ブラッド(以下:ブラ)「 23:59:54 」
ラプター(以下:ラプ)「 23:59:55 」
ローズ(以下:ロズ)「 23:59:56 」
ファントム(以下:ファ)「 23:59:57 」
ガルム(以下:ガル)「 23:59:58 」
初老の男(以下:老人)『 23:59:59 』
リンクス(以下:リン)「――00:00:00…」
12月25日 00:00:01
5人「「『「「メリークリスマス!!」」』」」
リン「…マス」
Fiaba Crisis ~ 山猫の旅商人 ~
Special Event episode : Fiaba Christmas!
老人『今年も残す所あと僅か。12月の24と25日は地球規模での休息日であり、我々の出番も皆無と言える。ともすれば――』
ガル「んな事よりも早く食わせろー!」
ラプ「全くだ。こんな日ばかりはいつもの様に必要事項を述べるだけで終わらせて欲しいものだな」
老人『……………』
ファ「あ。通信を切ったね。彼なりに祝杯の音頭を取れずに落ち込んでしまった様だね」
ブラ「無愛想な表情でありながら可愛いじゃないですか。少しは付き合ってあげも良かったのではなくて?」
ガル「目の前にこんな豪勢な食い物があって待ち惚けを食らわされたくないぜ? 見ろよ、リンクスのあの姿をよ」
リン「じーーーーーーーーーーーーーーーーーー……………………………じゅるり」
ファ「待たされている忠犬みたいだね」
ロズ「ふふ。可愛いわねぇ、お持ち帰りしちゃいたいわ~♪」
ブラ「駄目よ。あれは私のなんだから」
ロズ「あら、いつから貴女の物になったのかしらん?」
ガル「おーい。んな事より早く食おうぜ? 食いまくるために今日の昼飯は抜いてきたんだしよー」
ラプ「それには同意するな。折角のクリスマスの夜なのだから食事を楽しもうではないか」
ファ「それに、そんな事でお預けの時間を引き延ばしていたらそれこそリンクスに恨まれてしまうかもしれないぞ?」
リン「じーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(ローズとブラッドに向けて)」
ロズ&ブラ『頂きましょうね!!』
ガル「よっしゃ食うぞーー!!」
リン「しゃーーー!!(獣的な咆哮 」
ファ「やれやれ…。獣が二人居ると騒々しいのなんの……」
ラプ「あの二人の事は分かり切っていたではないか。何を今更?」
ファ「僕としては静かなクリスマスを味わってみたくてね。こうしたイベント事でそうなった試しがないから少し思っただけさ」
ラプ「ふっ。そもそもこうして予め予定を組んだ行事が実行される方が珍しいから堪能したい、その辺だろう?」
ファ「当たらずとも遠からず。ノーコメントという事にしておいてくれ」
ラプ「構わんさ。それよりも早くしなければあの二人が肉類を全部平らげてしまいかねない勢いだから食さないか?」
ファ「賛成だ。僕も肉の無いクリスマスは静かなクリスマス以上に過ごしたくないシチュエーションだからね」
ブラ「そんな事もあろうかと、ちゃんと確保してるわよ」
ガル「おひぇはっへはみふみょにふいはふっへるはへひゃなひふはへ」
ファ「ガルム。喋る時は口の中の物を飲み込んでからにしてくれ」
ロズ「そうよ~。いくら美味しい食べ物が目の前にあるからって、欲張ってちゃ良い所の美味しさを見逃しちゃうわよ?」
ラプ「そういうローズはガルムの尻をうっとり眺めながら言うのは止めてもらえないか。食欲が大幅に減退してしまう」
ファ「ラプターもそういう事は人に聞こえないように言ってくれ。こちらも気も滅入ってしまう」
