一時間前まで激しい戦いが行われていた戦場。
そこには幾百もの人の形をした灰の山が存在していた。
そして、その灰の山の前に数十人の武装隊員たちがいた。
ある者は見つめ。
ある者は膝をつき。
ある者は両手を組んで。
全ての局員がそれぞれのやり方で祈り、死者への涙を流していた。
どれほどの時間がたったのか。
ふいに膝をついていたひとりの若い局員が涙をにじませた声で呟く。
「……なんで…なんでこうなったんだよぉ…」
肩を震わせ、大地を殴る。
「誰か……教えてくれよ!」
その言葉にもう一人の局員が近くにいた次元部隊員の胸ぐらを掴み、詰め寄る。
「お前たち“海”の奴らは、いったい何をしていたんだよ!?」
若い局員に睨まれた次元部隊員が瞳を逸らす。
ついで触発されたほかの局員たちも怒りと嘆きが混じり合った叫びを上げる。
その瞬間。
「うろたえるな、愚か者!」
一喝され、全ての局員が沈黙し、その声の主へと全ての瞳が集中する。
そこにいたのは地上部隊を守るために右脚を失い、この事件を終わらせたエンスの姿があった。
杖型デバイスを支えにしてエンスが一同を見やる。ついで静まった一同へ向けて静かに、だが力強いエンスの声が響き渡る。
「此度の戦、確かに我ら次元部隊の落ち度よ」
静かに語り、前を見てエンスは歩み始め、そのエンスの道を創るように局員が一人また一人と一歩下がる。
その道を歩みながら、エンスは言葉を紡ぐ。
「我らの落ち度により、多くの命が散った」
語りながら今回の事件で失った命を思い出す。
次元戦艦にいた友を。
地上部隊にいた友を。
「だが、我らも友を失った」
悔恨を踏みしめるように一歩に力を込め、エンスは灰の山へと向かい歩み続け、その言葉を静かに局員たちが聞き続ける。
「いまここにいる全ての者たちは皆、友を隊長を失った同じ仲間…同胞よ」
かつて人であった灰の前に立ち、エンスは続ける。
「今日この日、生き残った者同士でいがみ合うのはやめよ」
朗々とした声を響き渡らせ、エンスが一同へと振り返る。
悲しみを秘めた瞳で一同を見やり、エンスは望む。
「我らは互いにいがみ合うために管理局にいるのではない。人々の明日を守るためにいるのだ。我らの願いはその一つだけのはずだ」
単純な飾りようもない陳腐な言葉であったが、不思議な力が込められたエンスの声に一同は拳を握りしめ、ただ無言で涙を流す。
「いまこの場にいる者たちだけでいい。覚えていてくれ。今日この事件を終わらせることが出来たのは皆の力だということを」
拳を握りしめたエンスの声が響き渡る。
「確かに我ら一人ひとりの力は弱く儚い。しかし…その弱き力も束ねれば、いかなる困難にも立ち向かえることをその心に刻め!」
握りしめ、血で紅く染まった拳を空に掲げ、エンスが叫ぶ。
「そしていま再び誓え! 我らの命と力その全ては、力なき人々の明日を守るためのものだということを!」
直後。
咆吼が一つになり、生き残った局員たちの心が一つになった。
◆Three Arrow of Gold◆
第五章『心身休息?』
「お願い、リボルバーナックル!」
スバルが叫び、リボルバーナックルのスピナーが高速回転し、火花が散る。
狙うは蒼き鋼鉄闘士イルド。
拳を構えたスバルに対し、イルドも右の拳を構えてローラーダッシュ。
「うぉおぉぉおおおお!」
イルドが間合いに入った瞬間を狙い、スバルが咆吼。一撃必倒の力を秘めた拳を繰り出す。
対してイルドも叫ぶ。
『リンカードライブ、右腕限定!』
デバイスによって増幅された魔力が白銀の光を放ってシールドナックルの硬度を引き上げ、それが放たれる。
互いの拳と拳がぶつかり合い、魔力の衝撃が大気を振るわす。
「「あぁぁぁぁ!」」
引けぬ想いを込められた拳が、二人の意地となる。
しかし互いのパートナーの声が、その戦いを中断させた。
「スバル!」
『イルド!』
その瞬間。
スバルはウィングロードを展開し高速離脱。
イルドは高速後退して咲希と合流。
「バカスバル、真っ向勝負してどうするの! 作戦通り行くわよ!」
「わかったよティア!」
スバルが応え、ティアナを背負って空へと続くウィングロードを走る。
疾走する最中、地上にいるイルドと咲希へと魔力弾を放って牽制したティアナがスバルに注意する。
「あの試作機では空を飛べないってイルドさんが言ってたでしょ。だったらじゅうぶんな距離を取ってアウトレンジから攻めないと!」
「それは解ってるけど、なんかずるくないー?」
「バカ、模擬戦だからって甘いこと言わないでよ! やるなら勝たないと!」
ティアナに叱咤され、スバルが困ったように苦笑して気を引き締める。
指摘されたとおり、今は模擬戦だ。しかも二対二のタッグ戦。
