君が星の光で地上を照らすなら、雲を払う風になろう
君が闇を切り裂く電光なら、僕はその闇を吹き飛ばす風になろう
君が夜天を征す王ならば、その戦に神風を吹かせて見せよう
君が大事なものを守ると誓うならば、全てを包み込む風になろう
魔法少女リリカルなのは×オリジナル The story of the bifferent viewpoint 03 相棒
あの日、監視部全員が暴徒と化したあの日より数日後、優人の姿は病院ではなくミッドチルダのとある喫茶店にあった
コーヒーを飲みながら時間を待つ
「あと20分か。時間って早いのか遅いのか」
自嘲気味に笑う
「ごめん!待った?」
とそこへ金髪美人さんが現れた
「いえ。クールダウンには丁度いい時間でしたよ」
かくいう優人は一時間前から4杯もコーヒーをおかわりしている
「今日はごめんね?せっかくのお休みの日なのに、私たちの我儘に付き合わせちゃって」
金髪美人さんの隣に茶髪のサイドテールの美人さんが軽く頭を下げる
「そんなことないですよ。俺だって我儘きいてもらったんですから。多少の我儘ならなんでもどうぞ」
そう言って軽く微笑む
この二人を見ていると自然に笑みが出る
二人とも席に座ると紅茶を頼んだ
種類はよく分からない
「ねえ優人君。前にも言ったんだけど、仕事じゃないからこういうときぐらいタメ口でいいんだよ?」
「そうだよ。私もそっちの方がいいな。呼び捨てにしてるし...ね?」
二人も微笑みながら言う
「いや、基本的に他人にたいしてはこんなもんですから。
あまり親しげにするのはどうかと思いますし...もう少しはこれで通させてください」
やはり年上にタメ口でというのは抵抗というか、不思議な気がする
「う〜ん、じゃあ、少ししたら変えてもらうよ?」
「そのときはさん付けもやめて呼び捨てだよ?」
やはり二人には敵わないというか、妙に頑固だね
別にこれくらい普通だと思うんだけど
「で...本題だけど、ほんとうに良かったの?」
なにか物足りなさそうに言うのはフェイトさん
あまり身を乗り出さないように
胸が強調されてますから
それに気付いてフェイトさんは頬を赤らめた
「俺のパートナー、どうも風の変換がし難かったんですよ」
贅沢言ってるのは分かるんですけどと付け加える
「優人君の魔力変換資質って......」
「確か『風』だったよね?」
「フェイトさんみたいに雷や、シグナムさんみたいに炎だったら良かったんですけどね」
「それじゃあ、ユウトのお眼鏡に叶うかな?」
フェイトさんが懐から取り出したもの、それは......
「銀の...星」
銀を星の形に型どり、鎖を通しペンダントにしたものだ
割れ物を扱うようにフェイトさんから受け取り、感覚にひたる
「首にかけてみたら?」
なのはさんが誕生日にプレゼントをあげた母親のような顔をしていた
「はい」
ちゃりと金属が擦れる音
感動というか何かにひたる
「人格の基礎データは入ってるけど、彼女はまだ生まれたばかりの赤ん坊と一緒。ちゃんとコミュニケーションとってあげてね」
フェイトさんの言葉に引っ掛かりを覚える
「彼女、ですか?」
「うん。名前はまだないけど、女の子みたい」
名前か......
「どうかしたの?」
うつむいてしまった俺の視界にフェイトさんがドアップで写る
それに慌てながらもちゃんと質問に答える
「まさかデバイスが女の子とはしらなくて......
用意したのって全部男物だし可愛い名前なんて思い付かないんですよ」
少し悩んで俺は決めた
「シュトルムハルト、おまえの新しい主人の三十日優人だ、よろしく」
「シュトルムハルト、良い名だ。フェイト・T・ハラオウンとバルディッシュだよ。よろしくね」
とたんきらりと光った気がした
「私高町なのは。そしてこっちはレイジングハート。よろしくね」
再び光る
まさかほんとうに受け答えしてるのかな
その後、ミッドチルダの街を適当に案内してもらい、少しだけ買い物も済ませた
そして今は休憩を兼ねたおやつタイム
「優人君優しいよね。私たちの荷物を持ってくれたし、エスコートも慣れてるみたいだし」
なのはさんの言葉に、飲みかけのコーラ(コーヒーばかりはきつい)を噴出しそうになった
「私もそう思うな。荷物多いし重くない?」
「げほっ、だ、大丈夫ですよ。女性の方に重いものを持たせるなんて、男がやることじゃないですから。
ごほっ、ごほん、それに、なにを期待してるのか分かりませんが、ごほっ、彼女なんていませんよ」
噴出しそうになるのを堪え、無理矢理飲み込んだので一部が気管支に入りむせてしまった
三十日優人
年齢=彼女いない歴の人間である
もう一度咳をして調子を整え、一口飲む
今度はむせずに済んだ
「普段から二人のような美人さんと話す機会すら無いのに、これで彼女がいたら天罰ものですよ」
一緒に頼んであったクッキーをつまむ
しまった
コーヒーにしとけば良かった
クッキーにコーラは合わない
少しは常識を知った方がいいな
「えっ!?彼女さんいないの?」
なのはさん、何をそんな驚いた目で見てるんですか
こんな俺に彼女がいたら天と地がひっくり返りますよ
フェイトさんもUMA見たような目をしないでください
彼女いないくらいデフォでしょう?