ブラ「話そのものを聞いてないのも居るけどね。ほら、さっきからずっと齧り付いてるのよ」
ロズ「随分と気に入ったみたいなのよ――アレ」
リン「はぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐ」
ファ「彼の胃袋はどんな異次元で構成されているのか非常に興味がある所なんだけどね」
ブラ「今に始まった事じゃないでしょうに。あの子の場合はその必要があったから出来る芸当でしょう?」
ファ「それでも、さ。あれはどう見ても彼の腹の収まり切る質量では無い。物理的に不可能な芸当を目の当たりにして興味が湧かないはずはないさ」
ラプ「科学者オタクくさい台詞に聞こえるぞ」
ファ「というのをこんな時に野暮な事はしないさ。…どれ、僕も肉を頂こうかな」
ガル「うめぇええええ!? なんだこの肉は!」
リン「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ」
ガル「ああ、てめぇ!!? 一皿丸々かっさらうんじゃねえ!! お前ぇの分はちゃんとあr――てかもう骨組だけだと?!」
リン「しゃーーー!!(威嚇の声)」
ガル「おお、やろってのか? いいぜいいぜ、その皿の肉を賭けてやろうじゃねえか!!!」
リン「ぐるるるるるるるるるる…」
ガル「がるるるるるるるるるる…」
リン「にゃーーーーー!!」
ガル「わおーーーーん!!」
ファ「………それじゃあ僕は無難に向こうの刺し肉を頂こうか」
ラプ「それが賢明だな」
ブラ「来たわね。はい、ワインは赤オンリーよ」
ラプ「ブランデーで構わない」
ファ「僕は牛乳で」
ブラ「何よ二人して。そこらで売ってるような安物じゃないのよ? それなりに年代物なんだからこれを飲まなきゃ損ですよ」
ロズ「仕方が無いじゃないかしらん? ブラッドが飲む赤い飲み物はどう見ても処女の生き血にしか見えなくてよ」
ブラ「そういう貴方も随分とちまちまと食してるじゃない。男なんだからもっと豪快に食べなくて?」
ロズ「あら、今夜は聖夜ではなくて精夜だったかしら? 怖いわぁ~。あたしの美しさが吸い取られてしまうわ!」
ブラ「おほほほっ。だーれが気色悪いオカマを好き好んで襲うかってのよ。生贄にされた処女の亡霊に失礼です事よ、この変態」
ロズ「うふふふふふふふふふふ」
ブラ「おほほほほほほほほほほ」
ファ「―――やはりこうなるのか…」
ラプ「諦めろ。これはこれで我々のスタンダードと言える。ほれ、牛乳。ホットで構わないだろう?」
ファ「ああ、済まない」
ラプ「しかし何故アルコール類を飲まないのだ? ノンアルコールの類が建前とはいえあるはずだが…」
ファ「普段から演算ばかりにかまけていた代償かな。アルコールの影響は頭の回転が狂い易くてね、下手に摂取をしてしまって二日酔いになってしまうと本当に地獄だよ」
ラプ「例えば?」
ファ「そうだね。寝付けない時に羊を数えるという何故か現代にまで伝わる古来の手法を使うとする。通常は一秒に一匹ずつ数えるところだが、演算機能が混乱していて一瞬にして何億匹へと数えて増殖するね。鼠算方式で」
ラプ「確かに頭に堪えそうだな」
ファ「その時は本当に大変だったね。仕事が滞って危うく失敗するところだったよ」
ラプ「それで牛乳に? 他にもジュースの類はあるだろうに」
ファ「僕なりのこだわり、かな。純粋な果汁の物は市販されていないしね。なるべく安定した飲み物を追及してその中で最良だったのが牛乳だったのさ」
ラプ「ほう。確かに私もブランデーに行き着くのにワインや焼酎などを飲み比べていた時期があったな…。あの時は安物ばかりの酒に嫌気をさしていたっけか」