すなわち連携を高めるための訓練である。
「それに私たちから頼み込んだんだから無様なことは出来ないわよ」
「そうだよねティア!」
応えたスバルが地上へと瞳を向ける。
すると。
『はははははーー、確かに空に行かれると手も足も出ませんねー』
腰に両手をやったイルドがのんきに笑っており、咲希はただ黙ってウィングロードで空を走るスバル達を眺めていた。
ヘルメットのバイザー越しでその表情はわからないが、発せられるイルドの声はなにやら楽しそうだ。
「…ねぇティア。なんかイルドさん楽しそうだよ?」
「…確かにあんまり困ったようには聞こえないわね」
そんなイルドの反応を不審に思ったスバルは背中に背負ったティアナに訊ねるが、同意を得られただけでそれ以上の反応はなかった。
そして、そんな二人に向けてイルドが楽しげに言葉をかける。
『でも手も足も出ないからって何も出せないわけではないですよー』
直後、スバルとティアナはイルドが始めたことに意表を突かれた。
それは。
『僕らのタッグフォーメーションA!』
『応』
言葉少なに返した咲希の両脚を掴んだイルドは思い切りその身体を振り回し始めたのだ。
プロレスでいう“ジャイアントスイング”という技だ。
『手も足も出ないなら“咲希さん”を出す!』
無茶苦茶なことを言い出したイルドに、スバル達が驚きの声を上げる。
「「嘘ぉ!?」」
しかし、驚愕するスバルとティアナを無視してイルドはそのまま咲希を振り回す。そして、高速回転する二人によって生み出された風が徐々に勢いを増して、巨大な台風となった。
『即席技サイクロン・トルネード!』
イルドが叫び、砲弾の如き勢いで咲希を空へと投げ放つ。
狙うはスバル達が疾走するウィングロード。
空を飛びながら、青き光りの道を見据えて咲希が右の手刀を構える。
『斬る!』
ウィングロードとすれ違いざまに魔力が込められた手刀を目にも止まらぬ速さで何度も振るい、そのまま追い抜いていく。ついでティアナを背負ったスバルがその道を走り抜く。
その瞬間ウィングロードが崩れ落ち、二人の身体が宙を舞った。
「えぇぇぇ!?」
「スバル!?」
慌てふためきながら自由落下するスバルとティアナ。
直後。
イルドがスバルを。
咲希がティアナを。
それぞれが受け止めて地上へ着地したと同時に、模擬戦の終了を告げるなのはの声が響き渡った。
「終了ぉーー!」
◆◆◆◆◆◆
「勝利!」
ヘルメットを脱いだイルドが楽しそうにVサインを決め、瞳を閉じた咲希も無言で頷く。
それに対してスバルとティアナはため息をつく。
「空を飛べないからって油断したわ…」
「まさか、あんなやり方があるなんてねー…」
そしてそんな四人を楽しそうに眺めていたなのはも笑う。
「私もイルド君たちがあんなことするなんて思わなかったよー」
「ははは、僕もあんなに上手くいくなんて思いませんでしたよ」
「俺もお前が冗談で言っていたことをやるとは思わなかったぞ」
肩をすくめる咲希に、イルドは苦笑。さらに今さり気なく告げられた事実になのはが冷や汗を一筋ながす。
「にゃははは…あんまり無茶はしないようにねー…」
「ははは、多少の無茶をしないとテストも出来ませんから試作機は面白いですよ」
苦笑するなのはに向けて、笑って返したイルドはデバイスを操作してプロテクターを解除する。腰から外したベルト型デバイスをケースに収め、あとは先ほどの模擬戦のデータを検証する作業だ。
多少やる気がそがれる作業であるが、欠かしてはいけない大事な作業なので諦めて覚悟を決める。
そんなことをぼんやりと考えていたイルドの視界に、こちらに向かって駆けてくる小さな子どもの姿が入り込んだ。
先日の事件で保護された少女、ヴィヴィオだ。
「なのはままーー」
「ヴィヴィオ転ばないでねー」
心配するなのはに向けて、思いきり抱きついたヴィヴィオが笑顔を向ける。
「ごはんー」
「うん、ヴィヴィオ。それじゃあ、食堂に行こう?」
なのはの笑顔にヴィヴィオはさらに笑顔になって、今度はイルドに抱きつく。
「イルにい、だっこしてー」
「はい、わかりました、ヴィヴィオ姫」
微笑んで一礼したイルドが、ヴィヴィオを優しく抱き上げる。
「初めて見たよお姫様だっこ」
「私も…」
「僕も初めてです」
スバルとティアナが赤面し、二人にイルドが笑ってみせる。
そんなイルドたちから少し離れた位置では咲希とエンス、エリオ、そしてキャロがその光景を眺めていた。ちなみに咲希は目つきが鋭く人相が悪いため、ヴィヴィオと初めて対面したときに思いきり泣かれたので怖がらせないように気をつけている。
「あれを後学のために覚えておけ、エリオ」
「…ぼ、僕にどうしろっていうんですか!? ねぇ、キャロ!?」
