アタリマエノコトガアタリマエニオコルノガ『日常』…
ダケド…
アタリマエジャナイコト…
タトエバ『奇跡』ガ『日常』ヲヨソオウヨウニオコッタノナラ…
ソレハ…
『奇跡』ナノダロウカ…
ソレトモ『日常』ナノダロカ…
「ふぅ」
一息つき、読んでいた小説を閉じる。それと同時に…
キンコンカンコーン キンコンカンコーン
授業終了のチャイムが鳴る。担任が教室を出て行くとザワザワと騒ぎ出す。オレにとってはいつもの『日常』だ…
そう、あたりまえの『日常』だ…
「はっ」
さっきまで読んでいた小説を思い出し、なんとなく笑ってしまう。
「神っ!」
不意に後ろから声をかけられる。そうそう、オレの名前は天坂神一(あまさかしんいち)この学校の1年だ。
「ん?」
後ろを振り向くと、そこには仁王立ちしてこっちを睨んでいる女生徒がいた。
「冷香、なんかようか?」
後ろに立って睨んでいる女生徒の名前は雪乃詩冷香(ゆきのうたれいか)、オレの幼馴染だ。
「なンかようかって、アンタまた授業中に小説読ンでたでしょ!」
「あぁ」
即答
「……はあ、ったく、いくら言っても聞かないンだから、もう!」
「言われて素直にやめるんなら初めっからするか」
「開き直ンないでよ…」
「はっはっは、知るか。とにかくオレはもう行くからな」
そう言って、机にかけていた鞄を持ち上げる。
「え、帰るの?」
「あぁ、帰って寝る」
「またあ〜?……まあいいわ、じゃあ、ちょっと待ってて、アタシも帰るから一緒に帰ろ?」
「へいへい、待っててやるから急げよ?」
「アハ、アリガトね。じゃ、ちょこちょこっと準備してくるから」
そう言うと、冷香は自分の席に戻っていった。
「ふぅ」
窓の外を見る。1月、季節は冬真っ只中だ。外には朝から降っていた雪が止むことなく今も降っていた。
(雪、か…あいつが死んだのもこんな日だったよな…)
1年前に交通事故で死んだ『彼女』のことを思い出し、少しだけ悲しくなった。
だが、涙はでない。いつからだっただろう…オレの涙がでなくなったのは…
「神!準備OK!早く帰ろ?」
いつのまにかやってきていた冷香に声をかけられる。
「お、おぅ」
そう言うと冷香に引きずられるように教室から出て行く。これがオレのいつもの『日常』だ…
人生…
いや、運命に『奇跡』なんてアリエナイ…
そんなこと、誰よりもオレが知っている…
そんな便利な言葉があるはずがない…
『奇跡』なんてものがあったならあいつが死んだのはなんなんだ?
不慮の事故
起こらない事が起こる事が『奇跡』だと言うのなら
あいつが死んだのも『奇跡』だとでも言うのか?
なら、オレは…
『奇跡』なんてもの…
絶対に信じない…
to be continued
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あとがき
この小説を読んでいただきありがとうございました。
あとがきを勤めさせていただくのは作者ことアトラシアです。
ア「じゃぁ、まず今回の人物紹介をしますか?」
神「誰に聞いてんだお前は…」
ア「むお!いったいいつからそこに!?」
神「知るか。やるならさっさとやれ」
ア「へいよ。え〜とですね、まず私の隣にいるのがこの話の一応主人公天坂神一です」
神「一応…?」
ア「見た目はヤクザ」
ドゴ
ア「グハァ!」
神「マジメにやれ」
ア「マジメに殺られました…」
神「もう一撃くらいたいか?」
ア「ちっ」
神「ん?」
ア「え、え〜っとですね、見た目は黒髪の短髪。目は細く、眼つきは悪いです。赤いバンダナを腕(服の下)に巻いてます」
神「ちょっと待て。なんで服の下がわかるんだ?」
ア「では、次回のお話でお会いしましょうー!」
神「人の話をきけぇぇぇぇぇ!」
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では、次回のお話までほんの少しの休息を…