ファ「カクテルはどうだったんだい? 僕としては君の雰囲気としては合っていると思うんだけどな」
ラプ「あれは甘すぎたな。どうやら喉を焼く感覚でブランデーが私の好みらしい」
ファ「なるほど。僕も牛乳の濃厚さが気に入っているしね。それに人類の飲み物で牛乳以上に認知されている飲み物はそうそうないから場所を問わずに飲めるのが強みだ」
ラプ「それはそうと話が変わるが、何故毎年この日となると世界的な休息を得られるだろうな? ファントムは知っているか?」
ファ「それほど詳しくは知らないけどね、文献では何処かの聖人君子の誕生を祝う日らしい」
ラプ「こんな固有文化が廃れた時代にまで残る程の偉人なのか?」
ファ「流石にそこまでは文献が残されていなかったんで分からないけれど、嘗て大きく栄えた宗教文化の名残である事は間違いないよ。但し、残されているのがこの日が少し特別な日という事だけだしね」
ラプ「地球規模で戦争がお休みをする唯一の日だぞ? それなりの意味があってもおかしくはないぞ」
ファ「別段、具体的な理由は要らないんだと僕は思ってるよ。何しろ争い諍いは必ず何処かで起きている――多分、疲れたから年に一度くらい休みたいんだね、みんな」
ラプ「………そういうものか?」
ファ「あくまでもこれは僕の私見の一つさ。そんなに深く考える必要はないさ。今は今を楽しもうじゃないか」
ラプ「そうだな。そろそろ向こうも終わりそうでもあるしな」
リン「ぬににににににににににににににに(両頬を目一杯引っ張られている)」
ガル「ぬおおおおおおおおおおおおおおお(剛毛と片頬を抓られている)」
ロズ「ほほほほほほほほほほほほほほほほ(さり気に薔薇を嗅いでいる)」
ブラ「ふふふふふふふふふふふふふふふふ(置かれていたナイフを数本翳している)」
ファ「…………………」
ラプ「まぁ、分かり切っていた事だしな。戦闘のプロがこの程度の短時間で諍いが収まるはずも無い」
老人『その通りだ。その程度で決着が着く程に軟であってはカロン・ウンディーネとして役には立たん』
ラプ「何だ、まだ居たのか?」
老人『――しくしくしく…(通信途絶 』
ファ「さて。どう収集させたものか…」
ラプ「そんなに難しい事でもあるまい。分かっているのだろう?」
ファ「まぁね。クリスマスプレゼントが欲しくないのならば続けてくれていればいいさ」
ガル「よし、リンクス! 仲良く折半と行こうか、な!?」
リン「こくこくこくこくこくこくこく!(全力で頷いている)」
ロズ「はんっ! 今日は勘弁しておいてあげるわよ」
ブラ「貴方とはいずれ決着を着けて差し上げますわ」
ラプ「…凄まじい効力を発揮するな、本当に」
ファ「基本的にこの時ばかりは上からほぼ無条件で好きな物が全世界から取り寄せられるからね。高根の花にも手が届くのだから僕も楽しみなのさ」
ラプ「ファントムは何を望んだんだ?」
ファ「そんなに珍しいものでもないさ。ほんのニュートリノ通信機構を搭載した新型の端末を一台、試作品のをね」
ラプ「それは実際どの様に手に入れるのかが気になるところだな…」
ファ「意外と難しくは無いらしい。かのカロン・ウンディーネが試作品を品評するとなれば善し悪しを問わずに宣伝効果の意味合いが強まるから、それ程難しい注文では無かったようだ」
ラプ「なるほど。となれば私のも同じところか」
ファ「何を頼んだんだい?」
ラプ「レールガンの仕様で単発磁力推進機構に変更させたリニアガン。甲殻機動兵装から生身の人間でも取り扱えるレベルまで下げる事に成功したやつだ」
ファ「流通筋からしてそちらの方が僕の頼んだのより入手が難しいだろうね。新型兵器類の機密漏洩はこちらのとは訳が違う」