イルドを指さして咲希が勧めるが、真っ赤に染めた顔を何度も横に振ったエリオは隣にいるキャロに助けを求める。
しかし、それに対してキャロは羨ましそうにヴィヴィオを見て呟く。
「私もやってほしいな…」
「キャ…ロ?」
年少組のおかしなやりとりからイルドへと咲希が瞳を戻すと、ヴィヴィオが不満げにイルドの襟を引っ張っていた。
「んー、イルにい。もっとたかくー」
「はい、お姫様」
肩車されてはしゃぐヴィヴィオに、イルドが笑う。
上機嫌のヴィヴィオが咲希に向けて手を振る。
「サキおじちゃーん」
無邪気な子どもの無垢な言葉が鋭いナイフとなって二十一歳の心に深く突き刺さるが、瞳を閉じて心の痛みを堪える。
「…お兄さんと呼べと言っているはずだ」
「ほぇ?」
一拍の間をおいて言葉少なにそう答えた咲希と真意を理解していないヴィヴィオのやりとりに、イルドたちが笑いを堪えて肩を震わせる。
そして憮然とする咲希を無視して、エンスがヴィヴィオに向けてにこやかに笑ってみせる。
「いいんですよー、ヴィーちゃん。咲希おじちゃんでいいですよー」
「エンス…貴様」
「んー…イルにい?」
咲希とエンスの顔を交互に見たヴィヴィオが判断に困り、イルドを頼る。
そんなヴィヴィオの顔を見上げてイルドは笑う。
「咲希おにいちゃんって言ってあげると喜びますよ?」
「わかったー、サキにい」
「…よし!」
「えー…」
ヴィヴィオの言葉に咲希が右の拳を握りしめ小さくガッツポーズ。対してエンスは不満そうに人差し指を合わせる。
そのエンスの様子に、ヴィヴィオは首をかしげて一言。
「エンスおじちゃん、元気ない?」
「んー、ちょっと元気ないなー。でもヴィーちゃんが“エンスおじさま”って呼んでくれたら元気出るなー」
両手を組んで可愛らしくしなを作ってみせる男性(二十五歳)にイルドたちはため息をつき、ヴィヴィオはエンスの要求に首をかしげながら応えた。
「エンスおじちゃま?」
それだけの言葉でエンスは拳を握りしめて喜びを噛みしめる。
「グッド…! その可愛らしく無邪気なヴィーちゃんの言葉でエンスおじちゃんとても元気になって気分も良くなったから、可愛い可愛いヴィーちゃんにお菓子をあげよう」
白衣から取り出した小さな玉状のチョコレートをエンスから受け取ったヴィヴィオが無邪気に笑う。
「ありがとー、エンスおじちゃん」
「おじちゃまーーって言ってー」
奇声を上げたエンスはキャロとエリオに向き直り、同じチョコレートをプレゼント。
「はい、お二人にも甘い物をプレゼントー。疲れたときには甘い物が良いよー」
「あ、ありがとうございます」
「いただきます」
すると子犬のように目を輝かせたスバルがそれに食いついた。
「私も欲しいです!」
「はいはーい、何だかギブミーチョコレートって感じー。ティアナちゃんにもプレゼントー。ヴァレンタインじゃないからお礼はいらないよー」
無駄口を叩きながらエンスがチョコレートをみんなに配る。
それを眺めながらイルドは、肩車とチョコレートで満足しているヴィヴィオに問いかける。
「それではお姫様。どちらへ行かれますか?」
「みんなでごはんー!」
「それではしゅっぱーつ!」
無邪気なヴィヴィオを乗せて、イルドは走り始めた。
◆◆◆◆◆◆
テスト後の身体検査を終えたイルドは昼食を済ませ、シャマルと世間話に興じていた。
「腕の調子はどうです?」
「シャマル医務官のおかげで、なんだか前より調子が良いぐらいですよ」
「あら、褒めても何も出ませんよ」
あの日以来シャマルと話すことにも慣れたのか、イルドは緊張することなくごく自然に接することができるようになっていた。
「スバルさんたちのおかげでデバイスのテストも思ったよりも順調で、明日なんですけど休みが取れたんですよ」
「あら、奇遇ですね」
楽しそうに笑うイルドの言葉に、シャマルも楽しそうにポンと両手を合わせ微笑む。
冷たい水を一口のみ、イルドが訝しむようにその紅い瞳をシャマルへと向ける。するとシャマルは楽しそうにさらに笑って見せた。
「私も明日はお休みなんですけど、イルド君さえよければ私とご一緒していただけませんか?」
シャマルが放った最後の言葉に、イルドは思わずむせた。
そして、二人とは離れたテーブルで聞き耳を立てていたフォワード陣が小声で会議。
「…あれってデートのお誘いかな」
「それ以外にないでしょ」
「イルドさん、どうするんでしょう?」
「あ、またむせた」
フォワード陣が見守るなか、イルドは一度深呼吸してからシャマルへと向き直った。
いくぶんほほを染め、緊張したイルドが右手を胸に添えて答える。
「僕でよろしければ、どうぞ」
「ありがとうございます」