「どこかの物好きの言葉で言えば、初デートってやつですかね。ん、お土産につつんでもらおうかな...」
クッキーを食べながら言う
あれ?
二人ともなんで固まってるんだろう
なんか不味いことでも言ったか?
「で、でも、エリナちゃんとユリカちゃん三人で出掛けたんでしょ?」
30秒ほどして口を開くフェイトさん
「義理とはいえ兄妹ですよ?それってデートって言うんですか?」
「うっ」
紛れもない事実にフェイトさんは口を閉じてしまう
「それとも...こんな俺とお出掛けなんて迷惑ですか?」
管理局では有名な二人だ
妙な噂がたつかもしれない
「ううん!迷惑だなんてとんでもないよ!」
「私たちでよければいつでも喜んでお相手するよ!」
その言葉に俺は目を鋭くした
多分特殊効果で目が光ったんじゃないだろうか
「ならちょうどよかった。今度二人が暇なときでいいんで、模擬戦の相手をしてもらえませんか?」
「模擬戦って...シュトルムのテスト?」
シュトルムって...長いから略したのか
そっちのほうが呼びやすそうだけど
「AAAクラスのお二人なら、安心して頼めますから」
「安心してって...あれやるの?」
はいとにこやかに笑う俺
多分悪魔を連想したと思うな
「様々な魔法を試して、最後に全力でどかんと」
全力でという言葉に嫌な予感を覚える二人だった
「それに...シャーリーさんにも会えるじゃないですか。
ついでに魔力保有量も調べてもらいたいですし、認定試験受けるためにも必要でしょう?いつまでも三等陸士じやいられないですし」
認定試験を受ける
その言葉に二人は言葉を失い
「うん!ユウトならきっと受かるよ!」
「頑張って!私も応援するから!」
ついさっき即席で試験を受けることにした優人に応援の言葉を送った
「それじゃ、明日にしようよ」
「そうだね。思い立ったら吉日だよ」
はい?
明日?
「うん、私の方はスケジュール調整できるから大丈夫だよ。優人君は?」
「え?あ、一日中暇と言う名のスケジュールがびっしりですけど」
「なのは。私も大丈夫」
なにかトントン拍子に、というか勝手に話が一人歩きしてないですか?
「それじゃあ明日のお昼頃に監視部に迎えに行くよ」
「うん。フェイトちゃんは許可申請出してもらえる?」
「分かった。シャーリーに頼んで必要な機材も用意しないとね」
ああ
あまりその場のノリに任せて口走るもんじゃないな
軽い後悔を覚える優人だった
後日談というか与太話
「ねぇ...」
「平野?どうしたんだ?体重が5キロも増えたような暗い顔して」
「なんであんたが知ってんのよ!?」
「適当に鎌かけただけだ」
「優人さん......そのペンダント...誰にごにょこにょ...」
「春香?最後の方がよく聞こえなかったが、ペンダントってシュトルムのことだろ」
「シュトルム?もしかして、自分に合うデバイスとかなんとかのデバイス!?」
「なんでそんな当たり前のことで精気に満ちてくるんだ?平野よ」
「いいじゃない別に!ちょっと気になっただけよ!」
「そうですよ!あのお二人とお出掛けですよ!?きになるじゃないですか!」
「何故春香が怒るのか激しく気になるが...
今日はこれを渡してもらう日だったんだよ。そのついでに街の案内を頼んだだけさ」
「何を騒いでんのかと思ったら...それがおまえの相棒か」
「あ、的場さん。シュトルムハルト、俺の相棒です」
「おう、よろしくなシュトルムハルト」
『.........』
「って喋らないわね」
「人格は出来てるけどまだ赤ん坊とたいして変わらないそうだ。ま、これからどんどん喋るようになるよ、な、シュトルム」
『Yes.my mastr』
「「「喋った!?」」」
「喋れたのか」
最初から喋れたのにわざと黙っていたシュトルムだった
優人はあまり驚いていなかったが
続く
あとがき
冬です
道端で十キロ痩せました
というのは冗談で、今晩は蒼天の狩人です
相変わらずの駄文です
おゆるしくだせぇお代官様ぁ〜(へこへこ
特に目立つ笑いすらないつまらない小説です
次回辺りから進展してくるはずなんですが...
反対に暇潰しに書いたサイドストーリーの方がいい味出してると思えます
最近では白装束ね兵士を育てながら天狗に刀で斬り殺され無惨にも仲間の屍を踏み越えました
......orz
こんなゲロ以下の匂いがぷんぷんする小説を読んでくださり感謝感激雨霰です(錯乱中
他の作者様方のように良介中心でないためにギャグ率がか・な・り・少ないです
というか無いです
リョウさんさえよろしければ良介の登場も考えているんですが...
それでは次回、いきなりな展開を迎えますがよろしくお願いしますと頭をさげたところで、蒼天の狩人でした
作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル、投稿小説感想板、