ラプ「致命的な欠点があったと聞く。なんでも扱える人間が極限られているため、殆どが甲殻兵装向けの開発に乗るらしく、余り物が回されてくるだけさ」
ファ「成程。聞く限りでは反動はパンツァーファウストのほぼ倍。自走砲台を使用した方が遥かに効率的かもしれないね」
ラプ「そう言う事だ。故に簡単に手に入ると踏んでいた。他の面々は何を注文したのだ?」
ガル「俺は新しいタックルマシンを頼んだぜ。ここん所まともに格闘の練習が出来るブツが見当たらなくてよ、退屈してたのよ」
ファ「君の攻撃に耐え続けられる物体があるのか疑問な所だけどね」
ガル「今度のは今までのとはちーとばかし違うぜ。なんせ惑星圧で固めた合金だからな、簡単には壊れねぇぞ!」
ラプ「彼のが一番無茶な注文にしか聞こえないのは私の幻聴か?」
ファ「願いは個人の自由だしね、そういう事にしておこうか。ローズはやはり薔薇関係かい?」
ロズ「ええ、そうよ。真っ赤な薔薇園を一つほど、ね」
ガル「おい。前回も同じ事言ってたじゃねぇか?」
ロズ「増園したのよ。新しい区画としてまた綺麗な薔薇が見渡す限り一面に咲いている………ああ、美しいわん!!」
ラプ「(無視して)ブラッドは何にしたんだ?」
ブラ「たった生娘百人だけよ」
一同『……………………………』
ブラ「冗談よ。本当は欲しかったのだけど、あしが付き易いから断念したのよ。代わりに新型のナイフを依頼したわ」
ファ「賢明だね」
ラプ「当たり前だ」
ガル「つーかホントにしそうで冗談に聞こえなかったぜ…」
ブラ「何よっ。私だってまともな物が欲しいわよ?」
ラプ「だったら何で代わりのがナイフなんだ? 他にも何かあるだろうに」
ブラ「だって他のは手元のお金で事足りてるのですから強請る程の物が他にはありませんもの」
ファ「言ってる事は確かだね。だから僕も少し無茶な願いを頼んでいるしね」
ガル「そういやリンクスはなに頼んだんだ?」
ロズ「(陶酔からの帰還)あの子ならあそこで食事を継続中よ」
ガル「うお!? あんだけあった肉がもう殆ど残ってねぇ!!?」
ファ「ちゃんと野菜も摂取している様だね。殆どすっからかんだ」
リン「んっ…?(口一杯に詰め込んだまま振り向く)」
ブラ「リンクス、貴方は何を頼んだんです?」
リン「(一気に飲み込んで口内クリア)んぐっ―――ギャラクシアル・シャイニング・ビーフ(
一同『―――――!!!!!!!!?』
老人『説明しよう。ギャラクシアル・シャイニング・ビーフとは、人類が宇宙に進出した現世代における最高の牛肉である。食材の高品質化の一途を辿る世界において一度たりともその王座を譲る事の無い――』
ガル「ちょ、おま、それって手に入るもんなのか?! 俺だってデータ上でしか拝んだ事が無いんだぜ!?」
老人『既に100年先まで予約で満杯である上、生産・運搬・調理に至るまで完全なる警備の中で行われる為、未だかつて横取りを成功させた者は皆無なのだ。リンクスの願望を叶える為に取った手段は――』
ロズ「あらあら! あたしにもほんのちょびっとでもいいか食べさせてくれないかしらん?」
リン「…んっ。10kg来るから、少しだけなら…いい」
ラプ「10kgとは凄いな…。通常の予約で手に入るのが精々100gじゃなかったか?」
ファ「それは団体で予約をした場合だろう。個人では一切れ――10g程度だったはずだよ」
老人『よって、kg単位で入手する事が可能となったわけだが………誰も聞いていない、か(ほろり涙を流して通信途絶 』
ブラ「私達の中でリンクスのが最も難しい注文と羨む物でしたわね」
ガル「俺のやつがすっかり隅っこに追い遣られちまったぜ」