無邪気で楽しそうな笑顔を浮かべるシャマルと、照れを隠すように苦笑するイルドの姿に、フォワード陣も笑顔で頷き合う。そして、そのテーブルよりも離れたところで二人を見ていたはやてとリインも、嬉しそうにガッツポーズを取った。
◆◆◆◆◆◆
「社会見学……ですか?」
「まぁ、そんなところだね」
薄暗いラボでは、スカリエッティとウーノが何やら話し込んでいた。
「…しかし、計画前にするのはどうかと思いますが?」
やや否定的な響きなウーノの声を、スカリエッティは気にせずこう言った。
「だからこそだよ、ウーノ。あの子たちは知識としての情報は知っていても、経験としての情報は圧倒的に不足している。ゆえに一度くらいは外に出て、世界を体験して貰う」
ついで、振り返りいつもの怪しい笑顔。
「実行前の最後の下調べも行ってもらうからだよ」
◆◆◆◆◆◆
翌日。
「フフフ…ヴィヴィオちゃん、イルド君に懐いちゃいましたね」
「妹が出来たみたいですよ」
レールウェイで市街に向かう間、隊舎でおきた出来事を思い出しながらイルドとシャマルはにこやかに談笑。
「一緒に行きたいと言ったときは流石に困りましたよ」
隊舎を出ようとしたところをヴィヴィオに見つかった二人は、絶対について行くとぐずるヴィヴィオをなだめるのに随分と苦労したのであった。最後は結局なのはに頼み、なんとか事なきを得たのである。
「帰ったらご機嫌を取らないとなぁ」
苦笑して嘆息。しかし、その顔には微かな喜びが浮かんでいる。
そのイルドの姿は本当に手のかかる妹に手を焼く兄のようであり、シャマルも唇に指を当てて微笑。
「本当のお兄さんみたいですよ」
「ははは…でも、本音を言うとヴィヴィオも連れてきたかったんですけどね」
そう言ったイルド自身も、流石に無理な話だと理解している。
出自が不明の人造魔導師を市街に連れて行くことなど、許可が下りるわけがない。
ならば、自分に出来る範囲でヴィヴィオを喜ばせるしかない。
「なら、イルド君はヴィヴィオちゃんにお土産をプレゼントしなければいけませんね」
「何が良いですかね?」
市街に着くまで二人はヴィヴィオに送るプレゼントのことで楽しく時間を過ごした。
◆◆◆◆◆◆
「いやぁ、エンスさんも久々の休暇ですよー!」
市街にある喫茶店“プライム”。
準備中の札がかけられたその店にはエンスと咲希、そしてその向かいに座っている男性と、この店の店主の四人以外に人はいない。
「マグナス隊長、いつもすみませんねー」
にこやかに笑いながらエンスが会釈すると、カウンターで紅茶を淹れていた初老の店主マグナスが無言で頷く。
「じゃあ紅茶が来るまでエンスさんたちはお仕事の愚痴でも言い合ってみよー」
「エンス、たまには無駄口を叩かないで本題に入ったらどうだ?」
咲希の言葉に男が同意して何度も頷き、エンスはつまらないというように眉を寄せてみせるもすぐに表情を変えて口を開いた。
「どうも敵さんは、エンスさんのデバイスを標的にしてるっぽいのー。わざわざカスタムまで造ってぶつけにくるあたり、非道いと思わないーー?」
「…俺はお前のそのしゃべり方のほうが非道いとオ・モ・ウ・ゼ?」
「同意する」
男の言葉に今度は咲希が頷き、エンスがすねたようにそっぽを向く。
子どもがするような態度を返すエンスに苦笑しながら、男は訊ねる。
「んで、俺にどうしろと?」
「ん? べつに何もしなくて良いよ」
直後。
男と咲希が同時に叫ぶ。
『何をしたいんだ貴様は!?』
しかし、エンスはそれを気にもせず、頭の後ろで両手を組む、
「んーー、先の話しをしに来ただけだよー」
「…どういうことだ?」
訝しむ男に対し、エンスは平然と言う。
「たぶん、陳述会襲われるよ」
平然と告げられた言葉の内容を二人が理解するのに、タイムラグがおきた。
そして、その言葉の意味を理解した男が語気荒くして訊ねる。
「誰が襲うってんだ!?」
「敵さん」
「エンスぅ!」
男がエンスの胸ぐらを掴んだ瞬間、紅茶とサンドイッチを持ってきた店主マグナスがエンスに一言。
「ちゃんと話せ、お前等のために今だけ準備中の看板を出しているんだ。あと、俺たちしか居ないんだから演技は止めろ。いつもの調子で話せ」
とてつもなく低いマグナスの声音に、エンスが「しょうがないニャー」と呟き、表情と姿勢を正す。
その瞬間。
六課では見られなかった、たとえるなら判決を下す裁判官のような厳かな雰囲気をまとったエンスがその姿を現す。
マグナスも席に座り、エンスの言葉を待つ。
ついで、まるでオペラ歌手のように朗々と高らかな声でエンスは厳かに話し始めた。
「では最初に我の話は確証のない話だと言うことをまずは断っておく。六課でガジェットを直に見たのだが、おそらく敵は我と同じ技術屋。しかも極度の自信家であろう。さすがに目的まではわからぬが、犯罪組織に売りつける商品と仮定する」
