえているのは、ヴァイス・グランセニック。階級は陸曹で、主にヘリの運搬を行っているパイロットだ。八神家と縁があったため、俺と知り合った。妙にウマが合い、孤独の剣士である俺様の男のダチ第一号ともいえる。ん、クロノやユーノは?あいつ等とはそこまでウマが合わねえからパスだ。
「お、落ち着いて下さい良介さん!!」
「シャリオ、貴様もかーーー!!」
「だから落ち着いてくださいってばーーー(涙)」
涙目で俺を止めようとするのは、シャリオ・フィニーノ。階級は一等陸士で、通信主任兼自称“メカニックデザイナー”だそうだ。どうやら、今回俺が変身する羽目になったこのベルトやデンガッシャーなどのデバイスは、彼女がはやての依頼を受けて開発したらしい。
「に、兄さん。まずは話を聞いて」
「怒るのは、後でもいいから」
「ぐ・・・・・分かったよ」
なのはとフェイトの言葉を受け、俺はとりあえず話を聞くことした。というか、六課の面々ども、こそこそと俺がなのはとフェイトに甘いって言うんじゃねえ。
「じ、実はね。管理局で動ける人員が不足しててな。新しい人員を増員しようにも困ってたんよ」
「それで、なんで俺が管理局入りになるんだ?」
「それで上層部に相談したらな、民間協力者からの引き抜きを許可してくれたんよ!!階級に関しては、ランクは一番下になってしまうけど・・・でもでも!!実績あげればすぐにでもランクアップできるんや!!」
「・・・・んで民間協力者の俺を抜擢したいと?」
「うん。良介はなんだかんだ言ってこの数年前、管理局に力を貸してくれてたやん。その実績を評価されて、推薦されたんよ」
「・・・誰に?」
「あはは・・・・・・・リンディ提督にレティ提督、あとはクロノ提督かな」
「三人とも知り合いじゃねえか!!」
「あぅぅ、そんなに怒らんといて〜な。良介かて、もっと高みを目指したいんやろ?自分の力を」
「う・・・・それはそうだが」
そう、確かに俺は海鳴町にいる強い奴らみたいに高みが見えてない。一時も鍛練は忘れてねえし、ミヤとの契約が解除されても俺の中に残る頁にアクセスする力、他人の願いや想いを力に変える法術をしっかりとこの身に刻んでいる。もし、ここで俺が管理局に入れば、何かを掴めるかもしれない。
「どうかな・・・?」
はやてが、不安そうな面持ちで俺を見つめる。左右では、なのはとフェイトの二人も俺を見つめていた。それを見て、俺は・・・。
「・・・ったく、仕方ねえな」
断われないだろうが、昔の俺じゃない今の俺には。それを聞いた途端、はやては俺の胸に飛び込んできた。
「・・・良介・・・・・おおきに、おおきにな!!」
「あ、はやてちゃんズルい!!」
「・・・私も」
それを見たなのはとフェイトが、一斉に俺に抱きついてきた。
「こら、三人とも何しやがる!!は〜な〜れ〜ろ〜!!」
こら、そこの六課の面々。ニコニコしながら見てないで助けやがれってんだ!!そんなこんなで、俺は機動六課に配属されたのだった・・・。
機動六課入りを果たした俺は、一度翠屋になのはを連れてかえり桃子を安心させた後、再びミットチルダに来ていた。なんでも、シャリオが俺のデバイスについて説明したいという事らしいが。
「宮本良介、入るぞ」
我ながら尊大な言葉遣いだが、気にする必要はない。俺は自動のドアを開いた。すると、そこにはなのはとフェイトが率いるスターズとライトニングの面々、そしてシャリオの姿があった。
「・・・・お、シグナムにヴィータじゃねえか。久しぶりだな」
「久しいな、宮本」
「リョースケ、親分に会えて嬉しいかこのこの〜!!」
「だ〜抱きつくな!!」
俺は抱きついてきたヴィータを引っぺがすと、シャリオの方を向いた。
「んでシャリオ、俺のデバイスの件で話ってなんだ?」
「あ、はい。実はですね、今回良介さんが使ったあのデバイスなんですけど」
「ああ」
「あのDEN−Oフォームには、今回使用したソードフォーム以外に三つの形態が存在してるんです。ですから、今回それを実践しようかと」
「あの赤いフォーム以外に三つ?」
「はい。メインは赤い外見のソードフォーム。これは、良介さんの能力である頁へのアクセスを使い、シグナムさんをアクセスする事で、あのフォームになれるんです」
「シグナムにアクセスする事で、あの赤いバリアジャケットを纏えるって事か?」
「はい。それ以外にも、ロッド・アックス・ガンフォームといった三種類のフォームが存在しています。ただ、ソードフォームは相性がいいためか、最初からシグナムさんで設定できたんですけど、残りのフォームはどうやら良介さんが誰にアクセスするかで、決まるみたいなんです」
「俺が?」
「はい。ですから、今からやる戦闘シュミレーションで、残りのフォームを決めてくれると嬉しいんです。ただ、相性があるので、今回で全部決めれるかは最中ではないですけど・・・」
「ふ〜ん・・・・まぁいいや。んで、俺の相手は誰がやるんだ?」
「それは、この子たち」
フェイトはそう言うと、エリオとキャロを前に出した。それを見て、なのはもスバルとティアナを前に出す。
「新人の訓練をかねて、兄さんのパワーアップに努めようかと」
「・・・なんだかなぁ」
やれやれといった表情を俺が浮かべていると、ティアナが前に出てきた。なんだろう、妙に頬が赤いように見えるのは俺の気のせいだろうか?