ファ「別段競っていたわけでもないんだけどね。それでも規模の違いに圧倒されてしまったよ」
ロズ「や~ん、楽しみ~♪ こうなったら『ギャラシャン牛を食べれるお祝い』と称して飲むわよー!!」
ブラ「ローズにしては良い事を言いますね。私も便乗する事にしましょう」
ラプ「食欲に勝るものはなし、とはこういう事を言うのだろうかね…?」
ガル「何でもいいじゃねぇかよ。嬉しもんは嬉しいと素直に感じてりゃあそれが一番ってよ!」
ラプ「…ふっ、そうだな。どれ、私もブランデー以外の物を飲んでみるとしよう」
ファ「だったら、僕はオレンジジュースにしようかな」
ガル「おいおい。もう少し大きくいこうぜ、ファントム」
ファ「これでも結構妥協しているんだけどな」
ロズ「何してるのよ~? もう一度乾杯の音頭を取るわよー?」
ラプ「既にグラスは準備済みだ」
ブラ「相変わらず仕事の早いですね」
ガル「よーし。全員飲み物持ったか? おい、リンクス! とりあえず今は食べ物から目を放してこっちを向いとけ!」
リン「…ん」
ロズ「それじゃあ、もう一度仕切り直して――」
一同『メリークリスマース!!』
リン「――マース…」
駄文:
ガル「良い子のみんな! あとがき座談会がはじまるぜーーー!!」
ブラ「ガルムはどうしてあれほどハイテンションなのですか?」
ファ「つい一週間前に投稿公開された本編で死んだばかりだからさ。つまり彼の出番は今後永久に過去回想の中でしか登場しないのさ」
ガル「ちくしょう! リンクスの覚醒に一役買ったいい役だってのによ、出番がもう無ぇなんてあんまりじゃねぇか!?」
ラプ「登場した回数が三回だけだしな。しかも一回は脇役的な登場の仕方であったから実質二回となるだろうな」
ロズ「それを言っちゃうとあたしなんてまだ第一話しか登場していないわよん? ブラッド以外全員そうじゃない」
ブラ「ですが私もなんとなしに次回の話でやられ役として登場する嫌いがあるのですが、そこ所が如何なものでしょうか?」
カンぺ:『未定。多分、死なないかと』
ブラ「だそうですけども…?」
ガル「よっしゃ! 仲間がもう一人増えたぜ、きゃっほう!!」
ブラ「………ガルム。ちょっと新しいナイフの切れ味をテストしたので付き合ってもらいますね?」
ガル「え、ちょ、待ってくれ!!? いいだろこれくらいよ、もう俺の新展開なんて起きないだぜっt――ぎゃーーーーーー!!!?」
ラプ「向こうは放っておくとしてだ。何故この様な場を設けたのか疑問なのだが…?」
ロズ「出番がもうないんじゃないかっていうガルムへの配慮だそうよ。後はクリスマス企画を思いついたから、ちょっとばかし本編とは異なる話の展開にしたかったそうなのよ。ねっ?」
カンぺ:『 Yes, I am. 』
ファ「後はリンクスの生態についてだね」
ラプ「本編とここでの話では随分と人柄が違う様に感じてしまうからな」
ロズ「あの子にとっては本編の世界は未開の地であり作戦の遂行中。それに盗賊なんて未だに居る世界に休める場所なんて少ないじゃない」
ファ「僕達の世界では最早歴史上の職業だね。テロリストでさえも最早最先端の戦力を保有して計画的な犯行をするよ」
ラプ「因みに私達の世界の世界情勢は本編でいずれ公開される手筈だ。徐々に明らかになるが、今の段階(六話)でもそれなりに高度技術時代であるのは理解しているだろう」
ロズ「それにしてもあの子にしては本当に小食なのよね、本編では」
ファ「食費が馬鹿にならないからね。カロン・ウンディーネという立場であれば気にせず頂くことが出来たけど、任務中ということもあるだろうね」