そこで言葉を句切り、紅茶を一口。そして、説明を再開。
「自信家の技術屋が自ら制作した作品を発表することを考えるならば、やはり大きなイベントを狙うはず。しかも丁度いいことに陳述会が目前に控えている。世界に中継されるイベントとしては最大級だから、このときを狙い敵はガジェットを使い本部を襲撃。華麗に任務を終えれば、ガジェットは商品として大々的に犯罪組織に売り出される…そんなことを敵は考えているのではないだろうか」
説明を聞き終えたエンスをのぞく三人が、同時に嘆息。
まず、エンスの向かいに座っている男が口を開いた。
「あのな、エンス。あまりにも憶測が過ぎないか? そんなんで誰が真に受けるってんだよ」
頷き、マグナスも口を開く。
「あまりにも夢物語だ。確証がなければ、本部は動かん」
「俺も同意見だ」
しかし、べつだんエンスは傷ついたわけでもなく、平然としている。むしろ、不思議そうに目を細め三人を見やる。
「お前達、何を言っている。我の本題はこれからよ。すなわち本部が襲撃されたあとのことを言っているのだ」
「あ? どういうことだよ?」
訝しむ男に対して、エンスは続ける。
「本部が襲撃された後、我は三つのプロテクトデバイスを修復させ、その次に起こるであろう戦に備えるつもりだ。しかし、我ひとりでは事を成すことは出来ぬ。ゆえにエップスやリオンたちの助力を頼みたいのだ。そして貴様は皆に“決着を焦るな”と伝えて貰いたい」
上から目線のエンスの言葉に、男は右手を額にやって嘆息し、マグナスはその反応に苦笑。
そして、男は顔を上げて破顔。
「最初に言っておく。お前の勘を、今ここにいる奴らは疑わない。そして、今ここにいない奴も、お前を疑わない。覚えておけ」
マグナスも腕を組んで一笑。
「普通の奴と違い、お前は思考も言動もおかしいからな。さっきの夢物語云々は、あくまで一般論と覚えておけ。しかし、咲希も苦労するな」
「全くだ」
マグナスの言葉に咲希は頷き一言。
その咲希の態度に、マグナスはまたも笑う。
「お前も変わらんなぁ、異世界人」
「今はこの世界の人間だ、同胞よ」
「違いないな」
あっさりとそう返した咲希の言葉に、マグナスは右手を頭にやって笑う。
その三人の姿に、エンスも自然な笑いで返す。
「ふむ、久々に我も笑った。六課にいると愛想笑いしか出来なくて困る」
その言葉に、一同が爆笑。
客のいない店内に明るい笑いがこだまする。
そして、ひとしきり笑い終えた男が席を立ち、エンスの瞳を真っ正面から見据える。
「言っておくけどな、部隊が別れても俺の心は、お前たちとともにある。お前が助けを呼ばずとも、お前が困ったときは、お前を助けに俺は行く。それが友情ってもんだろ?」
そう言った男に対し、エンスも立ち上がり、真っ正面から見つめ返す。
「しかし、助力を望むときは声を大にして助力を求める。それが信頼する、大切な友に返す友情の証だと、我は信じている」
その答えに男は「そうだな」といい、出口へと向かい歩き始めた。その背に向けて、エンスは笑う。
「ありがとう、アレックス」
「……久々に会うダチの名を呼ぶのがおそいってんだよ」
右手を挙げてアレックスは応え、店を出て行く。
その背を見送ったエンスは、席について一言。
「何事もなく、陳述会が終わればよいのだが」
エンスのその言葉に、咲希とマグナスが静かに頷いた。
◆◆◆◆◆◆
エンスたちがこれからのことを相談していたころ、イルドとシャマルは早めの昼食を取ったあと、アクセサリーショップに立ち寄っていた。
「このブローチ可愛い」
「ヴィヴィオに似合いそうですね」
「あ、イルド君イルド君! この髪飾り、はやてちゃんに似合うと思いません?」
「それよりも、こっちのブレスレットなんてどうです? この石で小さなペンダントを作ってもらえばリイン曹長とペアに出来ますよ」
そこまで言って二人は顔を見合わせ、苦笑。
「駄目ですね」
「僕もです」
再び苦笑して、二人は店を出る。そのあとも色々な店に入るも同じことを繰り返し、五件目の店を出て同時にため息。そして、二人して顔を見合わせて困ったように苦笑する。
「ほんと、駄目ですね。みんなのことを考えちゃいます」
「僕たちって自分のことを考えるのが苦手なんでしょうかね?」
足を休めるため、手近な喫茶店に入った二人はカフェテラスに席を取り、注文を済ませ、談笑。
「イルド君は、普段はどうやって休暇を過ごしているんです?」
「うわぁ、聞かれると恥ずかしいな…だいたい図書館で本を読むか、映画館へ行くか。そして、寝たりですかね」
「なんというか、微妙ですね」
「はい微妙です。シャマル医務官は?」
イルドの質問に、シャマルは人差し指を口に当て一言。