「あ、あの?」
「ん?」
「宮本さんは「良介でいい。つうか、苗字で呼ばれるのはあまりいい感じがしないんでな」わ、わかりました。あの、良介さんは・・・・その・・・・高町教導官やフェイト執務官とはどういうご関係で?」
それを聞き、なのはとフェイトがビクっとこっちを向きやがった。というか、そこで頬を赤らめるんじゃねえ。
「関係ねぇ・・・・・十年来の主と下僕?」
俺の言葉を聞き、ティアナははい?という感じで軽く固まっていた。後ろでは、なのはとフェイトが地面に伏せていた。
「・・・ってのは冗談だ。なのはは、居候している家の娘で、フェイトはなのはが関わったジュエルシード事件で知り合った」
「もしかして、八神部隊長とも?」
「まぁ、十年前にな」
「そうだったんですか」
それを聞き、納得して後ろに下がるティアナ。俺はそれを見て苦笑しながら、再度シャリオの方を向いた。
「んじゃシャリオ、準備よろしく頼む」
「了解です。では、この扉を潜ってください」
シャリオに言われ、俺はドアを開き、部屋に入った。そこは、ドでかく広い空間で、周囲には強固な結界が貼られていた。
「ここなら、超高出力の魔力弾や砲撃、斬撃を出してもそう簡単には破壊されません」
「・・・確か前に、なのはとフェイトの合体技とはやての広域Sランクの技でぶっ壊れたと聞いたが」
それを聞き、シャリオが苦笑いを浮かべていた。そりゃ無理もない、なのはとフェイトのアタック力が管理局で一位二位を争うほどの実力なのである。追加して言えば、はやては当時はしらんが、今ではオーバーSランクの魔導師と聞く。かなりの実力だろう。
「にゃはは・・・・・あの時は楽しくって」
「ブラストザンバー・・・・本気で使っちゃんだよね」
そう言って、苦笑いする二人。そんなこんなで、俺はデバイスを装着、デバイスカードを手に取った。それを見て、スバルたちもデバイスをセットアップさせ、各々のジャケットを纏った。
「んじゃ・・・・・俺のかっこいい変身、見せてやるからよく見とけ」
俺は、持っているデバイスカードを媒体に、頁を開いた。そして、烈火の将のページを呼び出した。
「アクセス・・・・・・・シグナム!!」
その瞬間、灰色のブランク状態にあったデバイスカードが烈火の如く真紅に染まった。そして、俺は告げる。
「Den(デン)-o(オー)-form(フォーム)SWORD(ソード)・・・・・・・・・変身!!」
そして、俺はデバイスカードをベルトにかざした。すると、漆黒のアーマージャケットが俺の身を包んだ。そのまま、俺はデンガッシャーを上空めがけて放り投げた。すると、デンガッシャーが自動で組み立てられ、ソードモードへと変化していく。落下してきたデンガッシャーを手にした瞬間、周囲に烈火を思わせる赤いバリアジャケットが出現し、俺の胸部・背部・肩に、火花を散らしながら装着される。そして最後に、烈火の将の頁が赤い光の塊となり、俺の頭部に落下した。すると、そこから赤い仮面が出現し、俺を覆っている黒い仮面を更に多い、桃が割れるように仮面が装着された。そして、俺は名乗りを上げる。
今ここに、再び電王が参上する。
「えっと、それじゃぁ兄さんは単独で、スバルたち四人を相手してください」
「・・・非殺傷設定、忘れないでね」
「あいよ」
そう言うと、俺は四人を見据えた。向こうも、どうやらそれなりに出来そうな空気だった。さすが、なのは直々の訓練を受けただけはある。鬼のようなアクセルとかも、体験したんだろうな。俺は思考を元に戻すと、デンガッシャーを構えた。それを見た途端、ティアナが動いた。
「全員散開!!」
「「「了解!!」
ティアナの言葉を皮切りに、四人は一端バラバラに分かれた。そして、そのままティアナが俺目がけて銃口を向ける。
「行くわよクロスミラージュ!!シュート!!」
魔力弾が数発、俺目がけて発射される。俺はデンガッシャーを振るって弾丸を弾いた。しかし次の瞬間、後ろに空色の道が出現した。
(これは、スバルって奴のウイング・ロードか・・・・って事は!?)