ラプ「あの子の過去の事もあるからな。食える時に食っておく。そういう習性という事もある」
ファ「それにどんなに食べても太らない。まぁ、それは彼の性質だね。そういう風に出来ている」
ロズ「あの子の性格を端的に言えば猫よね」
ラプ「確かにそうだな。取っつき難くいが馴染むと可愛いものだ」
ファ「この後、おまけがあるみたいだけどこの辺りで駄文は閉めるかい?」
ロズ「いいんじゃないかしら。これ以上の話は本編に差し障るかもしれし」
老人『おまけはクリスマスパーティ後の会場という設定である』
ラプ「何だ藪から棒に…」
老人『これでもお前達の上役なのだが、ここでは随分と扱いが酷いので自ら首を突っ込まなければ話に加われなかったのでな』
ラプ「そうか。まぁ何でもいいが、これにて駄文は終了だ」
ガル「ちくしょう! 俺のための駄文が俺を抜きに終わるだとー!!?」
ブラ「まだテストは終わってなくてよ?」
ガル「こんな役回りは嫌だーーーーーー!!!」
リン「……ちゃんちゃん」
ガル「こんな時だけ駄文に登場するお前が憎いぞ!?」
おまけ:
ラプ「…よく眠っているな」
ブラ「ええ、そうですね」
リン「…Zzz」
ガル「なんて羨ましいんだあの野郎…!」
ファ「こればかりは仕方がないさ」
ガル「でもよ。リンクスの奴、ブラッドに膝枕されてあまつさえラプターに優しくされてるんだぞ!? 性格に難があるとは言え、二人の美女にあんな事されて羨ましくないのかファントム?!」
ロズ「あらん。ガルムにはあ・た・しがいるじゃない♪」
ガル「俺は美人か可愛い女がいいんだよ!」
ファ「羨ましくないと言えば嘘になるが、リンクスはそう感じないだろうさ。分かっている事だろう?」
ガル「そうだが、な…」
ファ「彼にとって人の温もりを僕達のよう認識しているかどうかすら怪しいからね。…まぁ、それを僕達が言えたことじゃないけど」
ロズ「あの子の場合は何に対してもそうよ。根本的に違うもの。人として扱われていなかった。実験体であり、単なる稀少な異人」
ファ「僕達もその扱いは同じだけど。彼のとは一線を画する。恐らく一生、人としての当たり前の感情を身の付ける事は無いだろうね」
ガル「――ある意味、俺達がこうして感情的な会話が出来るのはあいつのお陰かもな…」
ロズ「そうねぇ…。あの子をカロン。ウンディーネに迎えてからかしら? あたし達の仲間意識が生まれたのは」
ファ「元々異なる生まれの異なる駒として使われていた僕達が一つにまとまること事態が本来ありえなかったからね。当時の事を思い返すと本当に奇跡だね」
ガル「まさに『リンクス』だったからな、あいつ」
ファ「ああ、大変だったよ」
ロズ「ふふっ。そうねぇ…」
ラプ「和んでいる様だが、だからと言ってガルムの発言が揉み消されるというわけではないからな」
ガル「…………………」
ラプ「誰が性格に難があるか、じっくり説明してもらおうか。ブラッドはご覧の通り、リンクスにかかりっきりだ。彼女の分まで私が引き受ける事になっているので悪しからず」
ブラ「にっこり(目は笑っていない)」
ファ「さて。それでは僕とローズは食器の後片付けでもしてようか」
ロズ「リンクスとガルムが残りを全部食べてくれたから楽だわ~」
ガル「うおおおおおおおおお!! そんなんだから性格に難があるってんだよ!!」
ラプ「ほう、まだ言うか。ならば体に直接教えてやろう。なに、直ぐに気持ち良くなるさ」
ガル「こんなんで覚えたかねぇええええええええええ!!?」
リン「…Zzz」
カンぺ:『 - 完 - 』
老人『私の出番が…(涙 』
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