「秘密です」
そして、微笑んでウィンク。
突然の不意打ちに、ほほを染めたイルドは思わず顔を背けて気弱な声で訴える。
「……ずるいですよ、シャマル医務官」
しかし、それに対してシャマルはさらっと笑顔で返す。
「あら、女の子は少しぐらいずるくても許されるんですよ。イルド君は知らなかったんですか?」
「そんな事実は知りませんでしたが、一つ理解できました」
「なんです?」
不思議そうに首をかしげたシャマルに向けて、ほほを染めたままイルドは答えた。
「…シャマル医務官はすこしずるいですが、それ以上に可愛いってことです」
思わず言ってしまった言葉にイルドは赤面して俯き、さらに間の悪いことにシャマルまでもが俯き、無言。
気まずい空気が漂い、イルドは打開策を光の速さで思考する。そして、考えがまとまったイルドは思い切って顔を上げ、声を出す。
「「あの!」」
同時にシャマルの声も重なり、顔を見合わせて二人ともまた俯く。
ついで、イルドは右の手のひらを出して「どうぞお先に」と言うが、シャマルも「イルド君から先にどうぞ」と互いに譲りはじめる始末。
周囲の人間から見たらおかしなやりとりを続けていたところ、ふとシャマルの後ろからイルドに声をかける人間が現れた。
「んぉ? イルド先輩やん」
「その声、ボルドー?」
イルドが顔を上げると、キツネ顔の少年がそこにいた。
思わず勢いよく立ち上がったイルドは、ボルドーへと笑顔を向ける。
「なに、ボルドー。今日は休みかい?」
「先輩こそどしたんです? デート? やっと彼女出来たン? おめでとう? どこまで行ったン? ちょっとそこの喫茶店まで…そげにベタなボケ言わんといて! て俺が言うたんやドボケーー! スンマセン、寒いですねもう言いませんよってからに」
糸のように細い目が特徴的な少年ボルドーは矢継ぎ早にそう言って、イルドの向かいの席に座るシャマルへとその細い瞳を向ける。
直後。
ボルドーの肩がびくっと動く。
「うっぱぁ、六課のシャマル医務官やないですか! 先輩どしたんです!?」
「ちょ、ちょっと待ってくれないかボルドー、いま説明するから」
まずは事態に取り残されて目を丸くしているシャマルに向けて、イルドがボルドーを紹介する。
「僕が前にいた災害救助隊での後輩でボルドーといいます」
「いま紹介にあがりましたボルドーです! 以後お見知りおきを」
ボルドーがシャマルへと敬礼したのを確認し、今度はイルドがボルドーへと説明する。
「ボルドーも知っているとおりシャマル医務官で、現在僕が厄介になっている機動六課で医務官を務めておられる」
「え、えとシャマルです。こちらこそよろしく」
ともに緊張しながら握手を交わしたあと、ボルドーがイルドに小声で質問する。
「先輩、なんや憧れのシャマル医務官とつきあい始めたん? やるなー。てーか先輩、ちょお手ぇ伸ばすン早すぎやないですか? 奥手だと思っていたからほんに意外やぁよ。あとで祝電送るからお楽しみにー嘘やン冗談やン先輩許しといてなー。でも付きおうたんはビックリやぁねぇ」
その言葉に、紅潮したイルドが慌てて顔を横に振り、叫ぶ。
「お前、シャマル医務官に失礼だろ!?」
「それではお邪魔虫はさっさと帰るんで、あとはよろしゅう〜」
しかし、イルドが呼び止める暇もない速さでボルドーは逃げ去り、二人はその後ろ姿を呆然と見送った。
そして、その姿が完全に見えなくなってから、二人は我に返った。
「ははは、すみません。後輩が変なこと言って」
照れを隠すように笑いながらイルドはそう言って、シャマルもぎくしゃくとした感じで笑って返す。
「その…何というか、楽しそうな子でしたね」
その後、落ち着きを取り戻した二人は注文していた紅茶を飲みながら、なんとか世間話をはじめることに成功した。
◆◆◆◆◆◆
「あひゃーー、なんか身の程知らずの間抜けがいるよー」
「ん?」
奇声を発したエンスの視線の向こうを咲希が見やると、四人の少女にからむ粗野な男たちがいた。
「くだらん」
吐き捨てた咲希は男たちへと無造作に近寄り、一人の男の手首を掴みねじり上げる。
直後。
男の悲鳴が上がるがそれを無視して、残りの男たちを鋭い眼光で咲希は睨みつける。
「彼女たちとお前たちが釣り合うかどうか、鏡を見て出直したらどうだ」
その言葉に男たちが何事か叫びはじめるが、特徴のないありふれた罵詈雑言なので咲希は無視する。
その瞬間。
「局員さぁーーーん、こっちで暴れている奴らがいますよーーー!!」
エンスのひときわ大きい声が響き、その内容に男たちは我先にと逃げ出した。
あまりにも間抜けな逃げ方に咲希は呆れて肩をすくめて見送る。
そんな咲希へとエンスが早歩きで近づいてきて、一言。