嫌な予感を覚え、俺は上を見た。すると、何時の間に回り込んだのかスバルが上空からリボルバーナックルを構えて突っ込んできた。
「こんのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「ちい!!」
俺はなんとかデンガッシャーの刃部分で防ぐ。だが、かなりの衝撃が俺の腕に響く。くそ、正直ビリビリきていつ離してもおかしくねえ。
「おっらーーーーーー!!」
「ひゃあ!!」
それでも、俺は強引にデンガッシャーで押し払う。しかし、その代償なのか腕の感覚に痺れが残ってしまった。
「くっ!!」
俺はなんとかデンガッシャーを握るが、いまいち強く握れない。くそ、こんな時に・・・。
「そこ・・・・・だーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
すると、突如正面からエリオがストラーダを構えて突っ込んできた。ちっ、前を見るのを忘れてた。それに、どうやらあのピンク髪に付加効果を与えられてるようだ。く、速い!!
「いっけーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「がああああああああ!!」
回避できず、エリオのストラーダが俺の胸部に突きこまれた。なのはやフェイトのように魔法障壁を張れない俺にとって、それは予想以上の衝撃が起きた。そのまま、俺は吹っ飛ばされて壁に激突した。
「ぐ・・・・かは・・・・」
身体中に痛みが走る。くそ、どうやらシグナムの頁が外れちまったようだ。身体がブランクになっていやがる・・・・・・くそ・・・俺の思考回路が途切れそうだ。
(負け・・・・・か・・・・・・新人共に負けてちゃ・・・・俺は・・・)
その瞬間、俺は十年前の光景を思い出した。かつて、レンを救うためにプレシアを守る巨人兵との戦いで、くじけそうになった時の事を。
(フェイト・・・・・お前はあんな母親に・・・・ずっと苦しめられてた。実の娘のための人形にされていた。きっと、俺なんかよりもずっと地獄を見ていただろう)
俺のアーマージャケットの周りを、金色の雷がバチバチを放ちだした。そして、それは俺の手に一枚の頁を作りだす。
(そうだ。俺はアイツを助けたいために・・・・・あの時、死にかけても力が湧いた。護る力をあいつが俺に与えてくれた)
その手には、共に闘ってきた雷に愛されし黒衣の少女。バルディッシュを振るいし、黒き死神。
(まだ・・・・・・倒れないぞ・・・・・こんなんで倒れたら・・・・・アイツに顔向け・・・・・出来ねえ!!)