「ほら、咲希ちゃん咲希ちゃん、ぼーーとしてないでこの子たち連れてさっさと逃げるよ。ほらほら君たちもエンスさんたちについてきて」
「なに?」
訝しむ咲希を振り返り、エンスは言う。
「局員ほんとに呼んだから、面倒に巻き込まれる前に逃げるよ」
自分たちも局員ではないかと咲希が言う前に、エンスは二人の長身の少女の手を取って逃亡。仕方ないと思い、残った二人の少女へと視線を向ける。
「遅れるな、ついてこい」
無表情な二人の少女が頷くのを確認してから、エンスを追いかける。
いくつかの角を曲がり、先ほどの現場から離れたところで一行は立ち止まった。
「いやぁ、ほんとごめんねぇ。咲希ちゃんがいきなりあんなことするから」
気安い口調のエンスに向けて、一人の女性が頭を下げる。
「いえ、こちらこそ助かりました。ありがとうございます」
その女性につられて、三人の少女も無言で頭を下げる。
それに対し、エンスはへらへらと笑いながら、手を振る。
「そんな気にしないでくださいよーエンスさんは何もしていないんだからー…あ、彼は咲希ちゃんていうの」
余計なことばかり喋るエンスに向けて咲希が何か言おうとした瞬間、最初に頭を下げた女性が咲希へと頭を下げた。
「礼を言うのが遅れてしまい、申し訳ありません。助けていただきありがとうございました」
「気にするな」
無表情で礼を述べる女性に向けて、咲希は無愛想にそう言って少女たちを観察する。
逃げる途中、咲希はずっと観察していたがこの少女たちはあまりにも動きに無駄がなかった。まるで何かの戦闘訓練を受けているような雰囲気を咲希は感じていた。
しかし、咲希が少女たちを観察していることも気にせずに、エンスはいつもの軽い口調と笑顔で話しかける。
「ところで、君たちお名前は?」
「エンス…それでは奴らと同じではないか」
だが、咎める咲希に対して、女性はとくに感情を込めるわけでもなく一礼し、淡々と答えた。
「私の名前はウーノ。この子たちの姉です」
◆◆◆◆◆◆
「イルにいー、おかえりー!」
六課へと帰ってきたイルドとシャマルを最初に出迎えたのはヴィヴィオであった。
予想通りの出迎えが来たことに二人は微笑んで頷く。
「ただいま戻りました、ヴィヴィオ姫」
「ヴィヴィオちゃん、ただいま」
「せんせーもおかえりー」
「はい、ただいまです」
笑顔で返すヴィヴィオを連れて食堂に行くと、休憩していたフォワード陣となのはたちがいた。
「なに、もう帰ってきたん?」
はやてが呆れたように二人に言うが、気にもせずイルドは土産の入った紙袋を渡す。
「どうぞ、八神部隊長。ロールケーキを買ってきたので、よろしければみんなで食べませんか? あ、ちゃんとロングアーチの皆さんや整備部の人たちの分もありますので、あとで差し入れお願いできますか?」
「ケーキ!?」
即座にケーキという単語に反応したスバルが、ティアナに頭を軽く叩かれる。その二人のやりとりに、一同がにこやかに笑う。
「ヴィヴィオ姫は良い子にしてましたか?」
「うん、ヴィヴィオいいこだよー」
ケーキを食べ終えて満足そうに笑うヴィヴィオに、イルドは綺麗に包装された小さなプレゼントを手渡した。
それを手に取り、ヴィヴィオが不思議そうにイルドを見る。
対してイルドは優しく笑う。
「それではよい子にしていたお姫様へプレゼントです」
「あけていいの!?」
「どうぞ、お姫様」
包装紙を破くヴィヴィオの隣でなのはが頭を下げるが、気にしないでと彼女に向けて手を軽く振ってみせる。
「…おー。なのはママのみたいー」
プレゼントとは、紅い宝石がはめ込まれたブローチだった。
「なのは隊長とおそろいっぽくしてみましたけど…アクセサリーはちょっと早かったでしょうかね?」
自信なく訊ねるイルドに向けて、なのはは頭を横に振ってヴィヴィオに微笑んでみせる。
「さ、ヴィヴィオ。イルド君に言うことがあるでしょう?」
「イルにい、ありがとうございました!」
笑顔で返すヴィヴィオに、イルドも破顔。
そんなイルドをはやてが不満そうに見ていた。
「うー…何や面白くないなー」
「何が面白くないんです、はやてちゃん?」
「ん、ちょっとなー…でシャマルはどうだったん?」
その問いにシャマルは微笑み、はやては一つの変化に気づいた。
シャマルの胸に、今日初めて見るエメラルドのブローチがあることに、はやては嬉しそうに微笑んだ。
「良かったわ」
◆◆◆◆◆◆
みんなが仕事に戻ったあと、イルドとシャマルは外に出て海を眺めていた。
「今日はありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとうございました」
夕日に染まる海を見つめながら礼を言い合って、イルドは微笑を浮かべた。
「それと…八神部隊長にもお気遣いありがとうございます、と伝えてください」
「あら、気づいてたんですか?」
互いに苦笑して、黙って海を見つめる。
しばしのあいだ無言が続き、ふいにイルドが口を開いた。
「……さっきのみんなで食べたケーキは…とても美味しかったです」
「え?」
思いがけないイルドの言葉にシャマルは聞き間違えたかと思い、その瞳をイルドへと向ける。
すると、イルドはすでにシャマルへとその深紅の瞳を向けていた。
「誤解するような言い方をしてすみません。でも、味はわからないけど、確かに美味しかったです」
穏やかな声音でイルドは続ける。
「みんなで楽しく食べることが、あんなに美味しいことだなんて知りませんでした。それを知るきっかけをくれたことに…シャマルさん」
今まで見たことの無かったイルドの穏やかな笑顔が夕日に照らされる。
「ほんとうにありがとうございます」
そのイルドの笑顔に、シャマルも微かにほほを染めて一言。
「えーと…おめでとうございます?」
そう言ってシャマルは首をかしげた。
◆◆◆◆◆◆
「ウーノ姉様、質問があります」
ラボへの帰還途中、ディードの突然の言葉に動じることもなくウーノは末の妹へと瞳を向けた。
「何かしら、ディード?」
「何故あの時、あの二人を始末しなかったのですか?」
「市街でそんなことをすれば、すぐに局員が来て騒ぎになるわ。それに今日はあくまで偵察と確認を兼ねた社会見学のようなモノなんだから無理して騒ぎを起こす必要はないわ」
予想していたディードの質問に、ウーノは即答し付け足す。
「どうせ、襲撃の時には戦うのだから焦る必要はないわ……ドクターならそう言うはずよ」
ウーノのその言葉を最後に、危険な四人はいずこかへと姿を消したのであった。
NEXT STAGE
『六課襲撃!』
●おまけ第五章●
機動六課。その部隊長室では。
「シャマル、そこでキスするンや!」
「イルド君早く告白するです!」
双眼鏡をのぞき込んだはやてとリインが騒いでいた。
◆説明補足・第五章:エンス・サイ◆
・所属:階級:魔導師ランク
時空管理局地上本部:第十三技術部主任:総合A+ランク
・年齢
二十五歳・男性・184cm
・設定
イルドの義兄で上司。魔力増幅装置“リンカードライブ”の制作者でもある。
性格は一言で言って“奇人変人”である。また第五章『心身休息?』においてその本性の片鱗をのぞかせ、六課での振る舞いが演技であることが語られた。
イルドと咲希の二人とは違い、エンス自身は極めて高い魔力資質を持つ魔導師である。一時は本局にいたがとある事件で本局を見限り、地上へと戻る。その時に何が起きたのかは関係者は誰も語らず不明だが、右脚を失ったことがその原因の一つである事は確かである。また第四章『電光石火!』での隊長陣とのやりとりからもわかるように、現在の魔力至上主義を嫌っている。
・デバイス
現在はまだ不明だが、第一章『常山蛇勢!』冒頭ですでにプロテクターをまとっているところから最後の一機が存在することは示されている。
判明していることは純白ということだけ。
・蛇足のイメージ
こいつ活躍しないからまだ語れないよ!
◆後書き◆
今回の話はすなわち「憧憬から恋心へ」となります。
ラブは難しいですね。
あとシャマルは天然というか鈍い人だと思いますがどうか?
告白しても「そんな冗談は駄目ですよー」とか言ってサラッとかわしそうです。
うわー、それだったらイルド勝ち目無いなー。
蛇足ですがこの三人はたとえるならG3X・鋼鉄聖闘士・ソルテッカマンのような存在です。魔力というよくわからない力を科学技術で模倣したコピー品。悪く言えば格下の存在。
たぶん本局勤めの魔導師とかはバカにしているんではないかと思います。
イルド、やたらヴィヴィオに優しいのが不思議。書いていたら自然とあんなふうになっていた。ほんとに不思議。ロリコンじゃないよ。ホントだよ?
あともう少しぐらい欲張っても良いと思うよ?
エンス、猫?をかぶっていたのが発覚。おかしな口調から一転しておかしな口調へ……あれ? それと長台詞ご苦労。
咲希、やっぱり危ない人でした。どんなにやなヤツでも、いきなり手首をねじるのは止めましょう。
あと意外に思う方もいるとは思いますがエンスと咲希は子ども好きです。
でも見た目のせいで子どもは誰も近寄らない。
なんと不憫なことか、泣ける!
最後に拍手返信ー。
※あまり見たことがない設定ですがなかなか良い感じだと思います
地上本部寄りのキャラクターとSSは見たこと無いので頑張って書いてみました。
技術部という部署も地味ですが、それっぽく魅せれるよう頑張ります。
※執筆ガンバって下さい。
応援ありがとうございます! 頑張ります!