そして、俺は告げる。戦乙女の女神の名を。
その瞬間、俺の身体を雷光が覆った・・・。
【Sideフェイト】
「リョウスケ・・・」
煙に包まれる良介を見ながら、私は胸が張り裂けそうだった。いくらリョウスケが実践慣れしていて、新デバイスを使っていても、プロテクションが使えないのはあまりにも痛い。いくらバリアジャケットが強固でも、キャロの付加魔法で強化され、カートリッジを使用したエリオのストラーダでは、ジャケットを破壊することだって十分に出来る。
「大丈夫・・・・かな」
私が呟くと、ポンと肩を叩かれた。振り返ると、そこには笑顔を浮かべるなのはの姿があった。
「・・・なのは」
「大丈夫だよフェイトちゃん。兄さんは、絶対に負けないよ。十年前も・・・今も」
「・・・うん、そうだね」
なのはの言葉を受け、私は頷いた。次の瞬間、煙をかき消すほどの雷鳴が響いた。なのはと共に振り返ると、そこには金色のバリアジャケットを装着し、デンガッシャーはアックスモードへと形態変化、顔を覆う仮面は赤い仮面から、騎士を思わせる金色の仮面へと変化していた。そして、周囲を覆うのは、放電している魔力の火花。
「あの魔力の気配って・・・・・フェイトちゃん?」
なのはが驚きながら呟くが、私にはあまり聞こえなかった。目の前にいるリョウスケが、十年前に母さんの野望を止めるために戦ったリョウスケと同じに見えたから。
「うん。どうやら、アックスフォームはフェイトさんで固定されたみたいですね」
シャーリーが笑いながら言うのを聞いて、私はちょっと恥ずかしいけど、嬉しくも思えた。ただ、横で羨ましそうに私を見つめるなのはにはちょっと困ってますけど。そんな中・・・。
突如、施設内に一級警戒態勢を告げる警報が鳴り響いた。
【Side良介】
げ、なんつーうるさいサイレンだちくしょう、と俺が思っていると、突如小型のスクリーンが出現し、画面にはやての姿が写った。
「はやて?」
「え・・・・もしかして、良介?」
「俺しかいねえだろうが。つうか、このジャケットの根本を提案したのはお前だろう」
「い、いや〜そうねんけど、良介が誰をアクセスするかで、バリアジャケットがどんなんになるかはまったくわからないんよ」
「なんだかな〜。んで、なんだ一体?」
「あ、そやった。皆!!」
はやてはすぐに気持ちを切り替えたのか、キリっとした表情へと変わった。そして、皆に告げた。
「つい先ほど、保管・調査にまわされていた刻印ナンバー9のレリックがある中央のラボが、ガジェットたちに襲撃を受けている」
「あのガジェットがラボを!?」
「・・・思い切った行動に出たね」
その言葉に、新人たちは表情を凍らせていた。そりゃそうだろう、管理局の保護下にあるラボに襲撃をかけてくるという奇襲は予想もしてなかっただろうし。
「現在、ザフィーラが先行してガジェットと交戦中。みんなも、すぐに向かってくれるか?」
「分かった」
「・・・了解」
なのはとフェイトが頷いたのを見て、俺はベルトを外して変身を解いた。
「なぁはやて」
「ん、なんや良介?」
「その現場なんだけどよ。俺も向かっていいか?」
「え・・・ええけど、大丈夫なん?」
心配そうに俺を見つめるはやて。心配してくれるのはうれしいが、いかないと機動六課に来た意味ねえじゃねえか。
「な〜に、新しいフォームを慣らすにはちょうどいい。んじゃ、行くぜ新人ども」
「といっても、兄さんが一番下なんだけどね」
「そんな事いうのはこの口かごるぁーーーー!!」
「にゃ〜〜〜!!ごめんなさーい!!」
頬を掴み、たてたてよこよこまるかいてちょんというお約束な軽めのお仕置きをかましてやった。
「あ、良介は別行動とってくれるか?」
「別行動?」
「うん。新人たちはなのは隊長とフェイト隊長がフォローできるからええけど、ザフィーラは単独で正面の守りに徹してるんや。やから、良介は“それ”に乗って現場に向かってくれるか?」
「それ?」
俺がそれとは何かと聞くと、はやてはシャリオに何か合図を送った。すると、部屋の隅にあるある部屋のシャッターが開き、そこから一台のバイクが姿を見せた。
「な、なんだこりゃ?」
「機動六課・特別遊撃部隊部隊長専用の移動兵器【マシンデンバード】や。それを使って、現地へ向かってくれへん?」
「はやて、俺は「前に桃子さんにむりやり免許とらされたやろ?デリバリーサービスを新しく入れる時に」・・・ぐぐ」
そう、数年前翠屋はデリバリーサービスを始めた。その際、誰がデリバリーをするかで、俺が選ばれてしまい、バイクの免許を取りに行く羽目になった。ほんと、あれはマジでしんどかった。
「・・・分ったよ。んじゃ、場所へと指示を頼む」
「了解。んじゃ、頼むよ良介」
「ま、派手にやるさ」
そう言って、俺はデンバードに跨った。しかし、よく考えたらカギがねえじゃねえか。
「はやて、カギがねえぞ?」
「あ〜、カギはそのデバイスカードや。それを差し込んだら、すぐにエンジンかかるよ」
「うっし」
俺はデバイスカードを差し込み、エンジンを起動させた。アクセルを全開にさせると、道路へと続く道が開いた。
「んじゃ・・・・・・機動六課特別遊撃・・・・ってなげえ!!宮本良介、発進!!」
俺はその掛声と共に、ザフィーラがいる場所に向かって走り出した・・・。
あとがき
とりあえず、前回の簡単な続編を書いてみました。次回は、アックスフォームが大暴れする予定です。ただ、電王のアックスフォームとはある大きな違いがあるので、それに期待してくれると嬉しいです。ではw